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身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

【2016工藤采配批判⑤】 指揮官としての人格、自身とチームの認識のズレの問題

工藤批判は今回が最終回です。長々5回もよく書いたもんですな(笑)。

【2016工藤采配批判①】 元エース投手故のリード・守備軽視≒攻撃重視

【2016工藤采配批判②】 李大浩の穴は存在しない。李大浩がいる前提の野球をしているだけ

【2016工藤采配批判1.5】 見当外れな打順批判、固定的起用は好ましくない

【2016工藤采配批判③】 歴史的V逸の最大の原因は「継投」にあり

【2016工藤采配批判④】 「継投」概念の欠如が生んだメイ工藤ラマ

 

【目次】

 

 

対鷹包囲網に序盤から全力でぶつかるビジョンのなさ

 そもそも話になりますが、今年はリーグそして日本一でも三連覇がかかっていました。戦前から断トツの優勝候補でド本命でした。それ故に、各チームはホークスを徹底マークする体制・対鷹包囲網を引くシーズンになりました。そのような集中マークを受けるシーズンで、序盤に勝ちを積み重ねてはいけない。

 序盤は借金せずに3位あたりをうろうろしていればいい。そうしておけばロッテ・日ハム、今年の日ハムもやはり終盤勝負なので西武あたりでもいいです。ロッテ・西武が序盤首位争いをしていれば、去年のように、鷹よりも1・2位のチームに目をつけざるを得なくなる。

 いくら鷹が本命とは言え、現状首位を走っているチームを無視してローテを組むのはどうなのだろうか?ということに必ずなってくる。どのチームも自分たちが優勝したいのですから、何処かで欲が出て必ず包囲網に隙が出来る。そこをついて一気に7月あたりに勝ちを積み重ねてぶっちぎりで優勝する。本来そういう方針を取るべきでした。

 去年はまさにそうで、それと同じ方針・ペースでよかった。というか現代野球の制度、CSが終盤にある以上、それ以外ありえない。今年のように序盤で下手したら6月にマジックが点灯してしまうぞ!というペースで戦えば、Bクラスのチームは3位狙いに切り替えるどころか、「今年も鷹か…。来年のために少しでも鷹を苦しめて嫌な印象を与えよう」となって、来年のチーム作りと対鷹だけに絞って戦うようになってしまう。

 前半ぶっちぎっていたとき、サファテ5連投もあって、不安が3割くらいあって「これ一年持つのか…?」と心配していました。それでも優秀な監督・コーチだと信じ切っていたので残り7割で、「まあ工藤・ヨシのやることだし、計算の目処が立っているんだろう」と楽観していました。ところが実際は言うまでもなく、そういう一年の戦い方を知らない監督だったという結果になりました。

エース級からはヒットを打つのが難しくなる

 包囲網の結果として、エース級をぶつけてくる。ホークスは真っ直ぐの早い投手が得意。故にエースをぶつけられてもそこまで困ることはない。しかし西・金子、則本、岸、涌井・石川、大谷・有原といったエース級の投手相手からはヒットを打つのが難しくなる。打線が去年より打てなくなるわけですね。*1また、エースのいい球にタイミングを合わせれば、次の日の投手とのタイミングの取り方が変わるなど微妙な影響もあったのではないでしょうか?

 バッターというのは一流からはなかなか打てない。二流・三流から数字を稼ぐもの。一流バッターでもこれは同じですね。一流の中でも良いバッターや超一流と言われる特別な打者は何が違うかと言われれば、そういう一流のいい球を大事なところで打つこと。大事なところで打てるからそう呼ばれるわけですね。

 デホの穴論でおかしいと思うのは、そら大砲ですし打率も残しますけど、良いところでそんなに打つわけではない。得点圏打率0.255のバッターですしね。今年の包囲網でエース級と50試合ぶつかっている。3分の1以上エースとの対決が続いていますので、松田のように年齢上数字を落とすものとみなすのが自然でしょう。まあいたらもうちょっと打線が切れずに繋がって、勝てたというのはあるでしょうけど、どう見ても今年の継投のまずさと比較すれば決定的な要因ではないでしょうね。

大きかった柳田の穴

 デホの穴じゃなくて、今年一番打線で痛かったのは柳田の穴なんですよ。レギュラーでほぼメインと言える5人のスタメンの前年度の成績と今年度の成績を比較してみると次のようになります。順に打順・出塁率得点圏打率です。*2

 柳田363、469、419→306、466、314
 中村晃300、386、375→287、416、278
 松田287、357、303→259、325、271
 内川284、340、299→304、345、302
 今宮228、279、255→245、312、227

 この五人で文句なしに数字を前年度よりも伸ばしたのは唯一内川だけと言っていいでしょう。HRも11から18本に伸ばしていますしね。今シーズンはチャンスをゲッツーで潰した印象が強いですが、去年の併殺24と今年の27とあまり変わっていないんですね。それだけ併殺を打っているイメージが強いということは、今年は内川に相当負担がかかったシーズンであったとも言えるでしょう。

 内川は去年苦したんだ、あまり良くなかった。前年よくなかった選手というのは相手チームがこれ以上マークしようがないですから、数字を上げやすいですね。どうしてやられたのか?対策を練って新しい能力を身に着けて挑む、また発想・スタイルを変えるなどした場合、相手はどう対処したら良いか予想がつきませんからね。

 同じく今宮もそれまで打っていないだけに相手は対策をあまり練らなかったために去年よりも数字を残すことができた。ただ、得点圏打率が落ちてしまった…。柳田・晃が一割近く数字を落としてしまったことを見てもわかるように、今年は得点圏で打てなかった。デホのプレッシャーが減った分という理由も然る事ながら、なによりエース級のピッチャーから点をもぎ取るあと一打は難しくなるからでしょうね。エースはそういうところで打たれない球を投げられるからこそエースなわけですからね。

 柳田が打率を6分落としていることからわかるように、300打ってるバッターが240のバッターになってしまうわけですから、打線が繋がらなくなるのは当たり前ですね。しかも去年は前半380台を打っていて、4割打つんじゃないか?というくらいの数字を残していました。その柳田が今年は序盤柳田シフトに苦しんで3割行ってなかったのですからね。ファーボールで繋いでいたとは言え、柳田の穴は相当大きかったと見るべきでしょう。

対鷹包囲網の効果アリ

 去年よりも数字が残せないということは必ずしも打てていない・状態が落ちているということではないわけです。相手が良いという理由に基づくわけですから。しかし、打線としては簡単にヒットが出ない分、去年以上に打てなくなっているという印象が強くなって、確実にプレッシャーになった。鷹包囲網の効果が見事成功したわけですね。

 これで二線級の投手が鷹と対戦することになっても、今年の鷹打線は打っていないというイメージで去年よりも楽に挑めたことに繋がったでしょうね。先発はスコアボードの名前と打率でどうやって対処しようかを計算する。数字が去年より低ければ、挑む前の心境はまるで違ったでしょうから。

 連敗した7月か8月ころには確実に打線が後ろ向きになってしまった。一年のうち、必ずどこかで不振に陥るスランプなときが来る。去年の序盤でも同じように全く打てずに困った時期がありました。しかし、そういう辛い時期でも、負け越さないようにしのぐことこそ重要。それが出来る守備力のあるチームこそがペナントを制することが出来るわけですから。打てないからあーだこーだというのは去年の4月の大スランプ期を見ればわかるように大した問題ではない。悪い時をいかに凌ぐかという問題でしかないわけですから。

 次回書きたいと思いますが、そういう背景があったにすぎない。打てない理由が明確にあったのにもかかわらず、工藤が打順をいじるからという采配の問題にすり替えたのは相当問題があると言えるでしょう。

工藤監督はコミュニケーション能力に問題あり

 で、次は、去年工藤名将論で彼を持ち上げたその反省をしたいと思います。彼を持ち上げた理由のひとつに選手とのコミュニケーションを取るのがうまい、対話を重視する人だから、彼は素晴らしいともち上げたのですが、最近それと反する記事が出てきました。どうもそのコミュニケーション能力も高くないようです。少なくともチームでうまくやれていない。コーチ・選手と溝がある様子。

 己が彼は対話を重視してうまくコミュニケーションを取る人だろうと思ったのは、Getsportsで日ハムの組織論を取り上げる企画で、ハムのフロントの誰かのインタビューのような対談形式で司会の南原さんとチーム運営・選手育成方針を聞いていた。そこで選手との対話を重視して、方針を決める、コーチの意思疎通を徹底するというような話に感銘を受けていたんですね。

 日ハムが素晴らしい組織でファイターズを運営しているのは周知の事実、そのファイターズのシステムを知って学んで同じやり方を取り入れるに決まっていると思っていたんですね。ところが、2・3軍の選手に監督が勝手にアドバイスして、コーチとの言うことが違って選手が混乱するという話が出てきていました…。選手が混乱しないように首脳陣が話し合って意思を統一するという話を聞いていて感心していたのは一体何だったのか…。

 またダルビッシュ田中将大との報ステでの対談で、年下の選手にも拘らず、非常に敬意を払って丁寧な口調で接していた。なので、そういう丁寧な態度を取る気遣いをする性格だと思っていました。

 ところが、おそらく東浜だと思いますが、選手に対して椅子を蹴っ飛ばして「野球舐めてんじゃねーぞ」と叱り飛ばす。ときに厳しい態度は必要になると思いますが、こういう逸話を聞くと、おそらく彼は一定の成績を残した選手・自分が認める技術を持った内川・松田のような選手以外は態度を変える、相対的な話になるのでしょうけど、一流以外は軽く扱うのでしょう。野球界ではむしろ当たり前の態度かもしれませんけどね。

自己主張ばかりでは選手は反発する、特に実績あるベテランは

 また摂津など自分の方針に従わない選手を使わないなど、自分の持論に非常にこだわる。自己主張が非常に強い。摂津はエースとしての自負がある。そういう選手を頭ごなしにアレしろ、コレしろと言っても自分の調整方法があると言って聞かないことも当然ある。そういうときにうまくコミュニケーションを取れない。なんだと!となってしまう。細川然り持論のある選手とうまくやれない性格。

 ダイエー時代、缶コーヒーを飲みながら食事管理を語って呆れられたと言われています。いろんなことを研究して知識が豊富なだけに自己主張が強い、持論を一方的に語りたがる俺様タイプなんでしょう。

 受け入れる人・共鳴する人は興味を持って聞いてくれるでしょうが、話を聞くタイプでなかったり、自分とは思想・スタイルが違うと反発する人には、一方的に持論を語るうっとおしくい先輩として嫌われていたと思われます*3。本人もあれこれやかましく言ったから嫌われていただろうと書いているくらいですしね。

組織論・役割の理解の欠如

 ダイエー時代は「兄貴分」「先輩」としていろいろ選手にレクチャーしていたのでしょうけど、それは王監督という後ろだてがあってのこと。実際のコーチよりも、現役でやっている先輩選手のほうがアドバイスが参考になると言われる。最高の生きた手本となって有り難られるというので、そのときはそれでよかったのでしょう。

 しかし今は監督という立場。その監督が「師匠」や「ティーチャー」となって選手にあれこれ口出しするというのは本来の役目ではない。選手に指導をするのはコーチだったり、年上の選手。監督は指揮を取る役割であって、選手を育てるのが仕事ではない。役割を無視した越権行為をすれば組織が崩壊する、機能しなくなるのは当たり前でしょう。*4


工藤は立場の強い監督だがチームはそれを受け入れない

 敗戦処理の投手がエースとして振る舞ったらどうなるか?当然チーム内からあいつは何様のつもりだ!となるでしょう。工藤は立場の弱い「中継ぎ監督」ではありません。工藤監督続投へ 球団社長明言 長期政権も示唆 - ホークスニュース - 西日本新聞にあるように、ホークスという球団は、長期政権を基本とした球団で、ちょっと結果が出ないからといって監督をコロコロ変えることはしないチームです。

 工藤は立場の弱い雇われ経営者というわけではなく、立場が安定している監督です。今後も監督して長期政権を築く可能性が高い。「つなぎの監督」で2〜3年したら消えていなくなってしまう監督ではない。であるならば、強権を揮っても良さそうなものですが、大事なのはホークスが弱小球団ではないこと。

 個人的には足らないところが目につくのですが、相対的な評価ではパ・リーグNPB屈指の球団。ファイターズとホークスがNPBナンバーワンツーを争っているのが昨今の球界情勢図ですからね。チーム関係者も選手も自分たちは「強いチーム」「優れた組織」だと思いこんでいる。

 宮本さんが新刊で、経営破綻寸前のダメな組織は生き残りをかけて変化をためらわない。指導されればそれを素直に聞き入れる。しかし、そういう危機感のないチームはそういう意見をなかなか聞き入れないということを書いていました。

 それと似たようなことで、ホークスは変革のために優秀な指導者工藤を招聘してチームを一から作り直す!というような危機感を持っているわけではない。工藤の手腕というものを多少は期待しているくらいの意識でいる人が殆ど。

 そういう意識で工藤監督を受け止めているのに、「俺様」となってあれこれ指図をしたらどうなるか?いくら言ってることが正しくても、言われた方はカチンとくるし、「何だ、アイツ!いきなりやってきて!」ということになる。

工藤改革をすすめる・強権を発揮するには2年では早すぎる

 一年目の去年はかって知ったるどころか何も知らないので気を使っていたが、今年は去年優勝したしもうトップとして振る舞っていいだろうと思っているかもしれません。しかし組織というのは旧組織から新組織に移行するまでに十分に時間をかけて、自派閥がためをする。そしてその後に改革を始めるというのがセオリー。自派閥もろくに固まっていな時期・二年目からやりたい放題やろうというのは無理がある。

 本人の意識としては優勝・日本一になって監督としての適性を示したから、これで十分だろう。もう遠慮せずに好き放題やるぞ!選手にも厳しく接して、しごくぞ!と思っているのかもしれませんけど、一年結果を残したくらいで好き放題やるのは早すぎる。最低でも三年やって数字・結果を残さないで改革をやるのは反発を招くに決まっている。*5

問題はコーチ未経験ではなく、社会人経験の欠如

 コーチ経験がないよりはあったほうが良かったんでしょうが、その経験云々よりも組織を動かすトップとしてのノウハウがなかったということのほうが問題でしょう。トップの資質、性格の問題も然る事ながら、組織人として組織を動かしたことがないという方がよほど問題だったんでしょうね。

 落合さんは社会人経験があって、会社の仕事を一応は目にしていた。ルールを知っていた。ところが工藤は高校生即プロでそういうキャリアがない。監督を目指してそういう要素が必要だと現地に行って組織に入って勉強をしたとかも聞きませんからね。今工藤公康が直面しているのはそういう問題と言えるでしょう。

何でもかんでもやりたがる・口出しする監督・トップは組織を機能不全に追いやる

 工藤監督は自分の野球論に自負を持っている。故に何でもかんでも口を出したがる、やりたがるわけですね。落合氏が著書で「何でもかんでも口出しする監督ほど失敗した」と書いているように、すべてを自分の意志で組織を動かそうとすれば失敗するのは必然ですね。非上場企業の規模の小さいワンマン社長ならそれでいいでしょうけど、組織が大きくなればなるほど、ルール・法で組織運営しなければ失敗するのは必然。そのような当たり前のことが一般常識となっていないのが今のNPBの現状なのでしょうね。

工藤監督はやるべきではないことをやってしまう監督

 秋山監督は「やるべきことをやらない監督」というのが拙評価でしたが、工藤監督は「やるべきことをやる。ただしやるべきことではない余計なこともやる監督」という評価になりましたね、今年を見る限り。才子才に倒れる、溺れるという言葉がよく当てはまるタイプの監督だと言えましょう。

 今年の逆転負けで評価が急激に落ちていますけど、前年の圧倒的な優勝を導いた吉井コーチ、優秀なコーチに声かけて連れてきたのは彼ですからね。そこを無視してはいけないでしょう。

 ポイントはその優秀なコーチを一年で本人が望まない人事をすることで、チームから離れてしまう原因を作ってしまったこと。決定的な根拠はありませんが、おそらく今年の継投を見ると工藤監督は次のように考えたと思います。

 工藤「7回から森使いたいんだけど、いける?」
 吉井「今日は無理です、今日行けるのは仁保と飯田だけです」
 工藤「え?だめなの、いけないの?ヨシさん、継投はコレが普通なの?もっと五十嵐とか投げさせられないものなの?」
 佐藤「もっと行けると思いますよ。でも吉井はウンと言わないでしょうね…」
 工藤「(リリーフ陣に)もっと投げられない?もっと投げたくないの?」
 サファテなどリリーフ陣「まだ投げられますよ、もうちょっと投げたいですね」
 工藤「なんだ、いけるじゃん。もっとリリーフ使えたら楽に勝てるし、もっと勝てたじゃん。来年から俺が継投きーめよっと」

 まあ、こんな感じで吉井さんの三軍行きを決めたと思われます。ヨシコーチ自身、継投の概念がない人なので、吉井は一軍に必要ですよ!まずいですよ!と言うどころか、配置転換に賛同したでしょうね。そもそも配置転換について意見を聞かれなかったかもしれませんけどね。いずれにせよ、ヨシコーチが吉井さんを引き留めるよう動いたということは考えられないでしょう。吉井さんが言ってもわからない人がいることはヨシコーチから学んだというくらいなので関係が良好とは思えませんしね。*6

 今年の敗戦を考えれば、継投というものが、ペナントをいかに左右するか骨身にしみてわかったはずです。秋山監督はまるで方針を変えることなく、「学習」しなかった監督でしたが、工藤監督はまだ2年目。3年目から失敗を糧に「学習」する余地があります。彼が名将として再生することを願うのみですね。*7

 工藤監督は「悪くなった調子や雰囲気をどうするかを考えたつもりだったけど、それを取り戻すことができなかった」と振り返ったといいますが、投手の状態を取り戻すために目先の敗戦覚悟で休ませるという指揮官としては怖いが、先を見据えた決断が出来なかった。そういう計算を出来るかどうか、選手の怪我についても怪我しないように管理を口酸っぱくして説いたといいますが、そんなことは誰でもどこの球団でもやっているわけで、当たり前のことでしょう。怪我防止のためにいかに休ませてコンディションの維持を図るかが指揮官の腕の見せ所。それをやらなかったなら、いかにコンディションのことに詳しくてもなんの意味もありません。

 ①「継投」コンディション管理、来シーズンはこの二つのテーマが彼の課題になるでしょう。

 おまけとして、大谷が今年の逆転優勝のポイントを、7月3日のソフトバンク戦、1番投手で先頭打者弾の試合。3連勝したことで「よし、いける」という雰囲気になったということを言っていました。大事なカードで三連敗しないという最低限の計算もしっかり出来るようにすること。まあ特定のチームにとらわれずに2勝1敗すれば大丈夫と言いながら、全然出来なかったので、同じことをするとは思えませんが。ロッテと日ハム対策を徹底すること、特に吉井の優秀性がわかったなら吉井対策ですね。そのことをしっかりやるべきでしょう。

アイキャッチ用画像

GET SPORTS アルバム

 

*1:ちなみに先発回数:西・金子7則本7、岸5、涌井8・石川4、大谷4・有原8ここでは特筆しませんでしたが後で使うので、高梨4。金子・岸など今年はよくありませんでしたけど、それでもエース級と当たるというのは嫌なもの。なかなかヒット打てませんからね。ホークスは計50試合もエース級とあたってたわけですね

*2:打点やHR、OPSなど入れてもいいですがそこまで踏み込む必要もないので。要するに前年比マークにあっていかに数字を落としたかということが伝わればいいので

*3:また何より野球選手の中には頭が悪くて簡単なことでも理解できないというタイプがいる。そういう選手に対する扱い方の引き出しがない気がします

*4:打線をいじる云々の批判がありますけど、監督は選手起用の権限がある。打線・打順を決める権限があるのですから、コロコロいじるタイプの監督が就任した以上、それに文句をいうのは筋違い・越権行為です。そんなこともわからないコーチがいるというのは、何でもかんでも口出しする工藤監督と同じく、組織の問題として注意すべきことでしょう。王代表は呼びつけて叱り飛ばす、最悪クビにするべき事案ですね、これは。

*5:ホークス工藤監督「僕の力不足」 今季象徴する大逆転負け (西日本スポーツ)  嫌われてもいいから若手に厳しく接する。「情」は挟まない…。という方針だったと書いてありますが、一年目から若手にそういう態度だったんですね…。結果を残し続ければ、人間としてどれだけ嫌われても選手はついてくるでしょう、それこそヤクルトでの野村監督のように。が、結果を出さなければ「なんだ、あいつ!普段あれだけ言ってるくせに、自分は下手な采配で負けているじゃないか。あんたのいうとおりやってるのにチームは勝ててないじゃないか!」と、口だけ無能上司扱いされる。「嫌われ役」と「嫌われる事」は違う。ましてや監督・コーチ、先輩選手と立場が変わればなおさら。その違いがわかってない。自著で西武の渡辺監督や秋山前監督は、二軍から積み上げた結果が一軍の成績に反映されていると書いていましたが、自分はその若手選手の下積み時代に一緒に練習・指導をして積み上げた時間がないこと=選手との信頼がないことを忘れているのでしょうか?

*6:大谷の完成度は最大「10」なら「1」 吉井コーチが明かす日本ハムの舞台裏 (1/2ページ) - スポーツ - ZAKZAK 規定投球回到達は156回で11勝の有原だけ。規定回到達が1人で優勝したのは、01年の近鉄以来だとか。それでも今年のファイターズの投手陣はホークスを苦しめた高梨に、バース・加藤、増井の先発転向の大成功に、序盤ボーク云々でキレていたマーティンが抑えとして見事に機能した。マーティンの故障後も吉川・谷元らでやりくりして宮西も29試合連続無失点でリーグ最多の42HP。吉井コーチの手腕はすごすぎですね。リンクには書いてありませんでしたが、週刊現代の記事で、元々増井は先発をやらせるつもりだったようですね。ところがスタミナ云々の事情で長いイニングを投げさせられなかったから、リリーフでいずれ先発で使うつもりだったようですね。監督に言われたときがちょうど渡りに船だったとか。前からハムにいたからこそなんでしょうが、コマが揃っていないチームでどうなるのか、ぜひ他のチームで吉井さんが投手陣を整備できるのか見てみたいなぁ。

*7:この東スポの記事【ソフトB】工藤監督 屈辱V逸の原因はどこにあったのかもデホの穴や打線の組み換えや焦りという指摘で「?」がありますが、最後にきちんと失敗の本質を書いていますね。
 「終盤に救援陣が崩壊した。リリーフだけで前年比の2倍となる21敗を喫する事態に陥った。予兆はあった。打線が爆発力を欠く中で序盤は接戦の勝ちが多く、救援陣がフル回転。加えて起用する投手に関してベンチとブルペンの連携がうまくいかず、登板数だけでなくブルペンで肩をつくるための球数が前年より大幅に増えた」これにつきますね。
 ※追記、またフルカウント「Full-count」にこんな指摘もありましたこれに付きますね。V3を逃したソフトバンクの誤算…盤石なはずの救援陣で抱えた借金「9」 に、指摘されているように、分業制が成立した現代野球においては強いチームはリリーフで貯金を作るもの。リリーフが崩壊するチームがペナントを制することは相当難しい。秋山政権時代には使い過ぎで終盤毎回調子を落としていましたが、今年は八月の時点、中盤くらいに崩壊が始まっていましたからね。そんな早い時期にリリーフ崩壊したらボロボロに負けるに決まってますよ。むしろ終盤よく五分に近い状態で乗り切れたなと思いましたからね。
 まあフルカウントも、こういう記事→V3を逃したホークスの誤算…埋められなかった李大浩の穴こういうことを書いているわけですがね。どうしてどこの媒体もこう「打てない」ことに原因を求めたがるのでしょうかね?そりゃ李大浩が抜けて得点力は落ちたでしょうけど、リリーフのほうがガクッと数字が落ちているわけですからリリーフのほうが要因としては大きいでしょうに…。現代野球の終盤のリリーフの重要性を考えればなおさら。
 敗戦処理兼延長・ロングリリーフ要員の二保に、便利屋要員寺原がシーズン序盤の時点でいない。バリオスは日本記録を作ったが、去年オールスター以後怪しかったように今年も前半までかもしれない。それに加えてシーズン始まったら五十嵐が故障もあっていない。結局今年はセットアッパーとして機能しなかった。バリオス・五十嵐と七回・八回任せられるピッチャーがいなくなり、他に経験の浅いスアレスしかいなかった。唯一状態の上がった森福はワンポイントでしか機能しない。
 そういうチーム事情にもかかわらず、なるべく先発に試合を任せて序盤を乗り切り、終盤にリリーフの足を残しておく。序盤のうちに芽の出そうな若手リリーフ要員にチャンスを与えて育てるということもやらなかったのですからね。そこを無視したら工藤采配の問題は理解できないはずなのですが…。工藤采配もそうですが、それを批判しているスポーツ新聞社も同じく問題を抱えていると言わざるを得ないでしょうね。