別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

【中日落合GM誕生】 落合博満は静かに、そして動じない


 中日は落合GMが決まりましたね。どうも落合という飄々としたキャラクターを見ると、不動心で表現したくなりますね。そんなに喋らずに、じっとして動かない、動かざること山のごとしですか。タイトルで書いたように評してみたい男ですね。吉良吉影は静かに暮らしたいみたいですが(^ ^;)。

 しかし、落合という人物は監督になった時のように、一発目にはエッ!という意外な動きをしてくる人ですね、川崎開幕投手のように。監督は谷繁というのに驚きましたが、なるほど、人件費がネックというところで落合本人がGMなら監督ほどの給与は払わなくてもいいし、兼任監督なら監督給与も(新人監督ということもあって)格安でいい。しかしそれなら無能高木に1億というのは何だったんだということになりますけど。

 まあ、落合さんがやった意外な策というよりかオーナーの奇策とも言えますけどね。GMというのは落合さんが言い出したことのようなので。

 個人的には立浪が入閣して森監督。落合派と中日OB派(立浪中心)
の足して二で割る形で決着するだろうと思っていました。それがGM選手兼任監督という形とは全く予想していませんでしたね。これで完全に落合派の勝利・復権ということですね。落合GMは最低でも谷繁監督4年=そこまでは結果を問わないと言っていますし。

 しかし、OB達は本当アホですね。いくら落合といえども選手の世代交代が進んでおらず、あと二年まっていれば落合でもBクラスという事態が来たでしょうしね。焦って動いて自滅。結果落合GMという体制になって、落合を中心とした外様体制復権という羽目になりました。アホですね。

 まあ、セだと他が弱いので投手&守備力が揃っている中日はなかなか落ちにくい。ゆえに焦って動いたということもまだわかりますが、それなら立浪のつなぎに優秀な外様を呼んで、その下をOBで固めるという形でよかった。やっぱり優秀な選手だった生え抜き選手の監督というのが好きな人が多いんですかねぇ?己は選手時代の成績も、出身も全く興味が無いのですが、優秀かどうか以外に何を気にする必用があるのか全く理解できないですねぇ…。

 関係ないですが、ウチも秋山監督を辞めさせるためにGM作って秋山GMに祭り上げて新監督工藤か古田という形にしてくれないかな…。

 落合GM直撃オーナー命令は「強くしろ」―に書いてあるとおり、給料は半分から三分の一と書いてあります。白井オーナーじゃなかったら引き受けなかったと書いてありますが、やはり落合さんは情に厚い人なんですねぇ。契約に則って動く人なんで、ドライなイメージが有りますが、ああいう人は総じて恩義とかそういうのを非常に重んじるタイプですよね。きっと横浜にも落合監督というオファーがあったんでしょう。しかし、白井さんがあと一年でオーナーを辞める(監督を辞めた時からだと三年ですね)。それまでに中日が低迷して、白井さんが自分にもう一度監督orチーム立て直しのために力を求めてくる可能性がある。その時まで監督就任、他球団からのオファーは遠慮しようというスタンスだったのでしょう。


【落合・森氏の横浜移籍について】

 そうじゃないと横浜の監督選定のおかしさ、中畑&デニー体制が説明できないんですよね。デニーが中日行ったように、彼は西武時代の森のコネでベイスに選ばれたわけです。中畑駒大OBの組閣も同じく駒大出身の森繁和のための下準備だったわけです。ベイスの西武系&駒大組閣というのは落合監督というよりか、森繁和監督のためだったと見るのが自然ですね。

 言うまでもなく、ブランコ・ソト・ソーサは森さんの後押しがなければ横浜に移らなかったでしょうしね。落合さんは「シゲが監督やるなら俺が打撃コーチやるよ」と言ってましたけど、落合打撃コーチはどうかな?まあ多村に臨時コーチでちょっと教えたことがありましたのでベイとそこまで距離があるわけではないのは確かなんでしょうしね。GMも監督もいいけど、落合という人間がどんなバッターを育てるのかというのも見てみたいなぁ。

 GM高田繁
中畑の契約が二年だったということからして、やはり契約完了後落合GM&森監督体制にスライドするつもりだったと見るのが自然なんでしょう。しかし中日復帰案が実現してしまったがゆえに、高田&中畑両者ともそのまま続投と。過去に球団再建を尾花さんに託したように、今度は巨人投手コーチではなく中日投手コーチの投手陣の柱である森に白羽の矢を立てたと。

 落合さんにしろ森さんにしろベイスのオファーを、中日復帰の可能性があるからと断っていて、もしそれがなくなればベイスにスライドしたはず。ですがそれが今回のとおり、二人共中日復帰でベイス移籍の目がなくなってしまった。ベイスは森のために三顧の礼を取っていたわけですが、「森さんのために!」とウェイトし続けて、忠犬ハチ公のように早く早く!としっぽを振り続けてくれたのに森さんはどうするんでしょうね?その恩義も知ったこっちゃないよとスルーするのでしょうか?

 個人的には谷繁体制を四年と言わずに三年の間に確立して、一本立ちの目処がついたら、白井さんとの義理は果たしたということで今度は横浜で森監督として常勝ベイスターズを築いて欲しいですね。そういや中畑さんはいち早く中日の週六キャンプを取り入れてましたが、もともと森さんに近い人達がいたので自然とそうなったということなんでしょうかね。

 そういう観点からすると、森さんをそれでもウチは待ってます!三年後に来てください!という方針を貫くか否かは中畑の後任が誰になるかで決まりそうですね。今年中畑続投ならまだ駒大系は残りますからその目はまだまだあるでしょう。来年辺り中畑辞任ということにでもなって、その監督が西武系もしくは駒大系であれば、その次の監督として森を考えているということになるでしょうからね。来シーズン後の横浜監督が誰になるのかというのは一つのポイントとして面白そうですね(今から中畑クビという想定をしていますが…)。

 ※そういえば谷繁新監督に近いということで佐伯・波留というベイス時代の人達がコーチになりましたが、このラインでも横浜=中日は関係が深いわけで、落合・森・谷繁この中の誰かが数年後に監督になっていてもおかしくないですね。OB派の反逆、クーデター再びで谷繁解雇→ベイス新監督が一番ありそうでしょうか?

【落合の秘策、森ヘッド&達川バッテリーコーチ】
 個人的にああ、やっぱり落合は凄いなぁというか、上手いなぁと思ったのはこの新体制ですね。兼任監督というのはまず
近代野球では成功しない。それでも兼任監督というシステムを採用したのはそうしないと、OB派を封じ込めることが出来ないという政治的思惑もあるでしょうが、そもそも谷繁が選手としてかなり厳しくなってきたこと。ノムさんの3017試合出場(でしたっけ?)というプロ野球記録を抜くために一日でも長く現役を続けさせるための保障としての兼任監督という制度を採ったということでしょう。

 そうじゃなければせいぜい代打くらいしか使うところがありませんからね。今年の彼の阻止率を見ても、あれじゃあもはや捕手としてスタメンで使うのはかなり厳しいでしょうから。789といった試合の終盤に抑えのキャッチャーという感じで出てくるという形じゃないと怖くて使えないでしょう。試合の終盤に8捕手・9投手で代打攻勢→谷繁と中継ぎ投手登場というケースが増えるのではないでしょうか?

 そして兼任監督というのは参謀、ベンチに事実上の監督がいて初めて成功するもの。ノムさんが古田の兼任監督が難しいといったのは、自分の時はブレイザーという参謀、腹心がいた。彼に采配を任せることが出来たから成功した。しかし古田はそういう人材がいないから難しいと評していました。もし古田兼任監督のために、参謀となるような人材を外から招聘していたらどうなっていたでしょうか…?うーんみたかったなぁ。

 それはおいといて、まず今回森ヘッドが事実上の監督として指揮をとるのは間違いないでしょう。しかし森とて優秀な投手コーチ、戦略判断ができるとはいえ、監督としての実力は未知数。落合という絶好の手本を見てきたとしてもキャリアが足りないのは言うまでもない。何より投手を見ながら試合を見るという負担が倍になる。そこをどうするか?という課題が出てくる。

 それを賄うための人材が達川ということ。彼は落合さんと東洋大出身ということでかぶっている他、野球観で共通するということ。また落合さんはかねてから広島の練習を口にするように、コーチで長嶋清幸、原伸次打撃コーチ、小林聖始(誠二)、高木宣宏投手コーチというような人材を広島から引っ張ってきたように、落合政権には広島系という色合いもある。その頭とでも言うような感じで達川さんを連れてきた。落合政権との親和性は高い。

 個人的に達川の解説が好きで評価していただけにこれは非常に嬉しいニュースでした。やはり捕手出身だけあって、細かい変化に非常によく気がつく、ピッチャーの足がつったとか、バントの時にこの選手ならそこまで一塁手は前に出てはいけない。こんなにダッシュすればバスターに切り替えられるとか、非常によく見ているなと感心したものです。

 達川氏は広島で監督経験もあり、そういう点でも谷繁=森体制のサポートとしてはうってつけ。捕手出身なので采配にも有益なアドバイスを森ヘッドに提供できるでしょう。谷繁が権藤監督にリードがダメだとオシメが取れない赤ん坊のようなものということで「パンパース」だと揶揄されていましたが、今度は監督としてのオシメが取れるまで森・達川が夫婦のように育成するということになるでしょう。

 また落合さんが相川・鶴岡のFAに興味を示し、そのまた次の嶋FAの時にも必ず手を上げることは間違いないでしょう(鶴岡を獲得できたときはまた別なのでしょうけど)。常勝中日が谷繁獲得で始まっているように、捕手を固めることは必須課題。今年そして来年と必ず捕手が獲れるというわけではありません。相川・鶴岡は残留濃厚ですし、嶋は巨人が手をあげたらわかりませんからね。楽天時代の山崎との繋がりという線もありそうですけど、山崎は入閣してないですしね。発揮されるか微妙なところですから。星野力で残留も十分ありえますし。

 というかウチの山崎FAに対しては興味を示さないんですかねぇ…。なんでや!キャッチングええやろ!

 そういう最悪の事態を想定した時、捕手育成は重要なポイントとなりますから、それを含めても達川ということなのでしょう。中日には田中という捕手がいて彼を取ったのも達川推薦があったからと言います。その田中を育てたいということなんでしょうね。来年はその田中の出場が増えるのでしょうか。

 新体制は西武から多くコーチを連れてくるようですね。ナベQ辞任もありましたし、丁度いいタイミングでしたね。強いチームは良いコーチによって作られる。まあ、間違いなく来年の中日は強くなるでしょう。少なくとも低迷はないですね。個人的には権藤監督でも良かったという気がしましたけどね。

 中日スポーツのインタヴューに落合さんが応えているように、GM落合が一体どんな仕事をするのか、またトレードを凍結してきた人物がGMとしてどんなトレードなどをするのか?契約更改などどういう方針をとるのか?非常に興味深いですね。セの野球は見どころが少なかっただけに面白い要素が増えたので、非常にありがたいですね。