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別館、身体論・武術・スポーツのお部屋

身体論・武術・スポーツ関係を分割してこちらで独立して書いてます 野球評論は辛辣に書いてますので苦手な方はご注意下さい

落合博満は何故GMとして結果を残せなかったのか?(前編)

落合GMの辞任について。

 就任一年目の2004年にいきなり優勝し、07年にはCS勝ち抜けの日本一。福留のメジャー移籍やWBCで主力選手が抜けた08年の3位を除けば全て1位か2位という驚異的な手腕を発揮しました。監督最終年には球団初のリーグ連覇を達成と文句のつけようのない結果を出し続けてきた落合は名監督・超一流の監督であることは言うまでもないでしょう。

 現役時代も3度の三冠王という記録を残すなど超一流の打者・選手であったことは揺るぎない事実であり、「名選手かつ名監督」という稀有な存在でありました。かくいう己も落合氏の見事な手腕と独特の分析・着眼点から彼のファン・信者となって、彼の発言を逐一チェックするようになりました。

 彼が14年にGMに就任することが決まったときには、どうやって中日を立て直していくのか、ワクワクしながら見ていたものでした。しかし結果は谷繁監督の途中解任と3年連続Bクラスという結果に終わりました。

■名監督、名GMとは限らず
 名選手、名監督ならず―の逆を行く「名選手かつ名監督」だった落合。その落合ならば「名選手かつ名監督かつ名GM」になるだろう。ところが実際はダメGM・愚GMという結果に終わりました。超一流選手・超一流監督、しかしGMとしては二流・三流。

 中日的・落合的に言うとオレ竜ならぬ二竜・三竜でしょうか?まあそんなくだらない話はさておいて、なぜ落合はGMとして成功しなかったのか?という話をしたいと思います。監督としてダメならば、いつもの「名選手、名監督ならず」だったで話は終わりますからね。

 「名監督、名GMならず」ということがありうるということは今後の日本球界にとって非常に重要な視点かもしれませんので、語っておくことも大事だと思いますので今回はそんな話をしたいと思います。

GMとは?
 そもそもGMとは何なのか?メジャーではGMという制度が根付いています。球団のフロント・編成の最高責任者ですね。General Manager=組織のマネジメントを担う最高位職と言った感じでしょうか。近代化・官僚化以降の組織というものは、部門毎に権限を分ける。担当・部門毎に分けてそれぞれの職務を担当する。そして最高・中央司令部がそれを統括する。一番上のトップの組織が意思決定を行い、指令を出す。与えられた指令を各部門は実行する。それが基本ですね。明確な戦略・ビジョンがない場合は最高位の機関が明確な指示を出さずに、「よきにはからえ」で現場に丸投げをするということもママありますが。

 まあ、要するに組織を動かす最高責任者がGMです。軍隊なんかでは現場の実行部隊と違い、組織の意思決定などの指示を出す人たちを制服組と呼びますが、まあその制服組のトップとしてもいいでしょうね。デスクワークと現場の両者を明確に分けて更にその上にトップがいるなんていう形態も珍しくないですから。球団社長の下にGMがいる。GMは組織の序列上の2位・3位ということもまあありえるので。大統領と首相の関係のように、球団代表がNo1でGMを選んで経営を任せる。No2であるGMの人事権を持つだけで経営にはノータッチというのが一つの基本的な形でもありますしね。

 アメリカ・メジャーリーグGMという制度が一般化しているのは、職務の権限を明確化してその責任を担う事が経営上の基本、大事なことだからですね。成功すれば高報酬、失敗すれば責任を取らされて首を切られるというわかりやすい公式が成立しています*1。強いチームを作るには良いトップ=良いGMを連れてくればいいということになるわけですね。

 現場の監督ならば、目標は優勝ですから勝利を念頭において采配をふるえば良いわけですが、GMの場合はまたちょっと異なる要素があるわけです。当然、勝つために強いチームを作るということを目指しますが、球団経営のいちばん大事な要素は黒字を出すということですから、勝てなくても、人気がなくても、収益さえ上がれば成立するわけです。なので時に成果を挙げられない評判の悪いGMがいるわけですね。優れた選手をホイホイ放出することを厭わず、目先の金を確保するタイプが。

 まあ当たり前の話ですが、30近く球団があるメジャーにおいて、すべての球団に金があって、ファンが熱心に支持してくれて、優勝を目指して強いチームづくりだけを目指していればいいという環境にあるわけではないのですね。

 日本の球団でも強いチームづくりを目指しているのではない球団が幾つかありますから、まあいわずもがなでしょうか。勝つ気がなく惰性で球団経営をしているというのは枚挙に暇がありませんからね。勝つ気がないのではなく、単純に球団経営、強いチームづくりというものを理解していない可能性もありますが、まあそんな話は置いときましょう。

GMの目標は必ずしも強いチームを作ることではない。オーナー・球団トップの意向に沿うことがGMの役目
 GMというのは経営の要素、ビジネスの要素がある。とすると結果=勝利ではなく、結果=黒字もしくは球団の値段の維持になる。現在マイアミ・マーリンズに球団売却の話があるように、親会社・オーナーが変わる時、球団の価値が下がっていたら球団自体の存続が危うくなるわけですから、GMの最優先課題というのは球団の価値の維持及び向上になるわけですね。当然雇い主であるオーナーや企業の意向である収益を上げろという意向も無視できない。となると、ドケチ経営で選手やスッタフに給料を払わずに、絞り上げたお金をオーナーにーということもありうるわけです。

 選手・球団(職員)・ファンよりもお金ということはまあ何時でもどこでもブラック企業のような利益至上主義の会社で聞く話なので、特に違和感を抱く話でもないかと思います。で、長々こういう話を何故したかというと、GMには①チームを強くすることを求められて就任するケースと、②利益・黒字を出すことを求められて就任するという二つのケースが有るわけですね。

 てっきり、落合GM就任というのは①の方のチームを強くするためだと思いこんでいましたが、実は落合GMというのは②のお金の要素が強かったわけですね。就任直後に8億円のコストカットをしたということで話題になりましたが、結局白井オーナーの判断というのは、常勝軍団を作ることよりも球団の維持に重きが置かれていたということでしょう。

■年俸抑制・コストカットはチームを弱くする
 年俸抑制という手段は球団を保有する上で手っ取り早い手段ですが、当然それを行えばチームの士気が下がる・弱くなるのは当たり前の話ですよね。この会社で働いていたら、最近までは景気が良くて同業他社に比べて給与が高い会社だったけど、業績悪化に伴って優秀な(?)同僚・先輩たちの給料が軒並み20~30%以上カットされた。今後も給料が上る見込みはない―そんな状況になったら選手のやる気は削がれるに決まってますからね。

 そんな状況でその会社の雰囲気・空気は良くなるわけがない。そのイライラは当然伝播してファンと喧嘩したり、コーチと選手が衝突したりという最近の組織としての歪な事態につながるわけですね。

 そもそも中日という球団は、セリーグの中で阪神・巨人と並んでFAでの補強を厭わない球団だった。ウッズ・和田・谷繁・川崎などなど他球団から主力選手を取ってくることが絶対ではないにせよ、重要な要素を占める球団だった。FA補強ができるということは、要するに資金力があるということ。資金力がなくてFA選手が取れないだけならまだしも、既存の選手をつなぎとめるのに必要な資金がなくなった。そのため総年俸抑制・コストカットをしなくてはならなくなったという重要な経営の転換点があったわけですね。

 その中日ドラゴンズという球団の転換期にあって、その変革を落合GMに任せようということになり、コストカットを行った。これが決定的な失敗だった。金満球団ではないにせよ、資金力のある球団から資金力のないケチケチ球団になった。旧態依然の親会社頼みの球団経営をしてはいけないというのは今年日本シリーズに出た2チームのファイターズ・カープを見てもわかること。親会社に頼らず球団がきちんと努力をすれば収益をあげられるというのは、最近新規参入してきたDeNAベイスターズで自明のこと(DeNAになってから売上が大体倍になっていますからね)。ホークスも球団単独で黒字を上げていることからもわかるように、戦略を持って適切な経営を行えば、年俸抑制というコストカット、つまり従業員の懐に手を突っ込むという負の手段に頼る必要性はないわけです。

 利益を上げるために球団にも時間が必要でしょうから、一時的な年俸抑制というのはやむを得ない手段であり、それは致し方ないと思います。選手にも「今こういう努力をしている最中で、成果が出たらまた元の給料基準に戻して頑張って数字を残したらちゃんと前みたいに年俸を上げるからしばらく我慢してくれないか」と説明をしたら、選手も反発をすることはなかったと思います。

 平田・大島が落合GMを嫌って反発した。このままでは中日を去るだろうと言われたのもこれによるわけですね。「確かにチームは低迷しているし、優勝もできていないが、自分たちはきちんと結果を出している。数字を残している。なのに給与に反映されないのはおかしい。適切な経営努力をして黒字を増やして、選手の給与に当てる割合を増やそうともせずに、何だその態度は!」と反発するのは当然ですね。*2


■年俸抑制は間違いではない。が次の一手経営の改善が必要だった。その次の改革に手を付けなかったのが失敗の本質
 落合GMが適切な対策を打たなかった、黒字を増やすために中日ドラコンズをより魅力的な球団にすることをやらなかった。問題はこれに尽きるわけですね。しかし、これは落合GM一人の責任ではなくて、むしろ球団やオーナー白井氏サイドの責任と言えるでしょう。どうみても落合GMは野球バカ(否定的な意味合いではなくね)で野球畑の人間。そんな人間が収益を上げる云々経営畑の話がわかると思えない。今後いかにして球団を生まれ変わらせるか、抜本的な改革をする人物を連れてきて、一から球団経営を見直すことを行わなかったことのほうが問題でしょう*3

 また、親会社の予算がなくなったというのなら、日本ハムファイターズが行っているように、最初から総年俸の予算を決めて、BOS(ベイスボール・オペレーション・システム)という基準を作る。その基準に従って選手の年俸を決定するというような公平な査定基準を導入するなどやり方はいくらでもあったはずです。

 そういう基準づくりをせずに、落合GMという一個人に委任してしまった、任せきってしまったところに問題があったわけですね。どうみても誰かトップ一人でなんとかなるような性質の問題ではない、構造的問題であり、組織として体制を一から改造しなくてはいけない問題。そうせずに問題の本質を見誤って、優秀な一個人に全面委任するという決断を下した。これは白井オーナーの根本的な認識ミスであると言うべきでしょう。

■白井オーナーや球団トップの責任は落合GM以上に大きい
 彼は落合監督招聘のときにも、色んな監督候補が上がっても、次々NGを出して最後に出た落合の名前にようやくGoサインを出したという経緯があります。優秀なトップ・人材を選んで全面委任すればそれでうまくいくという過去の成功体験を未だに引きずっている可能性は高いでしょうね。それで今回一度落合GMという体制で痛い目を見たわけですが、果たして次こそは問題の本質はGMや監督ではなく、経営判断をする球団トップだと理解して対策を打つことが出来るでしょうか?これまでの経緯を見るとなかなか厳しそうな気がしますね。

■落合GMは無能か?
 ここまで書いてきたことを読むと、では落合GMはやはり無能ということでおしまいになりそうですが、正確に言うと落合のGMとしての実力は未知数と言うべきだと思います。個人的に落合を高く評価しているから、こういうのではなく、そもそもGMが実力を発揮する前提として、球団が強くなろうというビジョンを持っているかどうかというのがあると思うからです。ファイターズにしろ、ベイスターズにしろ球団がちゃんとチームを強くしようという意図があるわけですね。

 ところが落合GMの中日のケースでは、球団がそもそも経営を根本的に見直して強いチームを作ろうという意志・戦略がなかった。資金力があって資金面でのバックアップがある。その予算から選手補強を行えるという前提がなければ、日本・NPBにおいてはGMの役割は殆ど無い。GMとして出来ること、選択肢がほとんど与えられていなかった。そういうことを考えると、落合GMの手腕は未知数というのが適切かと思います。

 ただ、NPBの閉鎖的な環境*4では、ファイヤーセールのような選手がホイホイ放出されることもない。大型トレードが当たり前でもなく、FAで選手を放出してその代わりにドラフトの指名権利をもらうなどといった選択肢もない。NPBでは優秀なGMというものがそもそも出ることが殆ど無いといえます。

 日本だと監督が全権を持って、GMのようなことまでやるのが一般的だった。あまり知らないのですが日本ハム大沢親分がそんな感じだったとか。GMよりも全権監督のほうが結果を出しやすいという要素はあるでしょうね。明確に球団経営・ビジョンがしっかりしていないなら尚更。

■過去の名GM根本陸夫星野仙一
 GMといえば、やはり西武ライオンズダイエーホークスの黄金時代を築いた根本陸夫氏だと思います。彼がどうやって強い球団を築いたかというと、それは球界に張り巡らせた人脈にあるといえると思います。アマ球界の情報を正確につかむことは、将来のスター候補がプロの世界で当たるかどうかということを知る上で不可欠ですし、何より不人気だったパ・リーグに来てくれるかどうかわからない環境では選手を家族や高校・大学・社会人野球の会社を含めて囲い込む必要がある。物量作戦で、ありとあらゆる関係者の世話をすることで優秀な選手を入団させる必要があった。

 またスカウトというのが全国のいたるところでアマチュア選手を見ているように、優秀なスカウトをどれだけ確保しているかということがドラフトの成否を分ける。ドラフトで優秀な選手を取れるかどうかが、チームを強くするか弱くするかを決めるもっとも重要な要素と言えるといっても過言ではありません。根本氏が二つの弱小球団を強く出来ることが出来たのは、いろいろな要素があるでしょうが、彼の人脈網に加えて、優秀なスカウトを知っていた・チームに迎えることが出来たという点が大きいといえるでしょう。

 根本・星野の話でそもそも優秀なGMとはどういう能力を持った人間か?GMに必要な資質とは何か?という話をこれからする予定でしたが、長くなりすぎたので分割しました。中途半端な感がなくもないですが、一本にするとあまりにも長いので。続きはこちら→落合博満は何故GMとして結果を残せなかったのか?(後編)

 

采配

落合博満 バッティングの理屈―――三冠王が考え抜いた「野球の基本」

~中日ドラゴンズ創立80周年記念~ 強竜列伝 栄光の軌跡編 [DVD]/日本コロムビア

一応、楽天リンクも。(采配落合博満バッティングの理屈強竜列伝 栄光の軌跡編)

*1:無論、アホオーナーがアホGMを連れてくるという事例もあるのでこの組織のセオリーも絶対的な話ではありません

*2:契約更改の席で大島に一番として得点圏打率がどうたら、守備がどうたらケチを付けていましたからね。払える金がないのでそうやって少しでも評価を下げようとそういう事を言ったのでしょうけど、まあそんなこと言えば当然嫌われるに決まってますよね

*3:というか、落合政権時代から客が入らないという話がされていて、集客のために何ら具体的な改善をしてこなかったことにもっと注目すべきだったでしょうね。それを玄人好みの野球だからと落合野球に責任を押し付ける声がありましたが、DeNAが無茶苦茶弱くても集客に成功した事実を見てわかるように、要するに球団の営業力次第ですからね。弱いならともかく強ければ地味でも集客はやり方次第で絶対にできたはずですね。問題の本質は球団のビジョンのなさ・旧態依然の経営にこそあるわけですね

*4:悪口ではなく、メジャーと比較して選手の移動がオープンではないことを指します

身体の話(2016/11?)


 ようやく首も治ってきて、締切迫っていた本も返して、未消化の野球ネタを消化したいと思います。今シーズンのおかしかった継投のチェックやら、CS・日本シリーズ、来季へのホークス人事・選手の移動で4本は書きたい。落合さんが中日を去ったこととか、巨人ネタとかカウントすると6本は描くことが溜まっているわけですが、1月中に3本くらいは消化して終わってるはずですが、どうしてこうなった…。まあ、そんな愚痴はさておいて、とりあえず簡単に更新できる身体論から更新したいと思います。先月の穴埋めとして回すかな?これ。

 ○ヘッドバンギングでゆるめる―シャワーで頭を洗っているときに気づいた身体のゆるめ方。低い位置にシャワーを固定して手を膝について頭・背中・腰をゆらす。当然やり過ぎたら危険な行為だが、シャワーを浴びながらの姿勢でゆすることで背骨を効果的にゆるめられる。もちろん、よく映像で見かける危険な十代・切れる若者みたいに激しく振るのはダメ。頭を振ると言うよりも、身体・背骨を振る。腰を揺らすことができればそれでも良いと思うが、それを全身にうまく波及させたい。腰より上をほぐすことが効果的にできるやり方はあまりないので良いと思った。軸タンブリングなんか、背骨が上手くゆすれないけれども、この姿勢だと上手くゆれる。まあ、当然軸にはならないけれども、軸を作る前のほぐしとして良いのではないかと思う。

 四つん這いで、四足で地面に手をついた姿勢でゆらして上手くゆるむのならそれでいいと思う。まあ、個人的にはそれではあまりうまく揺れないので、こちらのほうが効果があると思う。直立から自然に腰を曲げて、膝に手をおいて頭・腰・足と横から見た時に三角形に見える形ですね。まあ、そんなに姿勢にこだわらずに、揺らして自分で一番いいポジションを探すのが良いでしょう。膝も腰も自然に任せてOK。

 頭から背中を軽く揺らすことでゆるめていく。逆に足からゆるめて波動を上半身にゆるめるのもいいかと。うまく背骨全体がうねるとポーンと気持ちよく抜けるところがある。地面にスターンと抜ける感じがポイントかな?まあこの場合、地面から天への垂直軸と体軸は切り離されて直角で交わる形になるので、背骨が頭から尻へ地面から見て垂直に抜けるということだけど。そういえば、武田鉄矢さんが尻尾があるようにという意識の話していたっけ。今度は尻尾を意識してやってみるかな。そんなことを思ってやってみましたけど、あんまり感じは変化しませんでしたね。


 ○壁たて伏せ、机などに倒れ込みながら落下感覚を鍛える。そんなことを多分前にも書いたと思いますけど、階段で登る時に、一段ごとに倒れ込みながら練習するというのもいいのかも。人目に触れると恥ずかしいので人がいないことを要確認で。


 ○肩甲骨、骨ほぐし*1と肩甲骨を突き出す腕立で可動域が広がった話。ふと、骨ほぐし・骨ストレッチをやったところ、背中・肩まわりがラクになって気になって本をチラ見してやっていました。手首と鎖骨と頭上でバタフライの腕の使い方で手首を掴んでほぐすやつくらいですけどね。

 で、はてなブログだったかな?肩こり対策云々で肩甲骨の可動域を広げようみたいなのを読んで、久々に肩甲骨を突き出す身体操作をやって、固まっていることを実感。肩甲骨を突き出して、背中あたりの肉が肩甲骨同士で挟めるようにする。椅子かなんかに手をついて、腕立て伏せをする姿勢で、腕力・上腕二頭筋や三頭筋・大胸筋に力を入れるのではなく、肩甲骨を動かす。肩甲骨が突き出るように背中側に力をかける、圧力をかける用にする。肩甲骨はローリング・回転することや左右・上下に動くことも大事なので、いろいろな方向に動かす。お風呂上がりに体が柔らかい時にやると効果的。

 いきなりやると痛めるので、徐々に可動域を広げること。決して無理せずに、ちょっとでも痛いと感じたら間を開けて次の日とかにまたやったほうが良いと思いますね、痛めたという話をよく聞くので。肩こり・背中の疲れ・痛みというのは肩甲骨のそば・周辺の筋肉から固まっていくので、そういう痛みを持っている人にはオススメですね。肩甲骨剥がしが最近ではアスリートの常識になっていると思いますが、必ずパートナーがいるので、一人でもできるやり方なのでいいかと。

 ラジオ体操などにある身体をねじる運動が、年取ってから若い頃より回らなくなった感があったが、これをやって肩甲骨・背中の可動域が広がった結果、スムーズに回るようになった。ちょっと腰をかがめると腰が辛くなるようになったが、背中とかすぐ疲れるようになってきたので、その対策・ケアに有効だと思いました。

 ゆる体操で肩をぐるぐる回すやつで肋骨が動くような感じがまるで無かったんですが、可動域が狭かった。固まってたからなんでしょうね。ちょっとやってみたらちょっと動く感はありましたね。まあ全然肋骨動かないんですけど。

 ○肋骨をアコーディオンのように使う―んで、肋骨を動かすという話になって、そのアプローチとしてアコーディオンのように動かすという話。脇の下に手を入れて、肋骨を抑えて(もちろん力を入れずに軽く触るだけ)アコーディオンのように肋骨を伸ばしたり縮める。左右それぞれやる。肋骨を動かすことで肩甲骨と肋骨の癒着が弱まるのか、添えた手によって支えが増えた結果かわからないが、肩甲骨が背中の中央により易くなる。可動域が広がる。添えた手の上に脇を乗っけるイメージでズルっとやると、より肋骨と肩甲骨が別れる・肩甲骨が浮く感覚があった。

 とまあ、そんな身体で感じたこと・気づきをメモ。

*1:ゆるめる力 骨ストレッチ/文藝春秋

読んだのこれだったのか、どうか忘れましたが。

北海道日本ハムファイターズ、新広島市と新球場建設交渉 総予算増でどんな球団に変わるのか?

首を痛めた影響であんまり長いのを書けないので短い野球ネタを。

 北海道の新広島市で新球場が作られるという話*1

 個人的にあーだこーだ語る必要もないことでしょう。こちらの文章(プロ野球・日ハムが新球場構想で描く未来図)を読んでいただければ十分かと思います。*2

 一応書いておきますが、プロ野球の球団経営に重要なのは球場収入が球団側にあるかどうか。最近だと広島が新球場を作ってグッズなど収益を上げて採算が取れるというか黒字を増やした話が一番新しいですね。言うまでもなくホークスは過去に870億円という大金を注ぎ込んで球場を買い取っています。それだけ出しても採算が取れると見込めるくらい球団が球場を所有するというのは意味合いとして大きいわけですね。

 オリックス・バファローズバファローズが赤字に耐えきれなかった原因の一つとして大阪ドームの使用料問題があったくらいですからね。結局は球団が潰れ、使用するところがなく困って合併したオリックスに10億円で引き取ってもらうという結果になっていましたが。オリックスの場合は、自前球場で経営面・資金面で問題がないのに低迷しているというかなりレアなケースになりますが、まあ本題とは関係ないので無視して結構な事例でしょう。

 ホークスが二軍球場を一から建てて選手育成&ファン獲得のために投資できるのも、球団単独で黒字であり、つぎ込める資金があるからですね。金があり、正しい使い方で投資をすればきっちりペイできるというのが現代野球興行の常識になっていると言っていいでしょう。

 ですから、最近だと横浜も浜スタの使用料が高すぎるということで交渉を行い、新潟や静岡へ球団を移すという話も持ち上がっているわけですね。親会社がDeNAに変わって集客路線が成功し、軌道に乗ってきた段階にありますからね。球団の集客・基本ビジネスモデルが安定してきた今、新球場建設で数十億かけても、10年~20年何年くらいになるかわかりませんが、確実に球団経営にプラスとなる・採算が取れることはわかるわけですね。

 ホークス・カープベイスターズという事例を見ても、ファイターズが新球場を建設しないはずがないといえるわけですね。初見の人にはなんで?になるかもしれませんが、このブログではホークスファイターズ、この二球団が現NPBのナンバーワンツー球団である(NPBで一番の球団はこの二つのうちのどちらか)と書き続けてきました。そのファイターズが球場建設、独自の理念を持ったボールパーク建設に乗り出さないとは考えづらいのですね。

 ファイターズは前々からビジョンを持った球団運営をしてきました。選手の生きた教材となるベテラン落合招聘から札幌移転による地域密着路線など、フロント主導で球団を強くするセオリーを抑えて着実にステップアップしていった経緯があります。次なるファイターズのステップアップとして既に成功事例がある球場建設に乗り出さないわけがないと考えていました。

 「ファイターズが優れたビジョンとフロントを有しているのは理解した。ならばなぜ最初っから、球場を建設しなかったんだい?親会社がいくらか出して、後は数十億借金して20年がかりでも返しておけば今よりもっとマシだったのでは?」と考える人もいるかと思います。特に青少年20代以下くらいだと。「確実に儲かるのがわかっているなら、計算が立っているのなら、最初に投資しとけばよかったじゃん。そうしたらもっとコストが減って儲かっていただろうに、なんでそうしなかったの?もったいない」と思うでしょう。

 しかし、まあゲームではないのでね。現実で数十億もかかるビッグプロジェクトにGoを出せる会社は早々ない。今でこそ野球興行が成功して間違いなくペイする・採算が取れるとわかりますけど、当時のパ・リーグイチローが出て変わってきていたとは言え、まだまだ客がいない時代だったんですね。リーグとして軌道に乗ってきたというものの、近鉄の撤退・球団の消滅があったように、リスクもまだまだあったわけですね。

 今でこそ日ハムは200万を超える集客を記録して、北海道に完全に根付いたといえますが、それまで北海道で新球団として受け入れられるか、北海道の人間が地元チームとして贔屓にしてくれるか?熱心なファンとなって見に来てくれるか不安定&不確定要素が多かったわけですからね。そこにリスクがあった以上、コストがかかっても札幌市主導の第3セクター球場を使わざるを得ないという判断をしてもおかしくはない。というか果断なトップと豊富な資金でもなければ、そういった思い切った決断・将来への投資はまずできないものでしょうからね。無難・無難で挑戦の中でもコストの小さい方、妥当な判断を積み重ねていった当然の選択でしょうね。

 かつて、日本ハムは地域密着を図る上で北海道の客を惹きつけるための戦略・戦術を取ってきました。阪神からメジャーへ行って全国的な知名度があった新庄に、巨人ファンが多い事情から積極的に巨人選手をトレードなどで獲得し、客を呼び込もうとしました。ヤクルト黄金時代の一人稲葉を獲得したのも人間性以外にもそういった事情があったんでしょうね。巨人ファンほどではなくても、コアなファン・野村ヤクルトの評価をするファンの興味を引き寄せたでしょうからね。

 まあ、そういう集客を意識してなんとかファンを球場に呼びこもうという段階が日本ハムにもあったわけですね。そしてここに至って、間違いなく北海道に根付いた・新規ファンを開拓して固定客を掴んだので、さらなる収入アップが見込める新球場建設・保有という次の段階に至ったということですね。

 そのような事情を考えると、ファイターズが新球場を保有してもまず大丈夫だろう。成功するだろうと言えるわけですが、そこに一抹の不安がないわけでもないのですね。

 ファイターズといえば西川・中島・陽・中田などなど魅力的な選手を連想しますが、やはり何と言ってもダルビッシュや大谷といったスーパースターが在籍したチームというイメージが強い。スーパースターであるダルビッシュや大谷が抜ければ当然客足は落ちる。今年は観客動員で200万オーバーしたわけですが、ダルが抜けル前までは200万まであと少しという所で足踏みして、ダルがいなくなって190万人を割って15年に元の状態190万のラインに戻るようになりました。ダルの穴を大谷で埋められたと見ていいでしょうね、人気の面でも、優勝争いの面でも。その大谷が抜けた穴でまた10万人ほど観客動員数が落ちるリスクが有る。中田も抜けて打線ががくっと落ちて優勝争いが難しくなれば、ダルビッシュロスよりも大変なことになるかもしれません。大谷ロスのリスク・危機があるわけですね。

 糸井といった5ツールの外野手が育ったことで育成の上手いチームという印象が強く、実際に次から次へ良い選手が育つとはいえ、糸井のようないい選手をそうそう何人も育てられたわけではない。

 陽にしても、中田・糸井にしても、そして言うまでもなくダルも大谷もドラ一の選手なわけですね。ドラ一の選手が確実に大物に育つわけでもなく、球団の育成も重要なポイントであり、きっちりいい環境を整えて選手を導いたことは素晴らしいのですが、ドラ一でいい選手をそうそう何度もひけるわけではない。

 その年の一番いい選手を取る、ドラフトでウチは絶対逃げないと言う通り、確実にいい選手を指名するでしょう。しかしそう何度も競合・くじで勝つわけではない。当たり前のことですけどね。

 来年オフには大谷・中田がいなくなると言われています。主力打者二人が抜けて、将来の日本の大砲として活躍間違い無しと期待される清宮を指名できれば良いのでしょうが、果たしてそのような素材を今回も見事にドラ一で獲得できるのか…?仮に取れたとしても、清宮が一年目から大活躍するとは考えにくいですし、中田のように目処が立つまで3年かかってもおかしくない。外野で3割、もしくは30本どちらでもいいので100打点あげられるようなそこそこ長打力がある選手が育たないと相当厳しい。そういう選手がドラ一以外で育つのか?それこそトレードして取ってきた大田が開花すれば見事なんですけどね。なかなかそううまいこといかないでしょうしね。

 まあ、そこら辺の不安や懸念は新球場関係なく、ファイターズフロント・現場&ファンも今後数年間、間違いなく低迷する打線・打撃面をどうするかという課題に直面して悩むところでしょう。スーパーエースとしてダル・大谷に続く第三のスーパースターピッチャーの育成に、中田・打者大谷に代わる第三の中心打者をどうやって育成するか?前者はそういうスターが高校生投手で出てきて、かつくじで当てるという不確実なものなので、若手投手を育成する・投手陣整備で乗り切るというのがまあ無難なところでしょう。クリーンナップを打てるバッターを今後3年~5年以内に育てられるか?出来なければFAやトレードで一時的な応急処置的なものとはいえ取ってこないといけなくなるでしょうね。クリーンナップ不在問題はかなり深刻だと思います。

 まあ、そこら辺は規定の事実なのでおいといて、ポイントは新球場で採算がとれるようになり、25億円という「予算の壁・天井」がなくなったファイターズの方針・路線はどうなるかということですね。

 糸井というスターでさえも、球団の方針に逆らうのならば放出するという一貫して変わらない姿勢を貫いてきたわけですが、それを続けるのかどうか?収入増で25億円の壁・天井という仕方がない背景がなくなるわけですが、選手への年俸として還元するのか?

 日ハムがイマイチ観客動員数に伸び悩んだのは、選手の流出が激しいことが背景にあったと思います。せっかく育ってファイターズの顔になった主力選手が、他球団に移ってしまう。地元だからFAで移るという理由、ドラフトで指名されたから仕方なく北海道に行ったけど、本当は地元の広島に…or福岡にor大阪にというのならばともかく、お金が払えないからという理由で選手が去ってしまうのはファンとしてはいたたまれないもの。足を運んで特に熱心に応援してきた贔屓の選手がいなくなってしまうと、ガクッと来るでしょう。

 優れた選手をFAで取ってこれなくとも流出だけは食い止めてほしいというのが大抵のファンが抱く人情かと思います。予算制限がなくなればそういうこともなくなるのか?「辛いです…北海道が好きなので…」という事例がなくなり、より長期的に選手の活躍を見守ることが出来て、ファンが球場に足を運んでくれるようになるのか?

 収入・予算が増えれば当然そうなる。そうやっていい選手の流出が止まって、より今まで以上に素晴らしい強い球団になる。これまでは定期的な選手の流出があった分、数年に一度低迷するという現象が避けられなかった。そういう「捨てシーズン」の年もなくなり、いい事だらけだ!となればいいのですが、そう言いきれない事情・背景があります。

 ファイターズの選手流出の激しさは有名で、信頼と安心の日本ハムブランドなどと言われるくらいです。しかし、補強と育成は両立しないというセオリーがあるように*3、メジャーへ行く以外選手の流出が止まれば、新人選手に与えられるポジション・実戦機会が減ることにもつながります。貴重な実戦経験の場がベテランが残留することで減ってしまって、新人の育成が難しくなる。これまでの日本ハムのような若手選手の成長による空いたポジションの穴埋め・活発な新陳代謝が起こらなくなってしまうリスクが有るわけですね。

 ーとなると、今回の陽のケースのようにそれこそ「卒業」とでも言って無理やりFAに追い込んでいくという形も考えられますが、毎回そうするわけにもいかない。①若手の模範となる人格か、②これまで負った怪我の度合いはどのくらいか=今後も間違いなく活躍が期待できるか、③その選手のポジションが埋めにくいポジションか、④また現在の若手の中でそのポジションを埋められそうな若手がどのくらい育っているか

 ―まあそのような要素を検討してその都度判断することになりそうですが、若手が育ってうまく穴埋めしてくれるという保証があるわけでもない。今までは育ったらFAしてもらうしかないという状態でほとんど選択の余地がない状態でした。なので迷う必要性がなかったわけですが、今後はその都度計算して判断しなくてはならない。穴埋めに失敗して、引き止めるべきだった!というケースも多々出てくるでしょう。その時にフロントは一貫した方針を保っていられるのか、一つのポイントになると思います。

 まあ、埋めにくい二遊間はなるべく流出させずに確保して、穴埋めしやすい外野はよっぽどのことでもない限りは引き止めないという方針なので、それをそのまま引き継ぐ気もしますね。武田勝を引き止めたように、投手事情を勘案して貴重なリリーフ・抑えを中心に、若手の育成と合わせて考えて先発も若くて頑丈な選手を引き止めるくらいになるのでしょうか。

 そういう事情を色々考えると、吉井コーチの復帰はフロントの思惑が見えますよね。低迷する打撃陣&大谷の受けた先発の穴を埋める投手陣整備、大谷がいなくてもしばらく投手の力で守り勝てるようにしてほしいという思いがあるのでしょう。栗山さんは大谷が渡米するまでだと予想していますが、栗山監督後新監督に引き継ぐ一番重要なポイントは投手陣になるでしょうから。やはりタイミング的に吉井コーチを呼び戻さざるをえなかったというのがフロントにはあったのではないでしょうか?「吉井えもん~なんとかしてよ~」というところでしょう。

 ダル資金(はもうないんだったか?)に、大谷のポスティングで20億。そして大谷の代理人事業やスポンサーなどの窓口となって大谷ビジネスを球団が手がける・一枚噛むことで今後も定期的な収入を得る形になりそうで、その資金を新球場費用に使うようですね。そして新球場完成後にはダルや大谷の所属するチームの開幕戦とか、カードを組んで凱旋登板というものまで見据えていそうですね。そこら辺も非常に注目度大ですね。

 ホークスはメジャーを超える世界一の球団を作るという理念・野望を持っていますが、メジャーとの交流・選手を送り出すことには消極的で、一歩も二歩も遅れそうな感じがしますが、今のままでは何をどうやってもファイターズのメジャー戦略ヴィジョンには及ばない気がします。この状況で次の一手はどうするのでしょうか?なにかあるのでしょうか?

 今思えばという結果論ですけど、松坂獲得も他にメジャー戦略がないからこそのやむを得ない選択という気がしますからね。よその球団のダル・大谷の凱旋登板というイベントが大成功でもしないと方針を見直すことはない感じのようですね。ホークスは井口選手くらいでメジャーでそこそこやった選手がいないのが気がかりなんですよね。ホークスからはパッとしていないイメージが強いですからね。

 話を戻して、ファイターズはそれゆえに多くの弱点を抱えていたわけですね。ベテラン野手を確保できないから&育成の場にするから、左右の代打の切り札が揃うことがない、代打の層が薄い。弱いチームを手っ取り早く強くするには投手陣を良くすることですから、若い投手を多く指名して、芽が出ないと見るやスパッとものすごい早い期間で見切ってクビにするという傾向もありますね。よその球団でも投手を多く指名して、毎年多くの投手がクビを切られるという傾向はありますが、日本ハムはその傾向が際立っていると思います。これは一長一短ある方針ですが、実力競争を促す反面、そのリスクの高さに有望かどうか未知数という選手は敬遠しがちになる。有望な選手でも場合によっては事前の接触であまりいい反応を示さないこともあるでしょうね。より長く見てくれる球団に行きたいということになりたがる。まあ、ココらへんはスカウトの手腕・球団と高校・大学・社会人などのコネ・パイプ云々の領域になるでしょうけどね。

 後何故かファイターズは捕手を軽視するんですよね。捕手育成に力を入れている話も聞かないですし、有望な捕手を1・2順目で指名することが殆ど無い。大野と清水くらいだったと記憶しています。まあそこら辺は最近のロッテ以外どこも同じでそこまで際立った話ではありませんが、いいチームは捕手を育てる・捕手が育つチームであるという個人的な意見からすると意外なところですね。そこら辺にもメスが入ると面白いんですけどね。まあ細川がクビになって声をかけないくらいなのでしばらくは変わる気配はないでしょうかね…。

 捕手を重視しないですが、投手は何より重視することは間違いないですから、やはり投手第一の方針を選ぶのでしょうか。投手の流出が少なくなって、かつFAなどの獲得が増えるかもしれませんね。資金が増えた分、FA獲得の余地も出る。その時にどういった選手を獲得するのか。前述通りクリーンナップ不在問題という課題があって、セオリー通り選手育成が難しそうだから、スムーズな穴埋めが出来ないために一時的に大砲をFAで獲得する。普通の球団なら当たり前の判断で驚くべきことでもないですが、大物打者はそうそうFAしないし、巨人・阪神オリックス・SBという資金力ある球団との競争に勝てるかどうかわからない。あるとしたらThe4番という選手ではなく、地味ながらもバッターをしぶとく返してくれるという選手を獲得するという感じになりそうですね。それこそ稲葉や新庄のような選手補強になるでしょうか。その二人は守備が良い・黄金時代を知っているなどのウリ・プラスアルファがありましたが、それがなくても取る必要性がある気がしますね*4

 ファン増大のために北海道出身選手を集めるという地域密着のセオリーがありますが、そうすると育成のために選手枠を開けておく、少数精鋭方針に歪みが出ることにもなりますが、どうするでしょうか?今後客足が落ちることが想定されるので、一時的にでも北海道出身選手を優遇するというのは期間を区切る、制限を設けるのならばやって良いのではないかという気がしますが。

 打撃面での問題、穴埋めが最優先されるとしても、まず投手陣第一姿勢を崩さないという決断も十分ありえますね。投手陣が崩れさえしなければ、まず大負け・低迷はしませんからね。投手陣の管理をしっかりすることで、中継ぎ陣の崩壊を避ける。吉井コーチがいるのでそれが出来ると計算していいでしょう。リリーフが崩壊することはない。複数年に渡ってリリーフ陣が安定することが保証される。資金の目処が立つならば来年補強できるからという計算で、投げ勝つ野球路線を選ぶ。今よりも投手のペースで無茶をして勝つという極端な守り勝つ野球を選ぶ可能性もあることはありますね。*5

 まあ予算が増える・使える金が増えると言っても、予算が青天井なわけではない。他所からいい選手をいつでも、いくらでも取ってこれるということになるのは考えにくいでしょうからこれはあまり可能性としては低い気がしますね。ないことはないでしょうけど。

 選手に払う年俸・条件や待遇もさることながら、NPBの場合FAはコネが左右する事が多い。日ハムのこれまでの「実力主義」の方針を考えると、コネやパイプ・ルートが存在している・うまく機能させられるとは考えづらい。FAなどをうまく活用するにしても、コネを使いこなせるようになるまでまた段階を踏まないといけないでしょうね。まあ、これまでの既存方針・路線から大きく逸脱しないと見るほうが自然でしょうか。

 いずれにせよ来年オフからしばらくの間、短期的に間違いなく、ファイターズは投手か打者どちらかを補強しなければ戦えない状況にあるわけで、資金面という制限がなくなってFAにも参戦できるようになったファイターズが、どのようにFAをうまく使うかというポイントが出てくるわけですね。どういう選手を取るのか、面白いところですよね。FAで選手を取るという方針で、これまでの方針が崩れる可能性も当然ある。予算制限がなくなって、選手も球団の事情をこれまでは理解して我慢していたけど、じゃあ言わせてくれよということにもなる。大谷の年俸が低すぎでは?と話題になったくらいですからね。そこら辺でもどうなるか興味は尽きないですね。

 ホークスが二軍球場を建設したように、二軍に力を入れるというプランももちろん考えられるところですね。鎌ヶ谷という場所から移転して球場を作るというのも面白い気がします。東京に本拠があった時代があるので、もうこれ以上開拓余地はないとして、そこはおいといて新規ファンの開拓のために関西に二軍を置くのも面白いかもしれません。個人的にウェスタンに移ってもらってホークス二軍と競争してもらいところですが、まあ変わらないでしょうね。

 他所のチームの実績ある選手を取るものよりも、福利厚生を充実させ、早くリタイアしたら球団職員のような職を紹介して、将来の保証をする。若手の首にする・見切る年齢を一つでも二つでも上げるようにする。こうすることで事前に指名についてノーを言われないようにする。目に見えない大事な要素に力を入れることこそ常勝軍団の基本。育成路線はそのままで、より選手のために力・資金を注ぐ球団になって欲しいところですね。より多くの良い選手がファイターズで活躍してこそファンも足を運ぶ常勝球団になると考えています。

 また、チラッと触れましたけど大谷のような選手を送り出すメジャー路線ですよね。どんどん選手をあっちに送り込むことで、パドレスのような球団と提携してやっていく。いい投手を育ててそのビジネスで収入を確保するとか、パイプを作って埋もれているマイナーリーガーを安く使うとか考えられますよね。前から海外枠をうまく使うことで定評のある球団なので、そこまで方針が変わらないですけど。海外枠をうまく使って、メジャービジネスを開拓していくというプランならば、一番いいのは海外枠の制限撤廃一人でも二人でも枠を増やすというのが一番今の課題を乗り切る手っ取り早い手段なので、それができれば一番いいんでしょうけどね。楽天の三木谷さんなんか賛成しているようですけど、孫さんはどうだったかな?まあセ・リーグ系がうんとは言わないでしょうから、難しいと思いますけどね。

そしてまた短いつもりが結構長くなったといういつものオチ。

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2016 OFFICIAL DVD HOKKAIDO NIPPON-HAM FIGHTERS『FIGHTERS STRIKE BACK 挑戦者から王者へ~2016年宇宙一への軌跡』

*1:北広島市と日ハム 新球場構想で2月1日から本格協議 | どうしんウェブ/電子版  リンクは途中までしか読めませんが、他に良いリンクもなかったので

*2:本題とは関係ありませんが、同じリンク内で次のような文章→勝負には負けたが「広島圧勝」と言える理由 | 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場がありまして、まるで見当ハズレな指摘だと思ったら、エコノミストで競馬メインの人でしたね。この文章は11月のもので新広島市の新球場について本格協議が決まったのが12月。一ヶ月後に事態が急展開したことだからセーフと言いたくなりますが、前々からファイターズは新球場を作ろうか、それとも札幌市が条件を改善してとどまってもらうかという話はずっとあったので、アウトだと思いますね。そういう流れがあることを知らずに、そういう話に首を突っ込んでしまうのはいかがなものかと思いますね。まあ専門外なんで軽く小ネタとして触れたという感覚なんでしょうけども。これ以上突っ込んでもNPB警察だ!になってしまうのでやめときますか。まあ、あまりにも広島>日ハムという意見が素っ頓狂すぎて「!?」になったのでね。

*3:個人的には定説というよりも、両立しづらい・難しいくらいのレベルで考えていますが

*4:まあクリーンナップ不在問題と新球場による予算増を並べて書いてるわけですが、現実的には当然収入増で予算増にはタイムラグがある。何処かから将来的な収入増は確実だからと資金を借りるとか、親会社がよっしゃ今が大事なときだから一時的に大砲のために金だすで!とでもならないと無理な話なんですけどね。ここで並列的に書いていますけど、じゃあ短期的な問題のために予算をすぐ捻出できるかというとこれまでの日ハムの方針から言うと、うーん厳しそうですよね…。となると、せっかくの新球場で短期的な低迷を許容するのか?新監督就任の話題作りで乗り切るとかなんでしょうかねぇ?中畑監督のような集客効果を見込んだ監督にするとかもあるのかも…?

*5:守り勝つ野球といえば落合野球ですが、全権を望む&実績故に高年俸の落合さんは厳しいでしょうね

【雑誌】 月刊秘伝 2014年12月号

月刊 秘伝 2014年 12月号 [雑誌]/BABジャパン


この号は柔軟特集ですね。
 序文、ストレッチが流行ったのはつい最近、40年位しか歴史がない。1975年にボブ・アンダーソンが『ストレッチング』を出したことから広まった。*1歴史が浅いこともあって批判あり、新しい方法の提唱がありという流れになっていると。動きの柔らかさと身体の軟らかさ、この2つが合わさって「柔軟性」。相補うものを見つけていくべしと。また、バレエやっている人が民俗芸能をやった所、まるで膝が使えなかったという実例から、西洋ダンス・バレエと日本舞踊では同じ舞踊でも求められる柔らかさというものは当然違うという指摘。
 なんのための柔らかさなのかという、自分の目的にあった柔らかさを追求するというテーマもあるという話。


 「カラリパヤット」インドに伝わる武術の話ですね。ネルカルという足上げを基本としてスタートする。体作り→武器術というステップ。戦争に使える人間育成がメインだった時代の影響を受け継いでいるという感じでしょうか。対人稽古・スパーリングでは延々と技を出し合うというやり方で、一本とる・勝敗という観念がないとか。それで相手の動きを読む能力を養うと。ウルミという金属製の鞭が出てきますけど、ベルセルクでこんな武器あったな、そういや。元ネタこれかな?

 「テコンドー」、ストレッチのコツの話。前後開脚の際に前足を開こうとするのではなく、後ろ足を爪先を横に向けて後方に引くと開くようになる。しっかり骨盤を立てて行うこと。そうでないと効果が出ない、柔軟性の獲得に繋がらない。
 股抜き➖(左右)開脚してから、大腿骨はそのままで骨盤を回転させる意識で上体を倒す。上体がベタッとついた上体から、息を吐きつつ下腹を膨らませて骨盤を更に回すと、少し身体が浮いて手で軽く支えるだけで脚が自然と後方へ抜けると。開脚から脚を後ろへ抜いて、うつぶせで寝たような状態になって、そこから自然と立ち上がれるとカッコいいですね。
 ストレッチのコツは2回やること。一回やって間を置いて二回目にやると少し可動域が広がる。三回目は無理をして傷めることになるのでやらないとのこと。

 「カポエィラ」粘り強さ、瞬発力を養う伸縮性を目的としたストレッチとか。尻を締めることで蹴りが加速するとか。逆立ちで普段取らない姿勢によって健康促進効果があると考えると、いずれ流行る日が来るのかも?あんまり老人が集団で逆立ちしまくる絵は想像しにくいですけどね。身体がもともと柔らかい人は柔らかすぎてカポエィラの技が出来ないことがあるとか。


岡田慎一郎 「日常生活と柔軟性」
 ストレッチを暇さえあればやって人一倍身体を柔らかくすることに励んだ。静的な準備運動では足上げなど人以上にできたのだが、動的な実戦となるとまるで使うことが出来なかった。それで以後やらなくなったのだが、人に動きが柔らかい・滑らかと言われるようになった。立位体前屈では10センチ以上床から離れているし、開脚も出来ない状態。関節の可動域は狭くなっているのに今のほうが動きが柔らかくなっている。

 立位体前屈をもう一度やってみる。下半身ではなく上半身からアプローチする。一度前に腕を出して下におろして一回転して耳に腕をつけてそのまま立位体前屈を行う。すると、肩甲骨がスライドした分腕を長く使えて、手が床につくようになる(写真がないとわかりにくいので補足。例えると水泳のバタフライのような感じですかね。)。小指を上に向けるとより使える(コークスクリューパンチみたいに小指が上に来るように、あるいは野球でシュートを投げる感じですね➖って喩えていたら、バタフライとかピッチングやパンチ、バレーのブロック・スパイクに活かせるってちゃんとすぐ次のところで書いてありましたね(^ ^;) )。

 寝て行うストレッチもある。うつぶせで寝ることで背中・腰をリラックスさせる。ただ首・頭に負荷がかかるので顔を向ける方の腕を顔の横に持って来て、脚も同じく蛙のように上げておく。反対側の手と足は下方に伸ばす。腕が卍になると。

 また赤ちゃんからヒントを得た正座のまま倒れて寝るポーズ。脊柱・仙骨を伸ばしてくれる。内臓に負担がかからない。股関節・足首にもストレッチ効果がある。首に負担がかかるのでアゴを下に向けないこと。上に向けるのがポイントだとか。

 長座から筋力を使わずに股関節をうまく使って柔らかく立つ。煙が登るように立つとか。柔らかな動きを身につける良い練習法のようですね。


稲吉優流 「しなやかな身体“柔芯体"」
 ストレッチ批判に対して、ストレッチはウォームアップで行うものではない。関節・筋肉の可動性を広げるトレーニングであると。それをウォームアップとして行う、あるいはウォームアップせずに行えば弊害があるに決まっている。要するにストレッチ批判というのはストレッチの問題と言うよりやり方の問題。骨盤を車輪のように回しながら前屈を行う。
 柔軟性というのは人それぞれ、特定の教えを絶対視しないこと。固まった身体とは固まった心につながる。人の意見を受け入れない人間=嫌な社会を作ってしまう。究極の目的は人を笑顔にすること。いくら笑って見せても目が笑っていない人はすぐにわかる。自信という芯があるからこそ微笑みという柔らかさが生まれる。


日本韓氏意拳学会東京分館韓氏意拳 講習会レポート「“真に動ける"身体の獲得」
 韓氏意拳を扱っているものってそういえば見たことないですね。秘伝だと初登場なのかな?まあ他の雑誌チェックしているわけではないのでわかりませんが。最近初めて光岡先生秘伝出てましたね。あんまり取材とか好きそうじゃないタイプに見えますが、DVDとかださないのかなぁ〜。 


春風館 赤羽根龍夫・赤羽根大介 あらゆる武術に通底する“誘い"という必勝法則 柳生新陰流“当てさせずして、当てる"勝利の方程式
 家康の人生哲学と柳生新陰流の兵法の発想は通じているという話。「待ち」と「誘い」という刀法を家康が実際に行っていたのは言うまでもない。「誘い」とはフェイントではなく、「相手を動かすこと」。新陰流の「誘い」には前提として命懸けの「懸(かか)り」がある。

 先に動いて相手の反応を誘発してそこにカウンターを入れる。大拍子・小拍子、おおきく振りかぶって大技と見せて小技。相手の踏み込む直前、斜に構えて間合いが大きくなったと錯覚させる。しかし実際には間合いは変わっていないのでコンパクトに打ち込む小拍子で打つ。わざと空振りしてからの二の太刀。(剣術わからないので多分正確に理解できていないと思う)

 隙を見せるだけでは相手はその誘いに乗ってくれない。攻撃するという意志があって「懸り」は成立する。最後に膝をエマすことによる素早い抜き打ちの話がありますね。剣術には興味がないのですが、相手を誘導することによって百発百中を可能にするというのは、非常に惹かれましたね。いかに相手を誘うか、誘導して気づかれないうちに自分から勝手に当たりに来てくれるというふうに持ち込むかという術理を研究するにはやはり剣術のほうが良いのかも。


湯川進太郎 ココロを通せば見えてくる意外なトコロ心理学から解く武道と日常構造
 「心配」と「反すう」の話。未来のマイナスのことを考えてストレスとなる「心配」。過去に起きた失敗などのマイナスのことを考えることでストレスとなる「反すう」がある。ストレスが披露・倦怠ひどいときは心身症となる。武術の稽古は心に効く。今に集中する、身体の感覚・呼吸に集中することでアレコレ考える癖、マイナスになることを防ぐことが出来る。


藤本靖 “ホームポジション"シリーズ第3弾意識のホームポジション
 身体編・動き編と続いて今度は意識編。その意識編の前フリみたいな感じですね。神経系には自律神経と体性神経の2つあって、自律神経失調症の話。交感神経と迷走神経がある。迷走神経には腹側と背中側の二種類ある。緊張を溶かそうとすると、これまで隠れていた緊張が爆発する危険性があるため一気に溶かそうとしてはいけない。
 体性神経(運動神経と感覚神経)のバランスをとること。また自律神経と体性神経の相互作用というテーマがある。2つがどういうふうに関係しあっているか、現代でも未だによくわかっていない。
 そして共鳴というテーマがある。施術がうまくいくかいかないかは共鳴次第。物理世界に「リズムの同期」という現象がある。同じ方向に同期するものを同位相に同期する。逆方向なら逆位相。ロウソクの火を一定の距離に近づけると同位相に同期して、遠ざけると逆位相になるという現象がある。これをヒントに「共鳴」について考察すると。
 また時間についてのテーマがある。時間・今に集中することを重視しながら感じている今は常にゼロコンマ何秒分かズレがある。それをどう考えるか。面白そうな話ですな。


ゆる体操には“裏"の存在があった!高岡英夫の漢語由流体操「肩肋後回法1」
 4つ目は肩肋後回法、ゆる体操で言うところの肩ユッタリ回し体操。人は疲れたら肩を回してコリをほぐそうとする。その時肩を前から後ろに回す。逆に前から後ろに回してほぐそうとする人はいない。それは何故か?
 運動進化論的に考えると、犬・猫のような四足動物から人間の運動は進化しており、四足動物のそれを引き継いでいる。チーターの「ずれ回転運動」のように、肩甲骨は後ろに回転する。そしてそれに遅れて肋骨が回転することで、ものすごい推進力・速さを生み出す構造になっている。
 「ずれ回転運動」は車などのタイヤによる車輪を中心とした回転運動とは異なることに注意。機械のように固定して回転運動させたら、一回転・二回転で骨・身体がバラバラに砕け散ってしまう。
 回転運動といっても実際に回転しているわけではなく、少しづつ順番に動いてずれ動いていった軌跡が回転しているように見える。肩甲骨が360度回るのではなく、想定される中心から軌跡が回転しているように見える運動となる。
 直立二足歩行をすることでこのような運動は失われた。もし四足歩行をしていたら人類もこの運動を行っていただろうと。
 野生動物もコリ解消のための自助運動を行っている。犬猫の「伸び」がそれ、前重心系の伸びと後ろ重心系の伸びがある(ヨガやストレッチでよく知られているポーズですね)。
 肩を後ろに回すのと前重心系の伸びに近似した運動構造がある。肩を回す時、一番高く上げた所。そこで少し止める・動きを抑制すると効果的。後ろ重心では、上半身を90度前に倒して手をついて背中を伸ばそうとすると肩甲骨と肋骨の間を広げながら、背中を少し反らそうとしたがる。これは後ろ重心系の伸びと同じ構造だということがわかる。そして必ずと言っていいほど「ア、ア〜」とうめき声に似た呼吸法を行う(肩を回すときは「ウ、ウ〜ン」)。
 後ろ重心は伸びとして同じ運動が残っているが、前重心は肩を回すということでしか運動として残っていない。しかもそれは後ろ重心の伸びと比較して効果が弱い。今号ではここまで、次回に続く。


福井雅一 関西発・注目の空手家が挑む!「突き・崩し・投げ」 古伝空手の現代翻訳本誌初登場!
 古伝空手の現代翻訳家というキャッチフレーズいいですねぇ。正座から立ち上がるときの話、中足(親指の付け根)を膝より前に出すと身体がつんのめる。手前に置くとまっすぐ立てる。
 背中を壁につけて息吹をする。十のうち七を吐いて、最後の三をコッと急激に吐いて鼻から吸うと、壁と背中の間の隙間がなくなる。その状態から突きをすると威力が変わり、拳を押さえ込んでもらっても楽に突ける。息吹で骨盤の角度が調整された結果、威力が変わる。最適な角度はやや前傾とのこと。
 交差法で躱して打つのだから正中ではなく肩口を突く。三角になった分側面から崩されることもなく、重さも乗る。
 内受けから肘に手刀を当てて投げる・崩す瑞泉拳(古流・武道空手の基本ですね)。相手の肘の内側をまっすぐ真ん中に捉えられれば、重心移動だけで崩せる。後ろ足をまっすぐ伸ばしておくこと。重心移動を学ぶことで打撃の威力が上がるという考え。
 五寸釘を刺すように角度を調整して、肩を支点に腰を捻らず、腕の重みだけで打ち込む。日野さんの言うことと通じるものがあるなぁ。体験した人はやはりシステマのストライクに似ていると感じたようですね。
 消える動き、等速度で最短距離を動くことで傍目にはゆっくり躱したとしか見えなくても正対した相手には消えるように見える。
 打つ瞬間、視界の端に手を出すことで相手の間合いをコントロールする。人は視覚で間合いを作っているから、打つ瞬間少し手を出すだけで、脳が混乱して手に意識がなくなり、威力もなくなる。
 相手の目を見るのではなく、自分の目を見せる。そうすれば呼吸がシンクロする。呼吸の隙間に拳をおいてやれば相手は避けることが出来ない。
 名前は出せないが色んな高名な空手家から学んでそれを伝えることをやっている。みんな一度はチャンピオンになったことのある人が来る。さらなる技を求めて飢えた人ばかり、教えられる人がいない現状があると。

 本文以外の写真での説明ページが面白すぎるので、別にしてメモ。基礎鍛錬としてスクワット・腕立・腹筋・背筋を十回三セット行う。ドローイングしながら、一回往復で十カウントゆっくりやる。常に腹横筋を意識することと。
 腹圧をしっかりかけることで突かれても空気がパンパンに入ったゴムタイヤのごとく跳ね返すことが出来る。
 大山倍達の動画では肩口を突き、拳を身体に巻きつけるよう腰に戻している。首里手の口伝は三戦は身体に拳を巻きつけるよう「骨のない所」にそわせる。肋骨下部、骨盤の間の僅かな箇所に収まる。泊手では腰骨の上に置くと肩甲骨が自然に使えるという。拳は腹と面一にして腰は捻らない。三戦で上下に腹を締めて、真ん中にまとめることによって、ナイファンチの横移動も決まり、セイサンに移行しても威力がボケない。
 取られた腕を人差し指を先導に胸を閉じるよう肩甲骨から腕を差し込む。胸、胸部の開閉とあります。これ肘を主体に腕立て伏せみたいな形でやってましたが、力士や吉川投手みたいな形でやってますね。こちらのほうが効果あるのかな?小指・肘に縁があるのかな、この号は。
 親指の上に他の四本の指を乗せる(足尖蹴りの形)ことで腸腰筋・ガマクの効いた蹴りになる。予備動作が少なく、歩きながら自在に出来ると。四肢をそれぞれ押さえ込まれても胸の開閉で、腕の抑えを外し、足尖蹴りで脚の抑えを簡単に跳ね返せると。
 ナイファンチの分解。腕・脚を引っ掛けて崩したくなるが、中心を捉えたら一歩踏み出すだけで相手は倒れる。
 軸をタテに回す投げ、重心を回す投げ。ふむ、説明だけではよくわからない。着衣を想定していない脇を指しただけで投げるというのは相撲取りが喜びそうですな。支持基底面を外す、頭部が中心にない場合人間の重心コントロールは非常に脆くなる。それを利用した投げということなのだろうか?無茶苦茶面白いですね、大阪の人かぁ。習いに行くのは無理ですなぁ。

宮司古神道や武術に通じる“霊術"の世界を明かす!霊術講座 「霊術の技と植芝盛平翁が行った技との繋がり」
 二指大力法、しゃがんだ状態から背後に棒を置く。それを上から押さえつけてもらい、二本の指だけで押し返す。杖突き返しという技があるように、捻ることで突いてきた相手をうまく投げ返すことが出来る原理があるので、捻ることがポイントになると思っていたが、今一度試した所、前回の軽身法のように身体全体の力を急激にかけるのがコツだとわかった。
 また何度もやるうちに自然とかけられる方も対策をしようと意識的・無意識的問わず手だけでなく体全体の力で抑えるようになってかかりにくくなったと。戦前の霊術家など術者はこういうことを防ぐためにうまく誘導していたと思われると。
 座った状態での両手持ちを返すという合気道でよくある技があるが、これもただ抑えるだけでは簡単に返される。先程の例のように全体重をかける、また受の丹田に向かって押し込むようにすると簡単には技がかけられなくなる。大東流では一度見せた技は二度と使わない。相手はそれに対応してくるものという教えがあるように次はかけ辛い状態にして、それでもかかる状態を探すというふうにしないといけない。
 片手大力法、大男二人に横にした棒の端を持ってもらい、真正面から押してもらうのを真ん中を片手で持って跳ね返す。ベクトルずらし、相手がまっすぐ押してくるものを斜め上に持っていくだけで均衡がずれて相手は崩れる(おそらく二人の左右バランスも崩れて味方内でも自滅するのだろう)。浮いた分うまく力が入れられない。もっと大人数でもできる、その時左右の人の力が均等になるのがコツだと。
 また植芝翁がやっていた棒の端を持ったのを三人が押し込むのに微動だにしないというのも特に不思議な話ではない。筋力で押される力に対抗したのではなく、持ってる棒の先端・下方に力をくわえることで相手の押す力を無効化している。掴んで押しているから、引っ張るような力も加えないと立ってられなくなる。その引っ張る力が弟子が加減している(=やらせ)と取られることもあると。ちなみにNHKの番組でも棒を押し込む力で対抗しているとちゃんと技の解説があったとのこと。

新極真会 三瓶啓二身体ゼロ化ー三瓶式身体理論の実践
 足踏み・腕振り、腸骨を意識するなど、空手と健康の話が中心でした。空手が良いですよ!というPRなんでしょうけど、ゆとり教育云々のところが個人的に合わないだろうなぁと違和感を覚えました。

日野晃武道者徒歩記
 ゴロフキンはしっかり肘を使えているという話。腕の力みが他の選手の半分以下。その分体重が素直に拳に乗る。だから軽く見えて重い。人は見た目に無意識的に反応するから軽く見えるパンチに防御態勢が取られない。よってその分更に効く(想像だが、システマのストライクとかなりにている気がするが、実際の所どうなのだろうか?)。
 真っ直ぐ(垂直)の姿勢で歩くだけ。相手の攻撃を読まないからこそ鉄壁の防御。伊藤一刀斎が身体の働きを使うと書いてある。情緒ではなく働き。これが奥儀だと気づくのに30年かかった。ゴロフキンが自覚的に肘を使っているとすれば、他の選手は肘も動いているというレベル。
 フットワークを使わない、ベタ足。ということは足に力みがなく、体重が浮くことはない。その分がそのままそっくり体重=パンチ力として転化される。踵を挙げないから、パンチがヒットした時跳ね返りがなく相手に伝わる。全てが理にかなっている。
 とにかく攻めることで、上下左右ブレなく相手に迫っていくからプレッシャーとなる。プレッシャーをかわそうとするために相手の攻撃は正確ではなくなる。それがゴロフキンの防御をより確かなものにする。だからまともにもらわない。ゴロフキンがきれいな顔をしているのはそのため。相手よりも先にパンチを出すから正面に入っても簡単にもらうことはない。無意味に相手の前に立ってない。
 日野さんのこういう解説って初めてみた気がしますね。もっと優れている!と思うアスリートの解説してほしいですね。ゴロフキンの肘に注目して映像をチェックしたくなりましたね。

川江礼子 ガンと闘う「心は自由を失わない。私は私らしく生きるだけ」
 全身ガンになりながら修行を続ける女傑の話ですね。鍛えることが好きという人はまさしくこういうタイプで、こういう人生を送るんでしょうなぁ。

天野敏武の根源力! 禅が拓く新しい世界
 関係ないですが、落語界で分裂闘争があった話が気になりました。相撲や空手やプロレスやら、何でもかんでも一時期大組織の形成&分裂という流れが社会史としてあったんじゃないかなと変なことが気になりました。大組織から離れた師、小さい組織の師に付く当時の落語家と自分を重ね合わせた話。自分流を如何に作るか、落語家的に言うと「江戸の風」を感じさせるという極意があるようですね。

江口英顕「二人太極拳
 楊名時氏のお弟子さんですか、ページが少ないのがもったいないですね。色々面白そうな話をしてくれそうなのに。2ページだけだとさわりで終わっちゃうでしょう。もったいない。


中島章夫「強くなるための技アリの動作術」
 踵・小指・薬指=足の3Kルート。踵から拇指球に重心移動して技をかけるのと、この3Kルートの重心移動だと後者のほうが技がより効くという話。

*1:
ボブ・アンダーソンのストレッチング(初版)

アマゾンでおいてあるみたいですね。古典的名著で未だに読まれている感じでしょうか?

【2016/12 内山VSコラレス】 内山高志は何故敗れたのか


 さて、サボってたブログを再開しますか。あーこれ書くのに3日もかかってしまった。長い長い。毎週日曜更新予定が元日に書いてないから、あとでもう一本書いて日時ずらして埋めましょうか。スポーツ関係ではやはり、内山高志の大晦日の試合について触れない訳にはいかないでしょう。ボクシング関係を熱心に見ていたときには、彼を中心にボクシングを観ていた時期がありましたし、一つの時代の終焉を意味する出来事ですからね、内山の敗戦というのは。個人的にも彼のファンであり、彼の試合の話を多分一番多く書いたと思うので。

検索してみると


 こんなところですかね。三浦戦以前の映像も見たんですが、それについては特に記事にして書いたわけでもなかったようですね。

  一番最初に書いたのはこれで、2011年の対三浦戦。6年近くも前になるんですねぇ。感慨深いですね。まあそんなことは置いといて内山高志は何故敗れたのかという話を云々したいと思います。

 

【目次】

 

ショックだった内山の敗戦

 彼がコラレスに敗れた16年の4月の試合、最初の試合ですね。それについて特にコメントはしませんでした。試合自体も負けたと人づてに聞いて、結果を知っていたので観ませんでした。それくらいショックでしたね、彼の敗戦は。

 内山というスーパーチャンピオン、日本人で山中慎介と並んでPFP(数多いボクサーの中で一体誰が一番強いのか?と語られるランキングですね、トップ10が発表されるんですけど、それに日本人がランキング入りすること、ランク内に入ることは異例中の異例です。ちなみに今だと井上も入るようになっていますね)内にカウントされる絶対的な存在である彼が敗れるということはショック以外の何物でもなく、身内の死くらいの衝撃がありました。

 戦艦大和(おもちゃ)が沈んで「敗戦とはこういうことなのか…」とそのショックの度合をこち亀両さんが説明するようなネタみたいな話がありましたが、当時の日本人としては戦艦大和が沈むということは、国が沈む・破壊されるくらいの衝撃を受けたでしょうし、天地を揺るがす出来事だったでしょう。そういう衝撃が個人的にありました。

 また、金閣寺で例えましょうかね。三島由紀夫が絶対崇高なる存在、汚されてはいけない神聖な存在を「金閣寺」で表現したという話がありますが*1、その自分の中の神聖な存在が崩れ落ちるという感覚がありました。

 そんな話をすれば内山の敗戦がどれくらいインパクトがある出来事だったか伝わるでしょうか?それぐらいセンセーショナルな出来事とはいえ、個人的に意外な出来事ではありませんでした。「ああ、やはりとうとうこの時が来てしまったか…。」という感じでしたね。

内山の敗因は年齢の壁・「衰え」によるもの

 何故か「内山高志」「コラレス」「敗戦」などのキーワードで試合の感想をググってみてみると、語られていないのですけど、今回の内山高志の敗戦の本質は「衰え」ですからね*2。そりゃ、今年37歳(2017年には38歳ですかね)のボクサーが戦って勝つのは無理がある。格下ならともかく、前回敗れた相手=ギリギリの勝負をしなくてはいけない相手。そんな相手に勝つことはかなり難しい。

 年齢の壁に勝てる選手はどこにもいないのがボクシングの常識ですからね(ヘビー級などのパワーが規格外なクラスだと例外的なボクサーが存在しますけども)。16年の最初のコラレスとの試合の時点で36歳、それで敗れたということは、もう「衰え」以外の何物でもない。全盛期のピークを過ぎて限界が来たということ。日本人ボクサーがリマッチで勝った事例もここ最近では川嶋に勝った徳山の事例くらいで殆ど勝つ可能性はゼロに近い(徳山は格下川嶋に一撃をもらってしまってのKO負けという背景を考えるとなおさらですね。後どうでもいいことですが徳山は帰化していたっけか?まあどうでもいいでしょう日本ジム所属=日本人ボクサーということで)。

再戦は内山が勝つ可能性が高いと思っていた

 ただ、事前にコラレスとの試合・りマッチでは内山が勝つ可能性も高いと思っていました。試合内容を観ていない段階で、「ホーリー・ボクシング」さんの内山 vs コラレス というブログ記事を見て、内山の右に下がる癖を突かれたという文章を読んで、こう思いました。

 普通のスタイルで戦う中間距離のボクサーが、身長の低さを活かしてラフなインファイトにもちこむという戦略・戦術に出た。まともに戦って内山に勝てるはずがないから、自分の本来のスタイルを捨てて相手が苦手なことを徹底的につく作戦に出た。自分の長所を活かすよりも相手の短所につけいることに勝機を見出した。普段自分がやらないことを会えてやる大胆な作戦・賭けに出た。そのため本来のファイトスタイルとはガラッと変えて、全く違うボクサーと戦うことになった。それに面食らって戦前に構築したプランが崩壊して、事前予想とは違う戦略を立てないといけなくなって「どうしようかな?」と内山が戸惑っていたところ、不用意な一撃をもらって負けてしまったのだろう。ーとまあそんなことを実際に映像見るまでは思っていました*3

 であるから、所詮付け焼き刃のインファイト。再戦が決まったのなら、相手のファイトスタイル・手口を研究して対策さえきちんと済ませれば、格下相手に本来の戦い方をすれば負けることはない。内山が衰えているとしても、偶然の要素が強い敗戦ならば、リマッチで勝つ可能性も十分あるだろうと考えていました。

 衰えの段階・程度がどのくらいか、それによって勝負は見えないが、まあ6・4か7・3で内山が判定勝利するのではないかなと思っていました。が、結果はご承知の通り敗戦。いずれにせよこれが内山の最後の試合になる可能性が高い。ならば書く気の無くなったボクシング記事を書かない訳にはいかないと実際の試合を第一戦からチェックすることにしました。

コラレスの実際の動きを見てイケるという予断は全く消え去った

 「コラレスというのは、小さくて本来中間距離の選手。スーパーチャンピオンと戦うために強引にインファイトに持ち込んだ。そこまで巧い・強い選手ではない。格下の選手だ。」ー誰だそんな適当なことを言ったやつは!と言いたくなるくらい素晴らしい動きをしていました。第1Rの最初の動きを見ただけで、「あ、これヤバイ。強いぞ」とすぐわかりました。

 リゴンドーやドネア、ガンボア(だったかな?)というような天才型・万能型の系列に数えられるボクサー。まあ人によってはドネアはちょっと違うだろという方もいるとは思いますが、個人的には天才型・万能型と一括りにしています。

 とにかく(スピードが)速いし、(行動するまでの起動時間が)早い。バランスがいいからどんな態勢・姿勢からでもパンチを打てる。万能型はガチャガチャ動きながらもいきなりパッて飛び込んでパンチを放り込んでくる。出入りがうまいんですね。そして回転力がある。コンビネーションが豊富。あれだけパンチを次から次へとバランス良く繰り出されると対処するのは相当難しい。

 内山のようなハードパンチャーの一撃をもらうのは爆弾処理をするのと同じことだと書いたことがあると思いますが、手数&スピード&回転力というのも似たような性質があるといえます。破壊力がないとしても、速いパンチをもらってしまうと一瞬効いて意識を失ったところに2・3発まとめられてもらってしまう。それがダメージとなってのちのちのKOにつながってしまうということになるので簡単には踏み込めない・攻められない。


問題は1Rではなく、2R目の左のクロスを合わされたこと。

 実際に最初の試合を見たときに、最初の1Rのダウンはあまり大したことのないものに見えました。ガードを下げるスタイルの内山は、右にスウェーでかわす癖がある。癖があるというよりも、そもそも内山相手にパンチを放り込めるボクサーがこれまで存在しなかった。一撃・二撃を右にスウェーするだけで、もうその次の追撃を貰う可能性はゼロなのでそれでなんの問題もなかったんですね。

 個人的に「いけない」と思ったのは、2R目の右にカウンターを合わされた時、左のクロスを被されたときでした。見ていて「あっ!」と声が出るくらい完璧にタイミングを合わされた一撃でした。KOタイムが2:59で、あと1秒あれば…と言われていましたが、あそこまで完璧にご自慢の右ストレートに被せられたらあそこで試合が終わっていなくても相当厳しかったと思いました。

 カウンターを合わせられる。タイミングが完璧だったというのは、実力の差がはっきりないと相当難しいこと。たまたまや偶然の出来事で片付ける訳にはいかない現象。個人的にはこちらのほうが問題だと思いました。

 最初の1Rのダウン・追撃の話にもつながるのですが、これまで内山はそんなパンチを貰うことはなかった。右にスウェーする癖があるから、研究されてその対策がハマった結果と言われていますが、それが原因で負けたのでしょうか?個人的には違うと思います。これまでコラレスというタイプの選手と当たっていないにせよ、世界の強豪をことごとく屠ってきた内山相手に似たような対策・作戦で挑まれることがなかったとは考えにくい。

なぜ内山はコラレスのパンチを貰ってダウンしたのか?

 ではなぜ内山はその一撃をもらってしまったのか。戦後「パンチが見えなかった」というコメントをしたとおり、視力の衰えがまず考えられると思います。それもあるのでしょうけど、やはりパンチ力・体の圧力の衰えなんでしょうね(人によってはこの2つパンチと体の力を分けて捉える人もいると思いますが)。

 ハードパンチャーとやるときというのは、どうしてもディフェンスに比重を置かないといけない。西岡がドネアと対戦したときに右のガードを上げて挑みましたよね?ああしないとドネアと戦えないというプランで挑んだ。その時点で西岡の勝つ確率というのはかなり乏しかったんですね(もちろん、それが間違っている。そうすべきではないという話ではありません。もう一つ一応書いておくと、ドネアは今の階級よりも低いときはハードパンチャーと言ってよかったのですが、上げてからはどちらかと言うとスピード&タイミング系ですね。一応補足)。

 ハードパンチャーの考えられない重い一撃を食らってしまえば、それで試合が終わってしまう。ものすごいリスクがある。それ故にどうしてもいつもよりもディフェンスに比重を置かないといけない。普段の比重が、オフェンスとディフェンス5:5だとしましょう。それを4:6や3:7にしないといけなくなる。

パンチ力・体の圧力=防御力

 そうなるとディフェンスに力を入れている分、攻撃力が落ちるんですね。言うまでもなくボクシングというのは攻防一体型の競技、攻撃と防御・守備が明確に分割されている野球のような競技とは違うわけです。ターン制でもないので、攻撃・自分が攻めているという局面でも常に守備や防御に意識を割いておく必要性があるわけですね。

 モハメド・アリがかつて来日したとき、当時目新しいパンチングマシーン測定機械を前にして、アリのパンチ力を試す!!という実験?イベントが行われたところ、アリは軽く打ってライト級くらいのパンチ力だったという話がありました。アリは実戦・試合で防御を無視して全力でパンチを打てる機会なんてないよ、こんなパンチ力測る機械なんて意味がないということを知っていたわけですね。機会ゼロだけに機械もゼロ=無意味(激ウマ)だと。

 最近だと、八重樫が稀代のハードパンチャーロマゴンと戦った試合がありました。八重樫もハードパンチャーではないにせよ、それまでの試合で絶妙なテクニック・試合運びを見せただけに、彼のテクニックが一体どう発揮されるのか?というポイントが有りました。が、実際にはそのテクニックをほとんど発揮することなくやられてしまいました。これも相手のパンチ力を警戒する必要から、攻撃に割くことができる比重が落ちてしまったからですね。

ハードパンチャー相手に防御の比率を下げることは本能が許さない

 となると、「そもそも相手は天下に謳われる名ボクサーなんだから、そんな防御なんかに意識をおいてないで、いちがばちか攻撃に意識10とか9とか8とかおいて、玉砕覚悟でドーンとぶつかっていかんかい!消極的で見ていてつまらんわい!初めから勝ち目が殆どない戦いなんだから、男ならやってやらんかい!」と思う人がいるでしょう(と言うか、昔そんな馬鹿なことを書いた気がする(^ ^;) )。

 そういうふうにできれば簡単なんですけども、6とか7とかくらいに比重を上げることはひょっとしたら人によっては可能かもしれませんけど、人間には防衛本能というものがある。そしてボクサーは当てる練習と同じように避ける練習・躱す練習をするわけですね。そういう長年の練習の上でパターン的な反応をするのが刻み込まれていますから、強打を前にして玉砕覚悟で!とやったとしても自然と体が反応してしまうわけですね。

 先に肌・皮膚や身体で感じて、頭で判断するよりも前に行動を起こしてしまうのがスポーツ・武術の妙。その自然な反応を抑制して危険な行動を出来るかと言われるとかなり難しいでしょう。むしろ身体と脳のバランスが崩れてイップスみたいな変な状態になりかねない。まあ言うは易し行うは難しってことでしょうね。

圧力が落ちた結果、内山の間合いコントロールも落ちた

 まあ、長々書きましたけど、要するにこれまで内山はその強打の威力で相手を自然と下がらせていた。ディフェンスに意識を向けざるを得ない状態に追い込んでいっていた。内山の圧力を前に踏み込めるボクサーなどいないということですね。相手が内山の強打を意識するあまり防御重視で攻撃力が落ちる、結果内山はディフェンス面に気を取られずに攻撃に専念できる(あくまで比率の話で、もちろん本人の意識の上では当然ディフェンスも重視していたと思いますけどね)。相手が防御重視→攻撃専念が可能→なおさら相手は防御意識→∞…のまあ好循環サイクルですね。だからこそ内山は圧倒的な強さ・KO率を誇ることができたわけです。

 「攻撃は最大の防御」といいますけど、優れたディフェンス技術の一番の基礎は実はパンチ力という矛盾した前提があるわけですね。内山のパンチ力の衰えというのは=ディフェンス・防御力の低下とイコールだったわけです。

 コラレスの真価は今後明らかになるとして、良いボクサーであるのは間違いないものの、かといって内山相手にあそこまで簡単に踏み込んでパンチを振れるというのは全盛期の内山なら考えられなかったでしょうね。全盛期でないにせよ、三年前の内山だったら判定に持ち込めても、もっと動きを制限されて、手数が出せずにコラレスは判定負けしていたと思いますね。

 内山のほうがリーチで7センチ長い。内山のほうがその分有利にも関わらず、間合いをコントロールしていた時間が長かったのはコラレスだった。これもいかに内山の圧力が失われたのかという裏付けのひとつになるでしょうね。

 1Rのダウンも2Rのダウンも、要するに内山の圧力が減ってこれまでなら踏み込めるはずのない間合いに踏み込まれたから。圧力の低下=間合いコントロール能力が衰えた・内山の支配エリアが縮まった結果、内山は本来想定する必要のないスウェーした状態から追撃のパンチを貰ってしまった。コラレスのディフェンスの比重を上げることができなかったが故に右にカウンターを合わされてしまったということでしょうね。


30歳の壁・35歳の壁

 内藤も長谷川も30歳を超えたあたりで少し「おや?」というところが出てきた。そして35歳ともなればもう限界、まず無理ですね。むしろ内山は35歳でそれほどの相手ではなかったと言っても3RKOという健在ぶりを見せつけたことを賞賛すべきでしょうね。西岡も「もうキャリアを終える、最後にやるとしたらドネアしかいない」ということになったのが35歳だったことを考えると当然すぎる結果ですね。

 不沈艦・難攻不落の要塞内山が陥落した今、山中慎介が日本の現役最高ボクサーと考えられるわけですが、彼もその35歳という壁に迫りつつあるわけで、モレノというスーパースターを下して、最後の試合は一体誰とやるのか!という段階に入っているといえるでしょう。

不利な再戦で今回の戦略・戦術は最適だったか?

 内山は前回の対戦よりも衰えることはあっても成長することはない。対照的にコラレスはこれからのボクサーで成長する可能性が高い。コラレスの調整失敗などがなければ、前回よりもさらに悪い条件でぶつかることになる。リマッチ・再戦の難しさというよりも年齢の時点で既に不利。基本的に「相手は更に強くなり、こちらはさらに弱くなる」という前提の上で戦略・戦術を構築しなくてはならない。果たして今回の対戦はその工夫があったのか?とセコンドの姿勢に疑問を覚えました。

 内山の戦略というのは世界トップクラスのパンチ力の圧力で相手を下がらせて、序盤は相手を覚えることとボディで相手のスタミナ・戦闘力を削る作業に集中する。そして頃合いを見計らって仕留めるという基本的なものです。内山の強打を嫌がって誘導して、ガードを下げさせて上を打ったり、頭を下げさせてこちらに近づいたところにボディ・下に打ったりとKO前には相手をコントロールして、今の自分から打たれに行っただろという状態に追い込む、追い込み漁が内山のハンティングのパターンの一つですね。今回はその追い込みがろくにできなかった。

 というか、ああいうスピード型を捕まえる・仕留めることは衰えた今相当難しい。その相手を追い詰めるために何をするのか?足を使うのか、これまで持っていなかった新しいパンチ*4を身につけるのか、スイッチか、遠くなる間合いを潰すために体・肩をぶつけていって距離を潰すのか、サウスポーの得意なノーモーション(空手で言う追い突きですね)の左ストレートは自然と頭が流れる位置が一定になるのでそれにカウンターの左を合わせるのか…。

 まあ色々考えられると思うのですけど、そのような目新しい対策がなかった。既存の強打からのプレッシャーで終盤仕留めるという戦略を採用してしまった。これでは再戦で勝つのは難しかったでしょうね。

 特にまずかったのは内山が右を振れなかったこと。本来、ガードを下げて圧力をかけるスタイルだったのに、ガードを上げて相手の左を警戒しながら戦った。結果、右の手数が減ってしまった。一番警戒すべき大砲がない以上、コラレスは非常にやりやすかったでしょうね。

 KOされたきっかけの左のクロスが見えなかったとは言え、ガードを終盤まで上げ続けたのはどうなのか?序盤右のボディで削って相手のスピードを落とせた、危険性はもうないという段階でガードを下げて本来の内山スタイルに戻すべきではなかったか?あのスピード&回転力のあるコラレス相手に右のストレートを振らずに勝とうというのはいくら内山でも無理がある戦略に見えました。

 まあ、それを言うなら前回の最初の試合で想像以上にスピードがある。1Rでダウンを喫した時点で、「ちょっとスピードあるからガードを上げて、ボディ叩きに集中して削って、パンチをもらうリスクを下げようか」という指示を2Rはいる前になぜ出せなかったのかという話になるのですが。

 6Rくらいから行こうと思っていたという話だったようですが、実際内山優位に持ち込めたのは終盤の9Rから。消化不良で余力を残して終わってしまったというように、ペース配分に問題があった(もちろんこちらのペースに持ち込む戦術が欠けていた結果ともいえますが、右を振れず終始コラレスペースでしたからね。勝負をかけるポイントになる局面が殆どなかった結果ともいえます)。

大晦日の再戦というスケジューリングへの疑問

 どこかでガッと勝負をかける瞬間・詰める瞬間がなかったのでスタミナが落ちているのか?と心配をしたのですが、試合後のコメントを聞くとどうもそうではなかった様子。事前に復帰戦をやって前回2Rで終わっているので試合感の調整、また今のコンディションで12Rといわなくても長いRを消化できるかどうかの確認をやっておくべきではなかったでしょうか?

 長谷川が三階級制覇に失敗した時の事前の試合で調整・次戦の世界戦を無視した試合内容だったのを見てこれはまずいのではないかという話を書いたことがありましたが、特に負けた後新しいことをやらなくてはいけないという段階で復帰戦をパスしての再戦というのは非常に疑問の残る陣営のスケジューリングだったといえるでしょう。

 TV局の都合、大晦日に必ず試合をやるという変な縛りを考慮しなければ…と思わざるを得ませんね。8・9月頃に復帰戦を挟んで、そこから半年を目処に再戦というスケジュールは組めなかったのでしょうか?年齢との戦いになるので間を開けるのも良くないのでしょうけど、間に一試合挟んで短い期間になってしまうけども、すぐ再戦というスケジューリングの方がまだ良かったという気がします。コラレスの都合が優先される、再戦の機会を実現するのにはその日程しかなかったというのなら話は別ですが…。

 セコンドへの疑問は盛んにジャブを突いてという指示を出していたこと。それはセコンドがあえて言うほどのことか?ということと、ガードを上げた状態でこれまでの位置からのジャブと軌道が異なるのにそのジャブをある段階までならともかく、始終やらせるべきかという疑問があるからですね。

 そりゃジャブは基本ですけど、普段の下げた位置からではないジャブは内山は慣れていないはず。上から打ち下ろし気味、かぶせるようなジャブになってしまう。それでは内山本来のジャブ・真っ直ぐ系のパンチの威力が出ないのではないか?

 たまに上から相手のガードを下げさせるようなジャブをすることはありましたが、今回はそのようなキレのない上からのジャブが目立った。内山のまっすぐ系のパンチは目を見張る物がありますが、今回はそのまっすぐ系が右のストレート以外にジャブもキレが悪かった。もちろん良いジャブもありましたけどね。相手が下がって、回って距離が空いていたとはいえ、かなりキレの悪いジャブがありました。

 どこかの段階でいつものように右ボディをぶち込んで、相手の動きが衰えた所でガードを下げていつも通りのスタイルで行けという指示をだすべきだったでしょうね。ガードを高く挙げた分、これまでの内山のパンチの軌道ではなくなった。その微妙な違いが与えた影響は軽視できないでしょう。内山はグローブで鼻あたりをこするという癖がありますが、その癖がいつも以上に目立っていたと思います。普段の自分の思うプラン、相手をコントロール出来ないという苛立ちが彼の癖となって現れたと思います。思い通りに行かない時に人はいつもの癖で心を整えよう・落ち着けようとするものですからね。

負けた後の再戦は基本戦略と方針を変えなくてはいけない

 輪島氏が再戦で勝った経験から、再戦の心持ちとして同じようにやったら前回と同じ展開になる。初めの3Rで6R分の力を使って戦うくらいのペースで挑まないといけないという話をしていました。相手のスピードという性質を考えると、輪島氏のアドバイスをそのまま応用できないのは確かですが、同じようにやってはいけないというのは当てはまったはずです。何かいつもとは違う切り札を用意しておいてほしかったですね。

 右のガードもそうですが、左のガードを上げることで、ソリスをKOしたようなショートフックも出しにくくなる。相手がスタンスを広くして頭の位置を自由自在に変えてくるタイプでその動きを制限するためには、低い位置からの左のショートなど、動きを制限するパンチが重要になる。相手の体を起こすためにもどこかで左を低い位置において見せてほしかったですね。

 再戦というと最近では山中に敗れたモレノマクドネルに敗れた亀田和毅を連想しますが、勝った相手もそのままではいない。再戦する上で前回やった相手との経験を活かしてさらに作戦を練ってくるもの。前回は自分がこういうのがまずかった、その不味かった点・短所すら克服すれば、気をつければ次回は勝てるという安易な想定があったように見えました。当然その考えは相手にもわかると言うか、想定の範囲内。負けた方はさらにもう一つ二つ相手の予想外のことをしないといけない。

 亀田興毅が判定に疑問符が付いた結果、ランダエタと再戦して今度は前回と全く違うスタイルで足を使って完封したように、再戦というものには前回とまるで違う何か別の引き出しが必要であるというふうに個人的には思えました。

コラレスの終盤の「逃げ」よりも問題は審判のジャッジ

 試合を見て、9R以降逃げ回っていて汚い・卑怯だ!という意見を持った方が多かったようです。が、内山のようなハードパンチャー・名チャンピオン相手に真っ向から打ち合えというのがそもそも無茶な注文。ポイントで勝っていれば、まず普通は逃げ回るでしょう。ボディが効いたのなら尚更ですね。

 内山本人も言っていましたが、ああいう逃げ回る相手でも仕留めないといけない。ボクシングというのはそういう競技ですからね。しかし疑問に思ったのはレフリング、レフリーの判断ですね。いつも言うように相手がクリンチを多用したらしっかりホールディングの反則を取らないといけない。一回目はよくあることなのでいいとして、二回目で注意して、三回目は絶対に減点しないといけない。次のRにまたいだとは言え、ボディが効いて嫌がって四回目のクリンチに入ったとき確実に減点すべきでした。あれをやらなかった以上、もうボクシングとしての競技は成立していない、競技になってないですね。

 ホールディングを取って、-1点にしても総合的な判定には影響がなかったと結果から逆算できますが、あの時点でしっかりレフリーがホールディングを取っていれば、これ以上はクリンチができないとコラレスも陣営もクリンチをためらうし、クリンチでしのげという指示も出しにくくなる。そこに内山がパンチを当てる機会が生まれる。反則一つとる・とらないで展開がガラッと変わる。そういう重要な所でしっかり反則を取れないボクシングの試合ほど見ていてイラッとするものはないですね。

 今回の試合はコラレスが上回っていた、これに異議はない。しかしそういうアヤがついてしまうからスッキリしない、イライラするのです。仮にレフリングに問題があった、レフリーが反則をしっかり取るべきだったとあとからWBA協会がジャッジして無効試合にしても同じでしょう。だからもう一回再戦せよと司令が下ることになったとしても、内山のコンディションはこれから更に落ちるわけですからね。

コラレスの反則について

 また内山の足をコラレスが何度も踏んだという報道がありました*5。写真からすると、計4回ですかね?コラレスが内山の足を踏んでいました。記事では偶然ではないと思うがと書いてありますが、わざとに決まってるでしょう。反則をしようがなんだろうが勝つというのがボクシングのプロの世界の常識。もちろん意図的に踏みに行ったというよりも、間を詰める・前に踏み込む過程で足を踏めたらラッキーとか、仮に踏んでしまってもアクシデントの一貫、踏んでしまっても構わない。絶対踏まないようにしようとケアする必要はない。クリーンファイトに徹する必要性はない。注意されたらその時初めて踏まないように気をつけようくらいの感覚なんでしょうけどね。

 ああいうのはその場ですぐ抗議をしないといけない。ホールディングもそうですが、ラウンド終わりに反則をすぐ審判になんで減点をしないんだと問いたださないといけない。クリンチも足踏みも一回はただの偶然でも二回目からは故意であれ、偶然であれなんであれ、すぐ反則にしないと競技として成立しない。すぐにやられた側は自己申告すること、現代は映像チェックなんか簡単なんだから、ビデオ判定員がすぐチェックして、事実だと認定出来たらすぐ審判に伝える。そして次回からはR合間に反則が確認されたの減点しますと観客に周知してすぐ減点する。もちろん審判が自分の目で確かめて即減点のジャッジをするのが一番いいのだけど。いつまでたっても反則は通ったもの勝ちという伝統で興行をやっていれば、競技としての完成度・透明度が向上することはないでしょうね。

 内山は自身ではアマのエリートではないということを言いますが、反則に対して対処の引き出しがないというのは他のアマのエリートと変わらないのでは?という思いを一瞬抱きました。というか通常の内山ならそもそもそれすらさせなかったので対処とかいちいち考える必要もなかったでしょうからね。

 1Rでコラレスの前足に内山の前に出した足が引っかかってよろめいたシーンが有りましたが、ああいうのはこれまでなら絶対になかったシーンでしたからね。ああいうバランスを崩すというシーンはやはり今の内山の状態を象徴しているのだと思いました。

海外に出る日本ボクサーは反則技を練習すべし

 個人的には現在のボクシングルールが反則を積極的に減点しない以上、反則を練習に組み込んで練習しておくべきだと思います。肘打ち・頭突き・足踏み(後はローブローですか?)、日本のボクサーはこれらを練習としてある程度組み込んでおくべきでしょう。

 無論、実際の試合でそれを使えと言いたいわけではありません。かつて新コータローまかりとおる 柔道編 という漫画の中で相手を意図的に破壊して勝つケンカ柔道・ぶっ壊し柔道というものがありました。そのイカれた流儀はなぜ生まれたかといえば、より実践性を高めて護身をする上で、相手があらゆる手段を講じてくるという前提で柔道を構築しなければ、実戦では機能しない・使えないという発想から生まれたという設定がありました。

 作中で鮫島春樹が「ぶっ壊し柔道はぶっ壊されないための柔道だ」と言っていたように、反則ボクシングは、こちらが反則をするためではなく、相手が反則をしてくるとなったときに、それにやられないようにするためのボクシングになるわけですね。反則への対処をするには、反則を意図的に行う場合、どういう意識で繰り出すものなのかを知っておく必要がある。事前にどういう意識で反則をするものなのかということを十分に理解しておかないと、とっさのときに有効な対処ができないと思います。

 相手が反則をしてくる!その対処もしなくては!となると、あれもこれもケアしなくてはならなくなる。が、実際は反則をする分、他の行動が制限されるわけですから、そこまで対処は難しくない。まあ、なんの世界でも同じですが、知ると知らないでは大きな差がつくということですね。事前にしっかり知っておくべきことだということですね。予防注射みたいなものと考えましょう。

 また修羅の門なんかで、傭兵で戦場上がりの相手が反則を仕掛けた結果、主人公の陸奥が本気になって同じようにルール無視の反則を仕掛けてねじ伏せたという話がありましたね。同じように、基本的に反則をすることはないが、相手が反則を仕掛けたら、ただじゃ済まさない。こちらも反則を解禁して徹底的に相手を叩き潰すというスタンスで行かないと相手に反則の使用をためらわせることができない。抑止効果によりクリーンファイトをせざるをえないという段階に持ち込めないでしょうね。

 今回のように中南米の才能あるボクサーが勝つためにはなりふり構わない、反則しても勝てばそれでいいという考えが存在する以上は対策としてしっかりやっておくべきでしょうね。アマ上がりのボクサーが多い今、日本人ボクサーはキレイすぎる傾向があると思います。前々から気になっていましたが、そういうボクシングは変則や不意の事態に脆いんですよね。今回のように強い相手ならまだしもつまらない相手につまらない敗戦をするリスクがある以上、ジムはしっかり対策をしてほしいと思います。

判定への疑問、7ポイント差はありえない

 またやはり触れておかなくてはいけないのは判定について。ダウンさせたRと9R以降内山が取って、それ以外はコントロールしたコラレスが取ったとして、2ポイント差でコラレスの勝利とするのがまあ妥当なライン。そこから人によってジャッジが変わって、内山につけてもおかしくないし、4ポイント差でコラレスの勝ちにしても、ん~と個人的におかしいと思っても、まあ想定の範囲内。しかし7ポイント差はどう考えてもありえない。一体どこに目をつけているのかという話。

 WBAが手数を重視する傾向があるとはいっても、7ポイント差ということは一つドローで9Rコラレスがとって、内山が取ったのはダウンを与えたラウンドと他に1つだけということになる。いくらなんでもそれはない。アグレッシブに左右をまんべんなく振ったコラレスに対し、右を殆ど振れなかった内山が前半ポイントを取れなかったのは妥当。が、後半9R以降ボディが効いて逃げ回ったコラレスの手数を評価するというのはおかしい。それならとりあえず手数を出して後は逃げ回れば良いことになる。試合をコントロールしているアウトボクシングと逃げ回っていることも見極められないなら判定員なんか辞めたほうが良い。というか辞めさせるべきでしょう。

 審判・判定ともにケチがつく嫌な試合になってしまいましたね…。

反則対策の他にドーピング対策も導入すべき

 また、これは書くかどうか迷いましたが一応書いておきたいと思います。セコンドの対策に疑問と書いたのですが、コラレスが内山に挑戦する前の暫定王座決定戦の対ロドリゲス戦の映像をチェックしたのですが、正直大したボクサーには見えなかった。スピードとスイッチをすることと、コンパクトな連打があるものの、基本的にディフェンス重視でそこまでの選手ではない。内山の圧力を前にジリ貧かもしくは仕留めきれずに判定に持ち込まれるくらいの予断をセコンドが持ってもまるでおかしくないという試合でした。

 そういうボクサーが若くて成長の余地があるとは言え、内山との試合では一段階成長して別人のようなキレとスピードを持っていた。井上のように階級を一つ上げて減量から解放されて本来のパワーを発揮したとか、そういう事情があるわけでもないのに、こんなことがありうるのか…?と疑問に思いました。

 が、2013年のアービング・ベリー戦の映像があって、それを見る限り、まあ今回のような出来でもおかしくはないと感じさせる動きをしていました。

 15年5月に、同じくスーパーフェザーで現ライト級の粟生隆寛WBOの王座決定戦でベルトランというボクサーにKO負けするものの相手は禁止薬物を使用しており無効試合になったという例がつい最近ありました。

 これだけ別人のように動きが良くなるということと、内山戦以後試合をやってないことを考えると、ひょっとしてコラレスは薬かなにかやってるのではないか?と粟生の事例から疑ったのですが、過去の映像を見る限り、まあ、ああいう優れた動きをしても別におかしくないでしょうね。

 ただコラレスにも薬物反応マリファナ無効試合にされた過去があるんですね。こういう話を聞くと日本ボクシング協会は積極的にドーピング検査を試合の事前と事後に徹底化する必要があるのではないかと思いますね。海外の試合でもドーピング検査を奨励する・試合条件に組み込む必要があると感じました。

 コラレスが優れたボクサーで、今回の勝利にも異論はないにせよ、変な疑いが入る余地は事前にしっかり潰しておいてほしいと感じました。ゴタゴタでまるで機能していないJBCに望むのは厳しいのでボクサーOBやジム会長連は積極的に働きかけてほしいかと思います(というかJBCの再生が先か…)。

最後に

 とにかく、内山というボクサーは強かった。素晴らしい完成度だった。自分が見た限り間違いなく日本史上最高のボクサーでした。たまたまCSで見たファイティング原田みたいな存在もすごいと思いましたが、やはりスーパーフェザー級という軽量級が主体の日本人ボクサーの中で中量級でその実力・強さを発揮し続けた点で、やはり内山を日本史上最高にあげたいと思います。長谷川・徳山・山中と言ったスターも彼らはバンタム以下でその真価を発揮したという点で個人的にやはり内山を推しますね。

 その優れた最高のボクサーがマカオやベガスという最高の舞台で最強の相手、ウォータースやガンボアやガルシアやロマチェンコといった望む相手とやれなかったこと。せめて海外の舞台で顔を売りにいくという意味合いがあるフォルトナと試合ができなかったのかと悔やまれてなりません。

 年齢の壁に当たったとは言え、自分が戦いたいと思う強い相手と最高の場所で戦って敗れるなら納得もするもの。しかし、これからの若手のホープと戦いたくもない試合を組まされて、そこで現役のキャリアを終えるという展開を見ると、悔しくして悲しくて本当に辛いですね。

 戦って、やるべきことをすべてやった上で負けて死ぬならともかく、戦うことすらできずに退出を求められるなんて、その背景を考えるとこんなに心が痛むことはない。

 もし内山さんの友人でリングサイドにいたとしたら、号泣してしまったでしょうね。それくらい可哀想で残念でならない。負けた後も本人はやることをやった上の結果・これも天命ということでサバサバしているでしょうけど、周りはもうどん底に沈むのではないでしょうか?お通夜状態になってもおかしくないと思いますね。

 かの吉田沙保里が負けたことで取り返しのつかないことをしてしまった。日本国民すべての皆さんに謝りたいというセリフを発して話題になりましたが、亡き父への思いなど色んな思いがあったにせよ、応援してくれる人たちが自分が負けることでショックを受けてしまう・傷ついてしまうという事実を知っていたからこそ、ああいう表現・涙になったのではないかと今更ながら気づきましたね。

 いづれにせよ、内山高志さんは個人的に今まで見てきた中で素晴らしい最高のボクサーでした。ボクシングを辞めたとしても、これからもずっとファンで有り続けるでしょう。最高の試合に感謝の言葉を添えて今回は終わりたいと思います。素晴らしい試合の数々ほんとうに最高でした、ありがとうございました。

アイキャッチ用画像

内山高志写真集 漸進 (日刊スポーツグラフ)

*1:金閣寺 (新潮文庫)

*2:無論、衰えについては一応は触れてはいるものの、技術上の問題やビッグマッチを逃してモチベーションの欠如という方をより重要という見方が殆どでした。モチベーションの低下、気力の問題を軽視はしませんけども、それよりも何よりも一番大きいのは衰えだと個人的には思います。ここの文章はそういう意味ですね

*3:もちろん、本当は違ったのですが、コラレスが肘を振り回して当てたというコメをどっかでみたこともあって、己の内山がまともに力負けするはずがないという偏見・予断があって、そういう解釈をしていました。三浦・金子戦などのように、たまに内山は不用意にもらうこともあるので、その延長だろうと勝手に解釈していました。実際にコラレス戦を見て、もう一度ホーリー・ボクシングさんのブログ記事を読み直すとブログの主が書いていることと、当時思った拙感想と全然違う受け取り方をしているんですけどね(^ ^;)。思い込みというものは恐ろしいですね

*4:たとえば、出入りの激しいボクサーなのでそうさせないように、入る瞬間にアッパーを合わせるとか、当てなくてもアッパーを見せれば相手は簡単に踏み込めなくなるでしょうからね

*5:狙われた左足 コラレス・内山戦で繰り返されたあるシーン

身体の話(2016/08〜10)

だいたいその辺りに感じたことです。腕とか上半身の話が多いですね。

 腕を上げる、そして天から吊られる意識を感じて腕を降ろす。からだがより伸びる。腕と足の側軸の感覚がより通るのか、それとも肋骨が伸びる・身体の側面が伸びるという効果があるのかよくわからないが、まあそんな効果があるということに気づいた。

 掌・パームと脇のリンク。てのひらと脇を同時に意識する。両方いっぺんにやるとあまり感じない。片方の手のひらと脇に意識を集中すると、より深く脇を使える。手を前に出して行う。腕をだらりと下げた状態だとリンクをあまり感じない。反対の手を脇の下に突っ込んで腕を支えると多少は感じるけどまあリンクの意味はないかな。アイーンみたいな形で、そのアイーンを体の外側へ少し開く。座った姿勢で立てた膝の上アイーンの腕を置いても感じる。

 うまく腕と脇が繋ると脇から浮く感覚が発生する。このリンクを感じたまま、アイーンのかたちを保持したまま腕を動かす・回すと、システマの人が相手を崩すときの腕の使い方になる(上腕二頭筋の力こぶを見せつけるような腕の形から、手を握らない形でなんなく振り解いていくというのがシステマの動きで強い印象に残っているが、そういうことを意味していると伝わるといいな、伝わるかな?)。

 そういう姿勢・腕の形を好んで取っているということは、胸や肩甲骨のより深い所が非常にうまく動いているのだろう。だからこそ、相手を簡単に崩せる、何気なく倒すことが出来るのだろうとか、そんなことを感じた。

 ちなみに前述の吊るすポーズのときにも脇から開いていくという意識が伸ばす上でのポイント。腕をただ上げる、バレリーナのように上げるのではなくて、まず脇を開く=肘を突き上げる。そこから体力測定の垂直跳びをやる時のように腕を伸ばす。バタフライやシュートボールを投げるように腕を使うことで肩甲骨の可動域が広がるという話があったが、やはり手のひらを外に向けることがポイントなのだろう。脇と繋るというよりも肩甲骨の可動域を広げられるということかもしれない。

 肘抜き・肩抜き、関節の力は強い。故にその局所部位に頼りたがる。そこを支点としてヒンジ的な使い方をしてしまいがち。当然その動きは一般的な誰もが行う動きで単純かつ読まれやすい。身体のエネルギー・力の発生ポイントである中継地点の関節の力を抜いて、全身を繋げないといけない。肘抜き・肩抜きをやろうとすると、ベスト辺りに腕の操作ポイント、意識の置き所が変わる。ベストというのはこういう肘抜き・肩抜きをするための身体意識ということなのかもしれない。

  腕を浮かす、肩包体・面からの意識を持たせる胸の締め。くまのようなポーズで肩が前と上につき出て腕が浮く。大胸筋をつき出すことで、肩甲骨がつき出てくるから肩甲骨がより使われるということなのかな?ーと書いてあるけど、今見るとナンノコッチャわからん。腕を浮かせる胸の締めってなんだろう?

 腰・内転筋を直下に切る・落とす。ズルっと使いたい。股に何か挟むような意識をもちながら、仙骨と腸骨・仙腸関節を外へ開く意識。腰や足を固めないで使うのに良いかもしれない。

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先月くらいに読んで公開していなかったので。読んだメモです。

 ヤクルトはアリゾナでキャンプをやった。遊ぶ場所がないから選手が集中できた。阪神は高知で、呑兵衛が多い土地柄。選手が練習後の飲み会のことでミーティングも上の空だった。ホテルに残っている選手はだれもいなかったと。

 バレンティンがピッチャーゴロで走りもしなかった時ベンチを蹴りあげた。負けている時こそ当たり前の一塁への全力疾走、カバーリング、サインミスをしない、リードをしっかり取るなど小さなことを大事にする。プロセスを重視する。五輪やWBCなどは別、結果が何より求められる。緊張して体重が3~4キロ落ちた。

 古田始めヤクルトの選手はみんなここで負けたら意味が無いと日本シリーズに入れ込んでいた。あんなチームは他になかった(今のホークスはどうなんでしょうね?)。

 例の開幕戦の小早川の話、スライダーを狙い打った。スライダーは便利なボール。特にまっすぐを待っているときは効果的。しかし便利は弱い、狙われれば格好のカモになる。(鶴岡が日ハムにボコボコ打たれるのもスライダー&アウトロー狙いだからということなのかな)

 9回裏、5点負けてて巨人村田は初球を打った。塁に出る、つなぐ、走者を還すという3つの打者の目的の中で先頭なんだから塁に出るしかない。その確率を高めるには初球は絶対打ってはならない。あの初球をHRにしてもダメ。そういうケースだと。へぇ。見逃せば相手投手は何故初球を見逃したか考えざるを得ない。そういうプレッシャーとなって、四球なども狙えるようになると。1点差ならいい。2点差ならやはり待たせる。待たれたなら嫌だなという場面で待つのも積極性であり勇気

 根拠のある見逃し三振ならいい。2割7分の打者が3割打てるようになる。ヒットを打たれたら、そのボールから入る。凡打ならそのボールを意識しているから、違う球から入る。インコースの速球を詰まらされたら、それが気になるからゆるい球から入る。ストレートを二塁打したから、ストレートを待っていたら変化球が来て凡退した。ノム氏いわく、ヘボバッターに打たれて後悔してるんだから考えろと。ムッとしたが、人間のやることにセオリー・絶対はありえない。二重三重に状況を考えないと意味が無い。一塁ランナーが居る時は、右打ちがセオリーだが、三遊間次第では引っ張ってヒットにしてもいい。内川もそういえばそうやなぁ。基本右打ちですが、たまに引っ張って三遊間破りますからね、個人的にはもっとそれをやってもいいと思いますが。内川の場合は右打ち意識が強すぎる気が。

 長打のない自分は絶対初球を打たなかった。対照的に真中は三球連続初球凡退したとのこと。相手も打ってこないと思ってるでしょ?と返事が帰ってきた。じゃあせめて打てよと(笑)。自分のことだけを考えるなら初球から打ったほうがいい。しかしそれではチームの為にならない。古田いわく1ストライクを取れる方法さえわかればなんとかなる。それくらい大事。キクマルコンビは100球超えた先発に対して簡単に初球凡退で相手を助けてしまったことがある。それではダメ。いくら打てないクローザーだからといって30本以上打つわけではない選手が初球を打ってはいけない。

 ヒットなら同じ球を待つ。凡打なら違う球を待つというのがヤクルトのセオリーだったが、今はそれが逆に球界の定石になっている。小林は梶谷に外ボールの次にインコース二球続けて要求し追い込んだ。しかし3球目にまたインコースで打たれてしまった。2球続けて追い込んだことで自分の配球に酔ったのでは?内角は量ではなく質谷繁はその意識のさせ方が絶妙にうまかった。ここでというところでインコースにボールが来て、殆ど打った記憶が無い。その次に筒香に菅野の勝負球でもない制球の難しい・長打になりやすいカーブを要求してHR。いわく緩い球は捕手にとって快感球。まっすぐを見せたわけでもない意表をついただけの球。

 日本シリーズでタイミングを図らずに初球から走ってしまった上田には自分を客観視するメタ認知が足りなかった。ショートを守っている時、打者が遅かったら確実に、早かったらリスクを承知で早く送球するというプレーしていたので、意外と打者が早くて間に合わなくてセーフになるというのが理解できなかった。宮本氏はこれを誰もが当たり前にやっていることだと考えていたようですね、さすが名手。

 牽制球の目的は3つ。アウトにする、スタートを遅らせる、心理を図る。いつもより早い牽制をさせると大体わかった。吉田義男のとき1試合3回盗塁を刺したことがあったが、それで一年間盗塁・エンドランのサインが出せなくなった。

 スライダーを投げさせてやや反応が早ければまっすぐ待ち。遅ければ緩い球待ち。追い込んだ後、打者はそれまでまっすぐを待っていてもウイニングショットがちらつくもの。また変化球に全く合わない空振りをした時も注意。続けたくなるが裏をかいてまっすぐを投げさせたくなるもの。追い込んだ時と無様な空振り、捕手はまずこの二つに注意を払うことから始めると良い。

 宮本は古田の雑談からヒントを得るために出来るだけ話を盗み聞きしていた。開幕戦の第一打席はいつも足が震えた。

 プレミアで疑問を感じたのは継投よりも守備位置。ノーアウト1・2塁で三塁線を締めずに抜かれてしまったこと。長打なら同点を覚悟しなければいけなくなる。則本の球威なら引っ張っても三塁線を破られることはないという判断でも、当然変化球を投げる。それを打たれれば最悪は起こりうる。最悪を想定して、マイナス思考からセオリー通りに締めること。外野も前進か左中間・右中間を狭めるべきだった。もしそうしていたら普通にゲッツー(打者の意図も変わっただろうが)。セオリーに反したプラス思考=よくばりがもたらしたあやまち。選手のプラス思考・欲張りはベンチが制御できる。しかしベンチがそうなればもう止められない。こういうときに勝ち試合を落としてしまう。強いチームは勝ち試合を絶対に落さないもの。

 工藤いわく一番走るかどうかわからないのが宮本。全部行く振りをしてサイン以外戻った。顔でピッチャーを見ながら、視線でキャッチャーの牽制のサインを覗いた。見ている時隙をつかれるとまずいから、そのときはコーチャーに大声を出してもらい、声が出たら反射で戻ったと。そうやってリスクの高いリードを取ったと。今はキャッチャーの牽制サインもわからないようになっている。サインが出ていなくてもわざと引っかかったふりをして、戻ったりした。刺される危険性があるのでその時はリードを小さくしていた。演技を見破る投手もいたが、そうでなければ何度も牽制をしてきたと。観客席を見ていると雰囲気でだいたい走るかどうか分かる。古田は仁志は走る時エクボができると言っていたとか。一流故の観察眼。ピッチャーのグラブなど、癖を見るコツを覚えていけばだんだんわかってくる。金森栄治氏は癖を見破るのがうまかったと。広島の山内という新人投手は確認する必要のないまっすぐの時にボールを見る癖があった。おそらく変化球で確認する癖を治すためにやっていたのが習慣化してしまった。山本昌は口をきゅっと結んでいたらまっすぐで、緩んだら変化球。セットポジションの時はどっちかわからなかった。国際大会の時は味方になるので癖を教えない訳にはいかないから大変だと。

 ボールを投げる時、微妙に中心を握れないと変化する。その変化を計算に入れて投げていた。誰でもやっていると思っていたら古田くらいだった。川崎(ムネリン)はベンチに居る時も裏方の仕事をきっちりやって試合に出ても役割をこなした。常にグラブを付けて準備をしていたと。

 三塁が新外国人選手なら守備力を見てやろうとセーフティするくらいの犠牲心がないのかと怒られた。

 日本の言葉やコミュニケーションを取ろうとしようとする、研究を怠らない選手は成功しやすい。メジャーに固執するタイプは逆。

 再生の成功は「底付き体験」をしているかどうか、最悪だから生まれ変わろうと必死になる。果たして西武では…?

 山田はビビリでその日4タコだとベンチで落ち込んでいる。松井曰く、タイトル争いは一打席でも疎かにしないこと。青木がそうだった。自分は勝っていてチームの役割が見えなくなったら、集中できなくなった。守備は逆でどんな時でも疎かにしなかった。

 インコースに投げるとバッターは肩を開く。外の変化球は逆に身体を抑えようとフォームが良くなってしまう。基本は守備・守ること。人間は楽をしたいからつい攻撃に神経が行ってしまう。聞いてるか工藤。

 メーカーハタケヤマはコストの高いキャッチャーミットにこだわって成功した。選択と集中の好例。評判から他の製品も売れるようになる。できるところから日本一になりなさいという花巻東の教えも同じ。

 97年の西武との日本シリーズでは、勝ち頭田端・吉井ではなく、左の石井一久。松井・大友といった機動力を封じるため。二戦目に牽制の巧い田端で機動力を上手く封じ込んだ。結果走れなくなった。伊東のリードにはここぞという時にインコースが多くなるという傾向があった。日本一を決めた第五戦ノーアウト2・3塁で池山がそれを読んでタイムリー。準備をしっかりしていれば、打てなかったらどうしようという心配がなくなる。確認でそんなことを考えている余地が無いから。

 野村野球は邪道に見せかけた王道。劣勢にあるときに奇策で挽回しようとはしない心理的負荷がかかる場面では失敗する確率のほうが高い。奇襲は失敗した時には致命傷、だから失敗しそうなときにはやらない。キャンプではわざと複雑なサインプレーをやって、相手を惑わそうとした。心理的に上に立つため。

 古田は若手がファールを取るのをためらって落としたら、ぶつかってでも取りに行けと一喝した。吉井も味方のミスで点を取られたらベンチで大暴れしていた。

 試合開始直後四球で二番に初球バントはありえない。立ち上がり不安定なら初球は見るべき。知識を与えれば選手は勝手に動く。自主性こそ重視する。よって、自身の判断で三遊間をしめろという指示に従わずに、こっそり二遊間を狭めてアウトにしたこともあったと。こういう事例は監督の指揮に逆らうことには変わらないわけですが、どうなんでしょうね?上がポンコツならそれでもいいんでしょうけどね…。

 優勝したら翌年はマークされて弱くなる。1.2~1.3倍の戦力にして初めて戦える。戦力補強は当然の危機管理。ソフトバンクに敗れたのはエース不在故。

 ファームで編成が来年どうしたい?の言葉で腹立って辞めますと言った。一年伸ばしたが、小川監督に気を使わせていることに許せなくて、やはり辞めることを決めた。脇役がそれでは失格。

 田中のようなこれからという選手にキャプテンを担わせたら、レギュラー落ちした場合に機能しなくなる。明確に中心選手にすべき。チームが先か、個が先か。前者だと思っていたが、青木を1番で出塁に専念させたら、結果チームも良くなったという事例から、後者ということもあるのだと気づいた。

 金本に三盗をされた時、投手への声掛けを怠ってしまった。セカンドの辻も同罪なのに何故自分だけ…と思ったが、そういう考えを持っているうちは成長しない。何かのせいにするような選手は決して大成しない。村中がいいと思うといった時、ある記者はマウンド・手などをしきりに気にして、何かのせいにしている。大成しないと言っていた。北京五輪である選手(GGか?)がミスをしてから消極的になり上手くいかなくなった。逃げ道を作らせないようにしていたが、今思えば逆に逃げ道を作らせてやるべきだった。

 野村監督は厳しいようで優しい。原監督はその逆。中日に敗れたシーズンは落合監督の影に負けた。相手の監督を意識した時、不利になる。

 コーチ兼任の時に、若手を叱ると萎縮するからやめてくれと言われた。だが、いち早く注意しないと人は成長しないと。こういうメンタリティで外様新監督やったとして、大丈夫なのかな?外様監督はチームから嫌われる傾向がありますからね。しかも監督・コーチ経験なしでは、なおさら衝突して不和で…ということになりそうな。

 古田いわく「お前真面目やなぁ。投手が投げないとわかったら、投げる前にスタート切っていいんやで」その一言で自由になれた。稲葉も新庄がスタンドに手を振っている姿を見て衝撃を受けたと。立浪に憧れて立浪のマネをした。相川曰く立浪そっくりだと。

 菊池は前に行って弾くタイプ。バッターの足など状況判断がちゃんとできていないことがある。今宮はバウンドを考えずに全速力で取りに行くから大きく弾くエラーをする。

 村中、ある若手捕手はバント失敗でランナーをみた。自分のせいではないと言いたげな表情でダメだと。広島の黒田は打たれたら必ずすいませんと謝る。

 2年目レギュラー定着しかけた時に、デットボールで手首を骨折しても試合に出続けた。オマリーは異変に気づいてボール回しをしなかったが、ショートの池山はお構いなしだった(笑)。09年骨折した時も自分の指じゃないと思って出場した。相川にも自分の指じゃないと思えば大丈夫だと。

 石川は投げてと言われれば嫌な顔をすることは絶対無い。だから10年に6連敗しても11連勝して巻き返した。

 上原はスッポ抜けて頭に行った球をフォークが抜けたので大丈夫としれっとしていた。松坂も同じ。石井一久もプロは速球だけではダメ、変化球が大事だと言っていた。バカそうに見えたので4年で寮から出られるはずなのに、野村監督はそれを許されなかったが、彼の考えを話したら、バカを演じているのか騙されたなとのこと。