別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

【身体論】 四足


 書きたかった四足の話。
 その前に、



 ―を見返して、気になった所とかをちょっと。

 ○中丹田と超電導の理論は似ている。熱性のエネルギー・気を中丹田に貯蓄して身体のエネルギーとすることができる。ゆるんでこその丹田という身体意識は意味を持つ、固まってしまうと拘束的な身体意識となり逆効果・マイナス作用をもたらす。この固まった丹田の身体意識を拘束上丹田&下丹田というが、では同じように拘束中丹田、気を貯めることが出来ない身体意識を中丹田と言えるのだろうか?まあ拘束的な身体意識と言っていいかどうか中丹田では判断が難しいという性質があるんだと。

 バスジャックのような犯罪者の猛烈なエネルギーは熱性のエネルギーを受けているから、「拘束中丹田」だとそのエネルギーを胸郭に抑えることが出来ずに頭に上がってしまう。いわゆる血が上った状態になる。犯罪者の異常なエネルギーは、中丹田が不在なゆえにそのエネルギーが暴走して狂ってしまった状態なんでしょうね。

 下丹田・上丹田がそのエネルギーの暴走を抑える装置として機能している。中丹田・熱性のエネルギーというのは上に上がるという性質があるから下丹田がそれを下に引っ張り、上丹田が上にあがってくるのを防ぐ。そういえば巨大な中丹田を持っていたブルース・リーがその巨大なエネルギーを抑えきれずに、顔にまで上ってしまったことが晩年のそれにつながっているって書いてましたね。

 下丹田・重性を何故先に鍛えるのか?柔らかくする・ゆるめる行為と重性というのはピンと来ないが、「柔らかい重さ」というものを追求すべきということと、グニャグニャにタコやイカのような存在を目指す上で支えとなる重さがなければ立つこと、ゆるんだまま動くという目的を果たせないのだろう。まあそのような装置がなければゆるめないだろうから、ほとんどゆるむと重くなるは相互連関関係なんだろうけどね。

 んで、それを備えた上で「柔らかい暖かさ」、熱性のクオリティを追求するということだろう。ゆるんだ身体と言われてまず冷たい身体はイメージしない。アイスクリームが溶けるようにゆるんだものとは熱が加わった暖かい状態を想像する。

 柔らかい餅は支えにくく持ちにくい=重さを感じる。ゆるめば重く&あたかくなるんだろうね。ちょうど『スラもり
スライムもりもり ドラゴンクエスト )』の動画を見て思いましたが、骨格ある人間とは全く違いますが、あんな感じにモチがおもちうにょ~んとなって動く感じが一つの動きの理想なんじゃないでしょうか?

 ○裏転子について、裏転子は浅裏転子と深裏転子がある。個人的に大腿骨のすぐ裏側を裏転子だと思っていましたが、皮膚ラインのそれを浅として基本としているようですね。てっきり深の方だと錯覚していました。個人的にそこの認識が深いから、ああこれだろうなと感じていたんで。あと、最近HP見た限りでは内転筋云々書いていましたから、やっぱり内転筋も重要なんですかね?足の回旋、ねじれ・螺旋構造を意識すると内転筋が自然に使われる感覚があるんですよね。裏転子、ハムストリング辺りを使うことを意識すると。

 んで、裏転子はハムを中心としながらも、尻・股関節からハムの上が基本。膝のすぐ裏辺りを中心にすればまず膝が壊れると。必ず上に濃い意識ができないといけない。

 強力に発展すると足を貫いて地面にまで達する。これってインサイドジンブレイドとアウトサイドジンブレイドの真ん中にできるわけですよね?神速歩行や、優れたランナーはジンブレイドのイン&アウトを自在に使いこなし水が流れるかのようにサーッと流れていく感覚で走るとありましたが、裏転子の意識の延長、真ん中がセンタージンブレイドとして使われる必要性はないんですかね?地面状況に応じてギアをシフトするように、アウト・センター・インと切り替わっていくんじゃないかな?と思ったんですが。どうなんでしょ?

 身体を横・サイドに倒す動き=落下、倒体の身体意識がジンブレイドだと思っていたので、大腿のサイドをざっくり使うくらいの感覚しかないですね。これをハムでコントロールすることが出来ないと強力な推進力及び自由自在のコントロールは出来ないんでしょうなぁ。うーん、道は遠い。そもそも直下の落下自体が全然できてないですからね。

 ○軸タンブリングで軸ができるのかどうか全然わからん、なんか映像みたいな~、やり方どうすればいいのか本だといまいちピンとこない。

 ○センターとフルクラムシフト、フリーフルクラムシフトによって強力なエネルギーを生み出すことが出来る。雑技団的な曲技的立ち方=骨格・フレームを正確に理解した立ち方・姿勢が僅かな動きで相手をふっ飛ばすような絶技を可能にする。フルクラムシフトのトレーニングというのは意拳の立禅のそれ、重心操作と同じなんでしょうね。立つ訓練そのものですからね、立禅。

 そういえば以前、マイク・タイソンにセンターがない!?ってことはありえるのかって書きましたけど、普通はセンターとフルクラムシフトはほとんど同義・セットで存在するのに、彼の場合はセンター不在でもフルクラムシフトを可能にする身体意識があった特異な存在だったということなんでしょうね。垂体軸を自在に操る動きはフルクラムシフト故ってことですかね。彼のフットワークというかボディワークは左右上下にブンブン動きまわりますもんね。しかしセンターがない、生きるための重要な指針が彼には欠けていた。育った環境や父と言える存在との早すぎる死別なども影響しているんですかね。成長しちゃうと不利だからと身長を抑制したこととかも関わっているかもしれませんね。自ずとセンターの発達が阻害されたんじゃ?ヘビーじゃなくてもうちょっと低い階級のほうが良かったんじゃ…?という気がしないでもないですね。ヘビーの一個下で今くらい階級があれば面白かったなぁ。

 ○運動支持線の逆転、高度な走法ができるようになると、運動の支持線・規準が逆転する。普通の人間は地面を中心に蹴る、地面のラインが支持線となっているが、正確に走れるトップアスリートなどは頭・跳ねた時の一番高い所が基準となる。吊られて足をそっと下ろすような感覚に運動の規準が逆転すると。なるほどね。思い出した、低位重心運動と高位重心運動というやつですね。チーターなんかも脚で走ってない。体幹・背骨で走るとそちら、最高到達点・空中に浮いている状態が基本となると。


■四足に関する雑考
 んで、四足の話と。
○四足。ココらへんを読んでいて色々気付いたことがありました。まず四足(ハイハイのポーズで腕と加えて四足、四足動物の身体性を取り戻すという鍛錬です。四つん這いの形ですね)で思い違いをしていましたね。四足で立つというトレーニングなんですけども、この四足をただやればいいわけじゃない。この時に固まったらトレーニングの意味が全く無い。立つときに脚がプルプルする、膝が笑うくらいに脱力してそれでコントロールするのが大事になるのだが、この四足でも腕=肩甲骨や股関節、胴体をテーブルとして足の部分の4つの付け根を筋肉でがっしり固めたら意味が無い。同じくプルプルして、今にも潰れてしまうくらいで立つ感覚を鍛えないとこの四足の意味が無いわけですね。

 んでこういうことがちゃんと出来るようになることを、四足脱力統一体といいます。結局統一体、武道が目指す均整のとれた立ち方は脱力が基本。立位でそれを作るのは難しいがゆえに、この四足の意味がある。二本足で難しくとも四本足ならやりやすくなるということですね。

 四足でバランスを取る、体重を支えるわけで、四つの足にセンターが出来ると。
んで四足動物というのは前に進むのと背骨が一致していますから、これによって前方への進行する身体意識レーザーも鍛えられると。そういやセンター、三丹田と重要性があるのは覚えていましたが、それに続いてレーザーが重要だってのは見落としていました。レーザーはよくわからんですから、想像もつかないんでスルーしていたのかしら?

 
四足脱力統一体ができるとテントのように身体が垂れる。詰まっている背骨がゆるんで伸びると。人間立っているだけで、椎間板ヘルニアのように人は背骨に前後の矛盾した無駄な力がかかっている。その結果そういう病的な状態になる。この背骨の歪み前後のバランスの崩れを緩和するのにも非常に有効だと。高岡さんは故に一日三〇分は必ずやるべし!とおっしゃってますね。

 事実、立つために以前テーブル・椅子を利用した落下鍛錬本、身体の落下のコントロールをする方法を書きましたが(【身体論】 中殿筋について )、あれでは足はどうにもならんのですよね。そこで今回四足をやっていて、変則四足というのを思いつきました。ストレッチで二人組になって背中を伸ばすやつで、橋を作る奴がありますね、あれをやります。別に一人で壁によっかかってもいいです。同じ事ですね。四足の腕の部分を前の壁で支えるやり方に変えるってことですね。

 四足だと膝で地面に足を付けなくちゃいけません。そうするとハイハイ訓練で膝いたいし、足のセンター・脱力を感じるのは難しい。けどこの方法でタッチを初めてする赤ん坊のように、四足から前の壁に手をつくと手に負担はかかりますが、股関節から下の脚は極力身体の体重から逃れることができます。この時の脚のグラグラ感、腕の支えがなくては今にもバタンと倒れる感覚を養うといいバランス鍛錬法になると気づきました。

 丁度四足から二足方向に移行する人類がその中間の動きをしていた、三足じゃないので中間を表現するのが難しいですが、こういう過程の動きを取り入れたほうが四足よりも分かりやすいかもしれません。階段のような段差がある所ではこのような過程の動きが非常に理にかなっていたんでしょうなぁ。人類の進化について論じられていましたが、山のような険しい所で四足・二足の中間に、広い平野みたいなところに至って初めてより動き回れる四足に移行したという感じですかね?

 ○
肩包体、人間は加齢によって胸のあたりが非常に固まる。肩・鎖骨と肋骨は骨格の構造上くっついていない。これを自由自在に動かせるようにするのが肩包体という身体意識。腕部と胸部を独立して使えるようにするわけですね。代表例がイチロー。四足や肩包体を意識してやるとやはり肩が前に傾いているんですよね。日常動作で前に集中して作業をするってのがほとんどですから、知らず知らずに頭も肩も前傾する。それを元に戻してやらないといけないですね。

 ○振子体、単に腕をふるだけじゃない。腕振りだけでは、振子体の深淵な世界の扉の入り口は閉じられてしまう。体中のあらゆる部位が吊るされ振子になると。肩の前傾を正すと、腕が縮む感覚があって、リーチ・手の届く範囲は短くなるのですけど、より腕が触れる感じがありますね。重要なのは胸を張ることではなく開くことですね。張ろうとするとどうしても背骨を逸らしてしまいますからね。それだと背骨も固めるだけで何の意味もないですからね。


 やはり胸を開く姿勢をとるにはハンドタオルくらいの柔らかいものを脇に挟んでやるのがいいですね。まあノートとかちょっとした小物で十分だと思いますが、はさめば自然に肩と胸のつまりは解消されますね。以前もここが固まりやすいと書きましたが。肩が前に出ると腕が垂れるのでゆるんでいると勘違いしやすいですね。脇に挟んでやると胸が開いて、胸から脇を通じて腕が垂れますね。正確には脇から腕を垂らすという意識が重要なのだと思います。そしてそうすると自然に手のひらが前に向きますね。ジャーン、って感じのポーズですね。

 あ、あと胸を開くのに、仏像のポーズってのが有効というのにも気づきました。肘を横に伸ばして胸を開くと(手でやると胸を開く意識が弱まるので肘ですね)、仏像のような印加、指の形になることに気づきました。わかりにくいかな?電話にでるときのポーズでそのまま極端に肘を横に持っていくポーズですね。で、肘を横にイケるところまで持って行って胸を開く。両腕でやるとブチャラティが「俺達はボスを凌ぐような力を身につけるんだ!」ってやったときのポーズになりますね(ジョジョヲタじゃないとわからん(^ ^;))

 んで不思議なことにこの胸を開くということを意識していたら次に書くウォール・側軸への発展がありました。まあ不思議でもなんでもないんでしょうけど。側軸は身体の軸意識の発展形ですが、胸が閉じることでせっかくの股関節の意識が上半身に達せずに切れちゃうんでしょうね。胸を開いて縮んだ上半身が横に開くことで側軸の意識も通るのではないか?という気がしました。

 ウォールと側軸が似ているという話があるのですけども、側軸は裏転子やベストと近いところを通っているというのもまたなにか関係があるのではないでしょうか?センターを発達させ、そのサイド部分で補完させようという展開と関係しそうな気がしますがどうなんでしょう?

 ○ウォールと側軸の近似性。ゆるんだら動きたくなる。しかし動いてはダメな時が競技でも人生でも存在する。そのため自由な身体、ほっといたらゆるんでたら~ンとしてしまう身体をゆるんだままキープする、時には固める(ゆるんだまま硬くするって矛盾した言葉ですけどね)をする身体意識が必要となる。それが側軸&ウォール。

 まあ側軸というよりウォールだけど。サッカー選手のフィジカルというのはまさにこのウォールなんですよね。単に当たり負けしないようにレスラー並みに力を入れれば、ボールはコントロール出来ない。当たり負けせずにかつボールコントロールという繊細さ=力を抜くことを同時に行うための必須の身体意識がこのウォールなんでしょう。本田なんか見事にウォールが出来ているんでしょうね。

 バッティングなんかもこのウォール・壁が必要だ!なんていいますしね。壁がないとタメをつくれない、半身だけを回して、もう一方の半身はギリギリまで我慢してボールにバットが当たった瞬間一気に開放して回転しないとバッティングが出来ないというやつですね。そういや広島の広瀬の骨盤を動かす、腸骨をずらして使うということをやっていましたが、まさにウォールを鍛えようという話でしたね。ギリギリまで前の骨盤を動かさないことでボールを捉えるゾーン、ヒッティングゾーンが広がって一四連続出塁の記録を作ったと(一五だっけ?)。

 あと動的ウォールとか、ああこういうことかと納得した、ある程度類推できるようになったとかありますけど、まあ今日はこんくらいで。