別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

千賀の打たれるパターンの話

大した話ではありませんが、千賀が打たれる際、傾向があることに気づきましたので、そんな話を。前回まとめて書こうと思いましたが、話がブレるのとあんまり長くするのもアレかなと思いましたのでわけました。

 

千賀が打たれるときは、1・2球目がポイント

 本題です。千賀はどういう時に打たれるのか?5/7日の楽天戦の配球を一球速報でチェックしていたら、1・2球目にボールが抜けた時に打たれる傾向があることに気が付きました。

 勿論、コースを間違える。逆に行ってしまうという失投もあるわけですが、千賀の場合、スライダーにせよ、フォークにせよ、まっすぐにせよ高めにスッポ抜けるという失投が多い。左バッターのアウトローに要求したものが抜けてアウトハイに決まることもありますが、そこからさらに高く抜ける&外にも外れるという何の意味もないボールがあります。

 1・2球目にその高めのボールが来た場合、その打席ではほぼ確実に打たれる。もしくはファーボールを出すという傾向がある。昨日の試合を見てこういう傾向に気付きました。ヒットを打たれたケースは、確か1つ例外があったかもしれませんが、まず殆どそのパターンになっていました。ホームランの時は言うまでもないですね。

 当然、1・2球目にボールが高めに抜けてしまったケースでも、抑えるケースはあります。ポイントは千賀の打たれる時、ランナーを出してしまう時というのは、早い段階で高めに浮いて抜けた時だということ。という傾向がある以上相手チームに、一つの指標を設けられてしまうでしょうね。

 千賀を相手にするチームは、「初球・二球目に抜けたらチャンスだ!逆に初球・二球がストライク・ボール関係なく、完璧に要求通りに決まった場合はノーチャンス。もう徹底的に粘れ!」とまあ、そんな指示を出して攻略するということが考えられますね。

 普通は、そんな適当な対策だったら、千賀がいい場合には、全部完璧にいったら何にもならないじゃないか!いい加減にしろ!となる話ですが、千賀は必ずどこかで乱れる先発経験の浅い投手。引き出しが少ない投手なので、そういった心配をする必要がまだないと思います。まだ先発した千賀が、今日は完璧でどうしようもなかった日だったなぁという試合は一試合も見たことありませんからね。

 まあ、この前の楽天戦を見て気づいた=データが1試合しかないので、まだ断言はできないのですけどね。たまたまこの日がそうだっただけかもしれませんし、楽天打線が千賀に相性が悪くて、その場合しか出塁できなかったという可能性もあるので。次、その次の違うチーム相手にどうだったかを見て最終的な結論を出したいと思います。

 

千賀のデータから千賀の投球目的を考える

 千賀は5/8日現在、防御率2.86、6試合(完投1)、3勝0敗、44回、被安打31、被本塁打6、奪三振40、与四球12、与死球1、暴投3、ボーク1、失点(=自責)14。(スポナビの個人成績より引用) ウチの投手陣は被本塁打が多い。バンデン・千賀・和田とトップ3がウチの投手陣です。それぞれ6試合で6被本塁打なので、1試合1本打たれている計算になりますね。まあバンデンの場合この前の札幌で3被弾。それ以外はあまり一発を喰らわないタイプに見えますが。千賀はノーコンで、テラスを設置したホークスだけに被本塁打が多いのはやむなしか?

 被安打31はトップテンを見ても上位・平均よりかなり少ない。まあ7試合先発している投手が何人かいるので、次の登板で打たれれば、また変わってくるかもしれませんが。速球派だけに被安打が少ない。

 速球派投手といえばコントロールがアバウトなために、四死球を出すイメージが有りますが、一試合平均2つしか出していない。西武戦で完投のために9回投げて5四球出したことを考えると、もっと平均は少なくなると考えて良いかもしれません。完投した西武戦は地方でしたしね。奪三振ランキングでは3位ですが、大谷・則本と比較すると平均8つ三振を取ってる二人に対し、千賀は平均7つにちょっと行かない。三振をバッタバッタと取るイメージからすると意外ですね。50イニングを投げて、ファーボールが17・19という大谷・則本のそれと比較しても、千賀はファーボールが速球派Pとしては相対的に少ない方なんですね。速球派投手でありながら、相対的に三振・ファーボールが少ないというのは意外でしたね。

 4/6のロッテ、4/13の完投した西武以外は三振が少ない。4/23の日ハム戦が7つで、後は全部4つ。多い日と少ない日がはっきりしていますね。県営大宮以外全てヤフドですから、本人の状態がたまたまそういう日で、日によって三振取れる・取れないが変わるのか?相手打線の対策の違いによるものなのか?どうなのか?

 おそらく千賀はコントロールがまだまだアバウトで、カウント球に困るタイプ。困ったらアウトローのように、困ったときに確実にストライクを取るボールがない。故に初球・2球目にスッポ抜けると動揺するんでしょうね。たまたまスライダーが抜けて高めに入って1S-0Bという有利なカウントでも、「しまった!抜けた!低く制球しないと!」という意識になる、慌てる。結果、カウントを悪くすることになり、カウントを取りに行って打たれる・自滅する。もしくは次のボールはしっかり投げないといけない!となって甘く入って痛打されてしまう。ロッテ戦でファーボール直後の初球をHRされたのもまさにその心理ですからね。初球・二球目で浮いたら制球を意識してその打席の投球はダメになってしまうということだと思います。

 

千賀の心理を考える&組むキャッチャーは誰が良い?

 意外にファーボール・三振が少ない。そして被本塁打が多いという結果から考えると、先発転向で成功するためにはファーボールを出さないこと・制球が大事だと言われているんでしょうね。

 短いイニングならとにかく投げとけば抑えられましたが、長いイニング投げるとなると、どこかで一回捕まって3~4点取られたらもうそれでダメですからね。連打をもらうことはない投手にせよ、ファーボールでランナーを貯めてしまえばわからない。ファーボールを絶対に出さないということを優先した結果、カウントに困ったときに置きに行って痛打される。また抜け球を仕留められる・HRにされる。今年の千賀はまあそういうことなのではないかと見ています。

 ゲームを作るために、ゲームを壊さずに安定してイニングを消化するために、ファーボールを出さない事を心がけている。故に思ったより三振も増えない。カウントを整えることを重視するから甘く入ってHRも打たれる。ファーボールを出した後ナーバスになりますからね、千賀は。

 経験が絶対的に足りないので、今後もこういう展開は増えるでしょう。ここはゾーンを広く使って、仮にボール判定されて歩かせても次のバッターを絶対抑えられる=四球出さないという投手ではないですからね。なので貯金を作って、一年間ローテを守ってくれて、150~160イニング食ってくれたら、上出来くらいに考えるべきでしょうね。去年の武田のように。

 逆に言うと、千賀の状態や成長を計るためにはカウントを悪くした時に、完璧な外スラを決める・アウトローをズバッと決めるかどうか(別に他の球でも構いませんが)。初球・二球目に抜けてしまった時でも、相手バッターを見事に処理出来るかどうか。ファーボール出した次のバッターをきっちり打ち取ることが出来るかどうかというところですね。千賀を見るときにそこをポイントにして観ると、より観戦の面白さが増すかと思います。

 まあ、そういうタイプのピッチャーに思えるので、やはりベテランキャッチャーと組ませるのが一番いいんでしょうね。そろそろ1回くらいあやつぐと組むのが見たいのですが。千賀はカーブ使えるので(しかも結構良いカーブを持ってます)、困ったときにカウントを作れるカーブを要求できる細川と組ませるのが一番いいんでしょうけど、今はいませんからね。*1

 高谷も鶴岡も暴投3という数字を見てわかるように、千賀のフォークボールを完全に抑えられないんですよね。昨日鶴岡が逸らしましたが、早い段階で逆行ったフォークをキャッチャーが逸らしてしまうとピッチャーがナーバスになってしまうので、アレまずいなぁと思いましたね。フォークを叩きつけても身体で止めて欲しいところなんですよね。捕るの難しい球なんですけどね。

 高谷は座るときに、一回中腰になって座り直すというスタイルなので、股の間を抜かれがちなんですよね。俗にいう「出産」(亀を模した言葉ですね)が高谷には目立つんですよね(勿論、股下が空く代わりに広くボールを左右に拾えるということだと思うのですが) 山崎みたいなキャッチングがうまいキャッチャーがいれば良いんでしょうけどね。新垣の荒れ球を抑えていたくらいですし。まあ、あやつぐにパンを見習ってもらってキャッチングの練習に励んで、「キャッチングがうまいから千賀の日はあやつぐ」ってなってもらうしかないのでしょうかね?微妙にミットが流れるのが気になるんですよね。あやつぐのキャッチングは…。

短くなるはずが意外に長くなった(^ ^;)。

*1:カーブじゃなくて、スライダー気味のスラーブと言われるボールかもしれません。千賀は縦スラとフォークと落ちるボールを2つ持っていて、普通のスライダーはカットみたいな軌道ではなくスラーブで投げるのかも?ちょっと良くわからないので自信がないので注にしておきます