別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

【雑誌】 月刊秘伝 2015年5月号

月刊 秘伝 2015年 05月号/BABジャパン

武術印のカラダ活法―療術特集ですね。
 碓井流活法の人の話が面白かったですね。右に一回転、左に一回転して深呼吸すると、宇宙のエネルギーと一体化して身体に軸ができてバランスが取れるようになると(前後左右から押してもらう。これをやったあともう一度同じように押してもらっても簡単に崩れなくなる。以前より丈夫になることがわかる。変化がわかるとのこと)。足裏の三点軸でバランスが取れるなど普通の教えもあります。色んな引き出しがある方みたいですね。
 
■システマ スティックコンディショニング
 スティック、鞭、ナイフを使って身体を調整する。痛みを伴い、体の自然な反応を引き出していくとか。快楽を基礎とする普通のマッサージやコンディショニングとは真逆の概念ですね。興味はありますが本当に痛そうなので実際に受けるとしたら、ためらいそうですね。

■特別企画・連載追悼 岡本正剛師範(大東流合気柔術六方会)武術史を変えた合気の“具現者”
 西田幸夫、小用茂夫、伊藤昇、そして光岡英夫などなど、武道界に与えた影響は計り知れない偉人ですね。他にも指導・稽古だったり、影響を受けた人は数多いでしょう。合気道系で塩田剛三と並んでその秘技・奥義を惜しまず積極的に公開をして普及をしようとした極めてリベラルでオープンな素晴らしい武術家・教育者・伝道者であったと思います。尊敬しない武道家・武術家がいるのか!?と言いたくなるようなレベルですからね。


ゆる体操には“裏”の存在があった!高岡英夫の漢語由流体操「肩肋後回法6」
 第二法は「四足動物伸緩法」。第一段は「脚支持後重心系伸緩法」です。主として脚で体重を支えて、後ろ重心系で行う伸緩法。縦系の一般的な伸び動作です。動物の気分になってやるのがひとつのコツ。身近に犬や猫がいるなら観察して、彼ら以上の深い動きを目指すこと。第二段は「腕支持前重心系伸緩法」。人類が進化する過程で、人が忘れ去って取り入れなかった伸び動作。*1
 これらの伸緩法を行う際は、第一段・第二段ともに、普段の伸び動作の際に自然に出てくる「うう〜ん」「ああ〜」といった声を出すように行う。どうやったらより気持ちが良くなる・効果が高まるのか発声の仕方を工夫して行うこと。やってみればわかるが、発声の仕方ひとつとっても、意外なほど工夫の余地がある。伸びの呻き声の出し方も、以前紹介した歩き方と同じように、厳密に判断すれば現代武道における、初段や二段レベルにとどまっている人がほとんど。しかし全くやったことがない人でも、すでに初段・二段レベ ルには達しているという点がじつに面白いところ。初学者にとっては、初段・二段というレベルは、はるか上の存在であるはずなのに、伸び動作の呻き声や、歩き方に関しては、誰もがズブの素人の域を.脱した初段・二段レベルに到達している。しかし当然それをさらに向上させていく、その伸び代はたっぷり残っている。
 第三段は「立位後支持系伸緩法」。これは立位で行う「人伸び動作法」。これは一般的な仮名ゆる体操の中の「伸びアーッ体操」として取り入れている伸緩法。ただの伸びともいえるが、わざわざ意図して体操法としてやれば、立派な体操法になる。伸びはあくまで、ほぼ無意識に行ってしまう自助運動であり、意図したものとは違う。意図して体操として行う伸び動作の方が、はるかに質の高い身体運動に上達し得る。こうしたところにも、自然に行っている自助運動を、科学化して体操法化していくことの意味を見出すことができるといえるとのこと。
 第四段は、「立位前重心系伸緩法」。一肩肋後回法をやりながら、肩がちょうど下から前方そして前上方に向い、頂点に達した付近で、「ううう〜」と呻きながら、一肩を少しづつ後ろに持っていって、身も心も崩れ落ちるがごとく「あぁ〜」と嘆息をつきながら、思い切り深くやれやれといった感じに下ろしていく。じつに素敵な過程(1・2段は四足動物の動きそのものだが、第三段の伸びは無関係のように思えるのだがどうして一緒のカテゴリなのだろうか?声、発声による効果の向上が四足動物系的なものがあるということなのか?第四段に至っては普通に肩肋後回法+発声・唸りや呻きという感じだし)。
 「ううう〜」と自然に言ってしまう、独特の身体運動を引き出すこと、深めることが身体開発上独特・重要ということなんだろうが、そのバックボーンがいまいちピンとこない。四足動物DNAにスイッチを入れて身体開発を進める上で有効・有益ということなのだろうけど。
 もし、「ううう〜」と呻くことに、どうしても抵抗があるなら、発声せずに内言の呻き声で効果が出るように工夫してみること。実際、自身も、外言・内言それぞれでやったり、色々なやり方を試したとのこと。どちらが効果があるとはっきり断言されてはいませんが多分、外言でしょうね。じゃなきゃ最初に呻き声云々の話をするわけはありませんし。ただ内言、口を閉じてちょっと「ううう」と人に聞こえない程度でやることにもそれなりの効果、違ったプラス効果などありそうなので両方やるべきでしょうか。
 第三法は「固定肋骨後回法」。 これは肋骨を固定土台として使って、 肩を回していく方法。 第一段は「脱力後回観察」です。 じつはすべての方法の第一段階は固定肋骨が前提となっている。すべてに「固定」といれると、名前がくどく長くなるので省略してある。肋骨が固定化されている=当然肩は脱力。だからわざわざ「脱力」の二文字を加えた。*2
 まずは観察法から入る。鏡を見ながら肩肋後回法を行って観察をする。コツは、はじめから鏡を見ないこと。まず鏡の前に横を向いて立つ。そのまま鏡を見ずに、何回か肩肋後回法をやって、自分の動きが定常化してきたら、あたかも他人を見るように、チラッと鏡に目をやること。つまり、動作する意識と観察する意識を別なものとして、意識分化する。人は鏡を見ながら、自分をどうこうするということに慣れ親しみすぎているので、鏡を見ながらやると、本当の自分の動きを観察することができなくなるから。ゆえに、鏡を見ずに肩を回して、定常化してきたら、その動きを少しも変えないようにしながら、チラッと鏡を見るようにする。そうすることで自分の動きを観察理解することが出来る。思ったほど、きれいな円運動は描けていないことがわかるはず。
 この意識分化による観察法は用途が広く、非常に有効な方法。こうした鏡の使い方も身につけておくと稽古にも大変役立つ。完全な意識分化による観察が出来るということも達人的な能力のひとつといえる。稽古の前の稽古というか、準備と言いますか、練習の効率・成果を上げる条件として自己観察というのも当然ポイントとしてあるわけで非常に重要なポイントですね。最近だとスマホで動画撮れば?と言われてしまうかもしれませんが、意識分化というのがポイントになるでしょうからね。
 第二段、「脱力後回修正」。鏡で観察&修正。鏡を見ながら修正し、次に鏡を見ないで修正、再度鏡で観察。すると新たな粗が見つかるので、再び修正―の繰り返し。鏡を見ない時が本当の姿なので鏡を見なくても出来るようになること。
 第三段以降は、この回転というものを、身体座標空間論を使って、 運動構造的に要素化する。第三段は、「脱力中位上昇下降」。 この「中位」とは、身体の前後の正しく中位の位置で、肩を完全に垂直に高く深く上昇・下降させるやり方です。 一見、簡単に思えるが大半の人は、肩を上昇させるときに力んでしまう。できるだけ脱力させたまま肩を高く上げることは修練がいるし、これがまた脱力のいいトレーニングになる。下げるときも、同じように大胸筋や広背筋を使わずに低く低く下げていく。また、自分の円運動の欠落している部分の解消にもなる。肩を回転させるとき、低いところは肩が通しにくく、ここで円が歪になり、ショートカットしているケースが多い(なで肩なので、肩をあげようとすると結構簡単に上がるが、下に下る範囲が殆ど無い…。固まっているということなのかこれが限界なのか…。キレイな正円にならないなぁ…)。
 第四段は、「脱力中位前後」。肩を中位の高さ、上げても下げてもいない高さ=「中位」で、肩を完全に水平に大きく前後させるやり方。こうした動きは、普段やらない分、上下の動きより難しいはず。しかも徹底的に力を抜いて、ダラ〜としながら行う。拳法や空手などでは、突きのときに、肩を前後に動かしているように思うかもしれないが、多くの場合、突き動作は、体幹部を体軸回りに回転させながら、腕の屈伸運動を行っているので、肩の出し入れをしているつもりでも、じつはそれほど肩を前後に動かしているわけではなかったりする。こうしたことに気が付くのも、この「脱力中位前後」の特徴。そして、この徹底脱力の完全水平中位で肩を十分に前後に動かす能力は、武道・武術に、高ければ高いほどメリットがある。例えば肩が動く分、体幹の動きも自在に調節することができると。
 第五段は、「脱力前位上昇下降」です。今度はちょっと難しくなる。身体を横から見たときに、肩を十分に前位に持っていく。完全にその位置のまま、完全に垂直に上昇・下降を繰り返す。やってみればわかるが、高く上昇・深く下降させると、肩は中位に戻ろうとする。そのやりにくい、「前上死点(前上の角)」と「前下死点(前下の角)」にきちんと肩を持っていけるようにすること。当然力まずにやるのがポイン卜。
 次が第六段の「脱力後位上昇下降」 です。これは第五段の反対で肩を後位に持っていき、そこで上昇・下降を繰り返す。
 第七段は「脱力上位前後」肩を上位の位置にして、大きく前後に動かし、高い位置のまま完全に水平移動させる。通常は肩を前に出しても、後ろに下げても、高さが低くなりがちだが、高度をキープしたまま、力まずやる。
 第八段は「脱力下位前後」。これも第五段の反対があったように、第七段の反対。肩を一番低い状態で、その高さを正確に維持したまま、肩を完全に水平に大きく前後に動かす(この第八段だけでも、「肩こりが解消しそうだ」と実感される人も多いでしょう―とあるが低い位置に肩がいかないからそんな感じが全くしないのだが…)。
 第九段「脱力後回正円法」で、第二法の最後となる。第一段から第八段までの鍛錬を活かして、肩で正しい円=正円を描く。前から上、上から後ろ、 後ろから下ときれいに大きく正円で回せるようになると。
 肩を一番持っていきづらいポジションは、当然最大可動範囲の頂点。上の後、下の後、下の前、上の前の四つ。四角いラインの角の部分、四つの死点。円だから四死点は無視するという姿勢でいると、本格的なトレーニングにはならない。一番持っていきづらい位置まできちっとトレーニングしておくことで、はじめて大きくきれいな円が描けるようになると。
 *3
 
 
■大宮司朗霊術講座「急所を突かれても利かない技」
 水月を撃たれても効かない、水月受身術の話です。

松原秀樹100%動き切るための調整術
 シソの実エキス、植物マグマがイイよ!という話がしてあります。アレルギーなので試してみたいのですが、あんまり大々的に流通してないみたいですね。ドラッグストアとか沢山漢方とかサプリとか色んな健康食品的なものおいてあるところでも見かけませんからね。前も書いたかもしれませんが、興味を持って氏のHPを覗いたら取扱停止になっています。何故なのか?
 *4

*1:第一段はヨガで言う猫の背伸びのポーズでいいのかな?それですね、で第二段がコブラのポーズ。両方共犬猫がよくやる伸び動作なのでそれを連想しますね

*2:文中でも肩を脱力して行うことが何度も書かれている。毎回のことだがそれくらい脱力を忘れやすい、ゆるむことは難しいということだろう

*3:最後に、人間の関節・骨格構造を考えてみると、いわゆる単関節につながっている一本の骨がレバー状に動くと、通常は円運動しかできない。しかし、肩まわりは違う。腕の骨と体幹の骨格が関節でつながっているのは鎖骨だけで、あとは筋肉でつながっている。さらに胸鎖関節の上台となっている部分も、肋骨と胸骨。
 前述のように、肩がスクエア状の角の死点を攻めていくように動かすということは、鎖骨のクランク運動の限界を超える必要がある。 したがってこの運動は、胸鎖関節を通して、肋骨や胸骨の動きを引き出す方法でもある。―という話があるのだが、肋骨・胸骨・鎖骨が連動して自在に動かせるようになることで関節の単純な円運動を超えることが出来る、精妙な動きが生まれるということでいいのかな?

*4:一応目次載っけときます
巻頭特集 武の先にある身体の理で“直す(ただす)”! 武術印のカラダ活法 東洋医学×西洋ボディワーク
旧・武術稽古研究会対談 日本活法整体 碓井流活法
インド伝統武術カラリパヤット
秘伝オイルマッサージ ロシア古武術ステマ スティックコンディショニング
コラム 川上 仁一 忍者に伝わる自己調整術
特別企画・連載 追悼 岡本正剛師範(大東流合気柔術六方会) 武術史を変えた合気の“具現者”
村祭りの余興、競技会有りきの伝承 朝鮮古来の武芸「テッキョン
新シリーズ! 護身術と武術の型に関するもう一つの私的な見解 平直行の「グレイシー護身術」武的考察
塩田国際合気道連盟(SIAF)・塩田泰久師範、ご子息の将大氏と登場 三代にわたる合気 塩田剛三の合気を伝えていく決意
ゆる体操には“裏”の存在があった! 高岡英夫の漢語由流体操「肩肋後回法6」
湯川進太郎 心理学から解く武道と日常構造「武道と健康」
空手の聖地沖縄で存在を示す中国武術家 天行健中国武術館 宮平保の中国武術戦闘理論
平上信行 武術秘伝書夢世界
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黒田鉄山 鉄山に訊け「無足の動き」
時代考証の表裏 平上信行が“現代”日本武道を斬る「時代劇などにおける古流柔術
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宮司朗 霊術講座「急所を突かれても利かない技」
安田洋介 太極遊戯「陳氏太極拳における陰陽のバランス」
日野晃 武道者徒歩記
松原秀樹 100%動き切るための調整術
増田俊也「続・七帝柔道記」