別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

新記録14連勝バンデンハーク。負けるとすればロッテ戦?

 バンデンハークがデビュー以来無敗の十四連勝で堀内・郭の十三連勝を抜いて、NPB記録を打ち立てました。鷹ファンとしてはおめでたいこと限りない話ですが、手放しで喜べない事があります。それは当然メジャー移籍ですね。こんだけ活躍してしまうと当然、代理人が出てきて「ユーのピッチはグレイトだ。ミーに任せればメジャー球団からン億ドルのオファーを勝ち取れるYO」的な話が出てきてもおかしくありませんからね。

 メジャー云々の話は取っておくとして、まず最初に「もしバンデンが負けるとしたなら?どのチーム?」という話をば。新記録を達成した試合はロッテ戦だったわけですが、この試合を見ていて、ああ、もし負けるとしたならロッテ戦なんだろうなぁと感じました。

素晴らしいのは負けないこと

 バンデンが連勝し続けたとはいえ、素晴らしいのは「負けない」というところですね。連勝記録というよりも無敗・不敗記録というべきでしょう。去年は15試合で9勝。つまり6試合負けがつかなかった試合がある。今年は7試合で5勝ですから、14勝+計8試合負けない試合があったわけですね。

 同点のケースで行けば当然負けがつかない。勝ち負けつかずということになります。勝ち記録よりも負け記録というのはつきにくい。投げている間に相手チーム・投手にリードを与えなければいいわけですからね。まあ実際はそんな簡単に行かないわけですが、エース級のピッチャーであれば殆ど格下と対戦するわけで、そういう意味で勝ち切ることは難しくとも、負けないままゲームを進めていくことは十分可能という意味で、負けという記録はつきにくいということにしておきましょう(主観)。

 先発ピッチャーは勝ち星を積み重ねることよりも、いかに負けがつかないかが大事。貯金をいくつ作ってくれるかが大事だなんてよく言われますが、ゲームをきっちり作る=6回を投げきる。そして相手の投手よりも失点を抑えるというゲームメイク能力が問われるポジション・役割なわけですね、先発というのは。
 

バンデンハークはどんなピッチャー?

 バンデンハークは言わずともエース級の投手。真っ直ぐが早くてまずそれが打つことが難しい。先発でも150キロを当たり前のように投げる。にも関わらず制球が悪いというわけではない。アウトローにバンバン決めてくる。ファーボールを出して自滅するということもない。7試合で与四球6=一試合で一つ出すか出さないか。

 それでいて、決め球・カウント球としてスライダー・カーブ(ナックルカーブ)も一級品。また決め球として主に使うチェンジアップもまっすぐと区別がつきにくい。こうなればそりゃ打たれない、打ち崩しにくいに決まっている。

 唯一の弱点といえばクイックがあまりうまくなくて、走られやすいということくらい。まあそれでも走られて、それで連打で大量失点に繋がるというケースがないわけで崩せないことには変わらない。

 

負けるとしたら地方・アウェイのゲーム

 他に何か苦手なモノはあるかな?と調べてみたところ(※プロ野球ヌルデータ参考)、おそらく地方球場はあまり好きではない。ヤフオクドームは得意で去年6試合投げて5勝、42イニング失点10の自責9で防御率1.93、WHIPは0.79。今年は8イニングで1失点なので合計するとさらによくなりますね。まあこういう相性を考えてみれば、ホームで負けがつく確率は低いと考えていいでしょう。まずヤフドでは負けないと考えて良いのではないでしょうか?

 外国人投手だけでなく日本人投手でも地方の柔らかい&低いマウンドは苦手・やりにくいという投手がいるくらいですから。地方はやりづらいのも当然でしょう。去年ハムとの試合で、帯広で開催された地方ゲームで、猛風があって、ボールをコントロールするのに苦しんだというゲームが有りました。5回3失点でマウンドを降りていますね。こういう地方開催試合で負けが付く可能性がまずありますね。

 次にヤフドと環境が違うところといえば相手のホーム、京セラ・札幌ドーム・QVC・猫屋敷・Kスタ。京セラは2試合投げて無失点(南海フェアで京セラで楽天とやってるので、去年はオリと楽天相手に1試合ずつ投げていますね。)。京セラ投げにくいと嫌がるタイプもいるだけに、京セラが苦手では?という懸念がありましたが、一先ずそれはなさそうですね。今年はHR一発で2失点していますが。札幌は2試合で3失点、特に問題ない。QVCは去年清田に危険球で3回で降板してしまったので、3回1失点とデータ無しも同じですね。今年は7回1失点ときっちり抑えてくれました。実は過去の危険球のトラウマで乱れちゃうんじゃないかな?と心配していましたが、そんなこともなくきっちり勝ってくれて安心した試合でもありますね。4/19のロッテ戦は。しかしあのマリン風はたまに投げる投手にはやはり厳しい物がある気がしますね。ものすごい風の強い日に当たると…。
 

一番苦手な球場は西武プリンス

 球場別で言うとおそらく一番相性が悪いのが、猫屋敷2試合で11イニング、5失点(同自責)・四死球7。被安打9うちHR2。ファーボールは40イニング以上投げたヤフドでは0なのに、こっちで7というのを見ると明らかに投げづらいのでしょうね。去年もっともHRを打たれたチームは西武で3本。一応ファーボールでランナー溜めてしまって一発で3ランでそのまま敗戦というコースも考えられることは考えられますね。

 Kスタは去年6回3失点、今年8回3失点。まあ与四球がそんなに多いわけでもないので大丈夫だとは思いますが、若干過去2試合で3失点ずつというのが気になる所でしょうか。まあ、そんなところ見ると球場別で考えて負ける可能性が高いのは地方>西武プリンス>コボスタ宮城>QVC>札幌・京セラになるのでしょうかね。

 

バンデンハーク破りの本命はロッテ

 だったら、普通に猫屋敷の試合で負けがつくという予想をするのが良いのでは?と思われるでしょうが、それだと面白くないわけです。いちいち書くまでもないですしね。西武・楽天、今年バンデンからHR4本打ってる日ハム(西川・浅間・レアード2本)と予想するのが普通だと思われるかもしれませんが、この3チームは後ろ・リリーフが良くない。

 というか今年はどこもリリーフ陣が良くない状態です。ロッテがいい状況でしたが、クローザー西野がどうも持ちそうにない状態。9連勝をかけた5/12の試合でも西野からサヨナラ出来たなぁという試合でしたしね。①ロッテ、②ウチ(ホークス)の順で出来が良くて、あとはどこもリリーフがボロボロと見ていいでしょう。

 西武が毎年リリーフが良くないのは<俺達>という不名誉な称号を冠されていることからも明らかでしょう。楽天も毎年良くないですが、松井裕樹を酷使しすぎたツケか?クローザーが不在と言っていい状況、使えるのはミコライオくらいか?という不安定な状況です。オリはリリーフが良い時代もあったが、優勝争いの年に無茶苦茶な使い方をして崩壊して以来、再生出来ない状態。そして日ハムも長年の酷使のツケがたたって今年増井・宮西と後ろを締めていた投手が良くない状態。

 というか日ハムは毎年ウチに弱いんですよね。優勝した2012年も、ウチには負け越していたはずです。一番怖いチームは総合力で高いファイターズ。にも関わらず毎年そこまで脅威に感じないのは、毎年ウチに負け越すから。優勝争いしても直接対決で叩ける可能性が高いチームだからですね。気になって調べてきましたが、15年からの過去の対戦成績観ると、15-9、14-10、15-8(1)、13-9(2)、16-7(1)、10-14、12-11(1)、7-17、14-9(1)、8-12、15‐5(※NPB公式サイトより15‐06年で十分だったのに間違えて05年度まで見てしまいました。消すのもアレなので一応)。過去五年間勝ち越し、過去十年間で7回勝ち越している。2010年まではそうでもなかったのでしょうが、2011年以来毎年負け越しているわけで、彼らには対鷹コンプレックスが染み付いてしまっているわけですね。若い選手が多いチームだけに尚更ですね。

 色々理由はあるにせよ、最大の理由は日ハムはリリーフがウチに弱い。増井・宮西がウチに圧倒的に弱い。武田久がいた時は、彼は意外とウチに強くて、防御率が高い年、もう後ろを任せられないのでは?という時でも、ウチ相手にはなんだかんだ結構抑えていた事がありました。しかし他の投手で鷹打線を抑えられる投手はいませんでした。二人は他のチームに1点台の防御率でも、ウチになると5~6点台という年があったくらいですね。とにかくウチに弱くて、毎年日ハム相手にサヨナラ勝ちを3試合はしているイメージが有ります。

 それだけではなく、ウチは札幌ドームにも強い。何故か札幌ドームに相性が良くて、札幌ドームでウチ相手の試合がなかったシーズンがあったはずです(2・3試合くらいやっていたかもしれませんが、ファイターズ主催試合は地方でばかりゲームを組んで異常に制限されていた年がありました)。統一球で点が入らない・HRが出ないのに、札幌で確か五点差をひっくり返したゲームも有りましたね。

 5/3のゲームでバンデンが4点取られて、4‐0で8回に四点差で負けているのに、ノーアウト1・2塁で送りバントというセオリー外の選択をして逆転勝ちしたゲームが有りましたが、まあ二点とっておけば九回に追いつく可能性が大だよなという展開でしたからね。他ファンで驚いた人もいたようですが、毎年の日ハムとの戦い方、リリーフのウチへの弱さ・札幌での相性を考えると、特におかしい話ではないんですよね。

 バンデンの負けが消えたミラクルのゲームも、バンデン・神の子・不思議な子というよりも、むしろ「ああ、またか」という感じでしたからね。楽天相手に九回四点差追いついて最後にサヨナラしたゲームが有ったように、まあ試合の勝ち負けはおいといて、ロッテ以外の四チームはバンデンの負けが付いた状態でゲームを終わらせることが出来ないだろうと考えられるということですね。

 唯一それができるのがロッテなので、ロッテがバンデンの不敗神話を止める本命かなと見ていますね。直近の三連戦見ても、涌井・石川がゲームを作る。涌井は勝ち方を知っている。石川は2シーム・シンカーがいい(シンカーの投げ損ないなのかな?石川の2シームは?どうなのかな?ちゃんと狙って投げてるのかしら?)、大量失点がない投手。彼らが最少失点に抑えている間にデスパイネ・ナバーロ辺りに一発/長打でロースコアゲームでバンデンに負けをつける展開が一番ありえるのかなという予想ですね。
 

次の北九州、交流戦の神宮で!?

 まあ、まだバンデンは一年ローテ守ったことがないのでね。去年は15試合で春先を投げていない。春先は良くないという投手もいるので、春を投げて夏ちょっと前の寒いのか暖かいのかよくわからない季節でバランスを崩して制球がつかなくて負けということもありえますね。札幌は飛びやすいといえ明らかに球浮いていましたからね。いつものバンデンと思えない内容でした。また2年目ということで、相手打線の球筋への慣れも当然ありますしね。

 予想した対ロッテ戦は27日~QVCでありますが、そこにバンデンは投げる予定ではないので、しばらくロッテとあたって負けるというリスクは考えづらいですね。交流戦後のロッテ戦もローテ再編で多分当たらないでしょうし。

 地方というと、鷹に相性が悪い北九州に登板予定ですね、VSハムですが。立ち上がりが最近良くない。浅間・モレルに初回被弾のように、苦手地方で立ち上がりに打ち込まれて…というシナリオが考えられてしまいますね…。5/24は、ヤフドなのでよしとして、31からは交流戦が始まります。知らない相手、セ相手に足を掬われるという可能性も勿論ありますね。普段対戦しない分ノウハウがないですからね。まあ初見という意味では投手サイドの方が有利なんでしょうけど。

 31は中日でヤフド、その次もヤフドなので大丈夫として、6/7の神宮でのヤクルトというのが北九州の次の鬼門というところでしょうか?そのあとは交流戦終わりでローテ再編なので予想ができません。

 メジャー移籍云々の話書こうと思いましたが、長くなったので分割します。また次回→

*1