別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

身体の話(2014/7)

 肘と肩甲骨を使って打つ。あとは手首を返す・押しこむだけ―という突き方が最近気になって、そういやこうやって打ったほうが力が伝わりやすいのかと今更ながら気づきました。肩を出す突き方だと、肩で腕が固定されてしまう。そういう使い方はあまりすべきではない。以前山崎さんがバッティングが上手い投手について、利き手が右の右バッターなら右手で最後に押しこむことが出来るバッターは上手い。それが出来ない投手はバッティング苦手という話をしていました。手首・リストの強さというのもあるんでしょうが、手・手首に力を伝えて押しこむというのは最後にすること。スイングを肘・肩甲骨でしているのか、肩・腕でやっているのかの違いがバッティングの上手い下手をわけているのかもしれないですねぇ。

 そういやインコースを捌くのが上手い坂本は脇が開く、本当は脇じゃなくて肘を開いて、そこから上手く腕をたたんで打ってるんですけど、あのような打ち方は肩甲骨・脇・肘そこら辺の使い方がきちんと出来ているってことなんでしょうね。

 あと、引き手。前にも書いたかな?手首・手で引いたら意味が無い。肘と肩甲骨のリンクで引く。三戦の型で虎口(関根勤さんが千葉真一のものまねではぁ~ってやるやつですね。)がありますけど、あのように上下や前後で突くべきでしょうね。あんまり左右の捻転でつくような、その場での正拳突きというのはよろしくない気がします。

 てくび・手のひらの重さ。一番緩みやすくて重みがわかるのは手。腕を上にあげて手の重みが重力で引っ張られるのを味わうべき(前にも似たようなこと書きましたが)。手をダラーンと下げていない限り、手のひらのポジションをどこかに移すと重みを感じる。横でも前でも上でもどこでもぶら下げている位置から動かすと重力のかかり方が変わるから、感覚が変化するわけですね。筋紡錘の重力を感知するセンサーにスイッチが入るわけです。ちょっと腕の姿勢を変えるだけでも感覚のトレーニングになると。あと普段センサーが入らない腕を下げている状態というのはそれだけ肩・首・脇あたりの感覚が衰えやすい、腕の重み分固まりやすいということでもありますね。

 お祈りをするところ、胸の前で手を重ねるところ、そこにハンターハンターの会長のスタンドみたいに片手の掌を置く、そしてその重みに任せると、肘ごと手の重みに引っ張られて落ちていく。その手が自然に落下するのに胸背中もそれにつられて動いていくのを味わうと連動がわかりますね。合気道で手首を抑えられるとき正中線の前で動かそうとするのはこのためか。お祈りをするときに顔か胸の前で手を合わせますけど、胸の前に置くと胸と手は非常によくリンクしますね。

 肩甲骨を浮かすためのトレーニングとしていいものを見つけました。鎖骨周辺の首のこりにもいいのではないかと思います。それは手刀。捻転は身体を固定して行いやすいので否定すべきことなのですが、手刀の場合あまり身体がねじれない。つまり部分固着しない。背中・背面上手く回せて、かつ部分に頼る使い方にならない。その場受けや突きがどうしても部分筋力に頼りがちなのと対照的に上手く使える気がします。

 手刀=肩甲骨を使うために生まれた技法なのでは?とすら思いました。鎖骨から下、肋骨と肩甲骨は離れてそれぞれ独立して動かなくてはいけない。そうするためにこの手刀という技法がいちばんいい。肩包面ですね、そこを活かすためには手刀から入るのがいいのではないか?手刀をやると自然と引き手の位置が高くなるんですね。たまに引き手を腰ではなくかなり高く取る人がいますが、それはこの肩甲骨を浮かせるのに適しているからなんでしょうねぇ。手刀はそのまま、拳を握れば中国拳法の三体式のような形になるわけで、やっぱ肩甲骨をきっちり使えということが基本なんでしょうなぁ。

 秘伝で、横山さんの解説で気になるものがありました。沈みながら打つのと浮きながら打つの、二種類あると。確かにパッサイはその二つで構成されている。沈みながら打つというのは自分の重さ、重みを利用してつけばいいのでわかるのですが、浮きながら打つというのはわかりませんね。重りがなくなって浮く感じを利用するとありますが、どういうことなんでしょうか。座ってる姿勢からただしく立つと相手はそれを止められないというやつなんでしょうかね?パッサイのときは胸を開くつもりでというのがありますが、十字勁(胸を十字に開くことで力を出す)というやつに関係するのでしょうか?

 秘伝といえばようやく高岡さんが腰のゆるめ方を解説してました。半年くらいその話引っ張ってましたね(^ ^;)。そういえば寝っ転がるのはたいてい布団。解説ではほぐすために摩擦係数があってはダメとのこと。床に寝っ転がってより、腰・筋肉に固い物が触れないとゆるめられないということを初めて気づきました。やっぱり仙骨・腰からのアプローチをもっと重視しないといけないんですかねぇ。まあ、今回はこの程度で。