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セ界&日本シリーズ崩壊、2015「セパ親善試合」

 ※ブログインポート後に旧ブログに書いたもので、インポートで反映されなかったので、手動で再掲してます。元は15/11に書いたものです。

 
日本シリーズ改め
「セパ親善試合」
 日本シリーズの話を今更。5試合の感想を試合ごとにごっつり書こうと思ってここまで引き延ばしてきましたが、諦めました(^ ^;)。労力・時間の問題以前に、今年の日本シリーズは非情につまらなかったというのが大きかったんですよね。
ブログの引越作業も面倒ということもあり、やる気がどうしても出ませんでした。日本シリーズくらいはしっかりどういう試合だったかを、備忘録として残しておこうかなと思いましたが止めました。

 なぜなら「日本シリーズは死んだ」からです。以前、CS・短期決戦のプレーオフ導入で、日本シリーズは死んだ(
日本シリーズはCSで死んだ、CS導入で日本版WBCに生まれ変わった!!)という話をしましたが、それとは違う意味で、今回また日本シリーズは死んだと主張したいと思います。


 もはや日本シリーズと言えるレベルのものはセ・リーグのレベルが根本から変わらないと存在しえない。今年の日本シリーズ、また去年の日本シリーズを見ると、日米親善試合のようなそれにしか見えない。「セパ親善試合」と言っていいでしょう。セ・リーグのレベルを上げるために胸を貸す横綱相撲にしか見えませんでしたからね。

 以前から、パ・リーグCSファイナルが「事実上の日本シリーズ」という説明をしてきましたが、今年の「セ界崩壊」と言われるセ・リーグのレベルの低下を見ると、もはや日本シリーズは成立しないと言っていいでしょう。

 セ・リーグは巨人一極集中型のリーグのために、リーグ内での競争原理が機能してこなかった。そのツケがもろに出てきている感じがしましたね、今年の日本シリーズもとい
「セパ親善試合」は。

 そういう明確な実力差が存在する。高校生と大学生、大学生と社会人、二軍と一軍、まあそれは言い過ぎとしても明らかな実力差・格差が見えてしまって面白くありませんでした。己は事前に4-0もしくは4-1でホークスが勝つだろうなぁと思ってましたし。

 おそらくもう、セ・リーグ日本シリーズに出て勝てる球団は存在しないと思われます。基本的にセ・リーグの球団はアクシデントがない限り、出れば必ず負けると見ていいでしょう*1。去年の阪神を見れば一目瞭然、また中日が日本シリーズ≒対パの短期決戦に非情に弱い。横浜・広島は基本的に戦力を整備できない。ヤクルトは可能性がありましたが、今年を見て、野村ヤクルトのような短期決戦の戦い方を知っているチームではなくなったことがはっきりしました。

 (※ちなみに過去の日本シリーズの結果は、21世紀に入って、セが勝ったのは01ヤクルト・02巨人・07中日・そして09と12巨人の5回のみ。ここ10年に至っては、セが勝ったのは3回のみという三割バッター状態です。来年・再来年、巨人以外のチームが勝ち上がって日本シリーズを制さないと、巨人以外ここ十年勝っていないということになってしまいます。)

 唯一可能性があるのは、巨人。しかし、巨人も黄金時代は補強あってのこと。小笠原・ラミレス、杉内・村田と。補強が上手く行って戦力が整備されたときが巨人の強いとき。それでもCSで阪神に負けたことでわかるように、基本的にその強さが継続しない。阿部・長野・坂本と言った生え抜き組も劣化気味なので、そうそう安定はしないでしょう。

 今後、戦い方を知っている&戦力がある巨人が勝ち上がったときだけ、「日本シリーズ」が成立する事になるかと思われます。
 「広島・阪神日本シリーズに来ていたら、黒田やマエケン・藤浪とメッセのような良い先発は打てないからわからなかった」というトンチンカンなコメントをどこかで見ました。去年の日本シリーズを見てなかった愚かな考えとしか言いようがありません。ペナントと日本シリーズ・短期決戦は戦い方がまるで異なる。1点、1アウト、1プレーの意味合いがまるで異なってくるのに、その舞台の経験も、細かい野球も出来ないチームがピッチャーだけで勝てるなんて根本的にわかってないというしかないでしょう。藤浪がギクシャクして自滅したように、どんなエースでも自チームが弱い≒戦い方を知らないのならば、プレッシャーに勝てないのですよ。

ヤクルトの問題、いてまえ野球では勝てない
 いかんせんヤクルトは戦力が整っていなかった。先発が一人も機能しなかったという珍しい日本シリーズになったのではないでしょうか?活躍したのは4番畠山だけで、一試合3発を放った山田はその日以外はやっぱりダメ。川端・山田・畠山というタイトルホルダーが売りだったようですが、川端は完全に殺されてしまいましたからね…。

 川端・雄平、この二人がまるで機能しなかったのが大きいですね。バレンティンはCSから動きがおかしかった。なぜ使ったのか訝しむレベルです。シーズン通して活躍したわけでもないのですから、今年のバレンティンにこだわる必要性はなかったと思うのですが…。パ・リーグというかホークスの投手はスピードが速い(バンデンなんか常時150キロだしますからね)。江夏さんがバレンティンは145キロくらいの真っ直ぐは打てるけど、それ以上だと打てなくなるという話をしていましたが、他のバッターも同じだったのではないでしょうか?

 打てないのならば、工夫をする。工夫があったのか?特にそう簡単にランナーを出せない・進められそうにないのならば、2番はバントの名手・エンドランの名手が必要だった。井端のような存在がどうしていなかったのか?常勝ヤクルト時代の2番といえば誰でしょ?土橋?宮本?まあおいといて、そういう存在がなぜいないのか?セカンド山田はそりゃ大きいですが、二番を打てる小技の効く二遊間選手が育っていないというのがなんとも…。

 2番バントの出来無い(orしない)川端というのがホークス相手にまず先取点をとってペースを握るという野球が出来ないことが敗因のポイントといえるのではないでしょうか?まあホークス相手に一点勝負出来ないといえばそれまでですけど。短期決戦ですからねぇ…。
 それならば、はじめから勝負を捨てて、将来の常勝チームの糧として経験の場にする。あらゆる投手を投げさせまくる。延長なんか知ったことかとバンバン投手つぎ込むという大胆さが欲しかったですね。何試合目か忘れましたけど、CSでマタギで成功したから久古をワンテンポ遅らせたんだろうけど、頭からさっと行って欲しかったと笘篠さん言ってましたよね。弱者・劣勢チームなら、また糧・経験を考えるなら早め早めの新人テストをすべきではなかったか?という気がします。

 2試合目にノムさんが、「福田はタイミングを図ってスタートを切った、上田(だったかな?)は初球でそれをせずにスタートを切った。相手をよく観察して、自分のタイミングでスタートすればいいのに…」と言ってましたが、軽率な指示&スチールでしたね。足・エンドランなどでも上手いなぁ&やられたなぁという印象が残りませんでしたね。

 火ヤク庫と言われる打線の破壊力で打ち勝ってきた。だからいつ打線に火がつくかわからない!―そんな意見もあったでしょうけど、明らかに実力が違う・層が厚いホークス投手陣&鉄壁の内野守備陣にそんな甘い考えではダメです。格下が格上に挑むのですから、石にかじりついてでもとにかく奇襲・奇策で挑まないと話にならない。

 ヤクルトは取れる戦略・戦術の幅がなさすぎた。控えの代打率がよくないという記事がありましたが、来シーズンの課題はそこでしょうね。またCSから簡単にチェックしてみたのですが、これだ!という守備が一度もなかった。今宮や松田のような守備で魅せるシーンがヤクルトサイドにはない。守備の意識が乏しいと感じましたね(神宮というホームを考えるとそうなるのかもしれませんが)。打てなかったギータも守備でファインプレーがありましたし。

 開幕戦で斎藤雅樹から小早川がHR3本打って、ペナントをモノにしたシーズンでの
有名な野村語録があります。「この試合は135分の3試合じゃないんだ、135分の135なんだ」(当時は135試合制)。強者に勝つために開幕カードでいきなり鼻っ柱を叩き折って、そのショックを利用してペナントを有利に進めることで、その年のシーズンを制するという策がありました。

 真中ヤクルトにはおそらくそういうものがない。選手への信頼など、選手との距離を縮めるやりやすい環境づくりは出来ても、戦略は練ることができないという印象を抱きました。弱が強に挑むために、勝つために予告先発を拒否したのに、え?こんな投手先発させるの?というサプライズがまるでなかった。それでは勝てないのは当たり前です。

 守備・走塁・つなぎ・小技、いやらしい野球…。そういった要素がない「いてまえ野球」をやっていては、よほどのことがない限り短期決戦で安定して勝つことは難しいでしょう。まあ、ヤクルトは去年最下位でそもそも日本シリーズで勝つぞ!という目標設定ではなく、目指せAクラス入り!でしたからね。それが日本シリーズに来てしまったが故の現象とでも言えますね。

不満の残る粗さがあったホークスの試合運び
 で、4勝1敗でホークスが勝って予想が的中してよかったか?ニンマリドヤ顔か?と言われると、違うんですよね。日本シリーズ・短期決戦の申し子内川が離脱したとはいえ、実力差を考えると、ストレートの4勝無敗でいかないといけなかった。不確定要素から1敗もまああるだろうなという意味での1敗だったので、不満なんですよね。負け方が悪かったんで。なぜ4-0のストレートで完勝出来ないのか…。33-4くらいフルボッコに出来なかったのか…。

 エースとして初戦を投げている武田が完封をかけた志願のマウンド。ここは絶対完封して勝たないといけない。初戦をゼロで抑えることで、相手に危機感と焦りを抱かせて、ペースを一度たりとも相手に渡さず勝つ。10連覇を狙うホークスにとって隙のないゲーム運びが重要になる。そこで4番に一発を食らうというのが…。

 大矢さんは「なんで1回インコース行ったのかな?インコース行ったから、読まれやすくなって、カウント悪くしちゃって、結果甘く来たアウトローの失投をHRにされてしまった。その前にインコースで討ち取ってるからだろうけど、外徹底してよかった」―と配球に疑問を呈していました。打たれたことというより、ちょっと舐めてたように見えたんですよね。完封志願してマウンド行ってるのに、エラー絡みとはいえ、4番相手に最悪HR打たれないだろうと言う、イン見せてからのアウトローという何の配慮もないそれに、うーん…。むしろエースだからこそ、今宮のエラーでも抑えてあげて、味方の信頼に変えて欲しかった。
 以前、解説・斉藤和巳氏が「打たれるにせよ、最後の一球にバッテリーとしてどういう意図があったのか、一球の意味が問われる」と指摘していただけに、うーんとなりましたね。

 カーブ狙いを逆手に取って、高めの真っ直ぐのボール球とカットで凡退の山を築くという相手打線の意図の裏をかいただけにもったいなかったですねぇ。そういえば、リードが良いイメージがあった中村ですが、デホや松田のシンカー狙いを察知できずにマッチにHR打たれていましたね。まあ投げるボールがなかったのかもしれませんが。デホはゆるい球を待ってなくても打てるというバッター、それなのに、カーブを要求してしまった。何を待ってるか探るためならインコースがよかったと若菜さんもコメントしていましたね。ヤクルトにはちゃんと中村を指導出来る良いバッテリーコーチがいるのかなぁ?

 中村はよくギータを殺していましたが、ギータは足が恐ろしいので、封じ込めることを優先して四球やむなしはあんまり意味ないんですよね。それより他の誰かを殺すことを考えるべきだったかと。というか、まあ結局12番や789といった下位打者にまでまんべんなく打たれて繋がれてしまい、どうしようもなかったんですけどね。分断して抑えるもクソもなかったですね。明石・福田はいい仕事しましたよね、ホント。

 もし、ヤクルトが勝つとしたら初戦ですよね。ここを絶対取らなきゃいけなかった。武田は自滅する投手。その武田に対して、乱れたら止まらなくなるということがある武田に対して、待ち・カット作戦に出なかったのもどうなんでしょう?武田が先頭四球、そうなったら球数稼ぐことを優先しないと。初球凡退は「え、なぜ?」でしたね。初戦でバッターは不調に陥らないように好球必打でどんどん振っていくべきだというのはわかるのですけどね。まともにやったらまず勝てないのですから粘り作戦で行って欲しかったですね。

まさかの鶴岡スタメン、相手の嫌がることをする工藤采配の真骨頂
 第五戦、前日の細川の見事なリードにバッティングで、ようやく細川がまた見られると思っていたら、なんとキャッチャー鶴岡。ツイッターで若菜さんになんで鶴岡?とコメしたら何故か返信もらえました(^ ^)。若菜さんいわく、相性の良さだろうと。しかし、相性というより、ヤクルト首脳陣の裏をかくことを監督は優先したんでしょうね。

 誰がどう見たって、見事なリードをした細川が来ると思う。7~8割で細川、残りの2~3割でまた戻して高谷と想定して、色々配球の傾向データとにらめっこして対策を考えているところに鶴岡で多分スワローズ選手たちも「エッ」ってなったはず。完全に浮足立ったと思います。ノムさんの影響でミーティング徹底するはずですからね。

 アウトロー一辺倒の鶴岡に対して警戒せずに、開き直ってぶつかればいいだけなんですけど、裏をかかれたショックでしどろもどろになった。あとは追い込まれた勢いのままズルズル行ってしまったというところでしょう。2連敗した段階でもう殆ど絶望的でしたしね。連敗してからの逆転は中日にやられて逆転した5年前のホークスと、ダイエーVS巨人で巨人にやられたケースくらいで、最近の日本シリーズでは殆ど起こりえない現象。それも実力の差があっての話でしたからね。実力で劣るヤクルトには希望はなかったですし、山田の3連発の希望を摂津・細川が潰してもうアウトでしたね。

 これまでは、細川・内川という補強二人の力でCS・日本シリーズを制してきたという面があるだけに、この日本シリーズは工藤監督の采配・戦略というものが主体になった転換点になりそうですね。選手・戦力頼みではなく、監督の指揮で勝つというシーズンの特徴がここでも出ましたね。良い意味で「細川・内川時代の終わり」ですね。終わりというか、二人頼り・依存の終わりですね。

黄金時代の始まり・目標は4連覇と西武超え
 5年で3回日本一ですか。とりあえずまだ巨人・阪急・西武しか達成していない3連覇が目標ですね(来年のスローガンは1富士2鷹3連覇で行きましょう)、そして近代野球以降は成し遂げられていない4連覇ですね。またそれが成し遂げられれば、西武の11年で8回日本一という記録も視野にはいるでしょう。今回7回目の日本一で西武の13回に追いつき、追い抜いて名実ともに球界の盟主を目指してもらいたいものですね。

 ※そうそう山田に三連発浴びた高谷のリードですが、高めの真っ直ぐで打ち取るというのでヤフドではいけましたが、神宮ではダメでしたね。怖くてそんな要求できませんからね。千賀の当たりもヤフドなら入ってないですからね。まあ追い込むまでまっすぐいってほしかったですよね、あの場面。ヤフドでは、HR打たれたというあたりがフライアウト。神宮ではツーベースかな?というあたりがスタンドインしてしまう。山田のトリプルスリーはすごい記録ですが、正直神宮ありきのことですね。気になって全HRの動画見ましたけど、明らかなHR(どこでもHRの当たり)は20本、あとは分からない・確認できないのもありましたが、神宮ムランが多かった。ヤクルトでなければ達成できない記録だったでしょうね。
 山田を、6対1とか8対1でもいいから、トレードしてくれないかなぁと思っていましたが、多分パだとテラスでも20数本じゃないでしょうかね?まあ来年もトリプルスリーやったら3億超えそうなので、トレード話も出てくるかもですね。江川・福田・本多・岩崎・森福辺りで、成立するなら東浜も入るかもですね。セカンド同士だから明石もありうるか。加治屋・松本いるし、今年は高橋くんも入りましたしね。

 ※※追記2、福田&明石コンビだったと思いますが、第二戦くらいで、スタート切って打って行って、最悪のゲッツーになったという場面がありました。このリードしてる場面でなんでスタート?バントでもエンドランでもなく単独スチールのランエンドヒット???ランナー進めればいいのに、なんでこんなことを?どっちかのサインミスだろうなぁ~と思っていました。
 ところが選手の判断だと監督が言ってました。普通は大事な短期決戦で指示を徹底するもの。そうすることで相手がどんなサインを出すのか?攻め方をするのか読めなくなるから、失敗してもOKと余裕のコメント。本来は監督がしっかり指示をだすべきだと思いますが、裏になって最悪がありますからね。それでもこういう結果になっても選手を決して責めない。アグレッシブにいけ、責任はオレが取る!という態度はやはり見ていていいなぁと思いましたね。選手が思い切っていけますしね。自分が信頼されているとなれば安心して取り組めるでしょう。
 ノムさんも古田さんとの動画で日本シリーズ(対西武)で、選手の判断・自主性こそが大事だという話をしていましたしね。強いチームづくりの基礎が出来ていると考えていいと思いますね。

*1:日本ハムファイターズが異常に日本シリーズに弱いので、ファイターズが出た場合はまた異なるのでしょうけど。こんだけ勝てないと名前から日本を外して、太平洋ハムにでも改名すべきですね(笑)