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別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

クオリティピッチング/黒田博樹

クオリティピッチング/ベストセラーズ

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 黒田博樹という投手がいかに考えて投げているかがよくわかります。ダルビッシュも頭いいですけど、正直今のメジャーの日本人投手で先発をこなしている中では黒田がベスト。一番見たい投手ですね。今日本人投手で先発って二人だけでしたっけ?

 ※余談ですが、松坂はあんな感じでどうみてもメジャーで通用するとは思えない。一から新しい方法を作って今の自分でできることをしないといけない。「適応」を考えないといけないのに、自分のベストピッチがその内できるようになるという甘い考えで「進化」を怠っている気がしますねぇ…。この前ちらっと見たら投球テンポが悪いし、フォームも全盛期とは異なって球速が出なくなっている。長谷川さんが思い切ってスタイル代えてみたらと随分前に指摘していましたが、変化がないと多少復調して成績を残しても、絶対長くはやれないでしょうね。

 ○手が長いローボールヒッターには対角線を使うこと

 ○フォークはスピードが出過ぎてはいけない。速すぎると落ちなかった時少し遅い真っ直ぐとして打ち頃になる。ストレートと球速差があれば多少甘くいっても内野ゴロになるから遅い方がいい。

 ○3ボール2ストライクは一見不利なカウントだが、打者の頭にファーボールという選択肢が出てくるためにフロントドアを見逃しやすい。

 ○左バッターにはフォークとフロントドアのコンビネーションが有効。フォークで目線を下げることでフロントドアが決まりやすくなる。

 ○メジャーでは15勝投手よりも、貯金なしの200イニング以上を投げる投手、ローテを一年守る、QSをつける投手が評価される。その価値観に適応を図り、それを全うするための投球術を突き詰めた結果が今の投球スタイル。当然球数を使わないピッチング、打ち取る&内野ゴロを取るそれにスタイルを変えた。

 ○股関節、足首が硬いためそれに合うフォームに。普通の投手の股関節や歩幅を活かした投球フォームとは異なる。メジャーのピッチャーも硬いことが多く正座ができなかったという。むしろ黒田の体格・体質というのは向こうの人に近いそれなのかもしれない

 ○コントロールがいい投手、ボールひとつの出し入れができる投手と評価をされているが、実際そんなコントロールはない。9分割ではなく4分割して大体のところに投げている。むしろそんな(9分割)コントロールがある投手のほうが少ない。自分に有利な状況、カウントを作っていけば際どいところを余裕を持って投げられるから、いいところに決まりやすい。逆に個々に投げなければいけない!という状況だと投手心理から言って決まりにくい。つまり投球術とはいかに甘いところ、コントロールミスをしても相手が打ち損じてくれるかということを突き詰めることなんですな

 ○有利な状況を作るために初球は必ずストライクを取りに行くこと。そしてストライクを取りに来るとなれば相手は手を出して来やすい。故にボールでも勝負できるようになり自分有利な状況を作っていける。ましてメジャーでは球数制限があるんですからなおさらそうなるでしょうな、ストライク先行ということが良い投手の条件の一つですし。またバッターからするとストライクは3つ取られたらアウトのところが、残り2つになってしまう。投手は最悪ボール3つのあと4つ目のボールでも変化球でボールの玉を投げても勝負ができる。そういうことを考えることで&そう出来るようになったことでメンタル的に楽になり優位に進められるようになったと。もちろんそれが出来る黒田の能力あってのことでしょうけどね。故に以下にストライクを取れる球を作るかが肝心。コントロールを意識するあまり腕を振って投げられないのでは実戦で使えない。

 うーん、配球の観念がなさそうな、頭の悪そうなウチの先発陣に聞かせてやりたい話ですなぁ。カウント取れる勝負球を磨いてあとはアバウトでいいから腕振って投げればええんや!しかしメジャーと違って日本の野球は見てきますからなぁ…。どうなんでしょうか

 ○マダックスに教わったフロントドアの有効性について。ホームベースに近くたっているバッター(インコースが得意なタイプかな?)・右肩&ケツがホームベースに突っ込んでいるバッター・手を伸ばして打ちたいバッター・コンタクトヒッター。

 打者心理、上位打線で上手く合わせたいというタイプに&オープンスタンスで球を見やすい打者でも追い込んでから外へも内へも両方合わせようとするため開きが小さくなる。そういう打者には有効になる。フロントドアがあるがゆえにフォークが上手いところに決まればいいと思い切って投げられるし、それがダメでも次のフロントドアの布石になるために楽に投げられると。

 ○調整が短いメジャーでは決め球はその日のうちに探して見つけていくもの。ブルペンでは36球以上、どんなに悪くても絶対投げない。だからこそフォーク一本だった野茂はすごい。コンディションによっては何しに出てきた野茂差し野郎!になりやすかったはずなのに、野茂はどうやってコンディションを維持していたんでしょうなぁ?それともそれだけまっすぐが良かったのでしょうか

 ○インコース低めのツーシームでカウントを稼ぐ、ファール、三振、内野ゴロを取る。高めの場合は目付けと詰まらせること。低めの変化球が多く、ローボールヒッターが多いメジャーでは目線を上げさせるボールが重要と。「動く球」は曲がることよりも手元で小さく曲がることが重要。また多投することで開きが早くなり、肘が下がるというメカニクスの問題もある。ふむ、涌井なんかだめになるタイプとそうでないタイプ。やはりコンディションの作り方にそのメカニクスを防ぐポイントとかがあるのでしょうかね。やはりフォーシームは高め・低め目線を変えるために使うだけか。一試合で5球程度だと。

 ○カットもツーシームもどちらか一方だけだと絞られる。まっすぐと錯覚するくらいの軌道でないといけない。カーブなど大きく一度ハズレる球は目線を変える。だからこそ他の球をミスショットしやすくなると。

 ○軸足で立って足を上げたときにピシっと決まっているかどうか。これだけを確認してマウンドに立つ。あれもこれもとやっていたら不安が消えなくなってしまう。 身体を開かないようにと肩を意識すると今度はステップが崩れてますます開く。だから踏み込み・下半身を意識する。地面にエッジが立って長く持てる様になればそれを防げると。

 ○プレートの使い方。三塁側によることで右バッターにシンカーの横の角度をつける。身長がある方じゃないから縦の角度より、横の角度と。また一塁側でアウトローの制球をつける。右投手が右打者にアウトローを投げるのは体力がいると。三塁側から投げて角度をつける方法もあるが、一塁側から真っ直ぐ投げることで安定を重視していると。微妙な動きでプレートから次アウトローだとかバレたりしないんかね?何よりも自分に一番あったいいボールを投げることがベストだと。

 ○プルヒッターにはバックドアが有効。内野ゴロで打ち取りやすい。

 ○コントロールは初めは大雑把に、勝負を決めるところで少しづつ狭めていく。優位な状況であればあるほど正確に決まりやすい。配球で相手を動かすことで、甘くなってしまっても大丈夫なようにする。インコースであれだけ腰を引かせたから次のアウトコースは少し甘くいっても大丈夫というように。

 ○左バッターのフロントドアの意識を消すためにカットボールフォークボールを見せる。向こうもフロントドアの投手ということがわかっているから、事前に投げておいて意識を消しフロントドアを有効に使う。

 ○バッターの心理、打率より一発がウリ、シーズン終盤で順位関係なく若手で自分をPRしなくちゃいけないということを頭に入れて大振りしてくると。ストライク先行のために、ド真ん中に投げることも。ここはど真ん中でも見逃すということがわかると、凄いなぁ。書いてはいないけどそれ以上の洞察力がきっと備わっているんだろうなぁ

 ○投手は自分の生命線のボールが上手く操れない初回に、そのボールをヒットされるとその後ナーバスになって立て直せなくなるもの。初球から振ってくるバッターでも、ストライクで勝負をしに行く。ボールで入るということはしない。これもカウントを不利にしない、メンタルを投手優位にするため。むしろそういう打者こそ積極的に振るから早いうちに打ち取れると。もちろんボールから入ることもあるが、日本のようにセオリー化することはない。大事なのは根拠。日本だと初球ボールにしないで打たれると怒られるが、じゃあボールから入って打たれたら怒られないというのはおかしな話、結果は同じなのだから。

 ○QSのために大事なのは調子の良さではない、調子が良いということは殆ど無いし、調子が良いと言って攻めていって打たれてしまえばなんにもならない。その日のベストは何かということを探すこと。

 ○一打席だけなら結果論で済むが、勝負は二打席・三打席目がある。勝負球で打ちとっても当てられてしまえば次の打席で使いづらくなってしまう。打者を打ち取る内容にも次回につながるベストとつぎに投げにくくなる悪い内容があると。だからこそ少ない投球で結果を出さないといけない、状態を整えないといけない中継ぎは凄いと。

 ○メジャーで一番重要なのは「体」28連戦なんて当たり前のようにあるし、チャンピオンズリーグでは中3日で投げなくてはいけない。

 ○調子のいいときにそれに浸っていては、次の悪いときにより落ち込んでしまう。結果に一喜一憂しないこと。

 うーん、やはり黒田という投手は素晴らしいですな。正直、せっかくここまでメジャーへの適応をはかったんですから広島へ帰ってきてみたいな本人の気持ちを乱すようなことをしてほしくないなぁ。毎年毎年止めて欲しい。本人がメシでも食いましょう的な感じで招かれたならともかく、なんか圧力かけるみたいないやらしい感じがするんですよね。まあ詳しいことを知っているわけじゃないんで誠心誠意尽くしているのならいいんですけど、そういう話をせずに、本人の相談に乗る、ただ会うだけみたいなおもてなしをしているといいんですがね。中国人式口説き方ですね、ただ会いに来たという。向こうが上でコチラが下、向こうが主でコチラが従。そういった礼節があればいいのですが。