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【感想】 亀田三兄弟の試合 (2010/12)

 さて、亀田三兄弟の初揃い踏みということで楽しみにしていた試合です。とにかく、亀田和毅の試合を見たかったので。で、亀田和毅の試合なんですが、まぁ、凄いですね。長谷川・徳山と己が知っている限りで日本史上最高のボクサーはこの二人。この二人を超えるかもしれません。そのくらい大器を感じさせる試合でしたね。細かい注文をつけるといくらでもいえるんですが、老獪さ、試合運びのうまさが足りないくらいですかね?欠点なんていえるのは。それもキャリア次第ですし。文句のつけようがないですよ。姿勢を見れば全てがわかりますが、姿勢から現れるバランスが天下一品ですよね。

 ハンドスピード、天性の手のしなやかさで長谷川、ボクシングのトータル的な完成度、左の使い方のうまさで徳山。やっぱ徳山かな?個人的には。その二人を超える可能性大ですね。是非長谷川とやって欲しいし、やるべきでしょう。フェザーまで3~4階級制覇して欲しいですね。

 徳山選手の映像つべでみましたけど、凄いわ。左の使い方のうまさが、もうお手本なんてもんじゃない(笑)。教材ですよ、教材。学習教材98000円、次々一万円の十回払いですね。左で牽制して、ジャブつきながら、アッパーからフックから自由自在に変化する。しかも伸びてくるから全然相手が近づけない。シュガーみたい、一人シャドーをやるボクサーがいるとしたら、徳山のような選手なんでしょう。PRIDEで話が持ち上がりましたが、やってほしかったなぁ。

 で、上二人の話ですが、大毅の試合はひどかったですね。もう減量で体動かないんでしょうね。見ててつまんなかったし。アームブロックうまかったですし、よく捌いてました。破壊力、有効打で勝っていたから、判定はまああんなもんでしょうけど、いくら有効打っていっても、あれだけ動かなければ、手数で相手がポイントとっても全然おかしくないです。一人は8ポイント差で相手につけましたしね。王座とったときの判定負けの教訓はどこ行ったのでしょうか?まぁ、それほど身体が動かなかったんでしょう。それならそれで、どうしてもっと効いてないぜ!?おれはやるぜ!、おれはやるぜ!、おれはやるぜ!っていうアピールをしないんでしょうか?全然効いてないぞ、コルァ(#゚Д゚)ゴルァ!!とか、ノーガードで辰吉みたいに相手をおちょくったり、余裕を見せて客沸かせないと。パフォーマンスでごまかせばいいのに。

 きっと、初三兄弟揃い踏みの舞台でノンタイトルよりは防衛戦を見込んだんでしょうが、普通に階級上げて、弱いやつでガンガン叩きのめす方が良かったでしょうね。

 興毅は勝ちました。そういえば大毅のボクシングは劣化版興毅みたいなボクシングですね。戦略的にはガード固めてカウンターで小突いていくというのは間違いではないし、ノーモーションの左と、ショートフックでカウンター取るというのは有効で終始、優勢でした。いきなり二階級上の相手ですからパワーに押されるので、この戦略は間違いではないでしょう。何ラウンドかいいのもらってヒヤッとしましたしね。

 ただ、巧いボクシングがいいかと言われると、興業的には大失敗ですよね。非常につまらない試合だった。あのボクシングなら、必ず相手を倒さないと客は納得してくれないでしょう。この記事が非常に良く書けていますね。バンタム級で実績がないままの王座決定戦。しかも、相手が一度引退して10月に再起したばかりのWBAスーパーフライ級元王者。  WBAは10月度ランキングで突然、バンタム級王座7回防衛のアンセルモ・モレノ(パナマ)を「他団体との統一王者及びそれに準ずる王者」のスー パー王者に格上げし、亀田興を2位に入れた。スーパー王者って何ですかね?フライ、スーパーフライ両級で世界王座通算4回防衛のノニト・ドネア(フィリピン)が7位(現在は圏外)にな るなど実力者たちが亀田興より下位。彼を王座決定戦に出す工作だったとしか思えない。ランキング作成は「WBCは各国コミッションの人間が入って作るが、WBAはプロモーター主導」。近年は有力選手囲い込みのため暫定王座を乱造するなど興行優先の姿勢が露骨で、資金力のある亀田陣営優遇にもつながっている。

 亀田興は06年8月、ライトフライ級の試合経験がないままWBA王座決定戦に出場して判定勝ち。WBCフライ級王座は初防衛戦で陥落した。スピードやカウンターなどは世界一流の技巧を持つが、「抜け道」を探すようなマッチメークではファンの支持は得られない。【来住哲司】

 と、まこと見事に分析しています。日本はもうWBA止めたほうがいいんじゃないですかね?WikiなんかにはもうWBAは一番最古のボクシング協会っていうだけってなってますし。少なくとも団体WBC、IBF、WBOとどの団体が良いか、あるいは階級毎にどの団体が今は実力者がいるというような明確な指標を作って欲しいですね。ポイント4Rごとに公開するみたいに改革してください。
 で、もう一つ記事を紹介して、長谷川戦の話なんですけど、長谷川は試合は雑でした。かなりパンチもらいましたし、でも見てる方は面白かったでしょう。ああいう、殴り合いしないと客は見放してしまうでしょう。そして長谷川が絶対王者になるまでにライバルが目白押し。WBAIBFの2団体で王座に君臨しているユリオルキス・ガンボア(キューバ)。アテネ五輪の金メダリスト。プロでも19戦全勝(15KO)の快進撃。小柄だが長谷川と同等のスピード、パワーでは凌駕。
 WBO王者のファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)。30戦全勝(27KO)、サウスポーの強打者。次期スーパースター候補。

 来春、長谷川が初防衛戦で迎える予定のWBC指名挑戦者ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)。西岡利晃にはTKO負けを喫しているが、47勝41KO(7敗)と高いKO率を誇る。目下7連続KO中。
  昨夏、粟生隆寛からWBCのベルトを奪ったエリオ・ロハス(ドミニカ共和国/22勝13KO1敗)も怖い存在。現在はケガのため「休養王者」の扱いだが、 戦線復帰の際は長谷川との統一戦が予想される。さらにWBCの第2指名挑戦者、チョラタン・ピリャピニョ(タイ)も35戦全勝(20KO)の猛者である。
 あと原功さんが書いたこれ も的を射ている.。試合内容が地味で客離れが進んでいる。もっと面白い試合をしないとだめと、バッサリ。観客が6000~7000人だそうで。大丈夫か?亀田興業は?んで、視聴率もM-1フィギュアスケートに負けた。そりゃそうだろうな~。M-1はともかく、フィギュアはナショナル大会で、世界レベルなんだもん。殆ど世界大会状態(笑)。昔のサッカー、静岡で勝つ方が全国優勝するより難しいみたいなもんだ。
 とりあえず、次の試合に期待。長谷川ももちろん。