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別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

横浜ベイスターズはなぜ弱いのか

 なぜ横浜ベイスターズは広島に弱いのか では以前広島に弱い理由を書きました。左打者・左投手というのがポイントだと。んでそのすぐあとに賢い広島という話題で、盗塁に出塁率の向上も。これなら広島の上位はあるかも?という感じで書いてましたが、まあ、まだまだ穴・課題があってそこをいかんともしがたいだろうという感じで終わっていました。去年はそれでも他のチーム力を上回ったことで最終的に三位になりましたけどね。

 今のNPBのサイトでデータを見ると、広島は盗塁でそんなに突出していないし、打率・出塁率もあまり良くない。打つほうが良くないですね。投手陣は四球をセで一番与えていない見事な働きをしており、防御率もトップ。ここだけ見ると今年は優勝や!って感じですが打線がね…。まあ一点を取る野球が出来ればペナントは投手力なんで然程問題にはならないと思いますが、それが出来るでしょうか。

 広島・阪神で優勝争いをする面白い展開ですが、数字・データだけ見ると阪神が四球を取りまくり、絶好調な打線にちょっと本調子とはいえない投手陣という感じで、広島の逆。その二チームとは対照的に巨人は投打に置いてバランスをもっています。打つし、四球をとって出塁率を残すし、投手陣は四球を出さない。今のところ巨人が最終的には安定した数字を背景にまくるんじゃないか?というレース展開ですが、はてさてどうなりますか。結局、最後まで選手のコンディション、離脱者を出さないことが重要なので、そこ次第になりそうですけどね。

 で、本題。横浜ベイスターズの弱さについて。そこまで大した話ではないのですが、今年こそは三位を狙えるだろう!と書いたばかりでこんなことを書くのも気が引けますが、チーム的に問題があると気づいたのでその話を。

 三年前は、親会社が変わり、GMに元日ハムの高田が就任したこともあり、賢い野球を導入していくだろう。嫌らしい野球をすることで乏しい戦力でもそこそこ戦える。フロント主導で強いチーム作りがなされるだろうと期待していました。ダメチームが再生されるという画が見えていたのでずーっと楽しみにしていました。ところがどうもそうなりそうにないと最近気づきました。

 強いチームとはファイターズを見てわかるように、あるいはホークス・ライオンズのように、スカウトが有望な若手を見出しドラフトで取り、その若手をしっかり育てるチームのことです。ドラ1・上位以外でも選手を当てられないのはかなり厳しいといえるでしょう。スカウトにはコネが必要。そのコネが未だ構築できていない。今はそれを構築すると上にある。あと二年もすればそれが完成して、有望な若手がどんどん出てくる!という段階ならいいのですが…。

 優秀な高校生を育てることが出来れば、チーム戦略として長期的なビジョンが描けますから、高校生を見出すことは重要なのですが、高卒でチームの中心選手になるのはほんの一握りということを見てもその難しさはわかると思います。ドラフト下位の高卒選手で大成したというのはあまり聞きませんからね。しかしそれでもチャレンジしなくてはならないことです。ハムが高校野球監督をチームに迎え入れたように、チーム作りに重要なポイントですね。

 高校生でなくても、新入団した選手を育成する事が大事なのは言うまでもありません。その有望な若手をキッチリ育てられる優秀なコーチがベイスにいるのか?ベイスはこれまで生え抜きに厳しい球団だったので、ベイスは地域密着型のためにも横浜高を中心に選手を集めたり、コーチにOBを据える方針を取りました。選手は引退後の生活が不安なもの、それがコーチとしての保証があるのなら選手にとってもいいことでしょう。入団の際入れる方も取る方も、球団が面倒を見ますという言質があるかないかではかなり違うでしょうしね。

 ただ、選手の待遇を良くする反面、指導能力が落ちてしまっては元も子もない。メインのコーチは実力主義でよそから取ってくる。サブのコーチ・コーチ見習いをOBにして選手後の保証に。またはコーチを育てるためにも育成プログラムをしっかりするべきでしょう。横浜の弱点である投手陣、その弱点を担当するコーチが新人というのはかなり問題でしょう。

 星野楽天は名コーチ島野不在で、果たして星野采配が機能するのか?と疑われていましたが、大久保・田代・佐藤義則コーチと優秀なコーチを実力主義で集めてきました。日本シリーズで投手はヨシコーチに任せてある―と断言した姿は、投手のことはわからない。俺も知らないCSの投手の登板試合がバレるはずがないと断言した落合の姿を連想させました。実力主義を採用し、信頼できる部下に全権を任せる、これはひょっとしたら落合の姿から学んだことかもしれません。

 白井さんのような優秀なコーチが勉強したいからなど、本人の事情でチームを去ってしまうのは仕方ないにせよ、優秀なコーチをよそから招聘しないといつまで経ってもチームは変えられないでしょう。指導法を広げる、深めるためにも外部から取り入れることは必要不可欠。断られたのかもしれませんが、吉井コーチなどに即声をかけて投手コーチにしなかったのは解せません。

 よく、ベイスターズを出ると他所で活躍するなどというジンクスがありますが、それはベイスターズで選手を育成する環境が不十分だからでしょう。しっかりとしたコーチがいる楽天で藤田・サブちゃんが花開いたのはそういう理由があると思います。藤田はベイス時代、田代コーチとやってたかもしれませんけどね。楽天の選手を見ると能力の高低にかかわらず、皆きちっと自分のスイングをして振り切っていますから、練習が身になっているということだけは間違いなく言えるでしょう。

 ずーっと昔から書いていますが、現代野球はコンディションが第一、フィジカル(トレーニング)コーチ・コンディショニングコーチが重要。そのコーチが誰か公式サイトを見てもわからない。つまり根本的な理解が足りない。落合中日がそこを重視しているのと対照的ですね。中畑監督は中日に倣って週六キャンプを取り入れたはずなのに今年は練習量を減らしたといいます。ヤクルトも練習しているのに故障が増えたというのを見てわかるように、どういう練習をすべきかという基本・マニュアルが成立していないのでしょう。

 長期的視点に立った選手育成がチーム内にないということがこの点を以ってしてもよくわかります。横浜の選手は練習しないということをよく言われますが、正確には若手にその知識・ノウハウがない。そういう計画に則ったプランを提示できないから何をやっていいかわからないということなのでしょう。才能と高い目的意識がない選手以外は育たなくなってしまうでしょうね。そういう選手はどこ行っても成長しますが、そうでない選手をいかに大成させるかはチーム力になるでしょう。ファイターズもどうやってそこ(才能と意識がそこまで高くない選手)を補ってそだてていくことに重点を置いていたかと思います。

 例えば、石川なのですが、彼のスイングは素人目に見てもおかしい。身体に軸が通ってないし、バランスが悪い。腰の所で連動が途切れてしまっている、柔らかさも力強さもないフォーム。アンダーソンみたいなフォームで、はじめはオープンで打つ直前に踏み込むのですが、アンダーソンと比べて身体のゆるみが乏しいことはもちろん、スイングの鋭さもない。あのフォームで一体自分のウィークポイントをどう補って、長所をどう活かすのかよくわからない。どういう目的意識からああいうフォームにしているのでしょうか?

 今年は筒香・梶谷と左の打者が揃った。ブランコと加えて345クリーンナップはしっかりした。あとはその周りだけ。12番を打つ打者がしっかり塁にでなくてはならない。嫌らしい野球をしなくてはならないのに、セーフティやゆさぶりのバントかまえに、短く持って粘るという打撃をしていない。HRを捨てた単打と粘りを専門にしているバッターがいない。また、こいつに10球粘られた、こいつはあんまり結果でないけど嫌だなというバッターがいない。

 嫌らしい野球というのは足を絡める野球ですが、それは盗塁だけでなくエンドランが最大の持ち味です。バッターの能力が高くなくてもカウントを読んで、仕掛けて転がしてセカンド・ショートの逆をつく。ただの真正面の当たりをヒットにしてしまうという采配の妙が必要不可欠。ところが、中畑野球にはそれがない。多分今年一度も成功していないのではないでしょうか?

 星野楽天がどうして優勝できたかといえば、まさしくそのエンドランにあるわけで、楽天は徹底して動かして機会を広げてきます(無論、裏目にもでますが)。足があるということでバッテリーを揺さぶる。この効果は計り知れないものがあります。采配能力が問われるエンドランの成功率が低いというのは大問題ではないでしょうか?中畑監督というのが実力よりも、新規参入の話題作りのため、広告効果のためという事情があったのは理解できますが、流石に今年までになるでしょうね。

 キャンプで何をしなくてはいけないか、いろいろありますが、実力で劣るベイスターズにとって一点をねちっこく取っていくために足を活かすこと。そのためこのエンドランを成功させるための練習を徹底してやらなくてはならなかったはず、それができていないということはチームの将来を暗示させるものがあると言わなくてはならないでしょう。

 優秀なコーチ・エンドランという視点で語りましたが、最後にリードの問題。これはセ・リーグに共通することですが、リードが弱気でインコースをつかなすぎです。相手の胸元をえぐって身体を起こさないとアウトコースが効かないし、失投のコストを下げられない。ばかみたいにアウトコースを引っ張られてHRにされるのはインコースを意識させていないから。インコースをHR打たれるならともかく、アウトコースを強引に引っ張られてHRにされる=簡単に踏み込まれてHRにされるのは問題です。インコースのボール球、顔の近くの球を投げない限り、投手陣がその防御率を下げるのは難しいと言わざるをえないでしょう。ハマスタという環境も考えて。

 思うに、大島監督がハムでよく乱闘をしていたのも、弱いハム投手陣が少しでも相手を抑えるためにインコースをつきまくっていたからでしょう。弱いチームが勝つためにはそういう汚い・ギリギリのプレーをしないと生き残れない。弱いチームが勝つために必至でかじりついて、戦略を考えなければどうにもならない。そういった象徴でしょうね。

 パ・リーグではインコースを徹底してつく、今素晴らしい数字を残している西がインコースにコントロールがあって胸元をえぐるボールが投げられるピッチャーであることと決して無関係ではないでしょう。パ・リーグセ・リーグでは死球数の数が違いすぎる。ノーコンが投げるのは論外ですが(美馬とか)、コントロールがなくとも相手にインコースを植え付けてなおかつ相手にぶつけないような所に投げる技術を磨かないといつまで経っても変わらないでしょう。怖いのなら、顔・胸・腰・膝、最も故障しにくく避けやすい腰を狙うべきでしょう。

 キャチャーは相手の体を動かす、目線を動かすということから配球を勉強するべきでしょう。鶴岡が今阪神で輝いている!とありますが、正直彼のリードもあまりベイスターズ投手陣に貢献するようなものではなかったと思います。無論ベテラン捕手が必要であり、その捕手に対して、しかもFAで獲得した選手に対して無情な対応をしたことは責められるべきですが。

 コントロール・スピード・変化球どれか2つが突出した投手ならともかく平凡な投手は胸元つかないと、配球の組み立てを考えないと難しいでしょう。チームとしてこれに取り組まない限り、乱闘を毎回起こすくらいの覚悟で相手の胸元を就いてインコース意識を植え付けないとベイスターズが上に行くのは難しいのではないでしょうか?

 ※余談ですが、エルドレッドがHR10打って死球1とか。HRバッターに死球が少なすぎるというのはどう考えてもおかしいでしょう。バレンティンはゼロですしね。パ・リーグなら多分シーズン20~30はぶつけられるでしょうし、シーズン本塁打記録は残せないでしょうね。