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【比嘉大吾体重超過事件】 比嘉非難という暴論への反論と具志堅会長はプロモート業にふさわしくない狂人・「素人」であるという話

 前回*1具志堅氏の異常性について触れ忘れていた点、そもそも危険な試合をやってはいけなかったこと。試合後の放言、無責任きわまりない発言―の2点について書き忘れていたのですが、中途半端な長さで文章が終わったので、追記すると分割しなくちゃいけないので放置してました。キリよく分割できそうにないのでね。また正式な処分が出たらそれについても触れるつもりでしたし、それ書く時に構成含めて書く内容考えようかなと。今回の分を書き終わったら再編集し直すかもしれませんし。まあ、めんどくさくて多分放置するでしょうが。

■試合のできるコンディションでないのならば、そもそも試合をしてはいけなかったし、するメリットもなかった
 タイトル通り、個人的にまさかの意外な処分だったので今回はJBCの意外な処分内容についての話をしたいと思います。―と思っていたら。これだけでも尺が足りずに分割することにしました。本当はこの記事のタイトルは「無期限資格停止処分だと!ふざけるなJBC…ってあれ?JBCがまともだと…!?」になるはずでした。JBCの処分が実は結構まともで妥当という話は次に回します。まずは、前回の復習・具志堅氏の異常性・問題から。

比嘉大吾はまともに試合をできる状態ではなかった
 前回、誤読して解釈を謝ってしまった本郷陽一氏の別の文章です*2“棄権”負け比嘉は当日計量後に体調が急変。試合は中止にすべきだった?! | THE PAGE(ザ・ページ)―こちらからまた問題部分を引用します。
 <引用>「都内から横浜アリーナまで移動する長時間の車中で比嘉の体調が急変した。吐き気と体調不良を訴え、会場に到着して控え室に入るなりソファに横になったという。
 まったく動くことができずウォーミングアップにも入れない状況になった。昨年10月のV1戦前には計量後すぐに大量の食事を摂ったため、嘔吐して失神した。その反省を受けて計量後は時間をかけて水分、食事を取るように改善したらしいが、また、その時に似た症状に襲われたのかもしれない。ドクターチェックが行われ再度、試合の中止が検討され、ドタバタと関係者が走り回っていた。」
<引用終わり>
 そういうコンディションであったにもかかわらず、具志堅会長は、ストップを掛けるのではなく比嘉をリングに上げました!その理由はなんと本人が希望したから…。ここでポイントになるのは山中タオル事件で書いた通り、トレーナーの判断。しかしそのトレーナーの話が具志堅会長の口からは一ミリたりとも出てこない。トレーナーの判断をそもそも尊重するという姿勢がない。だから初めから野木トレーナーに相談や意見を聞くことすらしていないんでしょうね、言語道断というかもう呆れて言葉も出ないですね…。

●具志堅会長同様の思考をする、比嘉を非難する無知な狂人達
 ここで一旦、具志堅氏の異常性への指摘から離れて今回の件で比嘉を非難する意見があったのでそれについて反論を書いておこうと思います。こういう具志堅氏のような発想をする手合いは結構いるようで、比嘉選手が体重を作ってこれなかったこと=減量失敗について、プロ失格のようなコメントをする手合いをいくつか見ました。が、2ヶ月で12kg落とすなんて普通出来るわけ無いでしょうに*3。これまで減量経験がなく肉体的・精神的ダメージがないというのならばともかく、これまでにかかったプレッシャー・繰り返し行われてきた減量による肉体へのダメージを考えればなおさら。敵との戦いよりもむしろ減量のほうが彼にとってはきつかった。最大の敵であったと見做すべきでしょう。
 そもそも10kgも体重を落として試合をする時点で、水分をギリギリまで絞りだしてますから試合当日には水分だけでも簡単に4kgはリカバリーしてしまうもの*4。そして試合を終えた時点で2ヶ月後の試合が決まっているはずもないので、いつもと同じように食事をするに決まっている。そうすると短期間でもリカバリーは激しいし、試合後に+4kgは戻るものと考えるべき。そして今回の試合を決めた時点ではもう元に戻っていたとしてもなんらおかしくない話でしょう。一週間で元に戻るとは思わなかったなんて馬鹿なこと言ってますが、試合を決める前になぜ現在の体重を測っておいて、本人の体重を含めた健康状態・意志をトレーナーも交えて確認しておかなかったのか。独断で誰が見てもキツイと思われる日程で試合をスケジューリングした。この愚挙を見るにこの時点で最早失敗は約束された未来だったということでしょう。
 過酷な減量をすればするほどリバウンド度合いというのは高まっていくもの。まして肉体的な成長が続いている比嘉ならばなおさら過酷な環境に適応しようとして、身体は栄養を一気に貯め込むようになっていても何の違和感もないこと。今の比嘉の肉体・精神面はどうなっているか、医者や研究機関に所属する運動・アスリート研究の専門家に相談して短期間で試合をこなせるのか。またフライ級でやり続けることが可能なのか、そういう判断を専門家に仰ぐべきだった。当たり前にやるべきことを具志堅氏は何一つやっていない。個人的な発想・感覚ばかりで、他者の専門家の話が何一つ出てこない。この時点で指導者として失格の烙印を押されるべきものでしょう。

●筋違いな比嘉批判①―食べてはいけないものを食べた本人が悪い
 また、ジャンクフード好きだとか、お菓子が好きだとかそういう事を以ってしてプロ失格だといういう指摘もありましたが、これも筋違いでしょう。野木氏が「理想的な食生活を送っても、骨格・体格からもう限界が来ていた」と主張していたこともありましたが、その野木氏の言を待つまでもなく、食事は彼にとって大事なストレス発散法だったと見做すべきだからです。
 過酷な減量が常態化している選手。特に彼は「フライ級は今回が最後だ」と自分に言い聞かせることで自我を保っていた、健康面で明らかに変調をきたす症状を見せていた。死を予感してパニック症候群になった。であるならば、キツイ減量・試合から解放されたら、そのストレスを発散するために好物を摂取するのは当然でしょう。減量後に食べる好物が得も言われぬ美味さであり、天にも昇るような快感であるというボクサーは珍しくないわけです。壊れてもおかしくない精神を守るために、抑圧から解き放たれて好きなことをする・好きなものを思いっきり食べるのは当たり前でしょう。それを本人の自覚が足りない・ボクサーとして失格だなんて言うのは一体おまえは何様のつもりなんだとその人間の神経を疑います。およそ正常な人間の思考ではないでしょう。
 ストレスを発散しなければ、次の過酷な減量に耐えられない・自我を保てない。そういう厳しい環境に常に身をおいている比嘉の失敗を一体誰が責めることができようか。いやできない(反語)。比嘉くらい追い詰められた環境で必至に努力している人間ならばまだわかりますが、それでもそういう高みで努力をするような人間は失敗した人間にムチを打つようなことは言わないでしょう、普通は。
 ダイエットを失敗して、リバウンドするという現象は広く知られていますが、抑圧の反動で食べすぎてしまう&身体がエネルギーを溜め込んでしまうようになっているから起こるわけですね。減量・食事制限によるストレスとその発散がどういうものかこれだけでもわかるもの。それはそれとして、過酷な減量で肉体・精神をすり減らした彼の救いが試合後の好物を思いっきり食べること。そこで心身をリフレッシュしてまた次の試合に望むというサイクルが本人に出来上がっていたはずです。「短期間ですぐ次の試合なのだから好物を食うなよ、我慢しろ」なんていうのは、本人ならともかく他者が軽はずみに言って良いことではない。死ぬ寸前まで追い詰められてギリギリまで張り詰められた緊張の糸をほぐすことをしなかったらどうなるのか?前回は期間を十分にとっても、パニック症候群のような状態になったのですから。今度は最悪発狂状態・錯乱してしまうようなことになってしまうと容易に想像がつくではないですか。人を一体何だと思っているのか。具志堅もそういう意見をするものもふざけるなと言いたいですね。もう、ふんづけてやる!です。前述通り、過度な禁欲を強いられていた比嘉はストレス発散方法が他になかった、ボクシングマシーン状態*5。こんな環境にあった彼を責めて、非常識で劣悪な環境に追いやった具志堅を責めないなんてどうかしているとしか思えません。

●筋違いな比嘉批判②―「減量失敗はプロとして失格」(By内山高志)は比嘉には当てはまらない
 また、内山高志が減量失敗は完全に本人のミスであり、プロ失格という発言をしていたことを以って、比嘉はプロ失格だという馬鹿丸出しの事を言っている人も見ました。言及するのも馬鹿らしいのですが、己の尊敬する最高のボクサーをこんな事に巻き込まないでください。いい迷惑です。
 前述通り決定権・選択権のない比嘉は被害者であること、自分で選べない環境に置かれた比嘉の責任を指摘することは暴挙であるということの他に、そもそも二人はSフェザー級とフライ級と階級が違います。そして内山は減量をあまりしないボクサーなんです。あの内山でさえ、会長が無茶な要求をして本来自分の階級でない試合を強要されることはなかったんです。確かいつも4kgくらいしか落とさないので、減量苦というのは殆どなかったはずです*6。だからこそ安定した試合をこなすことが出来た絶対王者・ボクサーだったんです。そういう環境にあった内山のセリフを比嘉に適用するなんてナンセンス極まりないでしょう。
 4kgというのは最もフェアであるIBFの計量後の体重増は4kgまでというルールにピタリとハマる値であり、まさに自身の適性階級で試合をしていたと言えるでしょう。日頃の節制と鍛錬の成果ということでもありますが、本来の適性階級で試合をしていた内山と10kg以上毎回体重を落として階級をあげることを懇願していた比嘉とはケースがまるで違う。そんな両者を並べて論じることに一体何の意味があるのか。論ずるをまたないことでしょう。上の階級であればあるほど減量のリスクは比較的小さくなっていくもの。本来ヘビー級の100kg超の人間が10kg落としてクルーザー級に落とすことはキツイことに違いがないとは言え、それこそその半分くらいのリミット50kgのフライ級の人間が60kgから10kg落とすこととは話が違うわけです。身体が小さい人間が大きい人間と比べて体重を落とすことがどれだけキツくまた失敗しやすいかを考えれば、比嘉を簡単に責めることが出来るでしょうか?リスクが高く肉体的にも精神的にもキツイことを強要されたことに同情するのではなく、またそんな無茶な減量をそもそもさせるな!というのでもなく、落として当たり前という前提で話を進める手合いが信じられません。表面上の内山の言葉をかいつまんでドヤるような輩とは永遠に話が合わないでしょうね。

●選手を最高の状態でリングにあげるのがセコンドの仕事。セコンドとしての仕事放棄、選手のサポート失敗という大失態
 具志堅談話に話を戻します。ここからは部分要約して引用します。
 <引用>「公開スパーのときにまずいと思った。動きは良かったが、ウエイトが5、6キロ?オーバーしていた。でも選手・トレーナーのことを信じていた。
 転級のタイミングを見誤ったのではないかという質問に対し、「確かに厳しかったが、倒すのが早かったのであまり減量をしなくて済むと思った。でも体重が戻っていたので、それを落とすには時間と余裕が必要だった。でもフライ級ではできたと思う。それよりも最大の原因は期間。2か月ちょっとは今の若い子には無理。」<引用ここまで>
 後述(次回)しますが、氏は比嘉が体重を戻したことに言及して暗にそれが問題だと間接的に比嘉を責めています。自分の責任と言っておきながら、結局暗に比嘉に責任がある・体調管理ミスだと指摘するようなことを言っています。ハッキリ言って試合をプロモートするジム会長として論外でしょう。こういう発言、考え方をするというのは。
 「選手を信用していた」とありましたが、そういうのを「信用している」とは言わないんです。自分に都合のいいようにきれいな言葉を使わないでください。「どんな無茶な要求をしても、自分自身が仕事をしなくても自分の都合のいいように結果を出してくれる」と思っていたでしょう。トレーナーと選手は、もう無理ですと言っていたのに、話も聞かずにフライ級指令を押し付けて、その要求に応えてくれると思っていたなんて、どこのブラック企業なんですか?初めから無茶なノルマを設けて現場に押し付けておいて「信頼している」って無能極まりないでしょう。パワハラ丸出しですね。
 それこそ比嘉の減量状態について逐一記録して、このペースならこれ位の期間・階級で出来る。あるいはここが限界ラインでこれ以上は無理。本人の精神的負担を考えて、肉体負担の許容範囲内だが止めるべきだとか、普通陣営が考慮して然るべき視点・要素が全く出て来ていない。陣営・セコンドが選手のケアをするという思想がまったく見られない。これはもう陣営とすら呼べない。セコンドポストについているお人形さんレベルでしょう。いや、まとわりついている妖怪というべきか…。ボクシングにおけるセコンドという役割を理解していない・無視していると言っても言い過ぎではないでしょう
 修羅の門だったか、はじめの一歩だったか?「選手を万全の状態でリングにあげることが出来ないなんて、あんたはセコンド失格だな」と言うセリフがあったと思いますが、それがピタリと当てはまりますね。
 選手を支援・サポートするはずのセコンドが、敵となって選手の足を引っ張っている。こんな状態・環境ではいつ比嘉が敗北・失敗してもおかしくなかったと言えるでしょう。そして今回の事件でとうとうついにその狂った性質が露呈された、表面化したということですね。

「素人」がジム会長になれてしまう指導者ライセンス制度の欠如がもたらした必然的な不祥事
 また、恐るべきことに「今の若い子には無理」という無責任な発言をしています。今の若い子ってなんですか?古い子はどこにおられるのですか?今のボクシングをやっているのは古いお子様、大きな古いお友達なのですか?今ボクシングをしているのは若い子・比嘉選手じゃないですか。昔のボクシングから今のボクシングに、時代に伴って当然いろんなものが変わって、今のようなセオリー・価値観が形成されている。では、どうして現在このようなセオリーになっているのか、何故正確に把握していないのですか?そのセオリーが比嘉に限っては当てはまらないというのならば、その根拠は一体何だったのですか? 
 現代のボクシングセオリー・理論に熟知していないのならば、そもそも口を挟んではいけない。選手としては偉大な実績を残したボクサーだったかもしれませんが、選手を育てる指導者としては「素人」なんですね、つまるところは。「素人」が余計な口を挟んではいけない。専門家・プロであるコーチやトレーナーに任せるべき。専門スタッフはおそらく野木トレーナー以外ろくな専門家がいないんでしょう。だからこそジムを開設して世界チャンピオンが今まで一人も出てこなかったんだろうなぁと変な角度から納得、腑に落ちてしまいました。野球界もそうですけど、やはりサッカーのように指導者としてのライセンス制度を導入すべきでしょうね。偉大な選手をそのまま指導者にしてしまう、なれてしまうという歪な構造がもたらした不祥事といえるでしょうね、今回の事件は。
 今回のJBCの処分では具志堅氏の追放処分に加えて再発防止のための指導者ライセンス制度の導入が盛り込まれていません。そういう点では言うまでもなくまだまだボクシング界は前近代的な組織のままで変わることはないでしょうね。今回のような味方であるはずのジム会長が選手を殺すようなことをする悲劇はもう二度と見たくないので出来ればいち早くプロ資格を持つ
トレーナー・セコンドなどの雇用を義務付ける、選手が不利益を被ることがないシステムづくりを進めて欲しいですね*7

■危険な状態の選手をリングにあげる暴挙、これでもボクシング界から追放されないの?
 また、2、3ラウンドですぐに止める予定でいて、本人にもそう言ってあった。ラウンド毎に「ダメならダメと伝えろ」と言ったと。
 あのですね、選手は責任感からどんなに状態が悪くても絶対やると言うに決まっているんです。選手がやりたいと言っても、止めるのが当たり前なんです*8。試合をできるコンディションじゃないボクサーになんで試合をさせたのか?これがまるで理解できない。
 本人が投げたいと言ったから、いけるというから投げさせたというバカな投手コーチ・監督を連想しますよね。いけるかと言われていけませんというピッチャーはまずいない。投手という生き物は投げたいと思うに決まっている。頼りにされたらその期待に応えたいと責任感から無理するに決まっている。その投げたいという投手本能を抑えて、休ませてうまくリリーフをやりくりするのがお前たちの仕事だろうが、バカ佐藤義・バカ工藤(自主規制)。
 テレビ局も同じ。ウチが無理して試合をやってくれとお願いすることはない。JBCやジムに一切の判断をおまかせするという事を言ってましたが、極力中止を要請する以外ありえない。テレビ局とジムの力関係を考えれば、ジム会長や選手は「ここで試合をキャンセルすれば次の試合で放送してくれなくなるかもしれない…。絶対穴を開けられない!」と考えるものなのですから積極的にストップを掛けないといけない(これは前回の山中戦を放映した日本テレビも同様ですね)。
 「ウチとしてはどんな損失であっても、選手の健康・身体・生命には代えられない。万全の状態でないなら止めてくれ!試合をされたらウチが世間から叩かれてしまうんです。逆に困るんです!」と強くストップを掛けなければいけない。格闘技イベント・興行というのはテレビ局に強く依存している。テレビ局との関係を絶たれて崩壊したPRIDE然り、テレビ局の怒りを買うようなことを出来る格闘技イベント関係者はまずいないでしょう。
 前回書いた通りフジテレビはよくよく反省しなければならない失態と言えるでしょう。問題が起こった際強い力を持つ方、強い影響力を行使できるサイドは、決定権を持っているも同じなのですから、その点よくよく考えないといけないのです。しかし日本テレビだろうと、TBSだろうと、フジテレビだろうとこの点を理解しないしこういう責任ある行動を取らないでしょうね…。テレビ局とは、そういう風におまかせしていますで責任逃れをする体質がありますから*9。今回はここまで、JBCの処分が意外とまともという話に続きます。

アイキャッチ用画像

*1:前回の記事はこちらです

*2:前回は誤読して比嘉に責任がある派の文章と勘違いしていました。失礼しました

*3:残り900gだからもうちょっとうまくいけば、余計なもの食べなければと思う人もいるかも知れませんがそれは誤りです。仮に900g落としていても一緒です。試合が出来るコンディションじゃなかったら一緒。問題の本質は落とせなかったことではなく、試合ができないコンディションだったこと、及びそのような無茶なスケジューリングと階級を強要され続けたことですから

*4:普通は食事も摂らなくてはならないので水分を過剰に摂らないのでしょうが。まあ、でも10kg落として翌日には10kg戻すというボクサーもいるのでケースバイケースでしょう

*5:具志堅用高、愛弟子の世界チャンプ・比嘉大吾に“3つの掟” ボクシング界も恋愛禁止?(2017年12月31日)|ウーマンエキサイト 女遊び禁止、夜遊び禁止、特定の食事禁止・制限…。一体どこのプロテスタンティズムの精神なんだと言いたくなるような禁欲の嵐。さらにその抑圧からくるストレス・負担をカバーする工夫・努力もない。選手として比嘉は追い詰められる一方という環境にあったわけですね…。そりゃいつかはパンクする失敗して当然ですね。普通こんなキッチキチの奴隷労働のような環境に置かないでしょう。現役時代自分がそうだったからという理由で完全強制しているんでしょうかねぇ…。おそらくスーパーチャンピオンだった自分はこうだった。だからお前も当然俺と同じようにこうしろ。もしくは他のボクサーならともかく俺と同じスーパーチャンピオンである比嘉なら出来る。だから比嘉は禁欲生活も過酷な減量もこなせるものという考えなんでしょうね。何れにせよ体験論・経験論ばかりで指導者にはふさわしくないという結論に違いはありませんが

*6:気になってググったら5kg・6kgと試合毎にまちまちでした。キャリアの後半は肉体改造をしていて筋肉量も増えてフィジカル的に強くなっていきましたが、その頃の話だったかな?

*7:ちなみに亀田ジムのお取り潰しで話題になったように、ジムライセンス制度というのはあります。当然指導者やプロモーターとしての資格が備わっているかどうかということとは無縁ですね

*8:※追記―後から気づいたので追記します。本郷氏の文中で比嘉の苦境を知っている観客は精一杯の応援をしていたというような話がありましたが、そうでしたね。比嘉の応援団が沖縄から来ていたわけですね、そしてその応援してくれているファンのために彼は試合に出ない・止めるなんていう選択肢は初めからなかったわけですね。ボクシングはチケット手売り制(ファイトマネーが直接支払われるのではなく試合のチケットが渡される。売れなければ当然給与ゼロ)というわけのわからない制度を採用しているので、払い戻し・試合のキャンセルをすることがほぼ実現不可能な状態になっているわけですね…。世界チャンピオン&スーパースタークラスでも手売りをしているかどうかわかりませんが、ここまで来たら一生比嘉の応援をしようという私設応援団があって当たり前。そしてわざわざ沖縄から足を運んできてくれて、デビューしてまともに食えない頃からずっと自分を応援してくれて支えてきてくれた支援者が一人でもいたら、試合をキャンセルするボクサーなんてまずいないですよね…。そういう背景を知ると絶対キャンセルできない環境下において減量失敗があり得る状況に追い込んだ責任者への怒りが倍増しますね

*9:そう言えば危険な状態で試合をした宮崎選手は井岡とW世界戦かなんかで、TBSだったと記憶しています。日テレ・TBS・フジテレビと3つのテレビ局が見事に危険な行為をしでかしたわけですね。このリスク・異常さに気づいて、真っ当な対応をするテレビ局が今後出てくるでしょうか…?個人的にはどこも国やJBCの新ルールがなければやらないと思いますが、もしテレビ局独自で防止策の・ようなものを講じて選手を守る動きを撮ったのなら大いに褒めようと思います。まあ己が褒めたからなんだって話ですが