別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

身体の話(2014/10)

 足をスイッチする。足を引く。引き手よりも引き足という重要性。「引き足」という発想はもっと注目されてもいいような気がする。足を引けば自然と支えがはずれて、重心が落ちるし、何より蹴るという動作がない。蹴らないということは「起こり」(予備動作)が存在しない。倒れること、その場に倒れこむことが出来る。倒れることで早度(スピードではなく、起動・動き出しの早さ)が生まれる。

 足は連動しているから、片方を引き付ければ=ハムストリングが動くことになるので、自然ともう片方も引きつけられながら足が上に上がる=抜くことが出来る。居合の剣を抜く時に、剣を抜くより鞘を引くことで早く抜くという発想に近いものがあるかも知れない。スイッチすること自体は、そんなに難しくない。むしろ簡単と思えるのに、あまりやる人はいない。多分、軸足を固定してしまって、もう片方の足一本しか使わない・使えないという思い込みがあるからだろう。軸足自体を引きつける・動かすという発想で動かすと動きは劇的に変わる。前に足を進めるという形だと、軸足、歩み足という形で役割分担しないと難しい。引き足、足を後ろに引き下げるという形だと足を両方一気に使いやすい、動かしやすい気がする。引きつける、同時に両足を使えるからこそのハムストリングスの重要性なのかもしれない。

 中殿筋を抜いてスーッと立つ。右側に重心をおいて、左の中殿筋・大転子を伸ばす。右側を軸・支点にすることで左をゆるめる。次はその逆をやる。左側に重心をおいて、右の中殿筋を抜く。それぞれの側軸を中心に反対側を抜く。そして今度はそれを同時にやる。外側を同時に抜くとグラグラになりながら、中心で軸・支持線を操作するしかなくなる。これ結構面白いかもしれない。左をゆるめると右を頼る、右を緩めると左を頼る。同時に左右緩めると真ん中を頼るしかなくなる。こういう形の脱力法というのもいいのかも?己だけか?こういうのをやるのは?脛骨から外側を固めて立つのが間違った人の本能、後天的学習=あしき習態なのでそれをなくすにはいいかという気がします。

 左をゆるめるときは右に軸を作って左をゆるめる、脱力をすることになるわけです。側軸を育てる。側軸があることで身体がコントロールできる。背骨を除いた半身を中心とすることで、そこだけで身体をコントロールする軸感覚が得られる。で、今度は反対をやって、そのあとで側軸をなくして中心軸で両サイドを脱力したままコントロールする。ちょうどお互いのサイドの軸を中心でぶつけあう、くっつける感じですかね。近藤さんの本で中心に向かってぶつけていくことで大きな力を生むみたいな話がありましたが、それってこの事なのかしら?とか思う今日この頃。