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別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

師弟 野村 克也/宮本 慎也

プロ野球関係(殆どSBホークス)
師弟/講談社
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先月くらいに読んで公開していなかったので。読んだメモです。

 ヤクルトはアリゾナでキャンプをやった。遊ぶ場所がないから選手が集中できた。阪神は高知で、呑兵衛が多い土地柄。選手が練習後の飲み会のことでミーティングも上の空だった。ホテルに残っている選手はだれもいなかったと。

 バレンティンがピッチャーゴロで走りもしなかった時ベンチを蹴りあげた。負けている時こそ当たり前の一塁への全力疾走、カバーリング、サインミスをしない、リードをしっかり取るなど小さなことを大事にする。プロセスを重視する。五輪やWBCなどは別、結果が何より求められる。緊張して体重が3~4キロ落ちた。

 古田始めヤクルトの選手はみんなここで負けたら意味が無いと日本シリーズに入れ込んでいた。あんなチームは他になかった(今のホークスはどうなんでしょうね?)。

 例の開幕戦の小早川の話、スライダーを狙い打った。スライダーは便利なボール。特にまっすぐを待っているときは効果的。しかし便利は弱い、狙われれば格好のカモになる。(鶴岡が日ハムにボコボコ打たれるのもスライダー&アウトロー狙いだからということなのかな)

 9回裏、5点負けてて巨人村田は初球を打った。塁に出る、つなぐ、走者を還すという3つの打者の目的の中で先頭なんだから塁に出るしかない。その確率を高めるには初球は絶対打ってはならない。あの初球をHRにしてもダメ。そういうケースだと。へぇ。見逃せば相手投手は何故初球を見逃したか考えざるを得ない。そういうプレッシャーとなって、四球なども狙えるようになると。1点差ならいい。2点差ならやはり待たせる。待たれたなら嫌だなという場面で待つのも積極性であり勇気

 根拠のある見逃し三振ならいい。2割7分の打者が3割打てるようになる。ヒットを打たれたら、そのボールから入る。凡打ならそのボールを意識しているから、違う球から入る。インコースの速球を詰まらされたら、それが気になるからゆるい球から入る。ストレートを二塁打したから、ストレートを待っていたら変化球が来て凡退した。ノム氏いわく、ヘボバッターに打たれて後悔してるんだから考えろと。ムッとしたが、人間のやることにセオリー・絶対はありえない。二重三重に状況を考えないと意味が無い。一塁ランナーが居る時は、右打ちがセオリーだが、三遊間次第では引っ張ってヒットにしてもいい。内川もそういえばそうやなぁ。基本右打ちですが、たまに引っ張って三遊間破りますからね、個人的にはもっとそれをやってもいいと思いますが。内川の場合は右打ち意識が強すぎる気が。

 長打のない自分は絶対初球を打たなかった。対照的に真中は三球連続初球凡退したとのこと。相手も打ってこないと思ってるでしょ?と返事が帰ってきた。じゃあせめて打てよと(笑)。自分のことだけを考えるなら初球から打ったほうがいい。しかしそれではチームの為にならない。古田いわく1ストライクを取れる方法さえわかればなんとかなる。それくらい大事。キクマルコンビは100球超えた先発に対して簡単に初球凡退で相手を助けてしまったことがある。それではダメ。いくら打てないクローザーだからといって30本以上打つわけではない選手が初球を打ってはいけない。

 ヒットなら同じ球を待つ。凡打なら違う球を待つというのがヤクルトのセオリーだったが、今はそれが逆に球界の定石になっている。小林は梶谷に外ボールの次にインコース二球続けて要求し追い込んだ。しかし3球目にまたインコースで打たれてしまった。2球続けて追い込んだことで自分の配球に酔ったのでは?内角は量ではなく質谷繁はその意識のさせ方が絶妙にうまかった。ここでというところでインコースにボールが来て、殆ど打った記憶が無い。その次に筒香に菅野の勝負球でもない制球の難しい・長打になりやすいカーブを要求してHR。いわく緩い球は捕手にとって快感球。まっすぐを見せたわけでもない意表をついただけの球。

 日本シリーズでタイミングを図らずに初球から走ってしまった上田には自分を客観視するメタ認知が足りなかった。ショートを守っている時、打者が遅かったら確実に、早かったらリスクを承知で早く送球するというプレーしていたので、意外と打者が早くて間に合わなくてセーフになるというのが理解できなかった。宮本氏はこれを誰もが当たり前にやっていることだと考えていたようですね、さすが名手。

 牽制球の目的は3つ。アウトにする、スタートを遅らせる、心理を図る。いつもより早い牽制をさせると大体わかった。吉田義男のとき1試合3回盗塁を刺したことがあったが、それで一年間盗塁・エンドランのサインが出せなくなった。

 スライダーを投げさせてやや反応が早ければまっすぐ待ち。遅ければ緩い球待ち。追い込んだ後、打者はそれまでまっすぐを待っていてもウイニングショットがちらつくもの。また変化球に全く合わない空振りをした時も注意。続けたくなるが裏をかいてまっすぐを投げさせたくなるもの。追い込んだ時と無様な空振り、捕手はまずこの二つに注意を払うことから始めると良い。

 宮本は古田の雑談からヒントを得るために出来るだけ話を盗み聞きしていた。開幕戦の第一打席はいつも足が震えた。

 プレミアで疑問を感じたのは継投よりも守備位置。ノーアウト1・2塁で三塁線を締めずに抜かれてしまったこと。長打なら同点を覚悟しなければいけなくなる。則本の球威なら引っ張っても三塁線を破られることはないという判断でも、当然変化球を投げる。それを打たれれば最悪は起こりうる。最悪を想定して、マイナス思考からセオリー通りに締めること。外野も前進か左中間・右中間を狭めるべきだった。もしそうしていたら普通にゲッツー(打者の意図も変わっただろうが)。セオリーに反したプラス思考=よくばりがもたらしたあやまち。選手のプラス思考・欲張りはベンチが制御できる。しかしベンチがそうなればもう止められない。こういうときに勝ち試合を落としてしまう。強いチームは勝ち試合を絶対に落さないもの。

 工藤いわく一番走るかどうかわからないのが宮本。全部行く振りをしてサイン以外戻った。顔でピッチャーを見ながら、視線でキャッチャーの牽制のサインを覗いた。見ている時隙をつかれるとまずいから、そのときはコーチャーに大声を出してもらい、声が出たら反射で戻ったと。そうやってリスクの高いリードを取ったと。今はキャッチャーの牽制サインもわからないようになっている。サインが出ていなくてもわざと引っかかったふりをして、戻ったりした。刺される危険性があるのでその時はリードを小さくしていた。演技を見破る投手もいたが、そうでなければ何度も牽制をしてきたと。観客席を見ていると雰囲気でだいたい走るかどうか分かる。古田は仁志は走る時エクボができると言っていたとか。一流故の観察眼。ピッチャーのグラブなど、癖を見るコツを覚えていけばだんだんわかってくる。金森栄治氏は癖を見破るのがうまかったと。広島の山内という新人投手は確認する必要のないまっすぐの時にボールを見る癖があった。おそらく変化球で確認する癖を治すためにやっていたのが習慣化してしまった。山本昌は口をきゅっと結んでいたらまっすぐで、緩んだら変化球。セットポジションの時はどっちかわからなかった。国際大会の時は味方になるので癖を教えない訳にはいかないから大変だと。

 ボールを投げる時、微妙に中心を握れないと変化する。その変化を計算に入れて投げていた。誰でもやっていると思っていたら古田くらいだった。川崎(ムネリン)はベンチに居る時も裏方の仕事をきっちりやって試合に出ても役割をこなした。常にグラブを付けて準備をしていたと。

 三塁が新外国人選手なら守備力を見てやろうとセーフティするくらいの犠牲心がないのかと怒られた。

 日本の言葉やコミュニケーションを取ろうとしようとする、研究を怠らない選手は成功しやすい。メジャーに固執するタイプは逆。

 再生の成功は「底付き体験」をしているかどうか、最悪だから生まれ変わろうと必死になる。果たして西武では…?

 山田はビビリでその日4タコだとベンチで落ち込んでいる。松井曰く、タイトル争いは一打席でも疎かにしないこと。青木がそうだった。自分は勝っていてチームの役割が見えなくなったら、集中できなくなった。守備は逆でどんな時でも疎かにしなかった。

 インコースに投げるとバッターは肩を開く。外の変化球は逆に身体を抑えようとフォームが良くなってしまう。基本は守備・守ること。人間は楽をしたいからつい攻撃に神経が行ってしまう。聞いてるか工藤。

 メーカーハタケヤマはコストの高いキャッチャーミットにこだわって成功した。選択と集中の好例。評判から他の製品も売れるようになる。できるところから日本一になりなさいという花巻東の教えも同じ。

 97年の西武との日本シリーズでは、勝ち頭田端・吉井ではなく、左の石井一久。松井・大友といった機動力を封じるため。二戦目に牽制の巧い田端で機動力を上手く封じ込んだ。結果走れなくなった。伊東のリードにはここぞという時にインコースが多くなるという傾向があった。日本一を決めた第五戦ノーアウト2・3塁で池山がそれを読んでタイムリー。準備をしっかりしていれば、打てなかったらどうしようという心配がなくなる。確認でそんなことを考えている余地が無いから。

 野村野球は邪道に見せかけた王道。劣勢にあるときに奇策で挽回しようとはしない心理的負荷がかかる場面では失敗する確率のほうが高い。奇襲は失敗した時には致命傷、だから失敗しそうなときにはやらない。キャンプではわざと複雑なサインプレーをやって、相手を惑わそうとした。心理的に上に立つため。

 古田は若手がファールを取るのをためらって落としたら、ぶつかってでも取りに行けと一喝した。吉井も味方のミスで点を取られたらベンチで大暴れしていた。

 試合開始直後四球で二番に初球バントはありえない。立ち上がり不安定なら初球は見るべき。知識を与えれば選手は勝手に動く。自主性こそ重視する。よって、自身の判断で三遊間をしめろという指示に従わずに、こっそり二遊間を狭めてアウトにしたこともあったと。こういう事例は監督の指揮に逆らうことには変わらないわけですが、どうなんでしょうね?上がポンコツならそれでもいいんでしょうけどね…。

 優勝したら翌年はマークされて弱くなる。1.2~1.3倍の戦力にして初めて戦える。戦力補強は当然の危機管理。ソフトバンクに敗れたのはエース不在故。

 ファームで編成が来年どうしたい?の言葉で腹立って辞めますと言った。一年伸ばしたが、小川監督に気を使わせていることに許せなくて、やはり辞めることを決めた。脇役がそれでは失格。

 田中のようなこれからという選手にキャプテンを担わせたら、レギュラー落ちした場合に機能しなくなる。明確に中心選手にすべき。チームが先か、個が先か。前者だと思っていたが、青木を1番で出塁に専念させたら、結果チームも良くなったという事例から、後者ということもあるのだと気づいた。

 金本に三盗をされた時、投手への声掛けを怠ってしまった。セカンドの辻も同罪なのに何故自分だけ…と思ったが、そういう考えを持っているうちは成長しない。何かのせいにするような選手は決して大成しない。村中がいいと思うといった時、ある記者はマウンド・手などをしきりに気にして、何かのせいにしている。大成しないと言っていた。北京五輪である選手(GGか?)がミスをしてから消極的になり上手くいかなくなった。逃げ道を作らせないようにしていたが、今思えば逆に逃げ道を作らせてやるべきだった。

 野村監督は厳しいようで優しい。原監督はその逆。中日に敗れたシーズンは落合監督の影に負けた。相手の監督を意識した時、不利になる。

 コーチ兼任の時に、若手を叱ると萎縮するからやめてくれと言われた。だが、いち早く注意しないと人は成長しないと。こういうメンタリティで外様新監督やったとして、大丈夫なのかな?外様監督はチームから嫌われる傾向がありますからね。しかも監督・コーチ経験なしでは、なおさら衝突して不和で…ということになりそうな。

 古田いわく「お前真面目やなぁ。投手が投げないとわかったら、投げる前にスタート切っていいんやで」その一言で自由になれた。稲葉も新庄がスタンドに手を振っている姿を見て衝撃を受けたと。立浪に憧れて立浪のマネをした。相川曰く立浪そっくりだと。

 菊池は前に行って弾くタイプ。バッターの足など状況判断がちゃんとできていないことがある。今宮はバウンドを考えずに全速力で取りに行くから大きく弾くエラーをする。

 村中、ある若手捕手はバント失敗でランナーをみた。自分のせいではないと言いたげな表情でダメだと。広島の黒田は打たれたら必ずすいませんと謝る。

 2年目レギュラー定着しかけた時に、デットボールで手首を骨折しても試合に出続けた。オマリーは異変に気づいてボール回しをしなかったが、ショートの池山はお構いなしだった(笑)。09年骨折した時も自分の指じゃないと思って出場した。相川にも自分の指じゃないと思えば大丈夫だと。

 石川は投げてと言われれば嫌な顔をすることは絶対無い。だから10年に6連敗しても11連勝して巻き返した。

 上原はスッポ抜けて頭に行った球をフォークが抜けたので大丈夫としれっとしていた。松坂も同じ。石井一久もプロは速球だけではダメ、変化球が大事だと言っていた。バカそうに見えたので4年で寮から出られるはずなのに、野村監督はそれを許されなかったが、彼の考えを話したら、バカを演じているのか騙されたなとのこと。