別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

ボクサーと正当防衛について

 正当防衛の話で、前回ボクサーの話も書きましたが、長かったのでこちらに分けました。そして正当防衛で一番書いておくべき話を失念していましたのでそれをまず先に。

 正当防衛が何故なかなか成立しにくいのか?それは殺人・傷害事件の際に悪意のある人間が無罪を勝ち取ってしまうため。特に殺人で完全犯罪を成立させないためになかなか成立しづらいようになっているのではないか?と思います。

 大体、正当防衛で相手を死なせてしまうようなケースと言ったら、もうたいていは証人がいない状況ですからね。故に正当防衛と簡単には判断しづらいということがあると思います。

 もし証人がいないのに正当防衛を認めてしまうと、状況証拠、死人に口なし状態で、死んだ人が悪意を持っていたということで処理されてしまいますからね。殺人を企んで相手がさも犯罪者という準備をしたら簡単に殺人が出来てしまう。

 確か、夫婦げんかでどちらかが包丁を持ちだして、反撃でフライパンで頭を殴ってしまったケースでも正当防衛が成立しなかったと記憶しています。それも知人とか身近な関係で完全犯罪を容易に成立させないためにも、証言者がいないと簡単には成立しないのでしょう。

 そういえば昔、DVを受けている妻が夫を殺すために正当防衛で完全犯罪を実行するというテレビドラマがありました。DVを受けているところを近所の老夫婦に見つかりやすくしてDVの証言者を作り、旦那を浮気するように仕向け、自業自得という状況を作り上げる。んでいつものように暴力を受けた際、身近にあった壺とか木彫りのクマみたいなもので反撃で殺すみたいなのがありました。まじめに見ていなかったので筋を全然覚えていなかったんですけどね。布施博さんが旦那役だったくらいしか覚えていないです。

 まあ、そのように正当防衛の悪用、殺人を誘発しかねない、完全犯罪を防止するために正当防衛の成立のしづらさというのはあるのではないでしょうか?

↓以下、正当防衛とボクサーの話、修正してこちらに。

■プロボクサーの拳は凶器!?正当防衛は成立しない?

 正当防衛とみなされるために!というプレジデントの記事であったように、まず手は出さない・周りに助けを求める・警察をすぐ呼んで事情を説明する。そういうところにつきるでしょうね。

 そしてこの正当防衛で少し前に長谷川穂積が後輩のボクサーが絡まれて殴られて、ボクサーだから殴ってはダメはおかしい!ということを言ってました。しかし、なにか根本的に勘違いをしていますよね。ボクサーでも正当防衛はきっちり成立します。有名なところではガッツ石松がヤクザを7~8人叩きのめしていますしね。

 長谷川が言っていたケースでは後輩が数人に絡まれ、ボクサーだから手を出さなかった、結果負傷したということですが、その場合でも周囲の人に助けを呼んで、証人を確保する。そして警察を呼ぶ。そして警察が到着するまで一人当たり一発か二発くらいまでの最低限の打撃に制限しておけば問題ないでしょう。明確に証言してくれる第三者がいない場合は、過剰防衛に取られる恐れもあるので、先に一発正当防衛の証拠のために殴られておくくらいの必要性はあるかもしれませんが。つまりあえて殴られて軽い怪我をしておくことですね。

 ボクサーだから反撃できないわけじゃなくて、「過剰防衛」になりやすい。下手したらそれすら成立しない可能性が場合によってはあるわけです。証明しづらい時など、本当に正当防衛?過剰防衛すら怪しいんじゃないの?となったら圧倒的に不利になる。

 またそういう事件に巻き込まれた時興行に悪影響がでるから、協会とかジムはそう教えているんでしょうか?とにかく手を出すなと。手を出させないためにボクサーは手を出したら犯罪になると。お母さんが子供に悪いことをすると山神様にさらわれちゃうよ的な感覚で教えこんでいるのでしょうか?確実に不特定多数の証人がいるときは、襲われても「自分はプロボクサーです、これ以上やるなら反撃します」と、周囲に聞こえるように宣言してからボディ一発入れてダウンさせて、そのあと救急車・警察でも呼べばまず問題ないでしょう。

 漫画のはじめの一歩でも確か酔っぱらいに一発殴られて、殴ろうとするものの「路上で手を出したらリングに上がれなくなる」と、言ってましたが、ああいうケースならまず問題ないですよ。先に手を出されているのですから。めんどくさいんで、グッとこらえてその場を去るというのは立派な態度ですが、普通の人はやりきれなさ・憤りが残って、ストレスたまってしゃあない。だったら殴り倒せ!やっちまえ!とはいわないですけども、実際にKOする・殴り返すよりも警察を呼んで、治療費・慰謝料でもせしめるのがいいでしょう。取り押さえるだけの実力がある人ならそうするのが賢明でしょう。

 確かろくでなしブルースでもラストでボクサーになったあと、一般人に手を出したからリングに上がれなくなるなんてことになっていましたが、徒党を組んで女性一人拉致していますし、当然他に様々な犯罪を起こしている愚連隊みたいなものでしたから、そういう不良集団に立ち向かってもまず問題ないですよ。漫画でコミッショナーが超法規的に対応したような感じで終わってましたが、あれは本来「君は何を言ってるのかね?このケースがそんなことになるわけ無いだろ?」という話にならないとおかしいですよね。

 「ボクサーが路上で手を出したらアウト」―この神話は一体どこから来ているんでしょうかね?正当防衛でググっているときに、ボクサーが酔っ払いに絡まれてつい反撃してしまい傷害罪に問われたというのを見ました。まず相手が手を出した。駅での犯行で周囲の人もそれを見ていた。相手が大柄で脅威を感じたので反撃した―というものでした。これだけ正当防衛になりやすい条件が揃っているのに、ボクサーだからアウト。リングに上がれなくなってしまう!と怖くなって逃げてしまったというのが有りました。もし逃げずに救急車や警察を呼んでいれば最低でも過剰防衛で傷害罪が適用されることはなかったでしょうにね。これも「ボクサーが路上で手を出したらリングに上がれなくなる」という神話がもたらした悲劇・被害者といえるのかもしれません。

 いくらプロボクサーでもキャリアが浅く、軽量級ならちょっと大柄な男に脅されてパニックになることは十分有り得る。そこではずみで手が出てしまうということだって十分考えられることですから、対応をしっかりしろときっちり教育すべきじゃないですかね?むしろこのように逃げて犯罪者になってしまうケースを生んでしまうでしょう。

 今は真面目な人間が多く、アスリートというイメージが有るボクサーですが、ちょっと前までヤクザもん、ヤンキー上がりの汚い世界のイメージがあって、そういうことを教えると平気でケンカを楽しんでしまうような問題があったんでしょうかね?この件もまた謎ですね。

 まあなんというか、日本の正当防衛については謎が多いですね。