別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい。また基本長いので長文が無理な方はお気をつけ下さい

下田昭文戦 VSリコ・ラモス あと粉川さんとか

気づいたら、阪神×巨人戦の感想が日付け間違ってた。日付け間違いはまれによくある現象なんで仕方ないね。

また感想書いても良いけど、野球ばっか続くのもあれなんで、先にボクシングを。下田防衛線を見ました。終始リードしている内容での逆転KO負け。もったいなかったですね。無配の挑戦者に負けたといっていたので、やっぱりスーパー挑戦者。新井田が負けたときのような未発掘のバケモノに当たっちゃったのかと思いきや、そうでもない。

【下田戦】

下田選手はなんかばたばた動いている。そして1R2R動きが硬いイメージがありました。まあ挑戦者も硬さはありましたけど。動いてリズム作って、それでペースが良くなるという選手もいますし、まあそういうタイプなのかな?と。

んで、まあ近代ボクシングはジャブ・ストレートでちょっとでも勝ったら勝ちですから。リーチでも上回っていたようですし。ジャブ・ストレートで完全に相手をコントロール、試合を制していたと思います。

しかし、4Rの後頭部かな?下田が注意を受けました。これまで審判が下田にホールディングやらラビットやら、ローブローやら、頭やらこれまで彼だけに警告するという経緯がありました。しかし挑戦者が下田の背中を叩いてしまったんですね。もちろん故意ではないですが。挑戦者には全く注意しないのに、一方的に下田にのみ注意するというジャッジが目に付き。エッという感じになりました。おそらくこの傾向に下田および陣営は「やっぱり敵地なんだ」という思いをさらに高めたのではないでしょうか?これに動揺して完全に舞い上がってしまった。セコンドもこのラウンドは休んで行けという指示を出せなくなってしまったのでしょうね。

採点はフルマークで勝っていました。しかし7R急激に失速。もしくは倒すGoサインでも出たのかな?大振り・雑になって、相手はこれしかないという下田に通用するパンチをまとめてKO。左フックだったかな?威力がありそうには見えないパンチでしたが、コンパクトでシャープ。多分あの角度は見えていないでしょう。

前回のタイトルマッチで思ったのですが、倒し倒されという試合的には面白い展開でしたが、内容は非常に雑だなぁという印象が強かったです。あたったもん勝ちというような振り回しを世界戦で両方ともする試合は始めてみました(^ ^;)。

ジャブ・ストレートでミドルレンジを支配できるのですから、今後も活躍してくれるでしょう。しかし洗練されていないフットワークや雑な動きをもうちょっと煮詰めるべきかと思いました。あと敵地でやる以上採点の傾向くらい把握しておくべきでは?いくらなんでもあの試合で採点著しく不利につけることはないでしょうし。ジャッジ・判定につく人間の過去の判定をセコンドは研究しておけばもうちょっと試合内容コントロールできたと思うのですが…。7R入ってスタミナ切れというオーバーペースをコントロールできなかったセコンド陣の責任は大きいでしょう。長谷川選手のように意見を聞かないのなら別ですが。聞かないなら、聞かないで対策をいろいろ考えておくべきですし。

城島のリードを思い出しました(´-ω-`)。ノムさんいわく、ジョーのリードは「ここに投げろよ!、ここにちゃんと投げなかったら、お前のせいだからな!」という傲慢なリードをするようです。コントロールミスを計算に入れて配球できないキャッチャーはダメだと。

左フックですね。なんかウィービングでかわした後、一番自然に出しやすいから、ああいうパンチが出るのでしょうけど。世界レベルでアレはまずあたらない。内藤みたいに遠くから放り投げるような見えない角度から打てるなら別ですけど。自分が倒されたパンチのように細かく・小さいパンチをまず打ってからだと思います。

【粉川戦】

 つかさいわく、粉ちゃんですね(笑)。粉ちゃんの試合を見た感想は…(゚Д゚ )。これはひどい…、としか言えません。コメントで作戦通り戦ったという宮田ジム会長のコメントがありましたが、これが作戦通り!?というびっくりするような内容。どういう対応、作戦を考えていたのか、まるで己には理解できない内容でした。

 解説の佐藤氏がいうようにサウスポー相手にはまず、左に回って、左からパンチを打つこと。それができなかったら話にならない。射角の優位を利用してサウスポーはゲームを作るのだから、まずその射角の優位を潰さなくてはならないのに。自分から射角の射程内に入りに行っているんですから。なにをしてんねんとビックリしました。毎回左からのワンパターンではもちろんダメですし、時に右に回るのがセオリーですが。右ばっかり。いったい何を考えていたのか?

 ジャブ・ストレートでミドルレンジを制したら、大体勝つ。粉ちゃんはスピード・手数で素晴らしいものがある。だから勝てるだろう。ごり押しで行け。博多のごりおし作戦だ!実力差があればそれでいいのでしょうけど、ポンサクレック相手にそれは無謀すぎるでしょう。何も考えていないとしか思えません。コメントでむしろ予定した作戦ができなかったといってくれれば、ポンサクの認識を誤ったということであきらめもつきますが…(まあでも内藤時代に四回やってるわけですから、それもダメですが)。

 思うに前回のポンサクレックの試合が苦戦していたということもあって、なめていたのでしょう。ああ、こんなんならうちの粉川がミドルレンジ制すると。普通にやっておkと。亀田戦で見せたようにポンサクレックはすごい距離感を持っている。内藤のようなバケモノ、意味不明な虫のような距離を持っている選手だからこそ対抗できたのに、対策が雑すぎるでしょう。

 亀田のサウスポー同士でも容易にポンサクの距離を攻略できなかった。粉ちゃんがそれをできるかどうかぶっつけ本番までわからないのですから、せめてダメだったときの違うプランを用意しておくべきでしょう。なんか最近のボクシングを見るとぶっつけ本番ばかりで、対応の甘さが目に付いて腹が立ってきますね。

 負けるにしても、惜しい負け方、負けてしまったけど、ここからこういう手段に切り替えて健闘した。可能性を見せたという展開が皆無に等しい。なぜなんでしょう?亀田も同じなんですけど。ボディを叩けと。キャリアで負けるんだから、若い挑戦者はボディを叩いて後半勝負が定石だろうと。なぜボディを叩かない…。まあ、もちろん叩けないわけで、そこにポンサクのうまさがあるんですけども。

【亀田・粉川、ボディ打てず破れる】

 亀田はサウスポー同士で試合したことがないのか?アマ上がりのエリートはたいていジャブ・ストレートが巧い。それで負けたことないからそのまま他の戦術・引き出しがない。世界での自分との同じ・それ以上の実力を持った相手にズルズル負けるという典型的な試合でしたね。今見直してみると。亀田はサウスポーの利を持っていましたから、まずそれで困らなかったでしょうしね。減量苦・目のカットがなくても同じでしょう。

 粉川はそのまま最初に通用しないとわかっていてもジャブ・ストレート、自分の得意武器だけで勝負をする。自分の状況と相手の状況があって成立する試合において、相手の都合を一切考えないプランが目立ちますねぇ。最近特に。下田選手はそのどちらでもない状況、ノムさん流に言うと場の状況でやられましたが(捕手のリードは自分の状況と相手の状況=投手と打者、そして場の状況で成り立っているといいます。名言ですね)。

 ジャブ・ストレート主体の戦略をAとしたら、それが通用しない場合後半勝負のボディ打ちのB戦略、作戦があってしかるべきなのに。ボディを全く打たなかった。同じ作戦の繰り返し。ボディ打ちの技術がなかったことが敗れた理由として共通したといえるでしょうね。

 状況に応じてセコンドがAからB、BからCといった作戦を指示しない試合って駆け引きがないからつまらないですよね。同じ作業の繰り返しで。

ポンサクレック論―足を使わないアウトボクサー】

 ポンサクレックという選手は世にも珍しい足を使わないアウトボクサーなんですよ。一見ミドルレンジの選手に思わせて、外からパンチを放り込んでくる。ボクシングを構成してくるから、相手はパンチが見えないし、当てられない。外見からしてガッツンガツン戦ってくるアグレッシブなファイターに見えますが、ものすごい巧いボクシングをします。

 普通アウトボクサーというのは足を使って、距離を自由自在に操ることで試合を組み立てるんですけど、彼は足を使わないでそれをやるという変態的な技術を持っています。

 彼は立ち方見ると重心が非常に後ろにあるんですね。重心の置き方、立ち方が非常に巧い。粟生隆寛選手があんな立ち方していますが、それよりはるかに重心の置き方が後ろにある。その分、前にいきなり重心放り出して鋭いパンチを打てます。アウトレンジからの鋭い打撃はこの後ろ重心にあるでしょうね。さらに普通の感覚でパンチを打っても重心が後ろにありますから、その分外れるんですよ。サウスポーで体の向きが違うというだけではないはずです。あの当てにくさは。

 当てにくいから相手はバランス感覚を崩されて、よりスタンスを前気味にしなくてはならない。前に出ていかなくてはならない。ポンサクは待っていて、相手が焦れて出てきたところをいらっしゃいませとばかりに、2・3発中間距離で迎撃する。

 打ち合いに持ち込んで、相手の勢いを潰したら、また元の距離に戻る。すると、相手は例のあてられない状態。このくりかえし。ボクシングで重視される出入りを簡単にこなせるんですね、彼は。この出入りをやられるとペースが取れない、ゲームを作れないで、ずるずる時間が過ぎて破れますから。なんとかしようとしても重心が外にある分、アウトレンジから一気にパンチが飛んできますから、ものすごい長い距離を打ってきますから、それも警戒しなきゃならない。オワタ状態ですね。サウスポー同士ならそんなに当たらなくても、相手がオーソドックスだったらアレを避けるのはさあ大変。

 外から飛んでくるわ、こっちは外から当てられないわ、ミドルレンジだったりアウトレンジだったりでペースとれないわ、もちろんその中間距離での打ち合いも多彩なパンチで巧いですからね。それでもやばくなったらサッと外に戻っていったん仕切りなおし。どれだけ優れたジャブ・ストレートを持っていても使えなかったら意味がない。彼よりうまいジャブ・ストレートを打つ選手はいくらでもいるでしょう。しかし使えなかったら同じこと、相手の長所をスポイルし、こちらの長所を最大限生かしてきます。さすが名王者。

 思うにアマチュアというのはパンチの技術、プロというのはこういう距離の技術とでも言いますかね。まあ両方とも密接に関連していますが、こういう距離を持っている変態的なボクサーが君臨するのがプロとアマの違いでしょうか?

ポンサクレック攻略法―ポンサクレックを破るには】

 結局このポンサクレックの方程式とも言うべき、アウトレンジ・ミドルレンジ支配の方程式を崩さない限りは彼に勝てないわけです。

 彼の重心が後ろにある。ですから、必然的に前後は彼の絶対空間なわけですね。前後の出入りを中心に戦う以上、彼に勝つのはまず難しいでしょう。亀田選手のようなサウスポーがスイッチをしながら、より左右の距離感をコントロールするスタイルでも作らない限り、まず勝てないでしょうね。ポンさんの老化を待つ以外は。

 前後では絶対に勝てないんですから、左右と上下で戦うに決まってますね。上下って何じゃ?となるでしょうけど、左右と聞いて左右のボクシングで日本には変態的な技術を持った人がいるでしょう。そうです、内藤選手です。そうです私が変(ry。

 ミドルレンジでスタンス広げて意味わかんないパンチを繰り出す。池野めだかパンチ、もしくは平行移動してくる虫。亀パパがゴキブリのようだと形容しましたが、そのとおりでしょう。バキにあるとおり、ゴキブリ師匠は最強でしょう。まあ、ゴキブリは前進しかしませんが、脅威の前進力で左右に急に方向を変えられるところなんかそうかもしれませんね。くわがたのくわが自由自在に別々に動いたら内藤選手のキャッチフレーズとして最高なんですけどね。史上最強のくわがたボクサーみたいな感じで(笑)。あるいはイカ娘にあやかった触手パンチとか?エビボクサーに続いてイカ路線いってみますか?(笑)

 内藤選手は衰えたとはいえ、多分ポンサクさん相手なら相性から言って可能性はあると思いますよ。ただアウトレンジからのストレートに反応できればの話ですけど。亀戦それで負けましたからね。試合のさいっしょっから頭下げながら突っ込んでいけば顔打たれないですから、まさにくわがたダッシュで戦ってみますか(^ ^;)。多分このまま引退するんでしょうけども、最後に引退戦、ファイナルマッチやってほしいなぁ~。

 あと、内藤選手は指導するならしっかり教えないと、粉ちゃんめちゃくちゃな打ち方何回かありましたけど、アレは確実に内藤選手のマネ。悪影響でしょう(笑)。あれは内藤選手だからできるんで、やるならしっかり教えないと。まあ10人やって10人あんなことはできないでしょうけどね。

 本当に内藤選手のアレは最悪ですよね(笑)。見えないところからカンだけで放り込んできやがって。ラリアット気味にどこかにあたればいいというダーティーパンチじゃなくてしっかり当ててきますから(笑)。あれ、どうやってやってるんでしょうね?ボディならまあ、当たるんでしょうけど。動かしている頭に当てるって考えられないですよね。隠しカメラでも仕込んでいるんでしょうか?(^ ^;)マンハッタン・トランスファー的なスタンド使いなんでしょう。きっと。

 攻略法としてはスイッチしながら左右主体でポンサクの良いところを消す。内藤選手のような左右のスタイルを磨く。まあ、どっちも一朝一夕には不可能ですね。これじゃあ、老化を待たない限りまだまだポンサク政権は続くでしょうね。

なぜかほとんどボンサクレックの話になっておしまい(^ ^;)

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