別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

【暫定結論】 落合さんはなぜ日本シリーズで勝てないか!?と勝負の楽しむという話

以前ちょっと紹介したこの本。まあまあ面白いなという感じの本

プロ野球解説者の嘘 (新潮新書)/小野 俊哉

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んで、その続きで書くと言っていた日本シリーズデータ、まあ短期決戦の性質を知るためにこれ

日本シリーズ全データ分析―短期決戦の方程式 (ちくま新書 810)/小野 俊哉

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 を読んで、なぜ落合という名将が日本シリーズでことごとく敗退してきたのかということのヒントになればよかったんですが。まあ結局わかりませんね。これまでに書いてきた以上のことを超える、気づき・分析はどうも得られそうにありません。

 短期決戦の法則というか、まあアタリマエのことですね。先手を取る=一点を先に取る、ゲームトータルで白星を先行させる。勝ち越しておく。四点取ったら大抵勝つ=三点に抑えて、四点をとること。大量点をとって勝てるゲームなど殆ど無い。よって最少失点で戦うことを考える。名将・短期決戦に強い監督とはレギュラーシーズンも同じ、一点差ゲームで勝つ=勝利パターンがある・勝ち方を知っている、すなわち負けない監督。魔術師三原さんなんかそんな典型でしょうか。

 そして三原さんなどのように交代して、選手起用がズバっとハマること。それこそ指揮官によって勝つ・負けるが決まるということは言えると思います。野村さんとか古葉さんもそういう的確な判断による交代ができたタイプなんじゃないかな?という気がします。

 対照的に長嶋・西本といった監督はその場、その場でコロコロという感じでしっぱいしたという。古葉さんは知らないから印象なんですが、彼がいなくなったあとの広島で誰だっけ?山本監督かな?日本シリーズに出て、投手起用を無理して結局七戦目に投げる後ろがいなくなって敗れたというのがありましたから。

 二戦目必勝論というのはいわば2・3・2というゲーム数の流れの中で嫌な空気を引きずらないためのもの。1-1にして最低限次のステージに行くということ。データで確か最初の二戦を連勝したら勝つ確率70%。これも先手必勝・先行優位を裏付けるものでしょう。んで先行して追いつかれたり、抜かれたりすると逆に60%は負けるようですね。先行しといて追いつかれるというプレッシャーは計り知れないのでしょう。いずれにせよ勝負の鉄則ですよね。勝てる時に勝つ、殺せる時に殺しておくというのは。

 四回に点を取る、V9は四回の得点が異常に多い。つまり二回り目に先発ピッチャーを把握し、二巡目に対策をとってモノの見事にそれを当ててきたということでしょうね。んでこれもセオリーですが、1・2番が出る&3・4・5番が還す。日本シリーズで後の試合になればなるほど、5・6番が重要になってくる。それは3・4番という選手が勝負を避けられるようになっていく場面が増えるから。もちろんただ単純に順番を入れ替えても意味はない。後半になればなるほど、3・4がしっかり打てる上で、5・6がランナーを返せるかどうかが重要になってくる。

 でよく言われる星野ダメ論。調子のいい選手ではなく、特定の選手を信頼して任せきってしまって失敗するというやつ。これはもう周知の事実だからさておいて、落合さんはどうなのかと。個人的にはプレーオフで間が開いたからとか。しっかり調整試合組んでないから打撃感が鈍ったとか、まあそれもあるにせよ、決定的な要因ではないと考えます。

 落合さんは特定の選手を選り好んで任せきるという星野流で失敗したのでしょうか?オレ流=闘将でしょうか?ワシが育てた!たまごクラブ!ひよこクラブ!でしょうか?しかしそもそも国際試合と違って何十人の中から選べるというわけではありませんからね。そこまで選択できる選手がいませんから、ちょっとこれは違うでしょうね。スーパーサブのような選手が何人も雇えると言ってもジャイアンツやホークス見てもそこまで違いがあるという感じではないですし。日が開いて実戦感覚が残るというメリットもあれば、それだけ投手の疲労が抜けないというデメリットもありますからね。

 落合中日のCLの圧倒的な強さをみても、やはり落合ドラゴンズというのは特定の条件、慣れたセ・リーグには強いが、対戦経験が少ないパ・リーグ相手には弱いということだと思うんですよね。

 落合さんを見て思うのはやはりその卓越した頭脳と肚、丹田丹田が発達しているタイプですから、選手も自ずとそういったタイプになりがちだと思うんですよね。あれほどの人に中丹がないということはありえませんけども、どうしてもそれは見劣りしますよね。選手にもそういった情熱が迸った情熱大陸みたいな人はいないような気がします。

 モノすっごい地味、玄人好みする職人集団・いぶし銀、肴は炙ったイカでいいというような苦みばしったカンジがするんですよね。そういうチーム・集団というのは予想外のこと、苦境に弱いんじゃないかなと思います。淡々と仕事をこなしてまっとうすることはできても、予想外のことに対応できない。格上を短期決戦で食うことができないという感じがします。

 中丹田といえば松岡修造・アントニオ猪木・アニマル濱口なんていうのを想像しますが、そういうパワー。選手だけでなく観客まで引きずり込んで力にしてしまうというスターの一つの資質が足りない気がしますね。それは昨今の球界全般に言えることではないでしょうか?中丹田が発達するとブルース・リーのような人を強烈にひきつける魅力が生まれるそうですし。尾崎豊なんてのもあのパワーは強大な中丹田でしょうね。

 中丹田にあふれる選手が居ない=ここぞという場面で客を巻き込んで、スーパープレイで客を魅了することが出来ないというカンジがするんですよね。ここ一番でのビッグプレイ、ムードを変えることが出来ないのではないでしょうか?

 そういう意味では中畑&ラミレスに期待したいですね。本来なら己は規律とか挨拶ができてないなんていうことにいちいちガミガミ言うことは嫌いなんですけど、弱いチームの意識改革っていうのはそういう当たり前のことから始まりますからね(しかしいきなりインフルか・・・)。

 前も書きましたっけ?ホークスのムード明るさが良かったというの。あれはもしかしたらロッテからパクったのかな?という気がしますね。ロッテのプレーオフの強さは異常ですからね。んでその勝負強さの源泉がどこにあるかと言ったら、バレーのように一体感を出す=得点ごとのタッチ然り。ムード重視そういう細かいことが明暗を分けるということを学んだ気がするんですよねぇ。誰が導入したのか?気づいた奴がいると思うんですが誰だろ?

 中日がどうして勝てないのか、それはやはりセ・リーグパ・リーグの地力の差なんでしょうな。普段からパ・リーグ内でしのぎを削ってロッテのようにプレーオフで一発逆転、上のチームを食ってやろうという怖いチームもある中、そこで生き残りをかけて必死こいてやっている球団は意識が違うでしょうね。ホークスの身売りに、楽天の参入=近鉄の死亡がありましたし。企業努力・自助努力の差でしょうね。

 セ・リーグはぬるま湯。広と横という腐朽球団に巨と神のチームとして戦うことをわかっていない戦力集めるだけのチーム。まともなのはヤと中だけ。必然的にレベルが落ちますからね。パ・リーグは大抵FAとかメジャーとかで隔年でダメ球団が出るものですが、万年ダメ球団はないですからね。

 広は監督・コーチが実力で選ばれないから、選手の実力がフルに発揮されない。横はご存知選手を大事にせずに放出の嵐。広島のちょうど真逆。で、巨と神は練習しないですぐ選手酷使&壊しでイミフな補強で迷走する。いずれにせよチームとして機能して戦っているという賢明さは感じられない。ヤはフロントがしっかりしているものの資金的問題があるゆえに慢性的に戦力不足。

 パと比べ、中日という球団はやわい環境にあって、修羅場をくぐれていないわけですねぇ。それがこの結果かもしれません。

 そしてセとパではDH制―9人対10人という違いが大きくモノを言うのだと思います。9人ゲームでピッチャーがバントに慣れていないという不利がある一方、恒常的にDHという枠で打者を一人育てる・必要になる形になります。その分代打の切り札、コマが一人セより常に多いわけですよね。それでゲームメイク・展開を考える上で終盤に一人まだ、こいつがベンチに残っているのか…というのが大きいのではないでしょうか?(ちなみにDH制のないことを最大限に活かすとして、8番に出塁率の高い選手を置くことや8番に投手を持ってきて繋ぎ役にするという事も考えられますが、それが有効な戦術であるかはかなり微妙なところでしょう)

 まあ、ココらへんは言ってきたことなんで今更ですが、ひとつ新情報を追加するなら、それは中日はディフェンス重視のあまり打力が弱くならざるをえないということでしょうか。

 負けない戦いを重視するあまりに極端な守備重視。鉄平がチームに残れなかったことが象徴的。それが悪いとは言わないんですが、彼のような選手もいないとチームのバランスとして良くないでしょうからね。まあ、もう一つ巧・走が優れたようなタイプが欲しいですよね。巨人の鈴木みたいに代走のスペシャリストとか。

 まあそれも統一球による極端な打撃不振という要因が大きいんですけどね。今年の中日は和田・森野が復活できるかどうか。それができなければまた地味なボディーブロー合戦、ドロレス状態になってしまいますしね。盗塁に打率にそこら辺で活躍できる選手を生み出せるのかポイントですね。

 野村さんのように弱いからこそ、チームとして機能させることがスタートにあって、戦力を作っていく。その次にその弱い選手たちでも戦うにはどうやって相手と戦うかということを考える。野村式―己を知り相手を知るパターンと違って、この球団・この投手が来たらこうするという選択肢が狭いことは間違いないでしょうね。どんな相手でもパフォーマンスを発揮できる選手を作るということが前提にありますから。まあ、これは他の球団・監督もそうでしょうけどね。セは全体的にチームとして投手をどう攻略するのか、どの球を打つのか・狙い球を絞るというのがないのかなぁ?

 

 そうそう、クライマックス・プレーオフは国際試合が常識化した現代欠かすことのできない貴重な短期決戦実践の場。これまでなら2チームしか経験出来なかったわけですからね。それが6チームになるわけですから、もう変えられないでしょうね。規制無くして15~18チームに増やして、日本球界の底上げを期待したいですね。静岡プロ球団こい!ってやってますし。

 んでこっちが本題だった。落合さんは野球をやっていて楽しいと感じたことはないという話。本当の高いレベルの身体運動は楽しい。気持ちいいというモノ。なのに落合ほどのアスリートがそれを感じていないという。これは一体どういうことなのか!?北島康介選手の超キモチイイから、高橋尚子選手の楽しくて走るのが止められません発言に至るまで、そういうことはまちがいないわけですね。

心は折れない/内山 高志

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 で、ちょうど内山高志選手の本が手に入ったので、いずれレヴュー書くと思いますけれども、彼ほどの選手でも楽しいとか気持ちいいという話はでてこないんですね(心は折れない/内山 高志―の感想高岡さんの映像を見て、異様に顔・頭が浮き出ている。おそらく背骨を開発しきったからこそああいう浮遊感があるのだろうけども、パッと見高岡さんって恐竜みたいだなぁと感じました。

 同じく内山選手を見て思ったのは、この人ティラノザウルスみたいな顔しているなぁと。彼の本には一貫して努力と根性=練習の話なんですね。そこに楽しいとか気持ちいいという話は出てこない。これはなぜか?

 おそらく今までの歴史を見ても楽しんじゃいなYo!気持いいから、そらやっちゃいな―みたいなことを言い切った人はいないと思います。いくらなんでもそこまで重要な真理なら誰かが言っているはずですよね。なのに誰もいない。まあ、これは武道的達人がその境地を超える・極めると例外なく宗教的境地などに転化されて、悟りやそういうものとして表現されるからなんでしょうけどね。

 ただ、それだけじゃなくて、おそらくストイック・求道という形でもたどり着くと思うのですよね。もちろん楽にする、緩めるということよりはるかに困難なのでしょうけど。ストイックにこうハードトレーニングなどをこなしてもこういう人はある段階で楽に使う体の使い方を覚えるからそれでも体が緩むんでしょうね。そうじゃなかったらそもそもそんなハードレーニング自体ができませんし。天才・達人にとって緩めるということは言うまでもない常識なんでしょう。

 ですから落合さんや内山選手といった人はストイックに練習をこなしながらも楽しいと感じなくても成長できる。ストイックに物を極めるという態度こそが快楽になっていると思います。成長こそが最上の喜びという。己もそういう成長が嬉しくてしょうがないタチですから。

 顕在的であれ、潜在的であれ、うわ~こんな、ハードレーニングやってる~と快感を覚えているのではないでしょうか(もちろん、それに加えて身体・技術が成長をする)?いずれにせよ、修練でも人は成長できるという当たり前のことですね。落合さんは素振りやりすぎて指の感覚がなくなって、バットから手が離れなくなり、コーチにほどいてもらったというエピソードがありますしね。

 ハードトレーニングをやればやるほど、センスが足りない・緩んでいない人は固まってしまいますからねぇ。そういう点もあるかもしれませんね。中日で限られた選手しか出てきていないというのは。緩めることを徹底的にやった上でのハードトレーニングならもう文句のつけようがないと思うんですけどね。