別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

2016年パ・リーグCSファイナルステージ 北海道ファイターズVS福岡ホークス④ NPBに興醒めした今年の事実上の日本シリーズ

2016年パ・リーグCSファイナルステージ 北海道ファイターズVS福岡ホークス③ CSファイナル五戦目 先発攝津3回で降板というありえない継投の続きです。

■明日の継投上、東浜を早めに使うのはありえない
 3つめのありえない理由として、ここで東浜をロングリリーフで使うと③大事な明日の試合に東浜を使えなくなるから。使えたとしても今日以上に調子を落とす。そうなったら大事な場面で使えない、勝利パターンへと繋ぐ六回頃イニングまたぎで投げるのがこのCSでの東浜の役割。その役割を全うさせることが出来なくなる。さらにもし明日の試合でアクシデントが発生したら?延長の展開となったら?連投の東浜は間違いなく調子を落としており、失点のリスクが高くなる。ここまで三連投した影響があるからこそ最終戦で打ち込まれて負けのきっかけを作ったわけですから何をか言わんや。仮に東浜がこの試合抑えていたとしても、最後の六戦目でリリーフ枚数が足りなくなるリスクを犯すことになる。攝津がKOで、明日を考えて使いたくないけど使わざるを得ないという状況ならともかく、先発投手の余力を残して代えてしまうというのは今日だけでなく明日の継投の都合上からもありえない。既に二敗して追い込まれたということはこちらの継投は制限される。その制限を確実に超えている起用。一体どういう計算を立てているのか本当にわからない。こんなことで第六戦に突入していて、アクシデントが起こっていたら一体どうしていたのか?危機管理能力がない後は野となれ山となれ継投だと言わざるをえない。

■いつもと違う使われ方をした場合、違う役割をこなそうとする場合、本来の能力は発揮しづらい

 これまでの東浜の登板内容、5回途中・6回途中・6回途中という登板の仕方を見ると、大体この展開でいくというパターンが決まっていたはず。先発が5回・6回ゲームを作って、789の必勝パターンの前のつなぎ役。そして万一のロングリリーフ要因で、早い回にそなえる。さらに延長の場合でも2イニング投げる可能性は十分あったでしょう。

 つまり、東浜は早い回・7回の必勝パターンの前・遅い回の3つに備えた準備を念頭に入れてこのシリーズを戦っていたはず。まあ延長は他の投手でしのぐから考えなくても良いとは言われていたかもしれませんが。万が一の際には東浜に任された展開もありえたでしょうね。そうなると東浜は責任感から、いろんなことを考えてあれもこれもやろうとして、パンクしたでしょうね。投手の枚数が少ないので東浜が延長に投げる可能性はゼロではないですから。そういう場合にも東浜は備えなければならなかったでしょう*1。3連投の疲労・精神的重圧を考えれば、打たれるのも当然ですね。ましていつもよりタイミングが早い4回頭から。

 この前投げた5回と1回しか変わらないのなら、大して影響ないのではと思われるかもしれませんが、表裏というイニングのテンポを考えると、アウト6つ分違う。更にその間準備があるし、5回のあとにはグラウンド整備がある。ピンチになって一旦投手コーチがマウンドに向かって、次のタイミングかな?という間合いを考えれば尚更時間感覚・幅は異なってきますよね。5回・6回・6回と遅い方に合わせていたものが、急に早くなる。となると当然それに合わせるのは難しい。更に遅くなっていたらまだしも、早くなるという展開は滅多にない分難しくなる。リリーフはいつも同じ場面・展開でいくほうがやりやすいと言われます。逆に言うと使われ方が安定しなければ難しくなる。これだけ何時投げるかわからない安定しない使われ方をされたら東浜を責めるのは酷としか言いようがないでしょうね。あんな無茶苦茶な使い方で結果を残せる方が凄いと言うべきでしょう。リリーフ経験が乏しい東浜には尚更*2

 昨年は千賀がジョーカーとしてロングリリーフというか先発からバトンを受け取って勝ちを789回必勝パターンに繋ぐというえげつない役目を担っていました。千賀ほどの絶対的な存在であるからこそ可能な役割であって、今年成長したとは言え、終盤コンディションを落として安定していなかった東浜にそのような役割は無理。そもそも絶対的な存在であるから、チーム内でリードさえすればウチが必ず勝てる!という自信につながるもの。「千賀が投げる?良しイケる!」と勢いがつくもの。そうではない投手をジョーカー役に使ってもどうにもならない。むしろ4回から投げさせて、「え?大丈夫なのか?」と不安を蔓延させるだけ。あの場面同点で凌いだとしても、「やっぱり駄目じゃないか、何をやってるんだ…」と動揺を招いた以上、多分負けたでしょうね。奇策は裏目に出た場合、ダメージがデカイですから。奇策はリスクがデカイという用兵の基本をどれくらい念頭においた上での決断だったのでしょうか?

■相手先発がKOでロングリリーフ登板=得点の可能性が大きい。点がこれから入るのに動いて流れを変える必要性はどこにもない
 また、④ファイターズが2回から投手をバースに代えたこと。ロングリリーフを使ってきたことからも、東浜交代はありえない。今まで言ってきたと同じ理由で、2回で投手が代わった・マウンドを降りたということはこれから継投でバース含め4人~5人は出てくる。となると、こちらが点を入れる確率が非常に高い。勝ちパターンでもホークスを抑えきれないファイターズが負けパターンで0点で抑えきれるか?そういう計算はまずたてられない。

 仮に攝津が打たれて追いつかれたとしても、同点で継投合戦で延長勝負まで行った場合、こちらが勝てる確率のほうが大きい。守護神バースもいないわけですからね。ならば先発攝津を同点まで引っ張るのが当然。失点の内容によっては5点・6点まで我慢しても良い。必ずウチの打線ならファイターズの中継ぎから最低でも2点は取れる。どれ位点が取れるかという計算は人によって異なるとしても、取れる確率が高いの確か。いずれにせよ、相手が負けを覚悟でロングリリーフをつぎ込んできたのだから、慌てる必要はどこにもない。じっくり腰を据えて勝負を見守ればいい。バースを攻略し、そのあとの投手から点を取ることを念頭において、「乱打戦はこちらの望むところだ」と同点までゲームを絶対に動かすべきではない。

■敗因は工藤監督のファイターズフォビア

 4回頭の先発攝津から東浜交代でゲームを不用意に動かしてしまったこと。これが全てですね。全く理解ができない、不用意な行動・采配でした。敗北の90%は自滅といいますけど、まさに自滅でしたね。下手に動いて流れを変えて、相手に勢いを与えてしまった。プロ野球ニュースで平松は、「継投ではホークスが有利。なんとかしてファイターズは早い回で先発を引きずり下ろしたい。リードして後ろにつながれたらまず勝ち目はない」と語っていたように、それが殆どの人が思っていたこと。なんで相手が喜ぶこと、先発を早く降ろすということをしてしまうのか?なぜ相手の嫌がることを念頭において行動しなかったのか。

 結局、自分たちの都合・攝津がいまいち信頼できないというところしか見ていないから、そうなってしまう。4点差が2点差になってしまった!という表面上のところしか見ていない。状況・展開を冷静に把握できていたら、「このあとは点の取り合いだな。それでもウチに勝ち目がある」とドッシリと構えていられるはず。「ああ~2点差だ、コワイコワイコワイ」と浮足立っていた、パニクっていた。11ゲーム差を猛追されてひっくり返されて完全に恐怖症になったんでしょうね。冷静に物事を考えられないビビリになってしまった。敗因の真の原因はファイターズ恐怖症、ファイターズフォビアですね。どうして11ゲームもの大差をひっくり返されたのか、その原因を正確に分析して理解していないから、必要以上にやたらめったらに恐れるわけですね。

■使うなら最低限のラインを守るべき。選手を起用したなら監督は責任を全うすべし
 そもそも攝津が信頼できないなら、初めから使うべきではないんです。だったら初めから東浜を先発させておけと言いたい。もちろん連投した東浜には先発なんて無理。他に投げられそうなのが誰もいないから消去法で攝津を選んだのだとしても、使った以上は先発としての最低限の場面まで任せて、それでダメだったらあとはもうおとなしく死ぬだけ。この試合までに既に二敗してもうあとがなく残り全部勝たないといけない。そのためには攝津が5回まで行かないと、今後の展開がきつくなるという場面なのだから、そういう展開に追い込まれてしまったのだから、余計なことはもう何もすべきではない。そういう時に動けば状況を悪化させるだけ。試合を任せた以上、選手を信頼して心中するべき(あくまでここでこの選手がダメならもう仕方ないというケース限定ですが)。腐ってもエース攝津で負けるのならばそれでいいではないか。チーム内であいつにチームの命運を任せられないという立場の選手ではない。攝津で負けるのならば納得がいくが、実質1年目の東浜で負けて納得する選手がどれほどいるのか?

 工藤が自分で目をかけた選手で、今シーズンここまで使って結果を出してきたから東浜という判断だったんでしょうね。甘いですね、考え方が。前にも書きましたけど、攝津のほうが実績が上。過去のチームでの実績・貢献度を尊重しなければ、チームの序列・求心力は保てないですよね。

 何よりあそこで攝津に任せず、東浜に託した以上、敗戦の原因を作り出してしまった東浜は自分で負けたと苦しむことになる*3。そういう東浜を気遣って「あそこで使ったのはやはり無理があった。私のミスであり、東浜に責任はない」と明言してかばってやらないといけない。敗戦時の指揮官の責任を全うしていないですね。まあ敗戦後総括が出来ないのは今に始まった話ではないですけど。

 ①の理由で経験の浅い若手東浜へ任せる愚策という指摘で忘れていましたけど、経験豊富なベテラン攝津からの交代ですからね。経験豊富なベテランなら良くなくともなんとか凌いでくれるという可能性もありますけど、新人・若手にはそれがない。新人からベテランという継投ならばともかく、実績あるベテランから若手への継投ですからね…。何重の意味でもありえない愚策ですね。

■左腕加藤から右腕バースにスイッチしたファイターズに対し、タイプの似た右の攝津から右の東浜という継投
 こちらの愚策とは対照的にロングリリーフバースは素晴らしかった。あの難しい場面で完璧に凌いで逆転の流れを作った。とにかくテンポが良かった。4イニング行ったバース、ロングリリーフの成功とこちらの継投の失敗は今シーズンを象徴する現象でした。

 忘れていましたが、東浜が駄目な理由として、東浜が全盛期攝津の下位互換と書いたように、⑤東浜と攝津は割りとタイプが似ていることが挙げられます。加藤→バースと吉井は左右でロングリリーフを切り替えた。加藤が打たれることを計算に入れて、その場合は左を意識した打線に対して右投手をぶつけることで相手打線を封じるという計算があった。対照的にこちらにはそれがなかった。

 ですから、もし仮にあそこで継投でいくのならば左右を切り替えて、相手打線の戸惑いを狙う交代でなければならない。行かせるのならば左腕の嘉弥真や飯田しかない。継投に出るのならば東浜の前に必ず左腕を挟むべきだった。ところがその二人はベンチにすら入ってないから、そういう策すら取れない。そもそも左腕のロングリリーフを選択肢の中に入れていない時点で論外ですね。

 左のロングリリーフ欠如という判断、そういう布陣で臨んだ以上、ロングリリーフ投入はもうありえない。そういう判断をした以上、先発にすべてを任せる以外取る道は残されていない。そういう歪な布陣で臨んだわけで、相手からすると万一の際でもロングリリーフ左腕が挟まれてこないというのは非常に与し易かったでしょうね。特に左腕が苦手と言われるファイターズからすると何をか言わんや。最初の選手発表、ベンチ要員を見て吉井は「よし、これなら勝った」とほくそ笑んだのではないでしょうか?

 どうも力押し・真っ直ぐの速い投手を好む傾向があるのか、左腕育成に優先度をおいていない。去年から150キロ右腕がわんさかいるものの左腕がいないことが気がかりでしたが、左腕整備の失敗というのは工藤政権の課題になるかもしれません。

スクイズ無警戒の謎
 大矢いわく、ピッチャーが森に代わったばっかりだからスクイズをやりにくい。そこで勝負に出たのは見事と。個人的に小技使いの中島なんだからスクイズはありうる。なんでスクイズ警戒しないのかな?と思っていた所で、ノムも「細川が全く警戒していない。栗山の性格だとスクイズあるよ」と解説してただけに疑問だったんですが、そういうことだったんですね。

 その次の攻撃で内川を走らせて本塁憤死。次がいい働きをしている松田で無理する必要なんてないのに、とにかく浮足立っていますね、チームが。二戦目のところで伏線と書きましたが、二戦目で今宮が本塁で走塁死している。ファイターズの外野の守備の良さはもう今更言うまでもない。守備が良くない、肩がダメというデータ・根拠があるのならともかく、二度もおなじ本塁・走塁死ということをやらかしてしまった。一度目はともかく、この二度目は絶対に許されない場面。特にランナーが内川。サードコーチャーは一体何を考えているのか。逆転されたからと言ってイチかバチかをやる場面ではない。継投でも走塁でも、この場面で失敗してしまえばどうなるか?どれくらいのリスク・コストを抱えることになるのかという計算が出来ないのか?

 継投・守備のミスから攻撃のリズムも悪くして、さらに守備も~という悪循環サークルを今シーズン何度も見ましたけど、今年を象徴するにふさわしい試合展開でしたね。松田が打てなくて負けるのならもう仕方ない。チームの基本の型であるクリーンナップ・中心打者に繋いで、あとは任せる。それで負けるならもうしょうがないのに、何をやってるんでしょうか?後先考えずその場のノリでイケイケ野球をやっているからこうなるんでしょうね。流れがきている、ノッている時はイケイケで更に畳み掛けるのはありですけど、リスクがデカイ場面でやったらただの自滅でしょうにね。

■理解できないベンチメンバーに選手起用方法
 投手登録の人数の少なさで、ロングリリーフ左腕がいない。これではロングリリーフ役がいないから継投が制限される。これでマシンガン継投で勝とうとするのは虫が良すぎる・虫がヨシすぎるコーチという話をしましたが、それ以前にそもそも、ファイナルステージの人選がおかしい。内野では川島・金子、外野の代打では吉村・江川、代走では福田・城所と役割がかぶっている選手がいる。代走で足で1点を考えて福田・城所はいいとして、内野と外野の被りはどちらか一人でいい。野手より投手登録を増やすべき。

 そういうとここに来て飯田も笠原も嘉弥真も誰も使える状態にない。だから野手登録を増やすのは間違いではないという話が上がってきそうですが、そもそもこういうシーズン終盤に備えて投手を使えるように起用して調整しておくべきなんです。それがきっちり出来ていない時点で投手コーチの手腕の問題になる。使えないにしてもどこかで負けゲームを作って明日の勝ちのために敗戦処理役がいる。ファイナルステージで勝ち上がりが突破するには4勝2敗でギリギリの結果になる。2敗は絶対する。その2敗をいかに上手く負けるかがポイントになる。そのためにもどんなに使えない投手でも肩を休ませるために犠牲役が必要。こういうのは来シーズンのための経験にするために若手ですよね。島袋でも笠原でも来年のために投げさせるべきだった。まあ、長嶋野球のように捨て試合を作れない監督なのでそういう発想がそもそもないかもしれませんが。

 バリオスの起用もそうでしたけど、今使っても機能するはずないのに使おうとする*4。ここで結果を残してくれたらという希望・願望で投げさせる。8人のリリーフ全員が全員素晴らしい内容で投げてくれるという都合のいい前提でベンチメンバーを組んだのは大問題ですね。

 で、投手がダメだと。他に使えないのだと判断したのならそれはそれでいいとして、そういう方針であるならば今度は野手の力で勝つ作戦を取らなくてはいけない。具体的には采配の力・戦術で勝つことを目指さないといけない。金子は内外野イケるし小技が使える。江川・吉村も代打の切り札としてどんどんつぎ込むべき。ここぞという所以外にも積極的に代打・代走を出してベンチメンバーの野手全員をフルに使って勝ち切ることを目指さないといけない。ベンチ全員の力で勝ち上がるぞという意志を見せなくてはいけない。しかし代打・代走起用でここまで動いてくるのか!という目立った起用はない。川島・金子といったメンバーならばピンチバンター・進塁打などのつなぎ役として使えるが、そういう起用もない。城所で守備強化というのも一度だけ。何より城所なら足で勝負をかけるわけで一気に福田・城所W代走ということだってある。そういうのは博打すぎるので個人的には問題だと思いますが、こういう野手主体のベンチメンバーを組んだからにはそういう戦い方をしないと筋が通らない。選手登録と起用に齟齬がある。こういうベンチメンバーならそういう戦い方をするしかないのに一貫性がなさすぎる。

■吉井コーチの放出がチーム弱体化を招いた、ホークス最大の敗因・天敵吉井
 結果として、ウチが有利なはずの、本来強みであるはずのリリーフ陣・継投という要素で敗れた。相手サイドはクローザーすら使えないという非常事態・不利な状況にあったのにもかかわらず、それをものともせず継投を成功させた。先発・リリーフ問わず、全ての投手を上手く使い、不測の事態に万全に備えて管理仕切った吉井に対して、こちらは先発もさることながら、リリーフの使い方が最後までドがつくほどの下手くそだった。最悪な思想・手腕を見せつけた。現代野球のセオリーに逆行する非常識な采配をした。その投手の使い方の上手い下手の差がシリーズの明暗を分けたファイナル・事実上の日本シリーズでした。

 まあ、そりゃ非常識な采配・「継投」で8月の時点でリリーフ陣を崩壊させてリーグ優勝を逃していたのですから、こうなることも当然といえば当然ですよね。「継投」がいくら下手でも事前にこちらが有利と見ていたわけです。一年間を通しての「継投」がいくら下手くそでも、まさか短期決戦で無茶苦茶なことをやったりはしないだろうと思っていたわけです。そう思っていたわけですが、まさかここまで無茶苦茶だとはね…。呆れて物が言えないとはまさにこのことですね。

■ホークスフロントは今一度組織づくりを根底から見直すべき
 吉井一人いなくなったら、組織が崩壊してしまうということはそれだけ組織としてのレベル・完成度が低いということ。組織のあり方を今一度見直すべきでしょうね(まあ投手の使い方が下手くそというのは殆どのチームがそうで、ノウハウを持ってしっかり管理する吉井のようなコーチがいるチームの方が今のNPBではレアなのですが)。吉井という優秀な投手コーチと衝突したヨシコーチ・工藤監督は猛省していただかないといけません。吉井という玉を捨て、ヨシコーチという瓦を残すという非常識な人事をした理由・経緯をきっちり公開して、その決断をしたフロントには去ってもらわないといけない。まあ絶対やらないでしょうけどね。ホークスのフロントは無責任体質なので、絶対失敗の責任を追求しないし、責任を取ってちゃんと辞任する人もいませんからね。海外スカウト問題なんかもう何十年も放置ですしね。組織の問題にメスが入る・手がつけられることはまあないでしょうね。

■超優秀なコーチを野に埋もれさせるNPBの現状とは…
 吉井の流出・放出が最大の補弱、最大の不安要素だったシーズンでしたが、最後の最後までそのことを実感するシーズンになりましたね。逆に言うとファイターズは吉井の獲得(復帰)が最大の補強になったわけです。

 前にも書いた気がしますが、この吉井という超がつく優秀な投手コーチがいて、その投手コーチをロッテ、楽天オリックス、西武はとろうとしなかった。特に長年低迷している。オリックスや西武、13年以来苦しんでいる楽天はこのことを深刻に反省しなければいけない。「こんなに優秀な人材が野にいたのに、一体お前らは何をやっていたんだ?」と球団のトップはフロントの責任者を叱りつける失態でしょう。ぜひ彼らの見解を伺ってみたいものです。どうしてこんな優秀な投手コーチに声をかけなかったのか不思議でしょうがありません。

 実力ではなく、コネで組織人事を動かしているから組織が停滞する。優秀な人材は何が何でも取ってこないといけない。他所の組織の人材とその流出動向は常に目を光らせておかないといけない。捕手を育てるためのバッテリーコーチすらままならない時代で、多くのチームでその重要性が認識されている投手コーチすらも満足な人事が一般的に行われえないとなるとNPBの未来は暗いですね。今シーズンはホークスのダメさの露呈だけでなく、NPB全体の暗い将来が見えて野球への興味がガクッと落ちたシーズンとなりました。事実上の日本シリーズでお互いがベストの選択肢を選び合って切磋琢磨しあっての勝敗の決定、素晴らしい戦いを見せてくれないのですからね。このカードでそういう面白い試合が見られないということは、まず他のカードでも見られない。これではNPB全体に好影響を与えて全体が発展していくなんてことはありえない。細川もいなくなって今後のビジョンがまるで見えなくなりましたし、こんな駄文を書き続けるのも良い潮時なのかもしれませんね。と言いつつ日本シリーズやら高橋・中畑監督やら色々書くネタがまだまだあるのですが…。

アイキャッチ用画像

*1:ひょっとしたら投げなかった四戦目も三点差なので肩作っていたかもしれませんね。吉井の勝ち・負け展開&連投などに応じて、肩を作らせずに休ませるブルペン管理とは対照的なブルペン管理でしたから、休ませていなくても違和感ありませんからね。CSのブルペン事情がどうなっていたか詳しい情報欲しいですね。

 また、東浜が何時でもどこでも投げるように準備していた。抑えてくれると期待されていて使われたというところを見ても、非常に都合の良い考え方をして計算する・組み立てているということが伺えますね。今シーズンは「なんでもかんでも岩嵜」というヒドイ継投がありましたが、このファイナルでは「なんでもかんでも東浜」でしのぐつもりだったのでしょう。冷静に考えれば無理に決まっているのに、そうなって欲しい・そうあってほしいという当為や願望から逆算する極めて危険な考え方だと言えましょう

*2:※そういえばデーゲームだったなと気になって調べたら開始時間は18時・18時・18時・14時・14時でした。つまり、3連投した展開では大体20時以降に登板した。ここまではそれに合わせて調整していたのに対し、5戦目は4回からですからまあ15時とかそのあたりでしょう。ただでさえ緊張するCSでこれだけ時間差があれば身体も気持ちも作るのは容易ではなかったでしょう。これだけ環境が変化すれば普通はこの時間差という要因もマイナス要素と考えて継投をためらうはずなんですが…

*3:プロ野球CS:ソフトバンク 救援の東浜、大誤算 - 毎日新聞ついでに先発が初戦・三戦目でKOされたから早めに代えたとか馬鹿みたいなヨシコーチのコメントがありますね。初戦と三戦目では状況も展開も全然違うのに何言ってるんですかね

*4:多くの鷹ファンバリオスとその起用を叩きましたが、個人的には去年働いたバリオスを使うのは当然。何回かチャンスを与えるのも当然。バリオスを叩いているファンにはうんざりしました。しかし、3度目か4度目かの登板か忘れましたが、下ですら満足に結果を残せていないのに、無理やり上にあげて投げさせたことがありました。バリオス起用の問題はここにあった。3回位昇格チャンスを与えるのは当然で許容範囲内としても、下でも本来のスピードが出ておらず、前回と何も変っていないのに上で投げさせようとする。根拠なき昇格がありましたが、それはリリーフが崩壊したから。リリーフが崩壊して困ったら誰か他の人が活躍したらいいなぁ、投げてくれたら良いなという都合のいいものの考え方をする象徴的なバリオス起用でしたね。