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別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

藤川球児、高知ファイティングドッグスへ

 セ・リーグについては、ここのところあまり興味がありませんでしたが、このニュースは面白かったので取り上げたいと思います。

 メジャーへ移籍する投手というのは、日本での実績もさることながら、何より向こうの環境に適応できるかどうか。向こうの少し大きくて滑りやすいボールに適応できるかということが重要になります(また本人の特性を理解した上で、適応しやすいチームを選択するかどうか、そしてそのチームの指揮官が本人の声を聞いた起用をしてくれるかどうかなどもありますが)。

 そもそも藤川という選手は、メジャー志向がそこまで強くなかった。球団が本気で引き止めたら残留するつもりだったという話があり、そこまで綿密に調べていた・準備をしていたというタイプではありませんでした。契約上、メジャーに上がれない・枠に入れないために、マイナー降格を拒否してFAというのも、最初話を聞いた時、なめてると感じました。

 なんとなくノリでメジャーに行って、あげく肘を壊して日本に帰るというのでは、悪しきメジャー崩れの一ページを刻むだけ。過去の実績があるだけに、先発は松坂・井川などの実例のように、リスクが高いですが、ウチが岡島・五十嵐で成功したように、セットアッパータイプはそこまでリスクが高いわけではない。

 クローザーが無理だとしても貴重なセットアッパーにはなるかもしれない。ドコモ実績ある中継ぎは欲しいでしょうから、2億くらいで取るところがあってもおかしくない。クローザーが外国人で、枠の都合上日本人セットアッパーが欲しいという球団はいくらでもあるでしょうからね。事実、ウチもリリーフは6年連続一位の防御率を誇っていても、バリオスが最近不安。8回五十嵐にして7回を投げる選手がほしいなんていう事になってもおかしくない状態ですからね。

 今の彼の状態がどのくらいかわかりませんが、テストでもしてまっすぐのスピード自体がまだまだあるのならキャリア込みで取る球団は必ずあったでしょう。メジャー帰りを取ってきた阪神なら、9回オ・スンファンの不調という話もあってなおさらですね。

 さて本人が国内復帰を思考していただけに、阪神復帰なのか、それとも他球団か?という状態だったのが、高知の独立リーグ「ファイティングドッグス」へ入団ということになりました。

 古巣阪神からもオファーがあったのに、独立リーグ入りというのはこれまでになかったケース。これは松坂・中島が高額契約して働けずに叩かれている現状を見ると、英断といえるでしょう。

 高いカネもらって何やってんだ!というバッシングを復帰先でされる現状を彼は冷静に見据えたんでしょうね。自分自身、トミー・ジョン手術開けで不安がある。もし復帰してダメだったら給料泥棒!と叩かれる。そのリスクを取るより、ゆっくり独立リーグで調整しながら、まず自分自身のピッチングの再生をする。

 そしてまた復帰してもやれる!という自身をつけたらオファーを受ける。そういう判断なのでしょうね、結果を出せば間違いなくオファーが来るでしょうし。

 故郷の独立リーグで投げれば地元ファンの人気も得られるし、ワンステップ挟んだ上の古巣阪神復帰なら、テストを受けての復帰ですから、本人の責任ではなくGoサインを出した球団の責任にもなる。まあダメだったら叩かれるのは違いありませんが、前述のメジャー帰り選手のような事にはならないでしょう。また阪神には福留・西岡という前例があるため、ちょっとでも失敗したらどうなるか、彼自身どうなるかよく知っていたでしょうしね。

 今の松坂の状況を見ると、まあこういうステップやルートこそ復帰選手の王道になるべきなんだろうなと思いますね。トミー・ジョン手術は年齢が言ってからだと投げられなくなるリスクも有るといいますしね。まあ彼の場合、股関節。WBCで球団の反対を押し切って出場して怪我して、その強行出場があったため、怪我を言い出せずに悪化させたという経緯らしいのであれですが。

 バッターでさえ中島のように身体を大きくしすぎて動きのキレが悪くなるとか、福留なんかのようにあっちの動く球に合わせて惹きつけすぎて差し込まれるという反応があるようで、キャリアがあってもまたNPBに適応する時間が必要になるようですからね。

 ※で、ついでに申し上げたいのが、松坂の4億について高い金もらってるくせに!と批判する声がありますけど、オファーを出したのは球団サイド・フロントですからね。この故障リスクがあることを事前に知っていたのに、こんなばかみたいなオファーを提示した方の責任が問われるべきでしょう。横浜だって3億くらいだったみたいですからね。

 オファーを出されれば、そりゃ選手はもらうに決まってますよ。若い選手はどんな数字を残しても貰える額はそこまで増えない。しかしキャリアがある選手は跳ね上がる。キャリアがある選手はそれまでのキャリア込みで評価されるもの。事実長くやってる選手はそれだけで認知されて、ファンが多いわけですからね。

 若い選手も引退間際の選手も数字で一律同じギャラを払うという成果主義であるならば、一年目で活躍した選手にもギャラを払いまくらないといけなくなるか、ちょっとでもダメなシーズンがあったら、せっかくここまでやってきたのに、これしかもらえないのか…というくらいにベテランのギャラが減らされてしまうことになってしまいますからね。

 頑張って長いシーズンをプロで過ごすというモチベーションが上がるような今の制度のほうが理にかなっていると思いますよ。入れ替わり立ち代りになれば、見てる方も覚えきれずに興ざめしますからね。

 松坂にはキャリアがあって、そのキャリア含みで評価されるのは全然おかしくない。おかしいのは2.5億くらいが妥当な選手に4億近い契約を申し出た球団の方でしょう。そしてもし、松坂が自分は2.5億程度の選手ですから―と固辞してしまえば、後に続く選手も同じように譲歩しなくてはならなくなる。後に続く選手のために、少しでも過去の実績の評価ベースは上げておかないといけないのですから、もらって当然ですよ。

 そういえば高橋留美子さんだったか、大家が他に収入あるから原稿料アップを言い出さず安いままだった。それで他の新人漫画家が、「高橋先生よりも高い額をもらうつもりなのか!」と編集に言われて言い出せなかったとかそんな話がありました。選手は後人のためにくれるならもらっとかないといけません。プロの価値は金額ですからね。

 というか、松坂に4億払う金があるなら、細川に4億払えって話ですね。キャッチャー・リードに対する評価が低すぎでしょう。