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落合博満監督は名将か?

なんてことを思うのは己だけでしょうか?セ・リーグだけを見れば、優勝四回、2位三回(うちCS突破で日本一)、3位一回のみでBクラスなし=456位経験なし。この結果だけを見れば間違いなく落合博満は名将と言えましょう。

 もちろん落合≠名将とは言いません。足りないものがある。それは日本一たった一度という結果。補強バンバン行う戦力が豊富なチームではないといえ、リーグ制覇をするチームが五回中たった一回しか優勝できないというのはおかしくないでしょうか?

 内弁慶シリーズ・外弁慶シリーズなんて話がありましたが、逆日本シリーズ弁慶といえるかもしれません。これは単なる確率の偏りとかそういう問題ではないでしょうね。亡くなられた西本さんが8度リーグ制覇をしながら、一度も優勝できずに悲運の名将という名がついたのとちょっと比較してみると面白いかもしれません。

 阪急はV9時代の生贄感がありますね、うち五回が阪急でしたし。さらに古葉さん時代の広島黄金期ともぶつかって敗れています。ノムさんが川上巨人との違い―人間教育の差といってましたが、V9時代は盗聴=サイン盗みしてましたしね。そりゃ勝ちますよね。あとホーム球場で開催出来なかったんですよね。小さすぎて他所の球場をシリーズだけホームグラウンドにしなきゃいけなかったなんて事情も大きかったでしょう。なによりファンの支援が少ないガラガラ時代のパ・リーグがファンの後押しの差で負けるのも仕方ないことと言えましょう。

 そういや黄金時代の西武ってファンどれくらい入ってたのかな?あんまりライオンズファンって熱血とか、そういうイメージないからわかんないな。

 さて、西本氏とは違った理由で日本一になれなかった落合博満監督のそれを考えてみると、セ・リーグでは圧倒的に強い。事実CS勝率歴代最高ですしね。QSじゃないですけど、1・2位確率を数字化したら、8割を超えているわけですからね。驚異的な数字でしょう。

 球団の違いはあれど、豊富な戦力=補強がある巨人で原監督は優勝4回(うちCS敗退一回)しながらも、3位三回、4位一回。僅差の三位もありましたが、たいていは大差がついた三位。すなわち勝つか負けるかはっきりした、ドッカンドッカン型のチームであるのと対照的ですよね。中日落合は僅差で勝つスタイルですし、勝つべくして勝つ、静かな勝利とでもいいましょうか。まあいずれにせよ安定したチームであることはいうまでもありませんね。

 もう一つセの常勝球団である阪神(?)は両方と違い名将たる指揮官の固定すら行われていませんから、もういいでしょう。論ずるに及ばないですね。

セ・リーグ日本シリーズで以後パ・リーグに勝てるのか?】

 リーグで高い勝率を誇る中日が何故にここまで日本シリーズで勝てないのか?単純にパ・リーグの野球のほうが強い・上手いという事実をまず挙げられますね。あんまり意味ない区切りですけど、2001と2002のヤクルト・巨人が勝って以降~2007中日・2009巨人以外みんなパが勝ってますね。

 まあ、時代が変わっているんだなぁと思わせるのは、93ヤクルトの15年ぶりを皮切りに10年ぶりとか30年ぶり40年ぶりという悲願を達成している。弱小球団がそのままではない変化が見えますよね。中日なんて53年ぶりですからね。

 パは西武、ソフトバンク日本ハムと確実に三強=フロントがしっかりしたチームが上にどしっと君臨しています。そのなかでロッテが二度日本一に輝いているのは称賛に値するでしょうね。三強にもかかわらず、そこに食い込むロッテがいる。正直楽天オリックスは相当厳しいでしょうね。ロッテは投手を中心に走る野球を今後も徹底するだろうし、CSでやったれ~!というチームカラーになるでしょう。お家騒動もチームカラーになって。

 DHによる投手・エースの成長、それを崩すための粘り・盗塁・走塁技術。セーフティとかね。浅尾きゅんを最後打ち崩すきっかけになったセーフティなんかもそうですしね。そういう細かい所が最終的にセ・リーグの一発頼み野球、巨人・阪神と差がつくわけですね。

 巨人・西武のような特定チームが勝ち続ける、君臨するゆえに偏るならともかく、パの四球団にこれほど一方的にやられているのは今後を見通す上でかなり示唆的かと思います。つまりセ・リーグ代表が優勝するのはかなり難しい。

【中日の短期決戦の弱さの理由】

 それはそうとして、戦力の差が絶対ではないのは勝負の常。特に短期決戦において。5回の短期決戦で一回を除いて敗れ続けたというのは落合監督を見る上で重要な数字だと思います。

 己が思うに研究・データー分析の欠如ではないでしょうか?選手への過剰な信頼。選手に任せるという態度、ミーティングがないこと。すなわち己を知り相手を知れば~という話のうちの、「相手を知っていないこと」が非常に大きいと思います。中日というチームはというか、短期決戦ではどのチームも普段交流戦の4試合しか経験がない未知のチームと勝負をするわけです。

 未知の相手、知らない相手と勝負をするときにどうするか、その戦法・対策がダメであるとしか言い用がありません。(追記1:なまじ交流戦で中日だけ五分に戦っている。レギュラーシーズンの戦い方で普通に勝てるのが問題かもしれません。オリックス・ハム・ホークスなんかよく勝ち越しています。セ・リーグ相手の戦い方を熟知しているということと、日本シリーズでもこの勝ち越しが持つ意味は大きいでしょう)

 今年のシリーズは戦力差から言ってまずホークスだった。今年で辞めさせられるし、ミラクルに近いひっくり返し(中国大返しならぬ、落合大返し)もあった劇的な年であったし、落合さんに有終の美を飾って欲しかった。けれども戦力の劣るチームが勝つ=番狂わせというのは見たくないのが素直な気持ちでもあった。強いチーム、やるべきことをやってきたチームに勝って欲しいというのはCS意味なくね?と感じる気持ちに近い。

 あまり、勢いとかそういうので勝負が決まるのを好まないんですよね。まあそんな個人的感情はさておいて。思いもかけない2連勝という勝ち星を得た。通常の計算なら一勝一敗以外の何物でもないはず。それが思わぬ勝運が転がり込んできた。にもかかわらず、優勝出来なかったというのはかなりおかしいと感じます。

 ノムさんの解説を聞きながら思ったこと、「今はありとあらゆる方向からデータ取りますから、チェンに対しておもいっきりスタートをきるのは、牽制一回と決まってるからじゃないですかね。牽制を想定したスタートじゃないですよね、これ」と言っていたように、勝負前の情報戦、それが両チーム欠けているのではないか?と思いました。

 (追記2:最終戦だったか?杉内が中日打線を手玉にとっていた状況で、ノムさんはそんなに難しいピッチャーじゃないんですよ。杉内って球種多くありませんから。チェンジアップとシュート。それをどこでどのタイミングで使うかってことですからと。また投手としての原点能力。アウトローがかならず来る。困ったらアウトローなんだから、もうそれに絞っておもいっきりガーッと踏み込んで打ち行くとか何か工夫をすべきだろうと。言ったそばからアウトローが来て見逃しというシーンがありましたしね…。ノムさんが言ってた両球団工夫が足りないという提言はかなり重視すべきだと思います)

 二戦目かな?細川のリードが森野に裏をかいてストレートを投げさせて、打たれて負けた試合がありました。いわく、「森野というのは配球を読むタイプではない、裏の裏を書いたら表になっちゃった。コースとか、狙い球を絞るとかそういう器用なバッターじゃないんですよ。来た球を素直に打ち返すだけなんですから、素直に投げとけばよかった」と。名捕手細川らしからぬミスは事前のバッターのパターン認識不足にほかなりません。しかし痛い目見たからこそ、次細川は間違えない。ということは森野は以降あんまり打てなくなるから厳しいだろうな~となんとなく思いました。んでたしか森野はその後打ってないですよね、あまり。

 これはホークスにも言えるのですけど、アジアシリーズを軽んじていたということはあれど、前もって情報分析を丹念にやってないから韓国に敗れたんじゃないですかね?向こうは初戦負けて決勝で勝つ前提でやってましたし、そこに焦点を合わせていたら急遽先発登板不可能になったとはいえ、もうちょっと何とかできた気がします。

 レギュラーシーズンで圧倒的に強いというのは、相手を知り尽くしているから。その上で駆け引きを行う以上優位は存在しません。実力のあるなし、戦力差がはっきり出ます。あるのは状況・環境と運・不運だけ。

 日本シリーズとは情報戦・事前の準備で上回ったものが勝つと思います。おそらくコーチ陣に戦略担当、情報担当がいないのでは?と思います。森ヘッドとか見ると投手環境を整えるのが第一。野手もコンディションを整えるのが第一。優秀な選手を作ればそれで勝てるよという考えだからこうなったのではないか?己はそう考えます。

 (追記3、あるいは長嶋茂雄が敗退した理由に「このチームに長嶋茂雄がいなかった」と言ったのと近い理由で、選手に自分がプレーする自分の理想像を押し付けてしまう。選手ではないにしろチームに無意識の内に自分のような選手がいて当り前という意識があるのではないか?という気がします。それ前提で考えがちになっているような…。

 落合自身は「俺の技術を誰が出来るの?」と常々否定していますが、キャプテン制を否定して個人の自覚に任せるなど、結果自主的に行動する選手像を求めます。9人、また控え含めて全員が落合博満級の試合・流れを読むことが出来るならともかく、実際それは不可能なわけで、大事なところでミスをする。大事なシリーズで実力を発揮できずに敗れるという事になっています。無意識の内に選手最大限のベストを尽くせる!それで勝てる!と思い込んでいるのではないかな?という疑問もありますね。プロフェッショナルをその場に送り込むことを重視している、勝った負けたはその結果にすぎないとある主諦めているのではないかということをふと思いました。大舞台の勝負を楽しみ、それにどうやって挑もう!戦おうかということより、ふさわしい選手を創りだす・送り出すことで満足してしまっているのではないかとね。)

 CSを見てわかるように中日落合の強さは絶対的です。CSでコケたことないんですから。下位チームから上位チームに挑んでいくケースを除いて。短期決戦に弱いのではなく、セ・リーグの球団が弱いという可能性を除けば、日本シリーズに限って弱いわけです。

 もっと言えば不測の事態に弱い、普段と違う環境・状況でやると途端に機能しなくなる組織。そう己は結論づけたいと思います。

 守備にミスがあった。ノーアウト二・三塁でファーボールだけはいけないと日ごろ教育している。その中で和田がファーボールで埋めてしまった。これでやばいと思ったと述べていましたが。エラーにせよ、ミスがないということはありえない。ミスの背景にはそれを裏付ける危ない!という要素が背景に100あるなんて言われます。交通事故の論理なんかね。

 和田がバカでやった~ファーボールだ―エヘヘ~なんて考えるわけはありません。もちろん打ちに行ったでしょうが、打ちにいけなかった。ボールを選べなかったわけですよね。これを打とうという。そうなった背景こそ、狙い球への対処ではないでしょうか?この球とこの球だけ絞って、どっちに打つ。引っ張る・流す。その指示が明確化されていれば、コントロールついていないピッチャーとはいえ対処ができたのでは?

 また江夏さんが敗戦の理由に上げた井端の見逃しゲッツー。ヒットエンドランのサインが出ていてくさいところを見逃した。最低でもファールにしなくてはならないのを見逃すなんてのは中日の野球ではないと。これも普段のレギュラーシーズンならできたでしょう。それが出来なかったのは準備の失敗、この投手・この状況でこれが来る。これが来なかったらごめんなさいができていない故にあのコースを見逃さざるを得なかったような気がします。

 思うに谷繁は読みで、井端は経験で実力を発揮する。それが出来なかったからこそ、日本シリーズで結果を残せなかったのではないでしょうか?ならばそれを埋めるデータというものを中日は提供しなくてはならなかったはず。それこそが敗因ではないかと思えてならないんですよね(思うに、中日が唯一勝利した日本シリーズは連戦だった。日本ハムに敗れて、また日本ハムと対決するというシーズンだった。去年一回やっているという経験が非常に大きかったのではないかと推測します)。

【名将上田&野村】

 己がこう思うのも西本阪急のその後を引き継いだ上田利治監督はリーグ四連覇で、3年連続日本一に輝いているわけです。名捕手=名監督論を裏付けるような勝負強さはまさに相手を見抜く、戦略の重要性を感じさせます。

 巨人が野村野球を導入しようというのはその点間違いではないですね。むしろ大正解。というかまずその野球スタイル、つなぐこと・狙い球を絞ることという基本からではないかと思います。ヤクルト以外はどこも無茶苦茶なことやってますね。セ・リーグは来年どうなることやら…。

 (追記4:そういう点で星野を招聘した楽天は勝つ気があるのかと気になります。島野という参謀がいてこその星野名監督。彼抜きで参謀を欠く星野さんが日本シリーズまで持っていけるとは到底思えないんですけどね。宮城だと小さすぎて確か日本シリーズやれないんじゃなかったかな?ヤル気がないんですかね?)

 ノムさんは参謀を必要としない。自身が参謀。判断と決断は違う。情を入れて決断でよく間違えると自身の本で言ってましたし。結局落合さんが今の監督市場を見ても名将であることは間違いない。ただし名参謀が必要だ。それこそ日本シリーズで勝てない結果だろうと結論づけたいと思います。落合は名将であるただし参謀が必要だ。で今回は終わりたいと思います。)