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身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

秋山采配では勝てない 工藤・古田新監督を望む

 ホークスネタ。交流戦前に書くつもりでしたが結局ズレこんで、交流戦になってしまいました(´-ω-`)。36試合×4の4クールでペナントの流れを分析しようと36試合回った時点のデータを公開してごまかしとけばいいやと思ったらNPBの記録、無断転載禁って書いてあったし今更だけど、じゃあやめときましょうと。一年間通した現在の記録しか出ませんからね、一年経ったあとで分析するのには不向きなんですよね、公開されているデータって。月別ごとの成績でもせめて掲載しておいて欲しいんですけどね。


■ホークスの不安要素
 さて、前から言っていることですが、ホークスが本命であることは戦前から言われている通りですが、絶対的な優勝候補ではありません

 ①WBCの影響WBCによって主力を出したことで戦力が消耗する。よって彼らは一ヶ月早く例年より作ってきたことで何処かで軽い故障による戦線離脱が考えられるため、調整・休養期間が必要になる。もしそれを必要とせずに戦うことが出来ても、来年・再来年に疲労・負担がかかって故障リスクが高まるので絶対にどこかで休ませなくてはならない。休ませることを考えてペナントを戦わなくてはならない。戦力の配分を考えると難しいシーズンになる。どこかでボタンがかけ違えばそれはそれは大変なことになる。勝っても選手に負担をかける選手寿命を縮めるような起用をすれば最低最悪と言わざるを得ません。

 巨人も同じ事ですが、それゆえにかなり難しい采配を強いられますね。WBCに主力を輩出したホークスとジャイアンツは言うまでもなく、西武も涌井・牧田・炭谷と出したのでそこら辺もペナントを占うポイントになるでしょう。言うまでもなく最近マエケンが離脱しましたしね。WBCという不透明な要素が今シーズンは大きいので、最後の最後まで彼らの離脱ということが起こりうるのでどうなるかは読みにくいですね。

 ②未知数な要素が多い先発―豪華な先発ローテ陣も新戦力が多い。つまり実際に働くかどうか不安定な要素がある。今年初の新人東浜・山中にバティーヤ、移籍してきた寺原も故障モチで一年ローテ守れるか不透明。帆足は怪我明けでOPでも内容が良くなかった。そして大隣・摂津はWBC…。12枚先発がいて、Wローテや!なんて言われていましたが、その実7/12は不安定なところがある。そして武田は開幕スタートからあまりよくなく、調子をようやく取り戻してくれたという所。今年二年目の若干20歳そこそこということもあり、先発の中心として期待するのは難しい。上にあげた以外のベテラン未満で若くて一年イケて、キャリアもそこそこあるというタイプ、確実にローテを回してくれる中心は?と言われたら誰もいない。

 この中の誰かが一年間ずっとということは無理でも、豊富なのでなんとかやりくりできる。先発ローテはそこそこはやるだろうけども、うまくいかないことも十分ある。そしてそれが見事に現実になってしまいました…。

 ③1・2番型の不在。ホークス打線は川崎(※)で持っていました。それを今年如実に見せつけられました。数字で見ると彼は微妙。一流ですがちょっと物足りない数字で絶対的に必要といえる選手ではなかった。しかし彼は数字に表れない繋ぎ/粘りができる選手だということをブルージェイズでの働きで思い知らされました。今チームに必要なのはああいう粘りが出来る選手、チームのためにつなぐという姿勢を示せる選手です。本多・明石・今宮どの二遊間の選手もそれが出来ない。

 ※余談で川崎の話―川崎が活躍できているのはブルージェイズの本拠地が珍しい人工芝の球場であることというのを見て、なるほどなと思いました。今後日本人内野手は移籍する際に珍しい人工芝球場を選んで少しづつ慣れていくというのを選択肢に入れる必要があるかもしれませんね。
 以前書いたようにムネリンは手足に意識が強い、ガシガシした身体の使い方をしている、身体に柔らかさ・バネがないためにメジャーでやるのは無理だろうと思っていました。ところがダルとのゲームを見た時や違う試合での打席を見た時
、明らかに去年の時の彼とは動きが違っていました。周囲のメジャーリーガーと比較しても遜色が無い身体(の使い方)をしていました。よほどオフでのトレーニング・からだ作りに取り組んだのでしょう。一回り大きくなっており、アレほど目立っていた末端への強い意識が感じられませんでした。
 身体が太くなってシャープさ、センターが目立たなくなるというケースはイチロー見ても然り、よくあるケースなのですが、彼の場合身体が一回りデカくなって良くなっているという凄い珍しいケースですね。彼のプレイの基本精神・楽しむことというのがいい方向に作用しているのでしょうね。最高のパフォーマンスをするときに重要なのはより楽しめるかどうかというのは脳科学かなんかで解かれていました。彼は今無心で野球少年として取り組んでいる。それがいい結果になっているのでしょう。
 いつか書こうと思っていたムネリンの解説をここに残しておきました。


■左投手コーチ不在という異常事態

 ―という三点がまあ戦前からの不安だったのですが、つい最近郭コーチが無能というのを見かけて、それが事実かどうかは知りませんが調べて驚きました。高山コーチと合わせて一軍投手コーチが両方共「右投」…。投手コーチ・打撃コーチというのはそれぞれ左右の役割分担があるもの。右と左では全く感覚が異なる。これで一体誰が左投手のコンディション管理をするのか?トレーニングコーチか誰かによっぽど精通している人がいるとでもいうのでしょうか?それでも最近ようやく独り立ちしてきた陽、故障明け帆足、育成上がりのこれからという山田、さらに中継ぎ森福・山省あたりを誰が担当するのか?また有馬という新人に、期待のドラ二左腕伊藤、球界
最速左腕の川原(菊池より速いから(多分…))、中継ぎで何試合かは投げてくれる嘉弥真など、正直このコーチ陣の内容では左の管理に失敗して、シーズン通して、大事な所で彼らを使いこなせない。また終盤の大事なところの調整・管理ができるのか?と疑わざるを得ませんね。

 というわけで④首脳陣のおかしさ・コーチなど必要な人材の未整備という点を、不安要素の4つ目として上げざるを得ませんね。特に監督は酷い。采配が稚拙すぎます。何を考えているのかほんとうにわからない。


■采配の疑問

 ①調子の落ちている選手を二軍に落として再調整するのが遅い。本多・ペーニャはさっさと二軍に落として調整させないといけない。特に本多はWBCでの実戦経験が…と言われているくらいですから言うも更なり。二軍降格は懲罰でもなんでもなく、二軍という場所の本来の機能がイマイチ調子を上げられないスランプに陥った選手の再調整・調子を上げるというものなのですからさっさと落とすべき。二軍の調整という大事な役目を軽視しているのではないのかと疑いたくなるレベルです。一軍で使ってどうしてもダメなら~という未練がましい一軍滞留が多い。
 不調の本多を使うなら代走から盗塁・足を活かす形ですべきなのにそういう使い方もない。必ずそうしろというのではなく、そういった使い方が一試合もないというのはおかしいとしか思えない。ペーニャは交流戦前に二軍に落とすべきでした。彼はセ・リーグのHRが出やすい球場で必ず使いたい存在。そのペーニャを交流戦に合わせて調整していない、考えていないことは疑問。ペーニャの一発を恐れた相手に付けこむというのが基本戦略ではないのか?

 ②捕手三人制、四人制を取るどこかの球団は外として、三人制は意味がわからない。無論、常時二人制にする必要はありませんが、毎回三人置いとく意味はない。特に前回、期待の新人捕手山下が出ましたが、リードやキャッチングについてはともかく打撃は内容がいい。彼が今後の二番手捕手(未来の正捕手)として細川と交互で使える。であるならばもう高谷はいらない。交流戦終わったら巨人かヤクルトとトレードに出しましょう。なのに代打で高谷を使う意味不明采配。捕手を代打に使う意味がわからない。交流戦で捕手代打に使うくらいなら初めから野手入れておけ。ただでさえDHない試合で代打が多いのだから。それに備えた代打適性を見極めるべき。しかもエンドランで空振りだし意味わかりません。
 大体、今下で調整中の先発候補が何人もいるのですから、彼らのボールを受ける捕手として山崎・高谷どちらか必ず下げるべきでしょう。今書いたとおり高谷にするか、それとも帆足の時のスタメンマスクの地位を確保している山崎を何とか他の投手でもいけるようにするために下に送ったり、登録のまま下で投球受けさせるとかそういう処置が必要になるはずでしょう。

 そういえば広島戦でもマエケン相手に明石バント失敗で明石が盗塁死という意味不明なのがありましたね…。阻止率高い石原&クイックもうまいマエケン相手に何故走るのか…?バント失敗で一番やってはいけないことでしょ。ここでエンドランで最低ツーアウト二塁の状況を作る所で最悪でしたね。今のホークスを象徴することだったように思えました。また次の大竹はストレートが決まらない、良くないのに松田は変化球を絞って打ちに行かなかった。真っ直ぐが決まらないのだから変化球でくる。その狙い撃ちか、低めはもう捨てる。万万一そこで真っ直ぐがドンピシャで来たらしょうがないと割りきる状況でおもいっきり変化球空振り。一体何を教えているのか?と疑問に思ざるを得ない打席でした。相手の状況を読むということが出来ないからこそ、去年からここまで打線の調子が悪いのでしょうかね?

 中継ぎ投手の酷使。意味不明の勝ちパターンの酷使、全く使う必要のない所で千賀・岩嵜をつぎ込む。結果岩嵜はケガ、そして復帰明けまた負け試合でいきなり岩嵜。調整登板と言いたいのでしょうけど故障リスクや今後の完投能力のない今の先発陣で、連投が予想される状態で投げさせる判断は理解出来ません。特に今年実力をつけてきた千賀の酷使が酷い。直近の広島戦でも負け試合で使う。イニングまたぎも平気でするし、一昔前のクローザーのような使い方。摂津が酷使されたように、いい投手がいるとその投手に頼り切りになるというのは野手出身のダメ監督に共通している采配に思えます。
 ファルケンが危険球で逆転サヨナラを食った試合も本来未然に防げたのではないかという疑問もあります。6回まで球数少なかった帆足をなぜ7回から替えたのか?確かに信頼出来ないPですが、球数まだまだ100にも達してなく余裕があった帆足を替える必要性はなかった。連敗しているからどうしても勝ちたいと欲をかいて手堅くいったのがあのザマです。7回ランナー出す、四球で制球不安が―という根拠なしで替えるのはおかしい。先発駒が足りず、ロングイニングを十分に投げていない帆足はいけるとこまで行かせて自信・経験にしないといけなかったでしょう。高めのストレートで三振を取っていた=まだまだ余力が十分にあった証が見えたのですからなおさらです。
 7回も金沢・藤岡と二枚つぎ込むのはやり過ぎですし。7回まで帆足を持たせれば、ファルケンがワンナウトも取れない時点で延長考慮で誰か準備をする→抑えに成功というパターンもありえたでしょう。9回ファルケンが失敗したらもうしょうがない。なのに選手を投げ急ぎと攻める。はっきり言ってそういうことを考慮に入れていない時点で自分の責任です。守護神でやられたらそういうこともあると諦めるしかない。ジョイナスを見てわかるように失敗を選手
・部下の責任にする監督は最低です。

 そういえば大隣がランナー出してゲッツーで乗り切ったのに投手交代してしまったというのもありましたね。次のバッターで交代と決めていたとしてもイニング最後の打者。ランナー消えたのならそのバッターもう一回行かせてからでしょう交代は。毎回そうしろとは言いませんが、ただでさえ先発に思いもよらぬ不調が続いている、中継ぎに負担が来る傾向が見えているのにそれはないとしか言えません(大隣はケガもありはなからコンディションがあまり良くないという事情だったのでしょうか、だとしたらまあ理解できなくもないですね。というか無理に投げさすなという感じですけど)。
 藤岡三連投も金三連投も結局無駄酷使で終わったというのもありました。欲をかいて投手つぎ込んでしかも無駄という最悪のパターンが早くも序盤で目についています。大場→藤岡ではなく、投げさせるなら金に任せるしかなかった。金が信用出来ないならともかく、金はそこそこの投球をしていたんですから、欲をかかずに金でよかったのに。
 森福先発もてっきり誰か中継ぎ左腕の目処がたって、摂津のように中継ぎ酷使が限界→先発転向路線かとおもいきやそうでなく、単なる調整捨て試合。ロッテに三タテを食らってましたが、ロッテの戦力は去年同様。まず後半ボッコボコにできるから今ロッテに負けることは痛くもなんともない。むしろその後の西武戦こそがポイント。よってその西武戦前にロッテにヨイショしといて勢いを持たせて西武にぶつけておくというのは妥当な判断でしょう。ですが森福の下での調整もさせず、有望な新人先発をテストもしないというのは異常です。



 采配がワンパターンなのは投手継投だけではなく、攻撃でもそう。初回ノーアウトランナーでほぼ100%バント。これもそれが悪いというのではなく、バント・強行・エンドラン・バスターそれぞれある程度バランスよく揃わないといけないのにバント比率が異常に高すぎる。優秀な監督という定義は色いろあるでしょうが、その中で監督が違うとこれが一番違うという明確な基準の一つはエンドランの成功率です。

 代打や継投に誰を選ぶか、狙い球をどうするか、もしくは投手の攻め方をどう組み立てるかといった戦術が重要なのは言うまでもありません(仮にエンドランがダメでもそれらがいいなら名監督と言えると思います。かと言ってそういった戦術バランスが悪い・偏っている名監督というのを想像しにくいのですけどね)。が、やはりエンドランというものがどれくらい効果的に決まるのかというのは一番外から観ていて明白に分かりやすい指標だと思います何故このエンドランがデータ化されていないのか個人的には不思議で仕方がありません(もちろんエンドラン成功率が低い=名監督でないと断言できるものでないこというまでもありません)

 正直、このエンドランを仕掛ないというのは監督采配の無能さ、無責任さを象徴していると思います。エンドランを仕掛ける・仕掛けないという判断は監督の采配・実力に直結すること。その責任を背負わず、選手任せにしておいて、選手が高い実力を発揮するに任せるのなら、そもそも監督は必要がない。日ハムのように外から知名度が高くて安い給料で済む評論家を据えておくので十分です。
 選手の調子が悪い時こそエンドランでやることを限定して負担を減らしてやること、最低限の仕事をこなすことで役に立っていると、落ち着かせてやる。精神的不安を和らげることこそがベンチの仕事でしょう。戦力がそろっていなければ何も出来ない監督など価値はありません。

 そもそも彼はWBC監督を現場は難しいといって辞退した過去がありますが、こんな采配をする監督をWBCに選んで一体どうやって勝つつもりだたんでしょうか?そして代表監督を辞退して現場につきっきりでいたのに、序盤で戦力を整えられないというのは一体どういうことなんでしょうか?というのは摂津・大隣を最初のひと月は休ませてもいいと以前書いたように、序盤だけは先発の柱をこの二人以外でやりくりする。そのための選手を序盤だけでいいから働ける先発を選定して鍛えておくべきだったはず。それなのに新垣すらダメとはどういうことなんでしょうか?特に彼は打撃がいい投手。一年使えなくても交流戦までに働けるようにしておかなくてはいけないのに…。こんなんだったらWBC監督を引き受けておいたほうが良かったのでは?チームの成績不振の言い訳が出来ましたしね。

 本多は仕方ないとして、明石・中村がたてつづけにケガをし、さらに明石の絶不調。今宮はキャリアが浅いからともかくセカンドで不調が続くこと、そして誰もが繋ぎ・細かいバッティングをやっていない、タイプの違いがないこと、コーチは何を教えているのか不思議です。

 以前から高代コーチ取ってこいといってますが、彼は自分の責任と言い切りましたし、そういう態度も好感が持てます。内川が自分の責任で、取り返すしかないと言っているようにそういうリベンジをする上で同じ責任を感じている同士で組ませること=高い目標を共有することがいいと思います。何より彼は井端の右打ちを教えたコーチ。今宮に右打ちを教えこむ格好のコーチでしょう。何故彼を取らない…。あと、チームで右打ちできる人間、高い技術持ってるのは内川くらいなんですから、二番内川でエンドラン狙って行ったほうがいい気がしますけどね。クリーンナップ打てる選手はいくらでもいますから。1・2番に本多がいない、機能しない今、ハッセ一番からの後ろの打順は代打攻勢で二番内川にかけるというパターンも有りかと思います。


 書き忘れたことがあれば、また追記したいと思います。多分全部書いたと思いますが。というわけで監督代えてください。そうじゃないとまたこのまま今シーズン打線停滞して負けますよ。ああ、そうか去年メジャーとって失敗したのにまたメジャー実績投手取ってきた&海外スカウトの責任が有耶無耶。3Aの選手を保険でとっておくべきだったのにそうしていない。今すぐ取ってこいってのがあったけど、まあいいや。

 松中事件についてはこちらをどうぞ→【ホークス】 松中事件に思う不公平