別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

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相撲について(1) 朝青龍と白鵬の一番こそゼニの取れる相撲 他に力士は存在しない

 さてと、最近書く気がおきなくなりましたが、書きましょうかね。どこから書きましょうか、まず朝青龍の相撲内容から始めましょうか。明らかに怪我以降、全盛期のような絶対王者と言われる強さを発揮することが出来なくなりました。その中で、今場所の内容は素晴らしいものだと言っていいでしょう。白鵬は対照的に、これからの横綱と言っていい存在で優勝するのが当たり前で、連勝記録をどこまで伸ばすかといった点が注目になるほど。朝青龍の連続優勝や、年間最多勝に勝るとも劣らない記録を作るだろう、という点で注目していました。どうみても白鵬が優勝し、朝青龍がそれをどう追うのかといった場所になるだろうと思われていました。

 事実、朝青龍の方が先に一敗しましたしね。白鵬の体調の万全な状態に対し、朝青龍はそうではないのですから当然です。ところが白鵬の方が自分の連勝記録が途切れてしまうと、あれよあれよという間に調子を崩し負けていき、千秋楽前に朝青龍の優勝が決まるという結果に。必ずしも強いものがレースを征するのではないという勝負の現実が如実に現れたものと言えます。

 相撲は八割方「立ち合い」で決まります。強い力士、上手い力士ほど後から立って相手を胸で受けます。普通先に立って、相手を押し込まないとその後のペースを握れない。そのためいかに早く立つか、そして自分のいい組み手を作るかということに専念しますが、強い力士ほどそれにも関わらず、相手を受け止めて組み手を作ってしまいます。相手は自分の最高の立ち方をしたのにもかかわらず、何が何だかわからないうちに、追い込まれて敗れる事になります。もちろん戦略がありますから、毎回遅れて立つわけではありませんけどね。横綱と言われる人間ほど、上手い力士ほど、立ち合いの悪さをその後の組み手争いで挽回出来ると言っていいでしょう。殆どの力士が一旦、立会いで失敗すると、ボロクソになって敗れるのに対し、横綱はそこから盛り返して、逆転勝ちすることが多々ありますからね。朝青龍白鵬が同星対決をした場所でも、万全に自分の距離を保った白鵬と毎回立ち合いで失敗し、追い込まれながらなんとか盛り返す朝青龍という内容の差があった場所もありました。

 なんか関係ない話にどんどん発展していきそうなので、ここら辺できりますけど、とにかく朝青龍は危うげながらも、立ち合いでぶちかましていくのではなく、距離を作って、僅かにぶつかるポイントをずらし、いい組み手を作る。絶妙の投げ技が幾度も決まり、中には十一日目かな?空気投げのような投げを見せ、素晴らしい技の冴えを見せました。大して白鵬は連勝記録が途切れ、自身の立ち合いを気にしすぎるあまり、春馬富士に見るような立ちをして、相手の体捌きに憮然と立ち、右手を張っていこうとしたときにかわされ、上体がつんのめるという横綱どころか、幕下がやるようなミスをする始末。明らかに考えすぎて自滅するという最強の者が躓くパターンでした。

 

 正直今の相撲界で見るに価するのは白鵬朝青龍の一番しかありません。組み手争い・差し手争いが本当に早い、なんの競技だコレ!?と言いたくなるほど、見応えがあるもので、この一番だけは毎回必ず見ていました。今回は朝青龍はもう優勝が決まっている以上、怪我をするリスクを犯したくない。んでまぁ、勝てたら儲け物という相撲でしたね。勝つ必要性がないのですから当たり前といったら当たり前。でもこの相撲だけが相撲といえる内容なのに…まぁ、残念ですが仕方がないといったところ。次回に期待しようというところだったのですが、急転直下引退するという結果になりました…。

To be continued…→相撲について(2) 角界に品格はありや?