別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

西岡利晃 聖地ラスベガスでマルケスから7度目の判定防衛

 西岡がベガスで防衛した話です。日本人ボクサーがベガスでメインを張る。これぞ長年のボクシングファンが夢に抱いていたこと。解説の香川さんも興奮して我を失って行け!とか連呼したり、最後は泣いていましたね。まあ、西岡利晃の人生を考えると本当に泣かずにはいられないですね。しかしどうしてこういう歴史的快挙、素晴らしい試合を日本では放映しないのか…。こういう日本興行第一主義、閉鎖的なシステムが日本全体を停滞させる理由ですね。
 
 この西岡のベガス進出がどんどん日本ボクサーをベガスに出して新しい時代が来るという記事もありましたし、まさに歴史的偉業となるでしょう。
 
 以前どっかで書いたと思うんですけど(どこで書いたか忘れました)、新井田のローマン・ゴンサレスのパンチかな?強打、ハードパンチャーのパンチが入ると相手の顔面が弾けるような感じになる。ダンプカーが衝突したような、体全体がずれるということが起こります。まさにそんな感じでしたね。西岡の左は。
 
西岡利晃の凄さ 栄光と挫折の挫折編】
 西岡は四回ウィラポンとやって、辰吉が失ったベルトを取り戻すのは彼だろうという天才ボクサーでした。まさか四回も王座獲得に失敗するなんて思いもよらなかったですね。当時はボクシングなんてよくわからなくて(今でもあんまわかってないですが(^ ^;) )で、西岡のファイトスタイルを技術は素晴らしいが、ハートがない。パンチがない。見ていて面白くない。確かに上手いけどそれだけじゃないか、ここという所で決めるパンチや前に出てパンチをまとめてKOする度胸がない。そんなんで世界王者にはなれないと生意気なことを思っていました。
 
 その後、ジムから引退を申し渡されて、帝拳に移籍。しかしアキレス腱をやってしまい、4年間世界戦から遠ざかるということに。以前ボクシングファンかなんかで、暫定戦の前の記事を見て、ああまだやってたんだと思ったものです。こんだけやっても、才能あっても、王者になれないという代表例として消えて行くんだろうな。そう思いました。暫定になっても暫定じゃあねぇ~なんて思っていましたし。西岡ファンからすれば、真っ先に殺したいアンチみたいなもんでしょう。
 
西岡利晃の凄さ 栄光と挫折の栄光編】
 彼がやっぱりすごいのはメキシコでのジョニー・ゴンサレスとの海外防衛で勝ったことでしょうね。海外防衛成功は渡辺二郎以来24年ぶり。それほど海外から日本のボクシングは遠ざかっていたわけです。それを向こうの人気選手・スターのジョニー・ゴンサレスを見事返り討ち。これによって西岡の価値は一気に高まったといっていいでしょう。この試合なくしてベガスでの防衛戦の話も舞い込んで来なかったでしょうしね。
 
(ちょっと余談―海外挑戦について)
 下田くんのメキシコ挑戦も、中軽量級の本場メキシコでまず名前を売って、その次にベガス進出というプランだったんじゃないですかね?早くリマッチ決まらないですかね~。あれ?アメリカだったっけ?どっちか忘れた。んで亀田一家の三男亀田和毅がメキシコに拠点を置いているように、そこをステップアップにして名を売る。そして、三兄弟揃って初の世界チャンピオンというネームバリューを武器に次ベガスというプランを考えているんでしょうね~。(まあ三男の亀田和毅がバンタム・スーパーバンタムというところなのでちょっと厳しいのでしょうけど)
 
 西岡は海外で4試合(?未確認)こなしていて苦手意識はないと言っているように、それだけ早くから外に出てやってきたわけですね。まさに開拓者としてふさわしいでしょうね。メキシカンキラーとも言われてますから、相手からすると桜庭を倒して日本人キラーと言われたヴァンダレイ・シウバみたいに映っているのでしょうね。
 
 んでメキシコでもビックネームな西岡VS兄弟二階級王者のマルケスとの勝負。見る限りテクニックよりどんどん前に出て積極的に試合を作るタイプ。パワーで押す感じだからもっと出てくるかな?と思いましたけど、出て来なかったですね。アレじゃあ西岡ペースで安牌に決まっているのになぁと思いましたけど。それほど西岡のモンスターレフトを恐れたというところでしょう。
 
 西岡の左でやっぱり相手は弾かれたようになり、身体がズレてしまう。あの一発が怖くてゲームを組み立てられない。ベガスの賭けで5対1という大差がつくのもさもありなんですね。四年間の世界戦の空白の間に一体何があったんでしょうね?あんな決め球ならぬ、決めパンチをどうやって習得したんでしょうか?強打なんてもんは練習してどうにかなるもんじゃないですからねぇ…。不思議でしょうがない。
 
 モンスターレフトで世界の西岡は今後もしばらくは世界最強の最前線に君臨し続けることでしょう。
 
 四度の世界戦失敗と、アキレス腱断絶という怪我、そこからの名王者としての復活はちょっと鳥肌立ちますね。西岡さんバカにしててすいませんでしたm(_ _)m、ホント調子こいてすいませんでした。
 
 ジムの会長は次で引退とか言ってますけど、これだけの王者でファイトマネー一億近く稼げるんですから、ドネアとか有名ところと負けるまでやり続けたほうがいいと思いますけどね。ファンもそれを望んでいるでしょうし。どこまで西岡伝説が続くのか皆見たいでしょう。防衛して西岡ここにあり!と示したんで、次のビッグマッチは多分2億、その次は4億とファイトマネー跳ね上がるでしょうしね。パッキャオまでは行かなくても、そういうスーパースター目指していけるところまで行って欲しいですよねぇ。やっぱアキレス腱やったり、そういう怪我が深刻なんでしょうか?

【奇妙な因縁西岡と長谷川】
 んで面白いことが西岡と長谷川の因縁、運命が交差しているところですよね。西岡が挫折を味わったウィラポンから長谷川は王者となってその後の名王者の防衛記録をスタートさせました。西岡が世界最前線で注目される転機となる試合がジョニー・ゴンサレスをKOした試合。そしてそのジョニー・ゴンサレスから長谷川はKOで王座を失い、ベガスへ進出してスーパースターとなる夢、その道を絶たれるという奇妙な因縁があります。
 
 奇妙な縁があるんで、ぜひ両者のキャリアの最後は西岡VS長谷川でやってほしいですよね。まあ己は内山推しなんで彼のベガスでの活躍を一番見たいですから、ベガスで夢の日本人対決VS内山が一番見たい試合なんですけど。
 
 あとモンスターレフトの試合、ジョニー・ゴンサレスをKOした試合見ましたけど、西岡のKOと長谷川がジョニー・ゴンサレスにKOされたのは多少違いがあってもまんま同じですね。ジョニー・ゴンサレスは負けたあと、その敗因を徹底的に研究してサウスポー相手にどう戦うべきかを研究したんでしょうね。だからサウスポーの死角=相手の外側に潜って、相手をかわしながら、自分のストレートを叩きこむということを徹底的に練習してきたんでしょう。本来ああいう動きはサウスポーである長谷川が常にやって相手にそれをさせないというのが、サウスポーのセオリー・常識なんですがね。
 
 それがわかっていなかったとすると相手の研究を怠っていたとしか思えないですね。西岡にそれをやられた、自分がやられた技を習得して使ってくるということに思いがよらなかったわけですから。慢心なのか…?だとしたら長谷川の再起がまたちょっと危ういなぁという気がします。
 
※ついでに、ラスベガスの試合を見て思ったことを追記します。
 以前は、復興にはゴーストタウンとして観光都市・地域として、唯一の観光資源を活かすしかないと書きましたが、それだけではどうしても限界がある。
 西岡選手のベガスでの活躍を書いたことで思いついたのですが、福島はラスベガスにして復興をするしかないと思いました。
 ラスベガスは砂漠でどうしようもない街を再生するために観光都市、賭博によるエンターテイメント都市として特化することで生きる道を選びました。福島も同じように、もはやある一定の範囲内では人が定住するのが難しいわけですから、短期的に人の出入りがある観光都市にするしかないと思います。
 というわけで、福島ラスベガス化。K-1やらプライドやらボクシングやら、野球でも相撲でも何でもいいですから、福島だけ復興のために賭博を認めましょう。んで、一大カジノ・スポーツの聖地として食っていけるようにすること。これしかないでしょう。
 ボクシングではっきり気づきましたが、日本のスポーツ産業閉鎖的すぎ。メジャーリーグに全く勝てないし、サッカーでもアジアの中心になれていない。キックボクシングは日本初なんですから、これで世界の中心にもなれるし、とにかく世界の中心、アジアの中心としてその地位を確立させるために世界を見据えた戦略をどんどん取るべし!日本でプレーするのが夢だと言われるような存在になるべき。ソフトパワー作りにもなるしね。

 永住することは不可能、短期的に人が入ってきてお金を落としてくれるゴーストタウンによる観光資源と、賭博&エンターテイメント施設・スポーツ興行の中心地として生きるしかないでしょうね。
 TPPなんて下らないことやってる暇があったら、賭博を解禁してスポーツを世界レベルで通用する産業に育成することです。そういえばテレビゲーム発祥の地なのに、プロゲーマーすらいないという現状ですからね。どこまでビジネスチャンスを失うのか、この国は。アホ丸出しですね。

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すべては夢の過程だから。