別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

【雑誌】 月刊 秘伝 2014年 04月号

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月刊 秘伝 2014年 04月号 [雑誌]

月刊 秘伝 2014年 04月号 [雑誌]

 

 読んだ感想。外国人武道家特集。戸田派武甲流って外国人師範が多いんですね。いつか日本人宗家に伝えるために宗家代理をやっているとか、日本のこころを伝えようと外国の人が研鑽している。グッとくる話ですね。

 武道を学びに来たドン・ドレーガーというパイオニアがいるとか。有名な話なんですかね。あと宗家を名乗りたがる宗家病があるというのも、いつもの話ですね。


 ○グレイシー柔術にインスパイアされた 体幹(コア)トレーニングトレーニング、田中満氏。人間は赤ちゃんの時泣くことでインナーマッスルが発達すると。へぇ、じゃあ年取ったオッサン・ジジイでも声を上げて泣くという行為はインナーマッスルを鍛えるのに有効だったりするんでしょうかね?ちゃんとインナーができていないと、アウターマッスルに頼ってしまいバランスが崩れるとか、バランスボールの上でも片手・片足で姿勢を維持できなければ出来ていると言えないとか、結構興味深い話ですね。あと普通に座ってる時に、無理に足を立てていくのではなく、後方に足を抜いて、同時に手をついて立ち上がるという動作にほうとなりましたね。そうか、そういう立ち上がり方もあるのかと。そういえば居合の剣の抜き方って左足を後方に抜く必要があるのかな?なんてこのあとの黒田氏の写真見て思った。

 ○無想会新垣さん、筋を抜く。両拳を耳から前に突き出す。山なりにならず、スピードを付けない。脱力させる。肘が円弧を描く等速度。次に、腕ではなく広背筋で突く使い方を覚えるために、両肘をくっつけて掌底突きをする話。なるほどおもいっきり前傾はしますが、確かに背中が動くのがわかりますね。なんか前にこんな話した記憶もあるけど。壁に半身をつけて蹴り。蹴り終わりのあと膝上げのママ、止めることが出来ないといけないってのはどうしてなんだろ?太腿、四頭筋の緊張につながりやすいのであんまり良くないのでは?と個人的には思った。沖縄から米に渡って米のほうが古流の空手がそのまま引き継がれているとか、どういう方が渡米したんでしょうね。また駐留軍人が学んで持ち帰っているケースもあると、へぇ。

漢語由流体操「腰仙揉溶法2」
 拘束腰が発展していくと、拘束側腰・拘束外腿・拘束外足と足の外側全体が固まっていくと。身体意識が骨化する。骨と認識して足を使うようになると。ハムストリングス腸腰筋が使えないし、外側に意識があると出力=動作が読まれやすい。外側の筋肉を使うということは、まっすぐ進めずにクロスするエネルギーになるから、斜めに無駄なルートをたどって進む。斜めだから当然前進できないのを、反対側の外の斜めの力で調整する。斜め×斜めでジグザグに前に向かおうという調整をすることになると。
 拘束腰は腰椎・仙椎神経を圧迫し、足のパフォーマンスを低下させる。仙骨・腰椎の前湾・拘縮は前腿の緊張をもたらし、常に前に傾くわけで脳に水平を保つためのストレスが掛かる。
前腿が拘束すれば、更に脳へのストレスはひどくなる。拘束前腿の前方力を前進力だと勘違いして、鍛えるトレーニング方が80年代に流行り、いち早くそれに警鐘を鳴らしてきたが、それが常識になったのは21世紀からと。仙骨が自由に動かないと、仙骨にめぐる脳・脊髄液の循環が滞る。脳神経系全体の動きが鈍ってしまうと。
 何より大事なセンターの意識形成を阻害する。外側の拘束の意識は、身体意識を形成する全体のリソースを無駄に消耗させる。人がその時点で持てる身体意識の総量は決まっているから、外側に拘束が出来るとセンターへの意識形成が二重の意味で阻害されると。拘束・拘縮は典型的な加齢現象で、その代表が腰だと。

 ○八光流。痛みで相手を屈服させる。力を入れるから痛い。本が出てるんですね。*2

 ○鼎談 小口昭宣×平直行×島津兼治―導引、流行りのPNFとは違う。まあでも文章だけじゃわからないですね、映像とかみたいですね。気持ちよくなるならやってもらいたいですね。


武術極意の深ぁ~い話「必殺の一撃」(其の壱)

 近藤さん、動物園から逃げたホモのゴリラに強姦とか、なんだそのフレーズは(^ ^;)本当センスがスゴイなぁ。以前打倒で30分も40分も人が意識が戻らず焦ったというエピソードが有りますね。潜在能力を発揮させない稽古は無意味。人間は脳が一瞬睡る生き物。断片的な眠りをしている時に打つと大怪我は必定。

 路上の想定で腹筋を靴で蹴った(路上で素足はないから)。鍛えられていた人はもちろん、そうでない人でも痛みは感じるがKOには到底至らない。肋骨を直接狙うなら話は別だが。急所水月には動脈があり、刃物1センチでも届く。ここを切られれば大量出血で死に至る。水月・心臓をある角度で叩くと心臓を数秒停止させられると。

 必殺仕事人が盆の窪を刺して殺すのはありえない。腱と靭帯のガードで新品の革靴くらい硬い。固定もされていない空中では無理。
 重いパンチを打つにはどうするか?水平の方向の打撃に全体重を乗せることは出来ない。故意に力を入れないかぎり、水平に力を発揮するのは不可能。それを可能にするには、脱力したまま重いパンチを打つには、全体を用いること。バラバラの部分化された身体では軽い。拳、肘、肩、上体、腰、膝、全身とつながっていれば、いるほど重くなる。何より一度抜いて、自然落下に任せ、それよりも速く落下速度を加速させ、地面に足が着地する前に打つパンチが一番重くなると。これが地球の自然法則にかなった打ち方であり、普通の人のパンチはそれを無視していると。

 ○中島氏の強くなるための技アリの動作術、たつ・座る・立ち上がるという日常の動作がそのまま技になるという話。

 ○藤本靖さんの「動きのホームポジション」―筋膜、筋膜は薄皮だけでなく、みかんが入っているネットのような三次元構造をしている。筋膜の中にはセンサーがあって筋肉よりも密度が高い=感知能力が高いと。筋膜はスペーサー、場所を確保する役目がある。スペースがなくなっている、筋肉や内臓はピチピチの服を着たようなもので十分な働きができないと。
 IOとOI(Inside-out Outside-in)、IOからだと内発的で筋膜の自己調整力を発揮させやすい。OIだと筋肉まで入ってきやすく、筋膜の自己調整力を邪魔することがある。身体のある部位を意識しようとしているときは、大体OIになっている。よってIOという意識を持って内観をする。

 呼吸をしながらIOをやる。骨盤に手をおいて、骨盤から手に向かって呼吸をしていく(文字通り体の中心・中側・内側から外へ向かって意識することですね)。呼吸法で呼吸が出来ても、普段になれば元通りになる。また一番大事なのは乱れるとき、危機状況でここで呼吸を整えたいという時に出来ること。下腹を意識して呼吸法をする(OI)よりも、ただ思うだけ、波がそこに届くと思ってやるだけのほうがうまくいく。随意的に呼吸をすることで自律神経系に働きかけようとするのが一般的な呼吸法。そうではなく、非随意的なものに、身体が普段自然に行うもの・自発性に乗っかることを目指す。安静時の呼吸の8割が横隔膜。その横隔膜から全身の筋膜へ伝わるものを利用すると。ビニール人形のように筋膜はつながっているから、横隔膜からさざなみを届けていくようにすると。

*1:

―からの続きですね

*2:

凄い! 八光流柔術 短期習得システムを解明 “心的作用”を使い、指一本で相手を制す!

凄い! 八光流柔術 短期習得システムを解明 “心的作用”を使い、指一本で相手を制す!

 

 アマゾンレビュー結構あって、かなり評価高いみたいですね。読んでみようかな。