別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

メジャーでの日本人先発左腕の話


 メジャーの日本人ピッチャーの話で書き忘れていたことを。内海の開幕投手云々の話で思い出しましたのでその話を。

 オリの金子もキャンプなしで活躍していたので当然彼は投げ込まない派。んで言われてみればそうなんですけど、田中も投げ込まないらしいですね。最近知りました。マエケンが投げ込みをしないということは有名ですけど、田中もそうしていたとは知りませんでしたね。まあ、あれだけの投手ですからね、上に行けば行くほど修正能力や経験があるので投げ込みは必要なくなるのでしょう。先天的なものも大きいかもしれませんが。エース級が少しでもイニング数を増やそうと投げ込まないで調整したら、ペナントで上手くいかなかったなんてケースはよく聞きますしね。

 それはおいといて先発左腕の話。日本人投手の活躍は言うまでもないんですが、先発左腕での成功例が乏しいということがあげられると思います。唯一成功したのは元ヤクルト&西武の石井。彼は珍しい速球派左腕でした。メジャーに行ったのがやはり黒田同じくかなり遅かったのであまり長い期間やれなかったというのも大きかったでしょうね。むこうで実働3年とかそんな感じでしたからね。
ですから成功したかどうかと言われるとまあ微妙な感じですね。というのも彼は一度手術してるんですよね。怪我で長期離脱経験ありでしたからね。ノムさんに手術後のチェックでアメリカ帰りの彼の投球を見て、いい球だ。メジャーに誘われなかったのか?と言われていたのを覚えています。

 内海や杉内、NPBで無双している先発がなぜメジャーに行かないのか?和田が向こうに行って杉内は巨人を選んだ。成功すれば四年×5億の軽く倍は得られるでしょうけど杉内は巨人でした。内海はいくらでしたっけ?まあ杉内ほどじゃないにせよそれくらいはもらってるんでしょう。どうしてメジャーへ行かなかったのか?和田のようにやはり技巧派タイプは厳しいということでしょう。井川の二の舞いになる可能性が高いと判断したということでしょう。それほど身体も大きくないですしね。大きくないと向こうの厳しい環境に適応できないでしょうからね、中四日で投げられるフィジカルが何よりポイントですしね。

 杉内は滑るボール対策をテレビで語っていたのでその不安はなかったのでしょうが、怪我をして去年投げられなかったように身体が万全ではないことに気づいていたんでしょうね。今年・来年という契約最終年も10勝ラインをクリアするかどうかの成績になるんじゃないでしょうか?まあ勝ち星よりイニング数ですけどね。キャリアハイで190イニングを三年連続した年から一貫して下降してますからね。統一球導入で防御率1点台を記録するも170イニング止まりで、巨人に行ってから160・150とドンドン落ちてますから。セ・リーグだから代えられるといっても投球内容良ければ簡単に代打送られませんからね。でも原監督ならそれでも代えるかもしれないですけど(^ ^;)。

 しかし内海は杉内と違い怪我がある、コンディションに不安があるわけでもない。それでも決断しなかったのはやはり先発左腕として自分が通用しないと見ているのでしょうね。もしかしたら去年の数字の悪化で何らかの不安を抱えているかもしれないですけども。体格では180センチとフィジカルでの問題があるとは思えませんからね。これでまっすぐが5~10キロ早い。もしくはチェンジアップやスプリット・スライダーなどの球種が豊富で、向こうでも通用する決め球があるなら話は別なのでしょうけどね。

 和田はまだマイナーで頑張っている段階でハッキリと断言できませんが技巧派が向こうの環境に適応するのはそれでも難があると言わざるをえないでしょう。

 で、そういう感じの中で、では、誰が通用するのか!?となると、出てくるのが菊池・松井ですね。去年も一年通して活躍したわけではありませんが、その存在感を見せてくれた菊池はスピード・球種間違いなくやれる素材ですね。ただ今調子が良くないのを見てわかるように一年安定しないのがアレですけどね。フィジカルでの不安からメジャー選択しない可能性も考えられます。それがどうなるかはわかりません。石井を慕っていて彼からいろんなことを教わったはずですから
個人的にメジャー行くのは面白いと思うんですけどね。

 菊池・松井以外の他にも、ハムの吉川が150キロ近く投げられるので面白そうな選手ですよね。面白そうな素材なのですが、覚醒が遅かったことでFA獲った時の年齢がかなり厳しい。そして今現在あまりピリッとしていないことを考えて、そもそもFAとった時にさあ行こうといえる選手かどうか?となっている。FA取れるかどうか自体も怪しい&難しいので、仮にメジャーへ行ってもちょっと厳しい結果になりそうですよね。

 というわけで現在は菊池か松井ということになるわけですけど、松井は以前書いたようにフォームがアレで一軍でやれるかどうかというレベルですからね。今年松井は10勝する!みたいなことを言ってる人もいましたけど一軍でやれるレベルじゃないですよ。フォームがばらばらでコントロール定まらないですもん。一年下でやって来年一軍でできるかどうかというレベルですから。というか一年でいけるか?余裕で二年、三年かかってしまうかもしれない感じですよね。

 彼が将来メジャーでやりたいと思っているのなら、今年一年でどれくらいフォーム=コントロールを安定させるのか、今のレベルから一年でシーズン終盤もしくは来シーズンでどれくらい成長できるかですよね。田中も二年目に四球をぐっと減らす成長を遂げていました。最初の能力がどうこう以前に成長能力が素晴らしいことが大きいですよね、ダルも田中も。高卒一年目の観点で言えば、その二人より松坂のほうがはるかに上でしたからね。大事なのは最初の数年の活躍・数字ではなく、そっから先の成長スピード&その投球内容の向上の中身ですよね。


 まあ、先発左腕という視点で菊池&松井という見所があるんじゃないかという話でした。