別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

野球で読んだ本

読んだ本をただつらつら書くだけです。

なぜ日本人は落合博満が嫌いか? (角川oneテーマ21)/テリー 伊藤

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 ナベツナがいい人。名球会の不正処理、夫人はそういえば野村監督と違って前にでない内助の功タイプ。車を買ったとき装甲車のように絶対怪我しないように頑丈にした。これくらい。テリー伊藤の変な物の喩えは好きではないです。

野村克也に挑んだ13人のサムライたち (双葉新書)/橋上 秀樹

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 野村野球に反発して消えていった笘篠。ケガゆえにブンブン振り回してやりたいスタイルを貫いて消えた。コントロールが悪いと判断ができないから、コントロールを悪いピッチャーを嫌う。ファールがまっすぐ上に飛べばストレートを待っていた。そうでなければ変化球待ちだったと判断しリードを組み立てられる。そうでなければ、甘いところにきて無駄なヒットが出てしまう。ツースリーからでも三球ストライクをとれるコントロールを監督は要求している。長嶋批判は野村克也のパフォーマンス。しかし以後長嶋は野村を嫌っていった。

 関根監督時代ののびのび野球から、野村監督の管理野球。特別待遇だった一茂が馴染めるはずもなかったということか。日本人ばなれしたパワーヒッター。出場機会が減ってトレード直訴。

 人生論を説くことに対する選手からの違和感。俺を支えてくれたのは池山だからと引退後楽天のコーチに引っ張ってくる。

 変わらなければならないという問題意識があったヤクルトに対し、次の岡田まで適当にやってりゃいいやという選手のぬるま湯意識。赤星・藤本・矢野といった選手が野村野球に興味を持ってくれたのが救いだった。池山・古田以上に気を使って叱っていた今岡。しかし三年間今岡が野村野球に従うことはなかった。岡田監督が今岡のその方針を認めてしまったのが間違い。岡田二軍監督との意思疎通のまずさが低迷の一因。

 普通甲子園優勝投手はちやほやされて傲慢。しかし野村野球をよく学び練習に一途で貴重な守備固めとして機能した山口。

 長嶋・羽田と同じく天才型飯田。唯一ミーティーングに参加しなくていいと言われた天才。

 克則が監督に一場の故障はあなたの責任です!と食ってかかられて唯一監督が何の反論もしなかった。一場はカツノリと同じ明大の後輩でよく面倒を見ていたから、人一倍思い入れがあった。栄養費問題でずぶとい傲慢な人間と思われていたが、一場は本当に繊細で礼儀正しい好青年だった(むしろ江川のときのようにこれはセーフででいいんだ。みたいな世間知らずだったのかな?)。負けが楽天で重なり、それが彼をダメにした面があった。明らかにマウンドでおどおどするようになってしまった。

 毎回リードでどうしてこういうリードをしたんだとどなられた古田。

 エースは完投、チームのために人一倍貢献しなければならない。岩隈が中一日でCS投げると志願して、打たれるもエースとしての自覚に喜んだ話。

 直感でデータの裏付けがないときの采配は7~8割当たっていた。

47番の投球論 (ベスト新書)/工藤 公康

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 やっぱり工藤さんは面白いですね~。ピッチィングの腕を振るというのは体の軸を中心にしならせて倒せば、腕を動かさなくても勝手に振れていく。しなりで腕が自然に出ていく。逆の腕=グローブ側と身体の軸を挟んで腕の直線ができる。逆の腕を回す、体の軸を回すという意識で腕は勝手に振れる=投げるというのは腕でなく身体で投げるということですね。

 投手にはサイドスローというものがあるように、身体の縦軸を使うタテの円か、楕円形のヨコの円を使うかがある。つまり身体をタテに回すか、ヨコに回すか。ヨコ=サイドスローですね。最大限にその体の回転を生かせるわけですね。身体が大きければタテ、小さければその分ヨコに回す傾向が強い。小さくても強靭な足腰・リストでタテの円で投げるケースもある。

 この本では統一球前なのでアウトローならホームランはないという従来の配球のセオリーが崩れたと書いてあります。今ならなんて言うでしょうかね?つうか統一球なったから、工藤さんならリリーフで使えるんじゃ?と思うんですがね。コーチ手形と言う話がありますが、むしろコーチになってほしいから一年現役保証して雇えばいいのに。ものすごい逆説ですけどね(^ ^;)。工藤さんは選手手形を出してでも取る価値があるでしょう。

 やっぱり走ること。一日二〇キロ走るそうです。西武時代無茶苦茶な練習があり、100メートルダッシュ100本というのがあったとか…Σ(゚△゚;)

 三球勝負が基本。無駄な一球外すというのはダメ。意味がある外し方をしなくてはならない。調子のいい時はマウンドからネクストサークルのバッターの素振りでああ、こういう意識で素振りをしている。ストレート待ちでいるなとか、バッターを相手にしながら、ネクストサークルのバッターまで見ていたそうです。ぬぬぬ、さすが。

 身土不二、食事の気の使い方とかさすがだなぁと思いますね。

そうそう、そういえば変化球の数がいくらあっても意味が無い。打者が頭に入れなくてはならない変化球がいくつあるかが重要。だから松坂はその変化球の選択肢があって打者が絞り切れないから、いいピッチャーだと。

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男/マイケル・ルイス

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 なんだろGMビリー・ビーンの話なんだけど、別に読んでもなぁ・・・という感じ。MLB好きな人は読むんでしょうけど。ダラダラ長い彼の話を読んでもなぁという感じ。出塁率×長打率=得点、アウトカウントを増やすバント・盗塁はやらない。そういった野球に半分同意、半分否定かな。まず安い金で効果を上げる。強いチームをつくるといった点ではいいのだろうけども、強くても華がなければしょうがない。人気がなければね。まあ地域密着ならその点はいいとして、この野球ではプレーオフで勝てないでしょう。堅実な野球・いやらしい野球ならもっとポストシーズンで勝てると思うんですけどね。そこらへんがデータ野球の限界といったところでしょうかね?というかなんで己が重要だろ?っていった走力・走塁値や進塁打を含めた打率バッターの賢さを示す粘る度合いが数字化されていないんでしょうね?意味がわからん。今思いついたけど賢打率・賢塁値ってのがいいかな?
落合博満の超野球学〈1〉バッティングの理屈/落合 博満

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落合博満の超野球学〈2〉続・バッティングの理屈/落合 博満

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 落合さんが何を考えているか知るためにバッティングの技術書を一応読んでみました。バッティングというのはセンター返しが基本。センターに返すのが一番距離が伸びる。どんな練習でも実戦を即したものにすべし、トスバッティングのようなヨコからボールを出すようなのは、実際には前からくるものと違うため良くない。走ることの重視、野球の身体は野球で作るべし。ウエイトで出来た身体は脆い。若手のうちに練習を無茶苦茶やって壊れない体を作ること。キャンプというものの重要性を説いていますね。

 まあ、己は実際やることには興味がないんですけど、トップの位置というものが重要らしいです。トップの位置を深くとってそこから振り抜くこと。そうすればパワー出るから、アッパーだろうがレベルだろうがダウンスイングだろうが関係ない。

 オープンスタンスとクローズドスタンスというものがあるのは目の位置・目線の問題から。バッターは身体の真正面、ヘソをベンチ側に向けて構えますね。んで頭はピッチャー側に向ける。エジプトの壁画みたいな窮屈な姿勢を取るわけです。そういう姿勢だとどうしても見ることと動くことがバラバラになる。落合さんはプロじゃないキャッチャーでも140キロくらいのプロの球を受けるとしたらほとんど100%受けることができる。しかしバッターは3割程度になる。どうしてか?これは目線、打者は投手を真正面向いて構えられないからだと説明しています。しっかり両の目で最後まで捉えること、それをしやすいオープンスタンスと言うものが出てくるんだという話。

 これはとても面白い話。というのは武術家、剣術家の発想から考えると、じゃあどうして最初から真正面向いて構えないの?という話になる。剣術では斬り下ろしより下段の構えから斬り上げる方が早い。もちろん達人しかできないけど。ならば剣術の達人がバッターボックスに立てば、7~8割は打てるのではないか?落合さんはイチローのバッティングをあれではホームランが打てないから長距離バッターの自分としては好ましくないといってました。ただし基本の軸で回転するために拇指球の間を強く踏むということは共通していると言ってました。んで広島の前田が見事にそれをこなしていて、彼は天才だとも。言いたいのはHRなくしても、身体の捻転で打つという従来のバッティングをやらなければ、ヒットだけなら四割という壁は簡単に破れると思うんですけどね。

 バットの長さの規定は106・7センチ、重さは何キロでもいいみたいです軽くなければ。面白いことに日本刀は800~1200グラムで長さも一メートルかそんなもんでしょう確か?だったら剣術家がやったらどうなるか!?みてみたいですなぁ~。あとバットには反りがないですよね。反りは作っていいんでしょうかね?

 違うのは斬り合うことを前提としたことと、投げてくるものを打ち返すこと。投げてくるものを特定の場所に打ち返す、相手の居ないところに打ち返すというのは全く違う。相手の投擲術に対して、それを得物で弾き返し、かつ自身の重要な拠点に一度たどり着いて確保する。そして任務を全うして帰ってくるってところですかね?ある種忍びっぽいような(笑)。そういう発想でやる人間がいつか出てくるかもしれませんね。

 キャッチャー側の手をたたんで打つ重要性、身体を捻るために前の手と後ろの手ではスイングする際距離が異なる。キャッチャー側の手で押しこむことが重要。知らなかった話を色々知ることが出来ましたね。落合さんは絵として投手の風景を記憶して以前と違う所がないかというデータの引き出して使ったと。ある種の瞬間記憶能力・右脳を働かせるようなところがあったんでしょうね~。投手の癖を見方に教えても理解出来ないし、わかっても他の人はそれを見てから判断して打っても間に合わなかったと言ってますしね。 

プロフェッショナル/落合 博満

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不敗人生―43歳からの挑戦/落合 博満

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激闘と挑戦―巨人軍・落合博満が闘った奇蹟の136試合/落合 博満

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 あと落合さんのこんな本があったんで読んでみました。年棒調停やら、FAやら色々ありますが、落合さんは球界の透明性、選手の地位保全などいろいろ考えているな~ということが強くわかりますね。コミッショナー、一番上の野球機構を強くしないといけない。こんなこと選手で言っている人いたかなぁ?いずれにせよ彼が改革を担っていくのは間違いないでしょう。名球会の条件がおかしいって書いてありますね。たしかにいま200勝ってまずでないでしょうしね。大体なんで昭和で大正の人はダメなんだおかしいだろってそのとおりですね。やっぱり金田さんが天皇化してるんですかね?

 不敗人生という本では落合さんが巨人を出た経緯が書いてありますけど、清原の時といい巨人は人事が一体どうなっているんでしょうね?だめだこりゃという代表例ですね。意思統一と反省がない、誰が見てもあの時どうしてこうなったのかというチェックができない。これじゃあ強くなるはずがないわな。清原サードで松井・落合・清原というクリーンナップ見たかったですなぁ。もったいない。

 落合氏が言う巨人は練習していない。ロッテに比べて中日は半分、巨人は三分の一しか練習していないというセリフが巨人の今の現状をすべて言い表していると思います。強くなりたきゃ練習せい!これが全てでしょうなぁ…。

 なんかもうセリーグつまんないですね。野球の質が。落合さんが根本さんに相談されてパ・リーグだけでもオリンピック参加したら面白いじゃないとアドバイスして実現させたといいますけど、やっぱりパ・リーグは改革を一歩も二歩も先んじていますからね。いつも組織的な機能をなんたらかんたら唱える己としてはこのまま巨人を追うのは良くないでしょうな~やっぱ。まあ、今シーズン珍しく混戦になったからこうやって逐一報告してるだけですが。ここ数年野球まともに見てなかったしね。ソフトバンクにするか、日ハムにするか。どっちを応援していこうかなぁ。ダルビッシュいたら日ハムにするんだけど、もうダルビッシュいなくなるしな~。