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別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

井岡・長谷川の三階級制覇について

【年末の三浦戦】

 まず、年末で書いてなかったことを少し。書こうと思って放置したままでした。テレ東で三浦と内山が試合をしていましたね。初めて見た内山の試合がこの三浦・内山戦だったので、その三浦が成長して統一戦を視野に入れて防衛戦という図式はなかなか感慨深いものがありますね。三浦の打ち方は固い拳をガンガンぶつけていく凄い古いタイプに見えました。無論、好きなスタイルだから大歓迎ですけど。しかし相手のハルドンっていう選手がかなりでかく見えましたが、どうなんでしょうか?二階級くらい上に見えましたが、二回りくらい三浦より大きかったような?それでも力負けせず打ち勝ったのはさすがですね。

 内山の試合は本当スリリングで面白い。息を止めて見入ってしまうから、時間が長く感じますね。左ジャブだけで本当、満足してしまうくらいレベル高い。内山の試合はいつも同じで静かに立ち上がって、ジリジリ自分の優位を確立していくというスタイルですが、今回はやばいと感じました。ポイントは取ってるし、あぶなげないんですが、相手が下がらない。身体の圧・プレッシャーがちょっと落ちているのかもしれない。内山、衰え出しているのかも…。金子がいつもの相手よりでかいから、ただそれだけの理由だと信じたいですね。

 しかし金子はタフでしたね。タフだなぁ~と関根勤さんのように何回も繰り返してつぶやいてしまいました。内山とやって、あんな後半のラウンドにはいっても下がらなかった選手って初めてじゃないかな?

 そしてダウンをしてしまいました。左・左・右でキレイにパンチがまとまって入りました。三浦の時のダウンと明らかに違うダウン。しかし、倒れてからも笑っていたし、冷静なんだよなぁ、内山。倒れてから残りの時間も冷静に対処してしまうし。んで、その後は危なげなく、足を使ってポイントアウト。やっぱり足もあるのか。どんだけ引き出し広いんだという感想とともに、うーん、これは三浦と統一戦をやったら、もうビッグマッチは出来ないかも?あと二年くらいは、テクニックがあるので君臨できるでしょうけどね…。

 そんな心配が杞憂でしかないということを証明するために4~5月に調整試合をするはずがそれがない。大丈夫なのかな?と思っていたら、マカオでマイキー・ガルシアとの試合の予定を巡っての交渉があったからですかね。まあ、まず成立しなさそうですが、ボブ・アラムが内山をスーパーフェザー級最強と言ってくれたのはありがたいですね、何らかの追い風になればいいですが。ガンボアとライト級でやるつもりとかあってそれが破綻したから、内山ってことなんでしょうか?いずれにせよ、こういうビッグマッチはスルーになりそう…。内山サイドがリスク承知で強敵を求めていく姿勢でもないですし、三浦戦で勝ったとしても、その間に相手の事情とかで云々しそうですしねぇ。

 で、その三浦との統一戦もありますし、日程・間隔が開かないように3月~4月にノンタイトルでもいいので調整試合を挟んでおくべきだったのでは?と思うんですが、感覚とか大丈夫なのでしょうか?

 んで、フェザー級にあげたドネアとの対談もありました。クリス・ジョン倒してスーパーチャンピオンになったべチェトを破ったんですね。クリス・ジョンを倒したというより、途中棄権でラッキーみたいに思われていたスーパーチャンピオンの地位を立証するのにドネア戦は格好だったのですが、やはりダメだったようですね。こういうケースで「スーパー」が挑戦者に引き継がれてしまうのはどうなんですかね?ドネアみたいに誰もが認めるボクサーとかは別ですが、下に正規王座がいたら、それを倒してからとか色々条件つけたほうがいいのでは?

 ドネアはあの体格でスーパーライトまでは上げるとか。いくらなんでも無理では?と思いますが…。本当に内山とやるかもしれないですね。正直、ガンボアやガルシアとやるのならドネアとやってほしいですね。いや、詳しく知ってるわけじゃないですけど、やっぱドネアのパッキャオみたいな偉大なチャレンジに内山が立ちふさがるという図式がたまらないですからね。中途半端ですが、オチもないので内山話はここまで。

【井岡の話】 

 で、三階級制覇の話。井岡の試合も年末にありましたね。あえて相手の距離で戦ってるのは、仮想ロマゴンか?八重樫戦もそうだったけど、まず目を潰してくるんですよね、井岡。早いラウンドでもう試合決まっちゃいましたね。やっぱ、アッパー&フック主体の、その場所でしか戦えないボクサーは引き出しに限界があって見ててつまらないですね。まあ仮想ロマゴンにしちゃ弱すぎるというか、比較にならないというか。次はちっちゃくて回転力とスピードあるやつ呼んで、仮想ロマゴンにしましょう(錯乱)。

 内藤のボクシングの解説は、サッカーの松木なみにうるさいですね、ああいう名物解説のポジションを狙ってるんでしょうか(笑)。

 そんな年末の試合もあり、井岡は三階級制覇をかけて試合をしたわけですが、まあ、予想外の敗戦を喫してしまいました。試合をテレビ放映の時間に見るつもりはなかったんですが、予想外の展開についつい終盤くらいまで見入ってしまいました。

 結論から言うと、何やってんの?というかつまんないというか、そんな感想でした。相手が足を使ってくることを想定していなかったとか。相手は老獪というより万能型なんですから、当然ありとあらゆる戦術を駆使してくる。くっつくし、離れて来る、そりゃ不利と言われている以上、なりふり構わずいろんな事をやってくるでしょう。それなのにあの引き出しのなさ、戦術の乏しさはどういうことなんですかね?

 1~4Rは完全に相手アムナットペース。問題は相手の年齢から言ってそうそうペースを維持できない、中盤・終盤必ずペースが落ちてくる。そこでどうするかが、井岡の勝負どころ。ところがその中盤以降何も出来なかった。あまりにも無策に見えました。

 相手のほうがリーチが長い、要するに相手のほうが支配エリアが大きい。その時点で不利は否めない。そこをどうやって切り崩すのか、それがまるで出来なかったのは何故なんでしょうか?不思議ですね。フライ級の体になってないみたいなことを内藤さんが言ってましたけど、ちょっと言い訳っぽいですよね。というかどうして井岡陣営はフライ級でのテストマッチをしなかったのか理解が出来ない。

 要するに舐めてたってことなんでしょうか?三階級制覇は楽勝だと。相手も一応無敗ですし、キャリアの終盤に差し掛かっているとはいえ、万能型で老獪さもある。一筋縄ではいかないと考えなかったのでしょうか?負けはしないが勝ち切れない。ごまかされる危険性があると当然想定すべきことだと思うのですけどね…。

 井岡の悪い面が出たとかそういう次元の問題では無いと思うのですが…。

 で、そもそもなんですが、本来の階級である(?)ライトフライであんまり強い奴とやってないですよね?よくわからないですが、ドネアに負けただけの相手とかロマゴン以外にも色々名前がある選手は未だいると前に書きましたが、そういう選手とやるべきでしたよね。この階級で井岡の体格ならそうそう負けないでしょうし。カバジェロみたいな、長身手長タイプとか、ちょこまか動いて手数でごまかすタイプとか、中南米とか東南アジア系の異国ならではの違った独特のリズム・パンチを持つタイプとやるとか、なぜキャリアにプラスになる選手を選んで戦わなかったのでしょうか?

 敗戦の一番の要因は相手のキャリアがプロで倍以上ある。その経験の差以外何者でもないと思うのですが…?井岡というボクサー以前に陣営の戦術・戦略に問題があるのではないでしょうか?

 井岡選手は自分という物語に新しいなんとかかんとか言ってましたけど、正直ダダ滑りでは?撃ちあった、激闘の末での敗戦ならともかく、逃げ回られて見せ場がないまま、テレビ的にもキツイ判定負けですから、商品価値はダダ下がりでしょう。

 三階級制覇=叔父の出来なかったことを~うんたらかんたらという、原監督と菅野かな?と思わせるお涙頂戴路線というか、人情モノ路線。これが完全に失敗だと思うのですけどね。三階級制覇が悪いわけでもないし、今すぐロマゴンとやらないのも間違いではないと思いますが、あまりにもノープランで急ぎすぎた。仮に勝ったとしてストーリーを回収した後、井岡という選手の価値をさらに高めるためにその後はどういうものを描いていたんでしょうかね?その後はめでたし、めでたしで盛り下がっていってしまうのでは?

 並み居る強敵を倒す!という本格はプランでよかったと思うのですが、ロマゴンラスボス扱いにしてね。素直にあいつが最強で今の自分では勝てない、二年~三年で勝てる自信・実力をつけて、ロマゴンを倒して自分が最強・伝説になる!という路線が井岡の商品価値を一番高めると思うんですけどね。

 ライトフライでロマゴン以外の強敵や試合巧者とやって一~二年キャリア積んでから、そこからようやくフライ級なんじゃないですかね?この前の試合を見ると多分スーパーフライが限界でしょうからね、井岡も。スーパーフライってなぜかあんまり凄いの出てこないので、バンタムくらいまでは可能かもしれないですが、井岡の年考えても七~八年は余裕で選手やれるでしょうから、焦って階級上げる必要もタイトル挑戦の必要もなかったと思いますが…。

ボクシング一族・一家は視野を狭ませる?】

 やはり陣営の戦略のなさということなのでしょうか?あの試合でポイント勝ったと思ってたとか言ってますしね…。焦って階級を上げた=スーパーフライでの亀田が四階級制覇して、その後興毅のラストマッチと井岡の四階級制覇をかけて戦わせるというTBSシナリオでもあったということでしょうか?

 で、亀田を見ていて思ったのですけど。亀田陣営もやはり複数階級を制覇していく上で明確なプランというものがあまり感じられない。穴を狙って取れそうなところを取りに行くという感じだけで戦略を感じない。亀田家という血の結束、論理にこだわって、よそ者を受け入れようとしないというロジックが働いているのかな?とか思いましたが、どうなんでしょうかね?トレーナーを取ってこないのもそうなのかな?とか最近ふと思いました。

 井岡は、今の村田のトレーナーのイスマエル・サラス氏に海外で調整していた時に、タイトルマッチ直前に教えを受けていましたが、多分その時くらいですよね?トレーナーがついていたの。叔父自身エディ・タウンゼントさんでしたっけ?そういう名トレーナーがいたのですし、その重要性を知らないわけがありません。一人に絞る必要はないですし、試合毎に色々回って戦略とか練習とか一緒にやればいいのに、何故やらないのでしょうか?

 親がプロデューサーとして全ての面倒を見ようとするとどうしても冷静に一人のボクサーとして、ステップを踏ませたりヴィジョンを描けないのではないでしょうか?亀田も井岡も、親以外に頼りになるそういう専門家?プロデューサーのもとに付く必要があるのではないでしょうか?(日本にはプロモーターいないのであえて、プロデューサーということで)

 今の亀田・井岡には日本ボクシング業界にベイのようなプロモーターがいないことが大きく関わっている気がしますね、良くも悪くも。そしてこの問題は近いうちに世界王者になってこれからという井上の身にも降り掛かってくるテーマだと思われます。ライトフライ級にずっととどまり続けるというのなら話は別ですが…。

【アマボクシングの負の影響?】

 どうも最近、アマ上がりのチャンプが増える反面、ボクシングの幅が浅い気がします。キレイすぎるというか、型にはまった同じことしか出来ないというか。基本をしっかりやり過ぎるあまりに、自由な発想の応用が効かないというか。それとも最初から、世界チャンピオンでもそこから内山のように課題を設定して着実にこなして成長するような例は稀ということでしょうか。あと左右スイッチする選手がほんとうに少ない。そんなに難しい技術じゃないと思うんですけどね、スイッチは。サウスポーばっかりというのも気になりますしねぇ。

 日本のアマを経由すると技術が洗練される代償として、同じようなボクサーしか輩出されないというリスクが生まれたりはしないのでしょうか?指導者が昔から同じような指導をするとか、そういう危険性はないのでしょうか?内山さんの本とか読むと、昔ながらの体育会系って感じですし。

 内藤のようなアマを経由していないボクサーの独特な技術は凄かったですね。内藤の異常な当て感から来るデンプシーロールならぬ、「内藤ロール」みたいなのは本当に凄かったなぁ。ポンサクレック倒すとか、本当日本のボクサーでは珍しく大物を倒したりとか傑出してますよねぇ。

 内藤のような変態的技術があれば、井岡もむざむざやられはしなかったでしょうね~。身体の大きさが違えば、これまでの技術はパーになる。井岡のジャブもストレートも相手が逃げて無効化、リセットされる。自分の技術・ストロングポイントが発揮されるように、自分のエリアに引き込まないといけない。追うためにフェイントでプレッシャーを掛ける、長距離からいきなり踏み込んで間合いを詰める&パンチを打つ、行く手を先にパンチ出して遮る、肩・頭を上手く押し付ける、オーバー気味に手ではなく腕からラリアット気味に殴りつけに行く…。まあそれが有効かどうかはさておき、いろんな工夫がない。全く同じやり方でラウンドを重ねているから、相手として作業として対処すればよかったから非常に楽だったのではないでしょうか?

 パンチのリズムはその場で見ないとわからない微妙なものでしょうからともかく、身体でのプレッシャーのかけ方、前に出るタイミング、上下左右でいろんな方向からいくぞいくぞという動きがあまりない。緩急が大事なのに、緩急がまるで見られないのは見ていて不思議でした。ロングレンジから一気に間合いを縮めるパンチもない。要するに、インファイトの技術・追い方がまるでダメだったということでしょうか。

 香川さんがローブローになってもいいつもりで下から打つとか工夫して欲しいと言ってましたけど、同感ですね。あまりにも工夫がなかった。そりゃ方程式は解けないですよ。アムナットも上手かったですけど、あそこまで対処しきれないほどか?と思いましたねぇ。前半の勢いがある頃ならともかく、スピードダウンした中盤からは、何らかのカードを切ってこちらのポイントに出来たという気がしましたけどねぇ。

 そうそう、ローブローはアカンやろ!っていう声がありましたが、別に反則打打てって言ってたわけじゃないですからね、香川さんは。パンチの角度を変えて、仮に減点を取られてしまう事になっても、リスクを犯しても違うことをして状況を打開しろという意味で、別にローブロー=金的じゃないですから。ベルトラインの下ってことですからね。普通は減点怖いですし、マナーから言ってもギリギリのところを狙って打ったりするわけじゃないでしょうからね。そういうリスクを犯せということを香川さんは言いたかったわけで。

 リーチ差&スピート差からいってアウトボクシングで逃げられたら、ああいう展開になるしかないですから、不利は承知。これまでの勝ちパターンもできなくなる。階級を上げるということはそういうこと。自分が下の階級で楽に相手を翻弄した逆の展開がこれからは自分に降り掛かってくる。それにどう対処するか、遅かれ早かれ井岡の課題になるわけですが、今回想定していなかったとはいえ、かなり厳しい戦いになったと思います。井岡はフットワークダメなのか?今までは使う必要ないからって感じだと思いましたが、足使えないのかな…。

【試合評、つまらないの一言】

 相手も相手で、あんな戦い方していていいと思ってるんでしょうか?ラスベガスの本場でない以上、ああいう戦い方は必定といえるかもしれませんが、ボクシング界全体からするとマイナスだと思いますけどね。闘牛士じゃないんだから、それじゃあ面白く無い。全くやるなとは言いませんけど、打ち合わないと。3Rに1Rは相手を翻弄する足があるという技術ポイントとしておkにしても(ダメージの回復とかもあるでしょうしね)、それ以上やるなら逃げとしてマイナスにカウントするとかした方がいいんじゃないでしょうか?

 まあ、4~6でアムナットが一人、2~3で一人。そして1~2ポイントで井岡が一人くらいになるかな?と思いましたが、一人はほぼフルマークでアムナットでしたからね。さすがにそれはない。前半はともかく後半は逃げてばっかですもん。ありゃダメですよ。ジャッジに個性があるのはいいとして、ラウンドごとにここを評価してどちらにつけたという理由も明確にすべきじゃないでしょうかね。

 あと、クリンチ多すぎ。前々から書いてますけど、ボクシングつまらなくする最たる例の一つですから、もっと減点しないとダメかもしれないですね。ホールドでマイナス一でしたが、最低もう一回はホールド取るべきだったと思います。ああいうのってセコンドがPRしてもダメなんですかね?途中からレフリーにいち早く申告して取ってもらえば良かったと思ったのですが…。あと井岡も客にPRしてこれじゃ派手な打ち合い出来ないぞー!みたいな感じで煽れば客もそうだー!ってなって勢いでホールドコールしてくれたと思うのですが…。もっとブーイングがあれば違ったんじゃないでしょうか?海外ではそういうことが普通にあったりしないのでしょうかね?

 ホールドも無茶苦茶基準厳しくして、R毎に二回目からは、ホールドをどんどんカウントしていくべきかもしれないですね。片腕で1秒以上相手にしがみついてパンチを打てるスペースを無くしたら即マイナスとか。積極的にお互いが打ち合っている試合とかはカウントしないとか。片腕はまあいいか、両腕アウトで。

 まあ、とりあえずどっちも負けという感じの試合でしたね。技術が高いだけに残念な試合展開だったと思います。あの試合を見て、ボクシングって面白いなぁ!また見よう!って思う人は殆どいないでしょうからね。井岡の負けというか、ボクシング興行の負けというべきか。亀田もそうですが、どうせ負けるくらいならガード度外視して打ち合え、リスクを承知で殴り合え!と思うんですけど、最近の選手はそういうことをしないのでしょうか?

 辰吉のガードなしはやり過ぎだと思いますけど、ああいう姿勢だからこそボクサーとしての名声を獲得できたと思いますしね。

長いので分割します。あと付け足したいことも出来ましたので、中途半端な文章ですが、前後編ということで。まあいつも中途半端なんでゆるして。

To be continued…→