別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

W杯 対コートジボワール戦で思ったこと。疑問に残る事前準備・キャンプ地選定


さてもう終わりましたが、ワールドカップの日本代表の感想を。

 相手はコートジボワールですが、コートジボワールはフランス語で象牙海岸という意味なのか。ジとかフランス語っぽいですよね(小並)。へえ、昔は象牙海岸国って、まんま言ってたんですねぇ。奴隷海岸という名称も昔はあったというし、由来を聞くと植民地の爪痕を感じますねぇ。

 そんなことはさておき、前半いきなり本田が決めてくれました。本田△、やっぱセットの流れから点取れるのが大きいな~。コートジボワールのディフェンスもアレだったかな?僅かな隙を逃さず仕留めるのがレベルの高い選手って感じがしますねぇ。勝ったな…(確信)。とつぶやいてました。五分どころかかなり有利に戦っていたので、先取点をあげた時点でもう勝っただろと余裕こいてました。

 前半15分か、20分かそこら辺までずーっと日本が有利というか、日本本来の戦い方ができていると思いました。しかし点をとったあと前半の半分を過ぎた辺りからずーっと相手に押される展開になっていました。

 それはなんか前回ワールドカップの初戦みたいな展開に見えました。先制した一点を守る感じ。しかし当然守って逃げ切るという戦術ではないので、戦い方は全く違うのですが。山口とか良い守備もあったんだけど、中盤でもっと相手の攻撃の芽を摘んでほしい。一応ポゼッション勝ってるみたいだけど、ポゼッションサッカーならもっと支配率高めて欲しいなと思ってました。

 前半は日本41%でコートジボワール59%と、完全にポゼッションサッカーは破綻していました。

 後半は、香川のパスミスがあったし、彼を代えるかな?大迫もこの試合はよくなかったという印象でした。相手が焦って点を取りにくるところを守備固めてカウンターで、もう一点とって二点リードという形にしたいがどうなるかな?ヤットさん入れて、FKからの得点機会を増やすのもいいかもしれない。守備がうまく行ってないし、引いて守りつつ、カウンターで攻めてファウルもらってFKというのがいいと思うから、個人的にはヤットさん入れて欲しいと思ってました。

 んで、長谷部のコンディションの問題もあって、ヤットさんと交代となりました。ところがそれでも日本は守りにシフトしませんでした。なんかコートジボワールが随分受け身になってきた気がするが、日本が良くなってきたのか、それとも日本に攻めさせて、疲れた終盤にドログバ投入で一気に勝負をかけるとか?そういうことなのか…?

 後半まるまる全部守る必要はないと思うけど、相手が全く焦ってなかった。なんとかしてゴールをこじ開けないと!という試合運びでなかった。つまりドログバ投入に勝負を一気にかけるという判断。であるなら、その時間帯まで無駄に体力を消耗しないように引いて守るべきだと思いました。

 前述通り前半の途中から、良くない。ずーっと攻められていてこのままではいつか失点するという形に見えました。ヤヤ・トゥーレが目立っていて、あとはそこまでではないとしても、形ができている。パスが入ったり、ドリブルでイイトコまで駆け上がられたり、この形ではいつかかならず失点してしまうという危ない流れに見えました。

 そしてドログバ投入で一気に流れが変わり、やられてしまいました。少し押されるようになってきたなぁと思ったら、立て続けにやられてしまいましたからね。CBにイエロー一枚ずつってのも嫌な展開。結局リードした一点を相手は無理せずに引いて守り、そのまま守り切って勝ちましたね。前回どころか、前々回のオーストラリアにやられた試合になってしまいました。


 まあ、前に書いた通り、今回は攻めて戦う。未来の為にそういう選択をしたということなので、別に負けるのは構わないと思うんですが、各選手のパフォーマンスがそれほど高くなかったのがあれでしたね。試合後は、もうちょっといい動きができればなぁ~と思っていましたが、ダイジェスト見るとやっぱそんな問題じゃないですね。全体的に選手の動きがやっぱ悪すぎでしたね。このレベルなら、一点リードでドログバ投入まではガチガチに引いて守って、カウンター狙うべきというしかないくらい、日本代表の出来が悪かった。とにかくミスが多い。ミスから冷やっとする展開をなんとかしないといけません。

 聞くところによると、コートジボワール監督はザックの教え子とか。走るサッカーの弱点、スタミナ切れの所でドログバ投入とか完全に戦術で負けましたね。走るサッカーは間違いでないと思うけど、途中少し引いて休めば良かったと思いました。休んで相手のドログバ勝負の時にとっとくべきだったんじゃないでしょうか?

 レシフェが雨で急に湿度が上がって、日本がバテてしまったという指摘をみましたが、温度はともかく、雨が降ってその環境に対応できなかったり、ピッチの状態が悪くなって、対応できなかった要素があるのかな?と思っていましたけど、やっぱりそうなのでしょうか。事前にそれを想定しておいて、そうなったら守備的戦術を取るという選択肢はなかったのでしょうか?

 もしワールドカップで勝つということに意識をおいておくなら、手札に必ず守備とカウンターで戦うためのカードを入れておかなくてはいけないし、状況・場面・時間によってそれを採ることを考えておかないといけない。どうしてその要素が見られなかったのか?気になるのはそこですよね。

 あまりに「攻撃」に意識が偏りすぎている。例えるなら攻めるために大砲や俊足巧打の打者を登録するために、大事なクローザーやセットアッパーを一枚減らしているような感じ。そもそも攻めきって勝つから、そんなのはいらん!という感じですかねぇ…。まあ流石にそこまでではないので、打てる選手を登録するために守備要因を入れておかなかったという感じですかね。

 この試合は不調・コンディションが良くなかったとして、そういうことを想定して、途中で守備戦術に切り替えられなかったのでしょうか?そんなことが起こりえないほどの高いレベルであるならば、それでいいのでしょうけど、日本はさすがにそこまでレベルは高くない。

 もし予選突破ということをしっかり考えているのならば、選手の不調ということを考えておくべきですよね。危機管理ともいうべきことは一体どのくらい想定されていたのか?今後のために教訓とするならそこのところでしょうね。徹底的な検証が必要なのは。

 んで、キャンプ地イトゥというところは日本で言うと軽井沢みたいな避暑地であり、実際の試合をする環境とは程遠いという話を聞いて調べてみたら、W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。日本代表の合宿予定地、イトゥは本当に最適な場所か? というのがありました。

 …ズバリそのとおりでは?レシフェとナタウとコロンビア戦のグイアバと試合会場が3つありますが、どうして初戦・二戦目と場所がほとんど違わないレシフェ・ナタウといった場所にキャンプ地を設けなかったのでしょうか…?※場所は上の記事にあるのでそちらを参照してください。

 日本代表は確かに出場国の中でレベルが高い方ではない。出場中、実力が明らかに下のチームは韓国・イランくらいでしょう。しかし、だからといってこれまでの代表のような明らかに動けない、世界のトップとまるで相手にならないようなチームではなかった。今回のギリシャ戦はともかく、コートジボワール・コロンビア戦は明らかに動きの質、そのものがおかしかった(ギリシャ戦は11人いたらどうなっていたか、多分その二戦と同じようになったと思います)。どうみてもコンディションが明らかによくなかった。というかハッキリ言って本来の実力の半分くらいしか出せなかったという悪いコンディションだったと思います。戦う前から負けていたとしか思えません。

 上の記事にあるように、ドイツはふさわしいキャンプ地がないということで、わざわざキャンプ地を一から作ったといいます。日本がするべきことはこのような事前の準備だったはずではないでしょうか?ましてアフリカ・中東・中南米のような高温の地では実力を発揮しづらいと言われているのですから、なおさらでしょう。ザックの采配云々言われていますけど、まず問われるべきはここ、キャンプ地の選定ではないでしょうか…?

 続く→ワールドカップとか、そこら辺
 ※ついでに今大会を見て思った個人的感想→サッカーという競技のゲーム性の低さ(2014/07)

アイキャッチ用画像