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身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

【長谷川穂積敗れる】 がんばれ!日本のエース

昨日の試合でまたしてもショック。長谷川穂積が敗れました。あれほど安定性と絶対性を誇っていた長谷川がまたしても4Rで敗戦、TKO。

実はあんまりまじめに見てなかったんですよ。12Rあるから後半からまじめに見ようと(^ ^;)。トリプル防衛線ってだめですね。はっきりいって飽きますし。1ヶ月に一回ボクシングの試合みたいですね、テレビで見る人間の話ですけど。たまにあるから、テレビの前で腰を落ち着けてみようという気になりますし。栗生選手は明らかに相手調整失敗で楽勝でしたし、西岡選手は拳を途中いためたそうですが試合運びからいって楽勝だなと。

んで、まあ長谷川選手が同級1位だし、47勝41KOだしそちらをメインに見ましょうとね。1Rアナがあーっ!とか叫ぶから(アッー!!ではない)、てっきりもうもらってるのかと思いましたけど、そうでもなかったですね。相手にしっかり当ててますし。

色々要因は挙げられるんでしょうけど、ちょっと止めるのどうかな?ふらついてたけど、一回やらせて連打で動きが止まっちゃうくらいで止めるべきじゃないかな?と思ったんですが。それより、止められて猛抗議するほどのいやらしさ、アグレッシブさがないほうが気になりますね。メンタルの面で。

リーチで9センチでしたっけ?その9センチ劣るってのが気になりました。映像を見る限りでは9センチ差は目立ちませんでしたけど。なにより、ウィラポン戦さっき見返して、その当時あったメキシカンもびっくりのハンドスピード&パンチの伸びがなくなっているのが非常に印象的でしたね。ウィラポン戦はまた、日本人のいけにえが一人…と思ってみる気しなかったんですが、1Rいきなり左ストレートでぐらつかせて食い入るように見た記憶があります。まあ、当時はサウスポーの射角が違うとか知らなかったから、そういう現象が起こるなんて知らなかったから本当にびっくりしましたね。

それはさておき、内山・徳山に続く両名チャンピオンとして長谷川選手が来るわけですが、それは天性に基づくものより、彼の異常な手のスナッピーさにあると思います。彼は本当によく伸びる。なんかのテレビで彼がパンチを打つのを見ましたけど彼は日拳(あれ?少林寺だっけ?)のようにバラ手で打つんですね。普通の人間が裏拳気味に指を伸ばすような感じで打ってもツッコミにしかなりませんが、あれで効かせることが出来るわけです。当時の映像見てゴムゴムのピストルかっ!ってつっこんじゃいますよ。母さんのびのび育てろっていったけど、のびのびしすぎだろってもんですよ。ウィラポンさんと比べてリーチ差10センチくらいと思ってたけど、記載にごまかしがなければリーチ同じ168センチですからね。ちょっと信じられませんよ。マジンガーロケットパンチかって思うほど途中見えないですからね。

そんなことはどうでもよくて、やっぱりフェザーから、ライト・ウェルターくらいから選手層厚くなってくるんでちょっと別物になってきますよね、やはり。正直ライト級以下の防衛記録はあんまり価値がないといっても過言じゃないんです。もちろんすごいことですがそれ以上上の階級の防衛は本当に難しいし、価値が重い。無敗のチャンピオンのほかに40戦近く無敗の挑戦者ゴロゴロしてますからね。そういう意味でも内山選手のスーパーフェザーでの防衛、絶対王者っぷりはバケモノの域に達していますよね、日本ボクシング史上からみても。

んで、長谷川選手がバンダムで10回防衛したこと、これがかえって彼のボクシングを歪めてしまった気がします。この階級は体格・リーチ常に長谷川選手が上で、劣位である挑戦者が隙を探って試合を進め、捕食者である彼がじりっじりっと追い詰めてパクッっていう試合が多かったですからね。そういう試合を行ううちにフットワークが消えてしまった気がします。そして階級を上げたことでパンチに対する恐怖心、特にアゴを折られたことで深層心理には間違いなく影響しているでしょう。恐怖心があるからこそ、負けないぞ!と帰ってやけくそ気味に打ち合ってしまうのではないでしょうか?それがなければいいのですが…。老婆心であってほしいですね。

勝利は失敗を作り出す最大の麻薬。成功、積み上げた自信が返って余計なものになって彼の背中の重石になっていないでしょうか?日本のエースという称号が確実に重荷になっているでしょう。被災地のために勇気付けるKOを与えようと積極的になったのは間違いないでしょう。見てももやもやする判定ではボクシングの人気にならない。絶対的な支柱にならなくてはならない。そういう思いが裏目に出た結果になりましたね。

試合の内容ですが、前述どおり相手の左をパーぎみに払う右、フリッカー気味のジャブはよかったですが、伸びがなくなってました。何割かは良いパンチあっても、全弾ネコがその手を伸ばすような獣染みたそれではなかったですね。そもそも彼はチャンピオンになるまでKOが少ない判定型ボクサーでしたから、地味にポイント重ねるボクシングで良かったはずです。彼のいいところはパンチの質、ソリッド型なんですから、そういう自分の特性を生かしたボクシングを見つめなおすべきではないのでしょうか?倒そうと強振する、力むから、本来の伸びが失われているのでは?

それだけなら、いいんですけどね。今後は体格・リーチで同等・相手が優位ということになるでしょうから、普段から二階級ぐらい上の相手とスパーしてポイントをしっかり取るフットワーク(特に左右)主体、出入りより回ることを重視したほうが良いと思います。気になるのはセコンド。セコンド陣営との意思疎通が出来ているのか?話し合った上で出した結論・戦略・練習メニューなのか?セコンドは自分の指示で、指導不足で負けてしまったといつも悔やむものですけど、意思疎通が出来ていなかったら悔やんでも悔やみきれないです。やっているの自分ではなくても、そこに全精力かけているのは選手と同じですからね。

KOのパンチはボディを討とうとして、長谷川がパーしに行こうとしたとこにあわせて、急遽タイミングをわずかにずらして、そのまま顔面に。だからよくみるとパンチ中国拳法みたいに下突きのまま顔にいってますね。何回かもらって、でもブロックで防いでいました。しかしダッキングでしかかわす方向がなかったのでまんま読まれてしまいましたね。あれが実力の全てではないでしょうが、今回の長谷川選手は明らかにボクシングの引き出しが狭くなっていたことが敗因かと思います。もしあれがリーチ下の選手なら間違いなくパーで防げたんでしょう。

本当は結構辛辣な事書こうと思ったけど、むちゃくちゃ言われていたのが腹たったので、書きません。というかむしろ倒そうと勇敢に出るのはすばらしいことです。一回の敗戦が比較にならない意味を持つボクシングという競技で出来ることではないですから。ただ負けたら意味がない。だからこそ、よりKOマシーン精密機械になるために戦略を組み替えてほしいです。後半勝負まで、作業のほうがいいと思うんですが。

スタンスが広いのは彼の特徴です。しかし解説で倒してやろうと踏ん張ろうとしていないか、というのはあるかもしれないです。KOされる直前ローブローであやまるシーンがあります。ローはこれだけではなく、頭もぶつかっています。それは動きが単調になっているフットワークが落ちている何よりの証拠かと思います。そして4、5回トランクスに手をかけて直しているシーンが目に付きました。なんでもないように見えてああいう無意識の所作は、自分の体の何かがかみ合っていないとき、そのズレを直そうとする象徴的な所作です。確実にズレが現れてきていると思います。思うに自分が最も良いとき、そしていい形で出来たときのいいイメージが強く残りすぎてそれにとらわれてしまっているのかと思います。そのズレをうまく修正できればいいのですが…。

がんばろう東北!ですが、それ以上にがんばれ長谷川!を届けて彼を支えたいですよね。才能あるものをつぶす昨今の風潮があるからなおさら

※追記、長谷川選手をボクシングファンかな?試合前のボクシング雑誌を見ると彼の顔が気になりました。目の焦点がずれているんですよね。ポスターと、写真二枚のうち、必ず右か左の目の焦点がすこしずれている。大丈夫かなぁ?モンティエル戦でKOされたとき、焦点がずれていて、ああ、ものすごいの食らったなぁとぞっとしましたが。目や脳など体調は本当に大丈夫なのでしょうか?異常が出ていなければ良いんですが…、

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