別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

【雑誌】 月刊秘伝 2014年11月号

月刊 秘伝 2014年 11月号 [雑誌]/BABジャパン

歩法特集ですね。
太気拳 岩間統正「“神技"へ至る太気拳歩法」
 蹴りに対する差手の受けを教わった時、怖くて使えない。これは名人にしか使えない技だと思った。しかしトンボの複眼のように全体のスクリーンの中で動きを捉えることで恐怖心を克服することが出来るようになったとか。


中村尚人「エボリューション・ウォーキングと身体覚醒」
 回旋筋腱板・ローテーターカフの機能が崩れることで五十肩が起こる。これにかぎらず様々な不調は歩きに原因がある。胸椎を使って歩いていないから、ここが固まる。猿でも直立を続けると腰椎が前弯する。股関節と膝関節が伸びて人間と同じようになると。振り子=リズム運動、腕を振る事によるリズム運動が行われ、脊椎にはリズム運動を司る機能セントラルパターンジェネレータというものがあると。
 胸椎・胸郭から腕をしっかりと振る必要があるが、上下を反対方向にねじってはいけない。ひねるエネルギーは同じ方向に伝わって、上下半身は相対的に捻られるもの。胸椎は側屈と回旋が同方向に起こる、腰椎はそれが逆方向に起こる。それぞれが逆の動きをして背骨がS字になることでバランスが保たれる。


ヨーガ行者 成瀬雅春「ヒマラヤと雑踏の歩き方」
 瞑想の度に発見があるように、歩く度に発見がある。転落の危険があるヒマラヤでは指の感度を上げて歩く。足が触れた瞬間に危険かどうかわからないといけない。
 基本は親指意識だが、他の指を意識して歩くことも出来る。理想はその時どきの身体の向き、進行方向、スピードなどによって変わる。一円玉ひとつ分のズレが出ないように歩くこと。
 方向転換の際の移動足、誘導足による九十度での進行方向の転換。大きく回ってカーブするのは良くないのだとか。親指の付け根で着地し、親指の先で地面をつかむ。目の前に十人歩いている人がいたら、その人の動線を読みきって、自分が歩くラインを設定してその通りに歩けるようにすること。
 ヨーガの歩法、ルンゴム。1日160キロ歩けたとか。脱力して陸上の三段跳びのように、ゴムマリがポーンポーンと弾むように歩く。意識を先行させること。先行させた意識に身体が吸い寄せられるようになる。マラソンできつくなってから呼吸を思い出すのではなく、先に呼吸を意識して対処しておくと苦しむことがなくなる。潜在意識の対処が働くのだと。左右の鼻で均等に呼吸しているわけではない、それに気づくために片鼻ずつ呼吸をすることで実感しておく。それが潜在意識に効いてくると。


小用茂夫「『力の通り路』に乗って歩く刀禅“一線行"」
 身体の基盤・密度を上げていくというのは面白そうですね。まあでも読んだだけではいまいちわからない。単著で
刀禅の本出てないかな~とググったんですけど、出てきませんでしたね。あらゆるものは循環がポイントなんですかね、やはり。意識を飛ばすこと、そしてそれが還ってくることというのをテーマになにかやってみようかなぁ~。
 

松田隆智師範一周忌特別企画 武田鉄矢インタビュー “我が師、松田先生"を偲んで
 武田鉄矢さんが松田さん及びカンフーの話をされています。武田鉄矢さんという人は歌手でありながら、役者として大成された方ですけど、本当に素晴らしい人だなぁということが伝わりますよね、このインタビュー読んでも。


短期集中連載開始! 沖縄拳法大平道場 西原治 沖縄拳法に伝わる “手(ティ)" の極意 第1回 “後手の先"
 同調して相手が動く!という意を読んで、意識と行動の間を抑える話ですね。いわゆる枕を抑えることですね。0.2秒じゃなくて、0.3秒になってますね。なんででしょうね?これ自体はまあ柳川先生など諸先生がやってらっしゃるので、珍しい話ではないかもしれませんが、ではどうやってそれが出来る様になるか?練習・訓練方法が書いてあるのがいいですね。
 相手の意識を感じること、力まないのが入った後倒すコツ。必ずしも対人稽古である必要ない。意識を感じるイメージトレーニングで1日1000回くらいやって身につけたと。門下生も2~5年くらいこれをやって身につけたとのこと。面白そうだなぁ。すごい勉強になりそう。


龍村修(沖ヨガ)×藤本靖(ロルフィング) 東洋と西洋の身体技法と哲学 丹田の 「役割」 とその“在処"
 首がこる人は頭・脳に力が入っている。肛門を締めることで力を腹・丹田に落とす。こうすることで首が楽になる。また肛門を締める時に表情まで固くなってはダメ。笑顔・リラックスでないといけない。大声で笑うことで丹田に力が入る。東洋では身体・呼吸・心の三つをあわせて行う「三密」が基本。ヨガのスクワット天突きは三密で行う、スクワットとは疲れ方がまるで違う。


平上信行 時代考証の裏表「日本武道の学術研究書における歴史認識の誤謬を糾す」
 剣術が一般的で、剣道はあまり普及していなかったという話が誤りであるという指摘。道場は各種道場の略語ではなく、仏教道場の略・転用。
 心の一方の話があって、不動明王やゴルゴーン一族の女(メデューサの元ネタでしたっけ?)など、この金縛りの術を用いていたと解釈していますね。みんな同じ技術だろうと。


ゆる体操には“裏"の存在があった! 高岡英夫の漢語由流体操「下腿膝擦法講座受講生座談会〈後編〉」
 一般の人がやっている
由流体操は上達すれば30倍の効果・リターンが生まれるものに出来る。天才・準天才以外がセンター・地芯を理解するのに必要なのが、下腿膝擦法。同じような補助が肋骨使い・肘抜き・肩抜きに必要とありますが、どれなんでしょうね。個人的に肩をグルグル回すやつで肋骨全然動くようにならないですし、使えるようになる気がまるでしないんですけどね。


注目連載第三回! 大宮司古神道や武術に通じる“霊術"の世界を明かす! 霊術講座 「百人力法と大東流合気の投げ技のコツ 」
 
百人力法、緩みをなくして引っ張るのがコツになるのは前回と同じ。5人しっかり持っているのを確認する。一番後ろの人に円をかいて自分の気を向けて、順番に人に伝わって自分に還ってくるような感覚でやるとうまくいく。前回と同じ舟漕ぎ運動で、前方下へ急激に引っ張ること。
 下方に向けるのは「の」之字手刀投げと同じ、下方に崩されたのを戻そうとするのを利用して投げる。擦過後方投げもこの応用。別の人の補助を利用して、左右の指二本で人を持ち上げたり(体重は自分ではなく補助の人の掌にかかる)、自分の背中を触らせることで、片手で他人を持ち上げる(体重・重みが分散する)などというものがある。武田惣角が紙縒りを使って撞木という技の変形を大男にかけたことがあるが、これも緩みをなくして引っ張って相手を浮かせれば難しいことではないとか。


安田洋介 太極遊戯 「姿勢を規矩とした太極拳の動作」
 男女の骨格・筋肉の違いによって教え方・遣り方を変えないといけないというのは個人的に気になっていたところなので、こういうの良いと思いました。男女では開脚とかで差が出ますからね。たまに凄いX脚の人もいますし、男女で身体の差は馬鹿にできないと個人的には深く思うところ。女性が男と同じことやっていたら不利になるに決まってますからね、自ずと女性独自の方法を考え出さないといけませんし。女性は関節が柔らかく伸びやすいので痛めることがあると。


最古参 アレクサンダー・アンドレイチェンコフ セミナーレポート ハード・デイズ・システマ!
 これまでのシステマの人と違い、ハードなセミナーを行うという話。スティックを両手で掴んで上にあげて歩く。足裏の感覚を鍛える。全員肩を組んでの集団スクワット、バランスが崩れる&集団になると大変ということがわかる。打つのに行動を止めてはならない。打つと動くを同時にこなせるようになること。国に認められるまではミカエルのシステマも、最初は10人くらいしかいなかったとか。


日野晃 武道者徒歩記
 医療関係者が人と向き合うのが苦手だという話。ものすごい不思議なこと&発想。じゃあ、それでどうやって治療をするのか、人と向き合うということと無関係に職業が存在していると思っているのか?という話。


松原秀樹 100%動ききるための調整術「神経のはなし」
 腰仙関節を開くと腰痛が治る・坐骨神経痛がなくなる。そうか座るから坐骨神経痛になって、繋がっている膝が固まるのか。今更知りました。坐骨神経は直径1センチにもなる大きい物。しびれは神経の酸欠。椎間板が狭まることで神経が圧迫される。それをゆるめてやらないといけない。脊椎・胸椎・腰椎のゆるめ方が書いてありますね。脊椎の穴・仙骨の穴に神経が通っているというのはそういえば知りませんでした。へぇ、そういう構造になっているのか、なるほどなるほど。